ルイガノ旅日記

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台湾縦断4日間③(旧鉄橋空中歩道、勝利星村、蓮池譚)

2023年05月03日 | 北九州
台湾二日目の午後です。客家料理のランチの後は、高雄市の近代鉄道遺跡「旧鉄橋空中歩道」へ。
ここは日本の台湾統治時代、総督府所属の技師、飯田豊二が設計・建設を主導し、1913年に完成した鉄橋です。台湾で2番目に長く最も流域面積が広い「高屏渓(こうへいけい)」という大河に架けられた橋で、全長1526m。当時としてはアジア最大の鉄橋だったので、「東洋一の大鉄橋」と呼ばれました。


今は鉄橋としては使用されていませんが、眼下を流れる高屏渓や岸辺の湿地帯など、水と緑が織りなす風景と相まって、「空中歩道」として人気の観光スポットになっているそうです。


近くには、プルメリアやブーゲンビリアなど、南国らしい花が咲いていました。


この鉄橋の建設に尽力した飯田技師は、過労のため病に倒れ、橋の完成を見ることなく亡くなりました。享年40歳での早逝でした。この鉄橋の百周年に際して高雄市は、飯田技師のご子息二人を式典に招いたとのことです。台湾の人は親日的と言われますが、本当に義理がたいですね。


高雄からもう少し南下すると、「屏東(ぴんどん)」という町があります。私たちが立ち寄ったのは、2018年にオープンした「勝利星村 V.I.P.ZONE」。元々は日本統治時代、日本陸軍の居住地として建設されましたが、戦後は台湾軍が接収し更に拡充したもので、現在も69棟の建物や庭が残り、当時の面影をよく保っています。


2007年に歴史建築物として指定されたこのエリアは、2018年には「勝利星村創意生活園区」とその名を改め、クリエイティブな集落と町に生まれ変わりました。日本と台湾が融合したようなノスタルジックな雰囲気を残しながら、オシャレなカフェやアートが楽しめる空間にリノベーション。多くの飲食店やアトリエ、工房が営業しています。


手軽に日本気分を味わえる日本風の宿泊施設や、着物やチャイナドレスのレンタルショップなどもあるそうです。


通りがかりの冷たいスイーツのカフェ。散策のフリータイムは残りわずかでしたが、汗ばむ日差しを避けてひと息つくことにしました。


冷たいお茶やかき氷で涼みながら、緑あふれる庭を眺められる素敵なカフェでした。


写真を指差して頼んだ「小時候麺茶」のかき氷は、口に入れた途端、溶けてなくなるほどきめ細かくて繊細。その氷を覆いつくす寒天やわらび餅に小豆などなど……。比較するものがないのでわかりにくいですが、大きめの丼くらいの器に入ってボリュームたっぷりでした。


甘さ控えめのソフトクリームがトッピングされた「無敵霜刨」は、「小時候麺茶」を超えるくらいボリューミー。
どちらもとっても美味しくて、ゆっくり味わいたかったのですが、そこはツアーの悲しさ。集合時刻が迫っていたので、後ろ髪をひかれながら半分残して店を後にしました。(残して申し訳ないと事情を説明~💦)


屏東から高雄に戻って訪ねたのは蓮池譚(れんちたん)。その名のとおりたくさんの蓮が花咲く池で、湖畔に建つ孔子廟をはじめ龍虎塔や春秋御閣、北極玄天上帝神像や保生大帝を祀った道教寺院「慈済宮」などと合わせて、高雄随一の観光スポットとなっています。


蓮池潭で最も有名なのが七重の龍虎塔。湖畔からジグザグの九曲橋を通って、龍の口から入り虎の口から出ることで、災いを福と為すパワースポットとされています。(現在は修復中のため、塔の上に上ることはできません)


池沿いを北に歩くと見えてくる北極玄天上帝神像。
池の周囲には遊歩道が巡らされていて、歩くだけなら1時間ほどで一周できます。犬を連れた人やカップルで散歩する地元の人をたくさん見かけました。


道路を挟んで龍虎塔の九曲橋の向かいに建つ廟、「左営慈済宮」。1719年(康熙58)、医学の神様とされる保生大帝を祀って建立された、300年の歴史がある道教寺院です。お医者様が神様なので、参拝者は健康や病気からの快復を祈願します。


赤や金に輝く煌びやかな廟の内部。


赤い棒を引き出して、その棒に書いてある番号の引き出しからおみくじを取り出すという、慈済宮ならではのおみくじです。


まずはこの赤い三日月形の板を2枚、平らな面を合わせて床に放ります。片方の面は陰、もう一方の面は陽を表しており、陰と陽が現れた時だけ(写真の状態)、上の写真の赤いおみくじ棒を引きます。


お医者様が神様だけに、引き出しから取り出したおみくじはまるで処方箋。健康面で注意することや病気の直し方が書いてあります。私には読めませんでしたが、頼めば日本語のできる寺院の方が解説してくださるそうです。


左営慈済宮前の果物屋さん。マンゴーやグァバ、レンブや釈迦頭、パイナップルなど、台湾らしい季節のフルーツが並んでいました。


さて、この日の夕食です。すでに大型バスがずらりと並んだ、会場近くの駐車場。
正面に幾何学模様の変わった建物が見えました。


大型バスの中になんと、くまモンバスが……。台湾でくまモンに出会うとは思わなかったなぁ (^^ゞ


夕食会場は、こんなに広いレストラン。この日の夜は海鮮中華です。


お約束の台湾ビール。台湾ではキーンと冷えたと言うよりも、ほどよく飲みやすい温度で提供されることが多かったです。


前菜からスタート。


蒸しエビ。


干しエビが香ばしかったチャーハン。


いろいろ入った具だくさんのスープ。


席に着いた時からグツグツ煮えていた鍋。キャベツたっぷりですが、いったい何の鍋でしょう?


鍋の中には、丸鶏と豚のすね肉などがぎっしり。


白身魚の煮物。濃い味つけのように見えますが、意外とあっさりしていました。


桃饅頭。


食事の後は、愛河クルーズに出かけました。桟橋付近の遊歩道は、ライトアップされたカフェなんかもあっていい雰囲気。


愛河の河口にかかる橋をいくつかくぐって、港の入り口までプチクルーズ。港に接岸するクルーズ船の灯りがきれいでした。


30分ほどの短いクルーズでしたが、川面を渡る風が気持ちよかったです。船から見る夜景もいいものですね。


紫色にライトアップされた風変わりな形のビル。夕食時にバスを停めた駐車場からも見えていた建物ですね。
幾何的に積み上げた形が特徴的なこのビルは、スペインの設計事務所が設計した音楽ホール、「高雄流行音楽中心」の一施設。帰国後に調べてみると、11ヘクタールもある広大な敷地に、野外音楽堂やコンサートホール、ライブハウス、レストラン、オフィスタワー、海洋博物館、リハーサル室、展示ホールなどが有機的に組み合わされた総合的なポップミュージックセンターのようです。


ホテルに戻って食べてくださいとガイドさんから渡されたグァバ。グァバというと、赤いジュースというイメージがありましたが、切ってみると梨のような感じでした。とっても淡白な甘みと酸味、固い果肉が印象に残りました。


長くなりましたが、台湾二日目の記録はこれで終わりです。三日目は、バスと台湾新幹線で一気に北上。台北方面に戻ります。天燈上げで有名な十分や、宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』の舞台とも噂される九份を訪ねました。
コメント (4)
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