平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒11 「オークション」~特命係に配属される人間は『か』で始まり『る』で終わる

2012年10月18日 | 推理・サスペンスドラマ
 甲斐享(成宮寛貴)はどうも詰めが甘いキャラのようである。
 <エド・クレメンスの腕>の紛失が<値をつり上げるため>と推理した所まではよかったが、すぐに坂巻百合子(岡まゆみ)に論破されてしまう。
 結局、右京(水谷豊)がフォローして、詰めの甘いところを補う始末。
 オークションで値を5000万までつり上げる大胆な勝負をするが、これも最終的には右京にフォローされる。
 今回の『相棒』は甲斐が突っ走り、右京がフォローするというパターンであろうか。
 甲斐がブルドーザーのように道を切り拓き、右京が整地していく感じ。

 いずれにしても回を追うごとに<甲斐享>というキャラクターが形作られていくのを見るのは面白い。
 『相棒』は複数の脚本家さんに拠る競作、シェアードワールドだが、他の脚本家さんはどのような<甲斐享>を見せてくれるか?

 事件に関しては、当初の犯罪計画が仲間の裏切りにより、二転三転して思わぬ方法に流れていくという事件。
 裏切った相沢良明(山本まなぶ)が殺された動機について3つの動機が示される。
 ひとつめは、クレメンスの腕を売ると言って売らなかったことへの怒り~ジャズ評論家・盛谷弘光(梅垣義明)犯人説。←甲斐はこの説を採用した。
 ふたつめは、オークションハウスの信用を守るための口封じ説~オークションハウス側の犯人説。←右京の推理を聞いた伊丹(川原和久)たちはこの説を採用した。
 みっつめは、真相。←ネタバレになるのでここは書きません。
 さまざまな人間が入り乱れ、3つの動機が交錯して事件はなかなか複雑だ。
 しかし今回もほとんどが状況証拠で、真犯人の確定が、犯人の<突発的な行動>と<自白>に拠ってしまった所が残念。
 もしあの時、真犯人が腕を守るために飛び出さなければ、右京はどのようにして落とすつもりだったのだろう。

 いずれにしても今回の見所は、オークションでの攻防。
 恋人のマンションを売ってでも犯人を捕まえる証拠を押さえようとした<甲斐享>というキャラクターを描いたこと。
 もっとも、そんなことをしなくても捜査令状を使いさえすれば、いいわけなんですけどね。
 このあたりの知恵は甲斐にはまだないらしい。

 それと今回、特命係について<都市伝説><法則>が判明。
 <特命係に配属される人間は『か』で始まり『る』で終わる>。
 亀山薫、神戸尊、甲斐享……なるほど!
 これは<甲斐享>という名前を設定した時に製作側で決められていたことなのだろうか?
 それとも今回の脚本家さんが気づいたこと?
 これぞシェアードワールドの面白さである。
 他の脚本家さんもぜひ新しい法則を考え出してほしい。


コメント (6)
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