2010年1月1日。輝かしい2010年の元旦は4時30分ごろに起床した。テレビをつけると大晦日からやっているのか終夜のお笑い番組が流れていた。当初計画ではゆっくり起きて出雲大社にで
も初詣に出かけて一畑電鉄の乗り直しをして帰るだけの行程を組んでいたが、JR西日本の元旦乗り放題の切符に目がくらんで、計画を大きく変更して特急列車の乗りまわしを久しぶりに実行することにした。グリーン車用¥17,000-なりを購入して、出雲市を起点とした特急列車大乗り継ぎの旅のためにグリーン券もしくは指定券の手配も万全に行い、元旦の日を迎えた。出雲市発5時33分のやくも4号に乗るために取り急ぎ身支度をして、そそくさとホテルをチェックアウト。防寒対策は万全だったので思ったほど寒くはなかったが、時折吹く強風が身にしみる。早めにホームに着いたためまだ列車は入線していなかった。出雲市駅周辺は積雪はなく、松江が雪予報なのに対して、こちらの方はそれほど雪が積もらない気候なのだろうか。出雲市と松江と言えば目と鼻の先と言った感じがするが、気候面では大きく異なるのかもしれない。入線してきた381系はゆったりやくもで客も少なさそうなので、グリーン車に乗りこまず、まず普通車指定席をお試ししてからグリーン車のマイシートにつく。グリーン車は展望タイプの旧スーパーやくも仕様のクロだったが、残念ながら最後尾のため展望を楽しむことはできなかった。グリーン車の利用は2名のみで、元旦の早朝とあって、普通車ともども空いている。列車は快調に飛ばしていくものの、松江あたりからは予報通り積雪があり、雪が降り続いている。山陰でも海辺の地域と内陸では積雪の度合いが違うのだろうか。やくものグリーン車に後ろ髪をひかれながら、特急列車を乗り回すという目的のため米子にて下車。松江よりもさらに深い積雪の米子のホームは凍ったように寒かった。
続いて乗車するのは米子発7時00分のスーパーまつかぜ2号。この列車で短区間となるが倉吉まで乗車する。スーパーまつかぜはグリーン車がないので、とりあえず指定を取ったが、指定席は車内がゆったりしているのになぜか固まって座らされる席配置になっていたので、空い
ているのをいいことにゆったり自由席に座って行った。先に乗ったやくもはゆったりやくもとしては初めての乗車だったので多少ドキドキ感があったが、キハ187系については何度も乗っているので大してドキドキ感もなく、あっさりした感覚での乗車となった。米子~鳥取間は山陰本線にしては珍しい平坦で直線区間が多いところだ。このためスーパーまつかぜはまさにスーパーな走りで一気に駆け抜けていく。快調に走ってもう少しで倉吉というところでスピードが落ちて行き、赤碕での除雪作業のため抑止を食らった。雪のため先行する普通が遅れているというアナウンスがあったが、その影響も受けているのだろう。10分以上の抑止を食らい、何とか列車が動き出し、倉吉で乗り換え予定のスーパーはくとに遅れることもないだろうと安心して、スーパーまつかぜの旅を楽しむ。定刻よりも10分以上遅れて倉吉に到着。この時点で行程上は何ら問題はなかったが、下り列車が雪のため遅れているということで、ここまで乗ってきたスーパーまつかぜ2号はしばし倉吉にてまたも抑止。下りスーパーまつかぜ1号が遅れて行き違いを行ってから2号は出て行ったが、かなり遅れが生じてしまっている。この時点で倉吉の構内にはスーパーはくとの姿はなく、鳥取からの回送はかなり遅れる模様だ。
極寒の倉吉駅でスーパーはくとの到着を待つこと20分、漸く貫通型を先頭にしたHOT7000が入線してきた。車体には雪が凍りへばりついており、昨夜からの鳥取地区の厳しい積雪を物語っているようだ。到着後すぐに扉を開くかと思っていたら色々段取りがあるのかなかなか扉が開かない。暖かい室内にいち早く入りたい乗客たちは今か今かと扉が開くのを待っている。一瞬扉が凍って開かないのかという悪夢を見たが、しばらくして扉が開きほっとする。 車内に入ってほっとする間もなく、列車はすぐに出発。20分以上の遅れをもって倉吉駅を出発した。スーパーはくとには姫路までの乗車予定で、そのあとは20分連絡で特急はまかぜに乗る予定にしていた。この時点でアウトかセーフか微妙なところだったが、なんぼか回復はするだろうから、何とか乗り継げるのではないかとあまり心配していなかった。鳥取までは雪の中を遅れを取り戻すかのように突っ走り、鳥取から先の因美線でも元から制限などが多いのはともかく順調に走り抜けていった。智頭急行に入ってからはまるで新幹線を走っているかのように快調に走りだした。これなら何とか間に合うだろうと朝からの疲労を取るため、うつらうつらとしていると列車が急に停車した。行き違い待ちだ。智頭急行“新幹線”はそれこそ新幹線並みの高規格路線だが、単線のため当然ながら行き違いはある。一発目はほどなく出発したが、2回目の行き違いは対抗のスーパーいなばも遅れているということで10分近く停車した。これにて姫路での乗り継ぎは絶望的という思いが
走り、姫路から先の行程の組み直しをするために時刻表と睨めっこが始まった。上郡から山陽本線に入ると逆にスピードが落ちるが、網干付近ではこれに先行する普通が走っていてその頭打ちも加わり絶望的な時間となった。英賀保で先行する普通を追い抜いたが、万事休す。姫路手前ではまかぜの出発時間が来てしまった。はまかぜはおそらく定時運行だろうし、上りスーパーはくととの乗り継ぎなど考慮するはずもない。諦めてどうするか考えながら、とりあえず姫路で降りて、新幹線の自由席に乗るなりしようと決めた。姫路駅進入と同時に席を立とうとふと隣のホームを見ると見慣れたキハ181系の姿が!発車が遅れているのかもしれないし、列車自体が遅れているのかもしれない。もしかしたら間に合うかもしれないという淡い期待を寄せてスーパーはくとから飛び降りて隣のホームに一直線に移動した。
~明日へと続く~