雪の影響などで遅延したスーパーはくとを姫路で降りて、スーパーはくとの接続待ちなのかどうかわからないが、なにせ出発を遅れせてくれたキハ181系はまかぜに無事乗ることができた。スーパーはくとはかなり空いていたので、正月の乗りはこんなものかと思っていたが、キハ181系はまかぜは思いのほか乗っていて、グリーン車は満席に近い乗車率だった。とはいえ、各車ともに座席はかなり埋まっているが、二人掛けに一人が座っていたりするところもあるので、70~80%程度の乗りという感じだ。普段見るはまかぜは閑古鳥が鳴いているイメージが強いので正直この乗りには驚いた。グリーン車の大半はファンらしき人たちで、カメラを持った人間が異様に多かった。しかし、家族連れなどの利用も多く、元旦乗り放題利用なのか、カニカニなどを利用しているのかよくわからないが、ファン以外の利用者も結構いたのは意外であった。格言う私もはまかぜに乗ったのはキハ181系が本年限りでお役御免となる公算が大だからで、これと500系のぞみに乗るために大幅に予定を変更した行程を組んだといっても過言ではない。グリーン車に乗り込んでとりあえず自席に着くが、相席のため、空いている席を物色するとちょうど後ろの席が空いていたので、とりあえず移動する。確かグリーン車は窓側は満席ということだったので、通路側を充てられた気がするが、車内を見ると席は大半埋まっているものの、たまに空いているところがある。乗り 放題切符はある意味指定も取り放題なので、取っただけで乗らない人間も多いのかもしれない。しかし、はまかぜのグリーン車は先に乗ったやくもやスーパーはくとのそれとは格段にレベルが違うのを痛感させられる。年代物の国鉄グリーン車を実体験できる貴重な列車と言えばそれまでだが、ここまで忠実に国鉄のグリーン車を踏襲し続けている列車もいまやここと489系ぐらいのものではなかろうか。正直言って、走りの方も悪い意味で特急離れしており、通常料金ではご祝儀に乗る以外では絶対に乗りたくないグリーン車であり、特急列車であった。これでよくこれだけの乗車率になるものだとある意味感心してしまうぐらい、時代錯誤した車両であった。これがいいのでファンは乗りに来てくれるのだが、一般の利用者はこれではまず鳥取まで乗り通す気にはなれないし、バスとの比較ではバスを選んでしまうのではないかと思われる内容だ。新型車投入によりダイヤも車内設備も大幅に改善されることは間違いないが、はまかぜを選択してもらえるような魅力のある車両の投入を期待したい。
姫路付近ではすっかり雪もなくよく晴れていたが、播但線を北上するにつれて雪が積もっていき、和田山に着くとかなりの積雪となっていた。はまかぜには豊岡まで乗る予定にしていたが、朝方鳥取方面で乱れていた山陰本線のダイヤも北近畿地区では影響は皆無のようだ。例年この時期になると抑止が多くなる餘部鉄橋も今日は風の影響もなく、通常ダイヤでの運転となっているようだ。雪の量が豊岡に近づくにつれて増えていき、豊岡駅はすっかり雪化粧の装いだった。キハ181系はまかぜで餘部鉄橋を渡りたいという気持ちもあったが、後行程で500系のぞみに乗る予定があるため、とりあえず豊岡までの乗車で我慢した。このあとは京都へ引き返すため、これまたあと数年もすれば姿がほとんど見られなくなるであろう183系きのさきに乗車する。きのさきと言えば新塗装の183系を思い浮かべるが、来た列車は国鉄色を色濃く残すオリジナルに近い塗装の車両だった。車内もリニューアルはされているものの、国鉄の匂いがする車両と言える。グリーンは半室のためか満席だったので、指定を取っていたので、とりあえず京都まで指定席で朝からの疲れを取るため睡眠を取る。その前に豊岡で駅弁を買い込み、車内で手短に昼食を済ませてから、雪景色を見ながら眠りにつく。きのさきは程よい乗車率だったが、福知山まではまったりしていて、綾部からかなりの乗車があった。やはり京都府内での移動が活発なようで、京都と京都の北部を結ぶ貴重な足として活躍していると言える。折り返しのはしだてにも長蛇の列が並んでおり、京都口の山陰特急の人気を目の当たりにした感がある。
京都からは新大阪までのミニトリップをサンダーバードにするか、はるかにするか迷ったが、滅多に乗ることのないはるかに乗ることにした。ここは指定は取っていないので、自由席に座り、恥ずかしながら車内改札で新大阪までと申告してミニトリップを楽しむ。通常通らない貨物線を通るのがはるか乗車の楽しみであるが、乗車率は京都からはかなり低く、新大阪からようやく列車として成り立つ程度の乗り具合だった。昼間のはるかは利用不振もあり、減便される予定だが、現状の利用率を見る限り、仕方ない処置と言える。阪和線のダイヤの統一を図るために、はるかと紀勢特急の併結化や関空快速との統合なども視野に入れていった方が良いのではないかと思う。