フォンテーヌの家  わたしのつぶやき

横浜市南区で趣味の会[フォンテーヌの家」 

ドナルド・キーン著”百代の過客”を読んで…

2017-09-27 19:33:21 | 読書会
10時から読書会でした。
今月は、ドナルド・キーン著「百代の過客」を読みました。上下の2冊本です。
小振りの本でしたが、小さな文字がびっしりだったのには、往生しました。目が疲れました。
著者はアメリカの人です。それなのに、日本の古典を驚くほどきちんと読み、その評まで書いています。

平安時代、鎌倉時代、室町時代、江戸時代と4区分にして、その時代の日記、特に旅日記が殆どでした。
平安・鎌倉時代には更科日記や蜻蛉日記のように、有名な日記が書かれたことは知って居ますが、
これほど沢山の日記があったことを、恥ずかしい事に初めて知りました。

江戸時代などは、芭蕉の奥の細道を始めとして、その他にも沢山の旅日記が書かれていたようです。
著者も、一冊の本として残されている物は少なく、群書類従に収録されていると書いています。
戦いや火災などで焼失している物が多かったでしょうし、版本ですから大量には作られないはずです。

殆どのメンバーの方たちは、”面白かった、読んで良かった”言って居られたので、まずはホッとしました。
物語では無く80遍ほどの色々な日記の、作者の人間像だったり、日記内容に触れる短い文章集です。
著者が読んだ感想、批評に納得したり、あれ?と思うようなことが多々ありました。

日本人はこの様な視点だが、自分の国ではこの様な視点では無いとも書いています。
それに、日本人ですと、歴史的に古い作品に対して、此処まで酷評はしないでしょう、と思ったり…。
それだけに、どのように解釈しどのように批評をするのか、興味津津でした。

名前も知らない日記の評を読んで、読んで見たくなった物がいくつかあります。
機会があったら、群書類従をお借りして読んで見たい…、そんな気持ちになっています。

メンバーの方の話で知ったのですが、上下巻の続きの”近世”を暑かった本が発行されているそうです。
近代の日記ですと、どのような物が掲載され、どのように評されているかにも興味があります。
メンバーの方たちが、”楽しく読めた”と言う事が何よりも嬉しいことでした。
コメント
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