昨日に続き「JIN -仁-」名セリフ。
名セリフというのはやはりキャラクターがよく出来ているから生まれるんですね。
たとえば女形役者の田之助。甘いお坊ちゃん・恭太郎に……
★「この小判は俺の血と汗と肉だ。血を吐くような思いをして芸を磨き、手に入れたそういう金なんだ。どうしても初音を助けたいのなら、まず身を切るのが筋だろうが。旗本株でも売って出直してきやがれ!」
だが、心意気には心意気に応える。
★「あの薬はあなたの血肉を刻んだ命だそうじゃありませんか。この田之助、命には命で応えるさ」
そして小判をばらまき、中条流の医者に「おととい来やがれ!」と見栄を切る。
おまけに仁たちには
★「この金は返さなくていいから。貸すなんてセコい真似嫌いなんだよ!」
まさに粋ですね。
格好良すぎる!
緒方洪庵先生も渋かった。
洪庵は「石を投げられ、私財を投げ打ってまでも人を助けたいという医の心を持った人」。
仁よりもずっと年上で地位もある人間なのに仁を師と仰ぎ、こうも言う。
★「その寂しさを、この洪庵にお預け下さい。この洪庵、冥途に持っていきます」
一方、仁もそんな洪庵を師と仰ぎ、洪庵に受けた恩をどう返せばいいかを尋ねる。
その質問に答えてに洪庵は……
★「より良き未来をお作り下さい。皆が楽しう笑い合う平らな未来をお作り下さい」
この言葉はあらゆる人に当てはまる言葉ですね。
どんな人間だって誰かの恩を受けて生きてきたし、生きている。
ではそれをどうやって返すか。
洪庵の言葉はその答えのひとつですね。
キャラクターといえば野風の恋はせつなかった。
仁に抱きしめられて脈が速くなり、そのことを指摘されると
★「この音だけがあちきの誠でありんす」
偽りの恋愛で浮き世を生きてきた花魁生活の中で仁に抱きしめられたことが唯一の<誠>だった。
何とせつない。
仁に思っている女性(未来)がいることを聞くと
★「今よりその名を呼びなんし。それなら不実になりんせん」
思っている女性の名を呼びながら自分を抱けという野風。
これもせつない。
あるいはこんなせりふも。
★「雪になりたいでありんす。雪ならばいつでも先生の方に落ちられるでありんすから」
しかし、花魁としての矜持もある。
つらければ泣けという龍馬に
★「色恋に涙を流しては花魁の名がすたりんす」
最後のキャラクターは咲。
彼女は本当に聡明で強かった。
田之助の名を呼び恭太郎を傷つけた初音には……
★「おのれの気持ちに嘘などつけませぬ。せんないものかと思いますよ」
仁にはいつもさりげない励ましの言葉。
ペニシリン工房が焼け手術中に動揺する仁に
★「先生、今日は蒸しますね」
ペニシリンがなくて途方に暮れる仁には
★「先生、青カビを集めましょう。この季節ですし容易に集まりましょう」
こんなさりげない励ましをする咲だが、時にはこんな大胆な行動も。
四百両が払えなくてペニシリンを手放さなくてはならない時に
★「私がここでご奉公いたしますから四百両をお貸しいただけませんか。少しとうが立ってありますが、旗本の娘ということで物珍しさもございましょうし」
この作品の登場人物たちは皆が真剣に戦って生きている。
だからキャラが素晴らしいし、しゃべるすべてが名セリフになる。
JIN -仁- 名セリフ その1はこちら
※追記
MISIAの主題歌「逢いたくて、いま」。
フルで聞く機会があったが、仁の気持ちを歌った歌だった。
「あなたの見つめているすべてを感じたくて空を見上げた」
「今、逢いたい。あなたに伝えたいことがたくさんある」
「運命など変えられなくても伝えたいことがある」
「どうしようもなくてすべてが夢だと願った」
「戻りたい、あの日、あの時に」
歌詞の内容が物語のシーンやせりふとして描かれている。
この曲が出来た後に書かれたシナリオもあるだろうから、この作品の脚本家さんはこの曲を見事に活かしている。
名セリフというのはやはりキャラクターがよく出来ているから生まれるんですね。
たとえば女形役者の田之助。甘いお坊ちゃん・恭太郎に……
★「この小判は俺の血と汗と肉だ。血を吐くような思いをして芸を磨き、手に入れたそういう金なんだ。どうしても初音を助けたいのなら、まず身を切るのが筋だろうが。旗本株でも売って出直してきやがれ!」
だが、心意気には心意気に応える。
★「あの薬はあなたの血肉を刻んだ命だそうじゃありませんか。この田之助、命には命で応えるさ」
そして小判をばらまき、中条流の医者に「おととい来やがれ!」と見栄を切る。
おまけに仁たちには
★「この金は返さなくていいから。貸すなんてセコい真似嫌いなんだよ!」
まさに粋ですね。
格好良すぎる!
