年始の番組だったか年末の番組だったか、どちらだったのかが定かでないのですが、社会学者の加藤諦三氏が、広くみられる今の世界情勢や社会現象について、キーワードとなるものは“ 絶望 ”だとおっしゃっていたのを聞いて、腹にすとんと落ちる感覚がありました。
それは暴力的な事象だけではなく、度を越した経済活動などにもみられるのではないか、という内容だったと思います。絶望感が人を暴力的であったり、享楽的であったり、刹那的であったり、そのような行動に押しやるということは、極端に表に出ている社会現象についてその原因は特別なものでなく、実は私たちの身近にあり、それをきっかけに人は転がっていくと考えれば、一見、異様に見える事件などが大きな世の中の流れとつながるように思います。
このことを映画でたとえると、一番わかりやすいのは、もしかするとスターウォーズかなと思ったりします。フォースの暗黒面と、そこに落ちる過程がそれにあたるのかなと。アナキン・スカイウォーカーがダースベーダーへと変わっていくあたりなどはそうかもしれません。同時に、ダースベーダーからアナキンに戻ることができるところも、絶望から立ち直る過程としてあてはまるのかもしれませんね。
しかし、この“ 絶望 ”感は特別なものではなく、些細なことも含めれば、私たちのすごく身近なところに存在するものであるし、私たち自身がそれを感じやすいことをから目をそらしてはいけないと思います。
“ 絶望 ”に目を向け、それにどう向かい合うかによって、私たちのこれからが変わっていくのではないかと思います。絶望感に共感し、それを昇華させるような行動に私たちが取り組むことができたら、世の中はもっと寛容になり、次のステップに私たちは踏み出せるような気がします。