平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

軍師官兵衛 第2回「忘れえぬ初恋」~たつはきっと幸せになります!

2014年01月13日 | 大河ドラマ・時代劇
 いくさの軍団戦があり、チャンバラがあり、恋愛がある。
 今年の『軍師官兵衛』は娯楽大河ドラマ。
 あまりむずかしいことは考えず、楽しめばいいんでしょうね。

 さて、今回は3つのモチーフ。

 ひとつは<人質>。
 お紺(高岡早紀)、おたつ(南沢奈央)、そして官兵衛(岡田准一)。
 人質で官兵衛の母のように幸せだった人もいれば、お紺のように境遇を受けとめ、諦めている人もいる。
 そして、おたつの場合は……。
 この作劇が上手い。
 人質にまつわる個々のエピソードが上手く連関している。

 ふたつめは<計略>。
 冒頭の初陣で官兵衛は「半ば進み、半ば退くは誘いなり」(孫子)と敵の計略を見破る。
 織田信長(江口洋介)は、竹中半兵衛(谷原章介)の仕掛けた『十面埋伏の計』により窮地に陥る。
 羽柴秀吉(竹中直人)はたいまつを使った偽装の奇策で信長を救う。
 これにより、官兵衛、半兵衛、秀吉を見事に描き出している。
 この作品が、いくさにおける計略を重視していることがわかる。

 三つめは<生きること>。
 敵に追われる信長は、自らが手にかけて殺した弟・信行のことを思い出す。
「信行、お前はわしが死ぬことを望んでいるのか」と信行に問いかける。
 どうやら信長は、権力闘争の結果とはいえ、弟を殺したことに苦悩しているらしい。
 今作にはめずらしい登場人物の内面描写だ。
 そして、そんな時に現れる秀吉。
 秀吉は「生きていてよかった!」と涙を流す。
 信長が死ぬことを望んでいる信行と、生きることを望んでいる秀吉。
 この対照。
 前段の死を望む信行のシーンがあるから、後段の秀吉のシーンが活きてくる。

 お紺、おたつ、官兵衛の母。
 官兵衛、半兵衛、秀吉。
 そして信行と秀吉。
 このように『軍師官兵衛』は本当に語り口が上手い。
 数学のように、人物を整然かつ的確に配置して物語を描いている。
 だから、とても見やすい。
 思想的にはそんなに深くないかな?

コメント (2)
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