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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒11 「聖域」~「杉下警部のおかげで解決した事件は多い」「ほとんどだ」「それが悩みの種なんだ」

2012年10月11日 | 推理・サスペンスドラマ
 甲斐享(成宮寛貴)の紹介編という感じでしょうか。
・隠蔽を見逃せない熱血漢。
・右京(水谷豊)の推理を自分の視点で後追いできる洞察力、頭の良さもある。
 右京は、今回甲斐を相棒に<指名>しましたが、刑事として磨けば光る逸材だと考えたんでしょうね。
 右京には珍しく甲斐を鍛えてみたいと考えた。
 しかし、こんな甲斐だが唯一弱点がある。
 それは警察庁の父親・甲斐峯秋(石坂浩二)。
 父親に対して反感があり、親の七光りと言われるのが嫌なようだ。
 だから父親のことを言われるとキレる。
 これが甲斐の抱えている心のドラマ。

 第一話『聖域』に関してはイマイチ。
 <偶然>が多すぎる。
 広い香港で右京が甲斐に出会う最初の偶然はまだいいとしても、次に帰りの飛行機で甲斐や三井直政(小林正寛)に遭遇してしまう2番目の偶然はいただけない。
 物語を進める上での完全なご都合主義。
 偶然はさらに続く。
 再び香港総領事館に戻った右京と甲斐は、2発の銃声を聞くのだ。偶然に。
 もし右京たちの到着が5分遅かったら、銃声を聞くことはなく、真相は明らかにされていなかったかもしれなかった。
 というわけで、このエピソードには<偶然>の要素が多すぎる。
 作家さんもおそらくこのことを気にしていたのであろう、ラストの花の里に甲斐がいたことを<偶然>にはしなかった。
 これは<偶然>で物語を作ってしまったことへの作家さんの言い訳?

 それから右京の犯人の落とし方も強引。
 「私の取り調べはきついんです」と脅迫まがいのことを言って、犯人に自白させた。
 まあ、領事館という『聖域』での捜査だから強引さは必要なのだろうけど、もう少し証拠を示して犯人を論破してほしかった。
 有力な証拠が<銃声の違い>というのも右京や甲斐の主観的な証拠なので、自白がなかった場合、裁判では苦戦するのでは? という気がする。

 それと登場人物の心情の掘り下げも浅い。
 総領事夫人・詠美(賀来千香子)なんかはもっと掘り下げて、女の業みたいなものを描いてもよかった。
 夫の総領事には<干からびた体>みたいな言い方をされていたわけだから。
 取り調べの際、警察庁次長・甲斐峯秋に電話したことはよかった。
 詠美としては「私は警察庁次長の知り合いなんだから、取り調べは情状酌量も含めて、お手柔らかにしてね」という意味だったのだろう。

 伊丹(川原和久)たちとのやりとりは楽しい。
「杉下警部のおかげで解決した事件は多い」と芹沢(山中崇史)が言うと、三浦(大谷亮介)が「ほとんどだな」と訂正し、伊丹が「それが悩みの種なんだ」と嘆く(笑)
 それを米沢(六角精児)が笑うと、伊丹は「何がおかしいんだ?」とツッ込む(笑)

 右京たちが香港領事館に向かう時は、警察上層部の意向に逆らってリアクション。
 伊丹は「どうせ突入なさるんでしょう。骨くらいはお拾いします」
 三浦は「ご武運を」
 芹沢は「がんばって下さい」
 すると刑事部長はすかさずツッコミ、「お前らな」(笑)

 というわけで「相棒」の11回目のシリーズが始まりました!!


コメント (6)
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