平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

JIN -仁- 第4話 花魁言葉の魅力

2009年11月02日 | 大河ドラマ・時代劇
 三角関係開始って感じですね。
 咲(綾瀬はるか)ライバルは花魁の野風(中谷美紀)。
 犬のような境遇からてっぺんを獲るために必死に生きてきた苦労人だ。男を誘う手練手管も心得ている。
 女としては咲より何枚も上手。おまけに未来にうりふたつ。
 そんな野風に仁(大沢たかお)の心は傾くかと思いきや、<遊んでいくことより揚げ出し豆腐を選んだこと>で、まずは咲の勝ち?
 でも「お武家の姫さまはここで」と野風は戦うことをやめない。
 咲も写真の女性が野風に似ていることを知って心揺れる。

 恋愛はやはり三角関係ですね。
 女の戦いが直接的でなく、微妙な言葉のやりとりで描かれている所が見事。
 仁の知らない所で火花を散らしているというのもいい。
 上手い作劇だ。
 仁は<目の前の患者を救うこと>と<未来に帰ること、未来を変えること>に関心があるようだが、ふたりの気持ちにいつ気づくのか?

★さて、今回は花魁言葉。
 「あちき」「ありんす」、いいですね。
 花魁言葉はもともと地方から売られて来た娘が田舎の方言を隠すために作られた言葉らしいが、実に新鮮。
 このドラマは江戸や吉原の街並み、風俗を見せるという視覚要素だけでなく、耳でも楽しませてくれるんですね。
 それは花魁言葉だけでなく龍馬(内野聖陽)の土佐弁も。
 「ちっくと聞かせとうせ」
 実に味がある。
 こんな言葉も出て来た。
 野風が嫌な客を取るという約束について仁に問われた遊廓の女将は答える。
 「ご破算でございます」
 その他「浅葱裏」なんて言葉も。

 この言葉の懐かしさは何だろう。
 やはりわれわれ日本人のDNAにしっかり刻み込まれているんですかね。
 こういう耳に心地よい感じを与えてくれるのも、この作品の魅力、楽しさになっている。

※追記
 エピソードが落語「明けがらす」でオチがついているのもお洒落。
 朝日の中、何もしなくて三人の男が吉原から出て行くという絵。
 味があります。落語を知っていればさらに味が出て来る。

※追記
 龍馬はやはり大きいですね。
 浅葱裏=田舎侍と野風に言われたことについてこう返した。
 「それは浅葱裏に失礼じゃ。わしは脱藩浪人の坂本龍馬じゃ」
 浅葱裏と言われたことに腹をたてるのではなく、自分はそれより下の存在だと言っている。
 自分を客観的に見られて笑い飛ばせる。
 これが人間の大きさ。僕もこうありたいものです。


コメント (6)
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