ルイガノ旅日記

あちこち出かけた場所で目にとまったもの、
心惹かれたものを紹介しています。
よかったらおつきあい下さい。

河津桜とひな祭り

2024年03月02日 | お出かけ

昨日は、朝まで断続的に雨が降り続いていましたが、天候の回復を期待して豊前市の河津桜の名所、静豊園へ。併せて、「ひなづくし」が行われている築上町の旧藏内邸を訪ねることにしました。

 

静豊園に向かっているうちに晴れてくると予想していたのですが、思いのほか天候の回復が遅れたため、先に旧藏内邸を訪ねることに。

今は築上町が管理している旧藏内邸は、明治から昭和初期にかけて炭鉱経営で成功を収め、地元にも多大の貢献をした藏内家の本宅です。例年この時期はひな祭り、風薫る5月には端午の節句、音楽会やホタル・七夕の観賞会など、季節ごとに様々なイベントが行われます。

 

6年ぶりに見る威風堂々の玄関棟。ここから中に入って、「ひなづくし~旧藏内邸」を見学します。

 

広い邸内の各部屋に飾られたひな人形は、「西岡コレクション」と呼ばれる個人の収蔵品や旧藏内邸に伝わる品々で、その数なんと3,000体だそうです。

 

豪華七段飾りから、和紙人形、押し絵、木目込み、陶器、さげもん・・・・・。大きなものから小さなものまで、様々な種類のひな人形は圧巻です。

 

こちらは、珍しいネズミの結婚式(中央)やキツネの嫁入り風景。表情や衣裳の細部まで精細に作られていました。

 

「西岡コレクション」は、西岡一枝さん(大分県宇佐市)が、お嬢さんの誕生をきっかけに収集を始めたひな人形の集大成。先ほど、「5月は端午の節句」と書きましたが、旧藏内邸で行われる五月人形展で展示される甲冑や兜、五月人形や鯉のぼりも西岡コレクションのひとつ。ひな人形は奥様、五月人形はご主人の趣味で集められたものだそうです。

 

日本全国の陶器作品などを集めた雛段もありました。

 

一番下の段に飾られていたのは大内人形。私の郷里山口で作られている漆塗りの人形で、室町時代に中国・九州を実効支配していた大内家の9代目当主 大内弘世が、京から迎えた奥方の寂しさを慰めるために作らせたのが始まりと言われています。

 

涼し気な目をしたこんなひな人形も気になりました。

 

大広間を囲む広い縁側。緩やかな丸みを帯びた弓型天井が、優美な雰囲気を醸し出していますね。

 

南向きで日当たりがよいため、寒い日でもぽかぽかと暖かいこの縁側。旧藏内邸では、縁側の椅子に座って座観式の庭園を眺めながら、煎茶とお菓子をいただくのがわが家の定番です。お茶は八女産、お菓子は自家製のひなあられ。(いつもは地元築上町の銘菓、生姜の香り高い「寒菊」なのですが、ひなまつりの期間だけひなあられに変わります)

 

お昼前にはようやく青空が広がってきたので、旧藏内邸から車で20分ほどの静豊園に向かいました。ここは個人が所有するみかん農園で、河津桜の期間だけ園主の好意で一般に開放されています。

 

「静豊園(せいほうえん)」は、園主の出身地である静岡県の「静」と豊前市の「豊」から名付けられたもので、「静かで実り豊かな自然農園を」という願いが込められており、300本に及ぶ河津桜は故郷の伊豆から観賞用に取り寄せたものだそうです。(豊前市公式HPより)

 

花の密度が濃いのがわかりますね。

 

小高い丘陵部にある静豊園。ゆるやかな斜面の向こうに周防灘が広がっています。

 

ひとつひとつの花が愛らしかったです。

 

満開を迎えたミモザとのコラボも印象的。少し風もあって体感温度は冷たかったのですが、ほのぼのとした春めきが感じられて気持ちのよい一日でした。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする