平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

タワーリングインフェルノ

2007年09月18日 | 洋画
★この作品はサスペンスの積み上げ方が見事。

 世界一の高層ビル。
 しかし器械から火災が発生。
 設計者のダグ(ポール・ニューマン)が調べてみると、彼が指定した材料が使われていない。
 手抜き工事だ。
 ダグは工事施工者に実態解明を求める。
 施工者は「理想と現実は違う。法の規定は守っている」と弁明。
 ダグは「このビルは規定以上でなくてはならない。明日までに仕様書と配電図を用意しろ」と言う。
 だが、それは甘い現状認識。
 81階の倉庫では負荷に耐えれなかった素材が燃えて火事になっている。
 大きいビル、しかも火災報知器も故障して(←これも手抜き工事)、それに気づかない。
 そしてビルの披露パーティ。
 上院議員などのVIPが集まりライトアップ、ビルのすべてに電気がともされる。
 しかしそれも間違い。
 全ビルに過度な負荷がかかり至る所から火災が……。
 ダグはパーティを下の階で行うようビルのオーナーに進言するが、VIPがいるのにそんなことはできないと重い腰。
 そして、ビルにあった何かに引火したのだろう。
 爆発。
 パーティのVIPたちはエレベーターで逃げるが、爆発の炎に巻き込まれて、上がってきたエレベーターから火だるまの男が……。

 保身、判断の遅れ、危機意識のなさ。
 これらが絡み合って、事態がどんどん悪くなる。
 うまいサスペンスの積み上げ方だ。
 その原因が人間的なものだから、尚更怖いし、ドラマになる。

 ビジュアルでの見せ方もうまい。
 最初は器械のショート火事。
 次に倉庫火災。燃え広がる火。
 そして爆発。
 81階全体が炎に包まれる。
 エレベーターから出てくる火だるまの男。
 どんどん火災の規模が大きくなっているのを映像で見せている。

★また、この作品、人物描写も見事だ。

 火事が発生。
 チーフ消防士オハラハン(スティーヴ・マックィーン)登場!
 満を持してヒーロー登場というわけだ。
 設計者のダグもオハラハンを助けて闘う。二大スターの共演!
 火事が起こっても保身を計るビルオーナーの義理の息子。彼はオーナーから施工費を200万ドル浮かすように指示を受け、400万ドル浮かしたと得意になっている。火災では自分が真っ先に逃げようとする。
 メインストーリーには絡まないが、他の脇役達も味を見せる。
 猫を助ける警備員(OJシンプソン)。
 詐欺師(フレッド・アステア)。
 彼を詐欺師とわかっていながら愛する女性。
 秘書と情事をしていたため、火災に巻き込まれてしまう男。(秘書は10分早く帰っていれば、死なずに済んだ)
 また、僕が好きなのはバーテンダー。
 助けられた子供に「何か飲み物はいかがですか?」といつもどおりにふるまう。
 命が危ないのに26年物の貴重なワインを守ろうとする。
 豪華な料理の中のスパイス!

★ラストは屋上タンクの爆破。
 爆弾を仕掛けに行くのはオハラハン。行ったら戻る方法がない決死行。
 「爆弾は誰が持ってくるんだ?」とダグに聞かれて、オハラハンは「どこかのバカが持っていくよ」と答える。
 かっこいい!
 タイムサスペンスもある。
 パーティ会場に火がまわるまで13分。爆弾爆発まで5分。

 「タワーリング・インフェルノ」は古さを感じさせない見事なアクション・サスペンス映画だ。



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