平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

不毛地帯 第4話 山崎豊子作品の構図

2009年11月06日 | その他ドラマ
 川又(柳葉敏郎)の自殺。 
 壹岐(唐沢寿明)はふたつの点で間違ってしまった。

★まずひとつめ。
 <日本の防衛のためにはラッキード社の戦闘機導入が必要>
 これが壹岐や川又の<目的>なんですね。
 <日本がふたたび戦争をしない、戦争をさせないため>という<理想>もある。

 一方、近畿商事。
 ラッキード社の戦闘機導入の目的は<金儲け>。
 ラッキード社の戦闘機導入という点では同じだが、壱岐たちとは根本の目的が違う。
 ここに壱岐の間違いのひとつがある。

 ふたつめ。
 目的のために手段を選ばなかったこと。
 機密漏洩、政治家の利用。正攻法ではなく裏の手段を使っている。
 でも裏の手段というのはどこかにひずみが出て来るんですね。
 それが今回は川又や芦田、小出(松重豊)の所に来てしまった。

★しかし<裏の手段>というのは戦いに勝つためには実に有効。
 正攻法なんかよりずっと強い。
 これが現実。
 学校ではきれいごとを教えるけど、そのきれいごとは現実では無力。

 もうひとつ現実を言うと、どんな手段を使ってでも勝たないと、結局は負け組になってしまうということ。
 川又がそう。
 貝塚防衛庁官房長(段田安則)に負けてしまった。結果自殺まで。
 芦田や小出もそう。
 力を持たない中途半端な悪だから、トカゲの尻尾切りで見事に切られてしまった。

 こう考えると現実って生きにくいですよね。
 そこで問われるのは、こうした現実を踏まえた上で、我々はどう生きるか?
 手段を選ばず勝ち抜いて勝ち組になるか、理想や正しいことにこだわって負け組になるか。
 それが問われる。
 そして壱岐も岐路に立たされているんですね。
 今回の最後で壱岐は「近畿商事を辞める」と言ったけど。

★理想や正しいことにこだわって来た者は負け、手段を選ばないものが勝つ。
 山崎豊子さんの作品にはすべてこの構図がある。

 「白い巨塔」では正論を述べた里見助教授はローカルな病院に飛ばされた。
 「華麗なる一族」でも万俵鉄平は負けて自殺してしまった。
 一方、財前教授や万俵大介、勝ち抜いてきた者が負けるのは、癌であったり、憎んでいた息子が本当の子であったりという現実社会の戦いとは違った部分。

 壱岐は里見助教授や万俵鉄平の方向に行くのか?
 それとも財前教授や万俵大介の方向に行くのか?


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする