特急サザンに投入された新型特急車12000系サザンプレミアム/天下茶屋
本日は大晦日です。あとわずかで2011年も終わり、新しい年2012年が幕を開けます。昨日のJR編に続いて今日は2011年の関西私鉄を振り返り本年を締めくくりたいと思います。
近鉄。3月にダイヤ改正が行われた。噂された大粛清のダイヤ改正(変更)は事前に情報が漏れたからかどうなのかわからないが、行われず小規模なダイヤ改正にとどまった。デラックス車の料金体系の変更などが行われ、短距離での利用促進が行われた。名阪ノンストップ特急での利用が多かったデラックス車だが、近年は朝夕を中心に途中駅にも停車する列車が増えており、伊勢志摩系統では甲特急はほとんどないので、乙特急に対応した料金体系となったと言える。今後名阪ノンストップ特急を途中駅に停めていく布石なのかどうかはわからないが、大和八木あたりに停まってもおかしくはない状況でもある。本年中に大きな動きはなかったが、年末にクラブツーリズムの専用車両が登場したり、来年度には伊勢志摩方面へ向かうデラックスな新型特急車が登場するなど2012年以降は動きがあるのが見える状況にはなってきている。
阪急。2011年5月28日に阪急京都本線でダイヤ改正を行った。前年にもダイヤ改正を行っているが、本年は土休日ダイヤの変更を中心としたもので、平日ダイヤは基本前ダイヤを踏襲している。改正の目玉は6300系改造の京とれいんを使用した快速特急の運転だ。梅田~河原町間を十三、淡路、桂、烏丸のみに停車する列車で、2時間ヘッドで設定された。京とれいんは1編成のみで改正前に嵐山線直通の臨時列車などでデビューしていた。京とれいん運転とともに土休日データイムの準急の半数を天下茶屋発着に変更したことも大きな変化である。京とれいん運転に際して梅田駅3号線を空けるための処置ともいえるが、堺筋方面への利便性向上も兼ねられた処置で、関空アクセス向上と言うことで割安きっぷの販売なども行われた。行楽シーズンの臨時列車の運転も見直され、神戸、宝塚からの運転に加え、天下茶屋発着の嵐山行き臨時の運転も行われるようになった。京都線では車両面で特に変化はなく、休車扱いの6350Fも休車のままで京とれいんへの改造等の処置は行われていない。神戸線、宝塚線ではダイヤは特に変化はなかったが、9000系の増備が続けられ、12月現在で神戸線に3本、宝塚線に3本の9000系が運用されている。今後も増備が続けられ、3000系、3100系あたりが淘汰されていくものと思われる。神戸線では節電の夏を象徴する出来事として普通の一部が6連で運転されたこともあった。今夏に限らず来夏も同様の節電対応に迫られるのかどうか動向が注目されるところである。
京阪。2011年5月14日にダイヤ改正・・・ではなくダイヤ変更が行われた。ダイヤ変更という文言が使われているのは改正とは必ずしも言えない面が多かった為と思われる。実質的には中之島線のダイヤ粛清で、本線への回帰が行われたという感じのダイヤ変更だった。目につくところではデータイムの快速急行が急行に置き換わり、淀屋橋発着に変更の上、樟葉止まりとなった。特急は全て淀屋橋~出町柳間の運転となり、中之島線開業前のダイヤ形態に戻った。ダイヤの詳細は他に譲るが、中之島線開業用に用意された3000系は朝夕ラッシュ時こそ中之島線に乗り入れるものの、データイムは特急に使用され、中之島線乗り入れはなくなった。中之島線は朝夕ラッシュ時に快速急行や通勤快急が乗り入れるものの、終日ベースでは準急、区急、普通などの下位種別が直通することになり、京都方面へは京橋で乗換えとなった。長距離利用が増えて堅調な印象の阪神なんば線とは異なり、鳴り物入りで建設された中之島線は現状では半ば失敗に終わった形になっていると言っても過言ではないだろう。秋には阪急の京とれいんに続いて京阪間直行輸送タイプの臨時列車が設定された。ノンストップ快速特急として運転されており、往年の特急の停車駅と同じく京橋~七条間はノンストップとなっている。この列車は来春以降も運転される予定で、愛称名も付けられることになっている。今後もこの手の都市間直行の特急列車が復活していくのかどうか注目されるところだ。
南海。9月1日に新型特急車12000系サザンプレミアムがデビューした。当面は自由席特急車の置き換えに2編成が新造されたが、今後は10000系の置き換えも行っていくだろう。12000系登場により自由席にも変化が現れ、8000系が特急運用につくようになった。普通運用が目立った8000系だったが、12000系登場により漸く日の目を見るようになった。ダイヤは特に変化はなかったが、関空輸送の改善としてラピートαの復活を検討しているという記事が出ている。検討段階と思われるが、LCCの運行に合わせて実現する見込みで、ダイヤ改正もその折に行われるものと思われる。
最後に阪神。この1年は大きな変化はなかった。注目される阪神なんば線もダイヤは変わらず、開業2年が経った今も増発等は行われていない。利用者は横ばいと見られ、京阪中之島線ほどの落ち込みはないと思われるが、開業フィーバーが落ち着いてはきている。それでも終日ベースで利用があり、土休日やイベントごとがある時は利用も増えるので、今後も期待できる路線であることは確かだ。近鉄特急の直通も検討されているが、本年も実現しなかった。まずは団体列車や臨時列車で実現という見通しだが、好評であれば定期列車が三宮から名古屋や伊勢志摩方面へ出て行く日も来るのではなかろうか。車両面では1000系の増備と5500系の増備が行われ、2000系と5000系の初期車が廃車になった。2000系の置き換えで、赤銅車は7800形を除いて昭和後半から平成生まれの車両ばかりとなり、関西では一番車両の置き換えが進んでいる。今後はジェットカーの置き換えが行われていくだろう。