ルイガノ旅日記

あちこち出かけた場所で目にとまったもの、
心惹かれたものを紹介しています。
よかったらおつきあい下さい。

思い出の一枚~アルルの跳ね橋

2021年06月21日 | 絵画や音楽
美術館を訪れたときは、ミュージアムショップに立ち寄って、気に入った絵のポストカードを買って帰るのも楽しみのひとつです。家では絵葉書用のミニ・イーゼルに立て掛けていますが、時々妻が絵を差し替えてくれます。小さなカードが入れ替わる度に、その絵を見た時のことや、訪ねた場所の風景や美味しかったものなどが浮かんできたり……。
今日は、ゴッホの《アルルの跳ね橋》がイーゼルに掛けられていました。モデルになったのは、南仏アルルの運河に架かるラングロワ橋。ゴッホが描いた作品の中でも最も有名で、人気のある絵のひとつです。
晴れわたる空の下、跳ね橋の上を渡っていく幌馬車や川で洗濯をする女性たちを描いています。川面に洗濯の波紋が揺れる、のどかな春の風景です。


これがその原画、《アルルのラングロワ橋と洗濯する女性たち-The Langlois Bridge at Arles with Women Washing-》で、オランダのクレラー・ミュラー美術館が所蔵しています。
オランダ出身のゴッホは故郷の運河に架かる跳ね橋に思いを馳せて、何度もこの場所に通ったのでしょう。色彩や構図の異なる5枚の《アルルの跳ね橋》を残しています。


アムステルダムから約80㎞離れたデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園内にあるクレラー・ミュラー美術館。ゴッホの作品を87点収蔵するなど、ゴッホコレクションでは、アムステルダムのゴッホ美術館と双璧をなす美術館です。緑に囲まれた広大な敷地に数多くの彫刻を展示する、ユニークな彫刻庭園もありました。


アムステルダム国立美術館所蔵のゴッホの自画像。ゴッホは多くの自画像を残していますが、これは灰色のフェルト帽をかぶったものです。


こちらは、2018年に公開された『永遠の門 ゴッホの見た未来』。アルルの広大な大地をひたすら歩き、自らの目に映る美しい風景を描き続けたフィンセント・ファン・ゴッホの半生を描いた映画です。ウィレム・デフォーが、多くの名画を残した孤高の天才画家ゴッホを演じました。かなりゴッホのイメージに近いですよね。


クレラー・ミュラー美術館やアムステルダム国立美術館を訪ねたのは2013年春。実はこの年の4月、福岡空港からヨーロッパへの直行便(KLMオランダ航空)が就航したんです。九州がヨーロッパと直接結ばれたのはこれが初めてのこと。そこで就航まもない時期に、オランダ・ベルギーへの旅に出かけたのでした。(KLMはその後も何度か利用しましたが、残念ながら現在は、ヨーロッパ直行便の運航を休止しています)


新型コロナの影響で海外に出かけられない状態が続いています。ヨーロッパでは規制緩和の方向に舵が切られましたが、足下では再び感染拡大の兆候もあるようです。いつかまた気軽に海外に旅立てる時が来ることを願いつつ、絵画を通じて過去の旅を振り返ってみたいと思います~♪

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 週末は男子ごはん | トップ | 週末は男子ごはん »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
オランダ・ベルギーの旅 (tango)
2021-06-22 07:03:25
どちらも思い出が強い国でした
私も朝早くからオランダのキューヘンホフのチューリップの公園を誰も観光客が居ないときに
見学でき天国の入り口に行ったのかしらと感激しました。美術館も回りました。(真珠の首飾り)
ベルギーの古都もとても好きでした
Dukeさまも絵葉書を見て思い出されているのですね。私は平成20年の昔の旅ですからもう13年前になります。トルコに行ったのが最後で海外旅行は諸事情で全くダメになりました。
体力的にももうだめです・・・
お二人で早く海外旅行に出かける日が来るとよいですね:当店ではゴッホの複製画もよく売れます
返信する
re:オランダ・ベルギーの旅 (Duke)
2021-06-22 08:11:23
tangoさん、おはようございます~(^^♪
ミュージアムショップの絵葉書は、画家が描いた原画を実際に見て、その絵が気に入って買ったものですから思い入れが強いんです。
もちろん、旅の要素は美術館だけではありませんが、かなり凝縮された思い出が詰まっているような気がします。

私たちがキューケンホフを訪ねた日は霧雨で、4月にしては少し寒かったのを覚えています。
でも、雨に烟る花公園もしっとりとして幻想的な雰囲気がありました。
ベルギーの古都……「中世のまま時が止まった、天井のない博物館」と言われるブルージュですね。
旧市街の石畳の街並みが素敵でした。
世界が身近に感じられる日が早く戻ってほしいですね。
返信する
ゴッホ (hirorin)
2021-06-23 18:32:57
ゴッホの絵、いいですよね。
何年か前に京都でゴッホ展あった時、チケット買うのにたくさん人が並んでいました。
事前に用意していて良かったです。

昔、遠い昔。まだJDだった頃。ヨーロッパに行ったの行きがKLMだったかなあ?もちろん伊丹→成田からでしたが。
OPツアーで美術館巡り入れました。
ああ~又、行きたいですね。
でも、コロナだし体力的にきついです。

ゴッホの絵で一番好きなのが「花咲くアーモンドの木の枝」です。初め、日本画と思ったらゴッホでびっくり。ジャポニズムの影響受けてますもんね。
「星月夜」も好きです。

季節やその時の気分に合わせてこまめに絵を変えるのはいいですね。
うちは玄関に「いわさきちひろ」のを季節ごとに変えてますが、家族は誰も気が付いていません。
返信する
re:ゴッホ (Duke)
2021-06-24 08:49:07
hirorinさん、おはようございます~(^^♪
学生時代にヨーロッパですか。
お嬢様だったのですね~♪
今はムリですが、気軽に海外に出かけられる日が早くくるよう願っています。

ゴッホは、浮世絵をはじめ日本文化に心酔していたそうですね。
ゴッホの絵の中にも浮世絵が描かれているものがありました。
「花咲くアーモンドの木の枝」も、日本画の影響が強く感じられる絵ですね。
アムステルダムのゴッホ美術館にあるそうですが、この絵は見ていないんです(^^;)
「星月夜」もゴッホらしい絵ですね。
私は、ありきたりですが「アルルの跳ね橋」と「夜のカフェテラス」が好です。

いわさきちひろ、いいですね~
やさしい雰囲気、色あいに惹かれます。
もう10年以上前ですが、山口県立美術館で「いわさきちひろ展」が行われたときに観に行きました。
返信する

コメントを投稿