平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ランナウェイ~愛する君のために 「プリズンブレイク」と比較してみる。

2011年11月08日 | 推理・サスペンスドラマ
 遅くなりましたが、「ランナウェイ~愛する君のために~」について。
 同じ逃走ものとしては「逃亡弁護士」がありましたが、ジャンルとしては未開拓の分野で新しい。
 ただ、両者とも有名な海外ドラマを意識している感じがする。
 「逃亡弁護士」は「逃亡者」。
 「ランナウェイ」は「プリズンブレイク」。

 そこで、今回は「ランナウェイ」と「プリズンブレイク」の比較。
 共通点は、
 ・主人公、あるいは主人公に関わる人物が無罪であること。無罪を晴らすための逃亡でもあること。
 ・主人公、あるいは主人公に関わる人物の犯したとされる犯罪の背景に何らかの陰謀があること。
 ・逃亡先に大金が埋められていること。

 両作品にはこのような共通点があるが、「ランナウェイ」の方がスケールが小さい感じは否めない。
 まず、陰謀。
 「プリズンブレイク」の場合は、国家的陰謀。一方、「ランナウェイ」はおそらく警察官の不祥事と隠蔽。
 完全にスケールダウン。セコい。
 まあ、制作費の問題があるし、日本では、<国家的陰謀>というのはリアリティが感じられないので仕方がないのですが。
 次に、埋められている大金。
 「ランナウェイ」では4カ所に埋められているという作劇上の障害を作ったが、先週の第2話で簡単にそのひとつが見つかってしまった。
 一方、「プリズンブレイク」では手が込んでいる。
 何と大金が埋められている場所に家が建てられているのだ。
 まさか家を壊してお金を掘り起こすなんてことは出来ないのだが、主人公のマイケルは驚くべき方法で埋められた大金を手にする。

 作品の面白さは、ある意味、アイデアである。
 大きな障害を、視聴者が予想もしない方法でクリアするから面白い。
 この点、簡単に掘り起こしてしまった「ランナウェイ」はいささか残念。

 もっとも第1話でフェリーに乗ろうとして、検問に引っかかった時は面白かった。
 検問の警察官は明らかに、アタル(市原隼人)たちを疑っている。「免許証を見せろ」と言う。絶対絶命。
 すると、一緒に連れてきた、両親から虐待を受けていた少女・宮本サクラ(熊田聖亜)が機転をきかせる。
 アタルをお父さんと呼び、免許証は前の車のお母さんのバッグに入っていると語る。
 警察官はまさか逃亡犯が子供連れとは思っていないから、アタルたちを通過させる。
 これは制作費のかからない、上手いアイデアだと思う。

 ということで、もう一度繰り返すと、作品はアイデア。
 こういう作品だと画期的なアイデアを積み重ねていくことが要求される。
 第1話の<立てこもっている家に警察が踏み込んだら偽装だった>というアイデアや、第2話の<居場所を特定していた携帯電話をコンテナに入れて警察をダマした>なんてアイデアは、視聴者が予想できてしまうからイマイチ。

 作家はもっと頭を使うべき。
 さて、今後はどうなる?

※追記
 第5話(11/24放送)では、埋められたお金の上に家が!
 対処の仕方も似ているし、これって、完全にパクリでしょう!
 作り手には節度とプライドを持ってほしい。
 独自のアイデアを出せないようなら、作らないでほしい。


 
コメント (4)
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