緒方洪庵先生も渋かった。
洪庵は「石を投げられ、私財を投げ打ってまでも人を助けたいという医の心を持った人」。
仁よりもずっと年上で地位もある人間なのに仁を師と仰ぎ、こうも言う。
★「その寂しさを、この洪庵にお預け下さい。この洪庵、冥途に持っていきます」
一方、仁もそんな洪庵を師と仰ぎ、洪庵に受けた恩をどう返せばいいかを尋ねる。
その質問に答えてに洪庵は……
★「より良き未来をお作り下さい。皆が楽しう笑い合う平らな未来をお作り下さい」
この言葉はあらゆる人に当てはまる言葉ですね。
どんな人間だって誰かの恩を受けて生きてきたし、生きている。
ではそれをどうやって返すか。
洪庵の言葉はその答えのひとつですね。
キャラクターといえば野風の恋はせつなかった。
仁に抱きしめられて脈が速くなり、そのことを指摘されると
★「この音だけがあちきの誠でありんす」
偽りの恋愛で浮き世を生きてきた花魁生活の中で仁に抱きしめられたことが唯一の<誠>だった。
何とせつない。
仁に思っている女性(未来)がいることを聞くと
★「今よりその名を呼びなんし。それなら不実になりんせん」
思っている女性の名を呼びながら自分を抱けという野風。
これもせつない。
あるいはこんなせりふも。
★「雪になりたいでありんす。雪ならばいつでも先生の方に落ちられるでありんすから」
しかし、花魁としての矜持もある。
つらければ泣けという龍馬に
★「色恋に涙を流しては花魁の名がすたりんす」
最後のキャラクターは咲。
彼女は本当に聡明で強かった。
田之助の名を呼び恭太郎を傷つけた初音には……
★「おのれの気持ちに嘘などつけませぬ。せんないものかと思いますよ」
仁にはいつもさりげない励ましの言葉。
ペニシリン工房が焼け手術中に動揺する仁に
★「先生、今日は蒸しますね」
ペニシリンがなくて途方に暮れる仁には
★「先生、青カビを集めましょう。この季節ですし容易に集まりましょう」
こんなさりげない励ましをする咲だが、時にはこんな大胆な行動も。
四百両が払えなくてペニシリンを手放さなくてはならない時に
★「私がここでご奉公いたしますから四百両をお貸しいただけませんか。少しとうが立ってありますが、旗本の娘ということで物珍しさもございましょうし」
この作品の登場人物たちは皆が真剣に戦って生きている。
だからキャラが素晴らしいし、しゃべるすべてが名セリフになる。
JIN -仁- 名セリフ その1はこちら
※追記
MISIAの主題歌「逢いたくて、いま」。
フルで聞く機会があったが、仁の気持ちを歌った歌だった。
「あなたの見つめているすべてを感じたくて空を見上げた」
「今、逢いたい。あなたに伝えたいことがたくさんある」
「運命など変えられなくても伝えたいことがある」
「どうしようもなくてすべてが夢だと願った」
「戻りたい、あの日、あの時に」
歌詞の内容が物語のシーンやせりふとして描かれている。
この曲が出来た後に書かれたシナリオもあるだろうから、この作品の脚本家さんはこの曲を見事に活かしている。