ブッシュがいま真珠湾をいう理由
2007/08/27(月) 23:36:57 | 未分類 | トラックバック(10) | コメント(5)
ブッシュが旧日本軍とアルカイダを同等に扱ったことは、確かに全くの間違いである。
少なくとも、現在のイラクの「テロ」は、占領軍に対する非占領者のレジスタンスであり、国際法上も基本的に合法な自衛戦闘である。
しかし、旧日本軍の戦争は、どこから見ても侵略戦争であり、占領者の側にいたのだから、全く話が違う。
そういう意味では、ブッシュの発言はトンデモ発言であるが、日本のマスゴミは、例によって見当はずれな批判をしている。
戦前の日本をアルカイダと同列に置き、米国の勝利があって初めて日本が民主化した、という構成をとっている。大正デモクラシーを経て普通選挙が実施されていた史実は完全に無視され、戦前の日本は民主主義ではなかった、という前提。
朝日新聞 2007.8.24
なんとまあ、大日本帝国憲法は民主主義であったというのが、朝日の見解だ。
そして、おおかたが、イラク情勢で苦境に立ったブッシュの妄言であるかのように扱っている。
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しかし、妄言でもなければ苦し紛れでもない。明らかに政治的な意図が込められている。
「防衛省とテロ特措法で、アメリカに逆らうとどうなるかわかっているのか」という恫喝だ。
まずは、自衛隊の次期主力戦闘機で国産化をねらう事務次官を引きずりおろすように当時の防衛相(小池)に指令をだした。
小池はアメリカの国務長官と一心同体だと自認しているのであるから、当然のように守屋事務次官を更迭した。
ところが、あろうことかポチであるはずの日本政府が、小池米子じゃなくて百合子に逆らった。
結局は守屋は更迭されたけれども、一見してアメリカの指令で動いているとわかる小池にたいし、逆らうものがいるなどと言うことは、ブッシュにとっては許し難いことであったのだ。
小池米子じゃなくて百合子は、ご丁寧にも「アイ シャル リターン」と言って辞めていった。自分の帰属するところを、これほど正直に表明する政治家も珍しい。
そして、次の防衛大臣が決まる直前に、このアルカイダ=日本軍発言があったわけだ。
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もう一つ、明確な意図は、小沢一郎への脅迫である。
もともとアメリカには非常に近かった小沢が、いま反旗を翻していることを、アメリカは裏切りと感じている。
9.11の直後に、「アメリカを支援しないものはすべて敵だ」というようなことを絶叫したブッシュである。
テロ特措法を通さなかったら、日本をテロ支援国家に指定するぞ、とまでは言わないにしても、小沢一郎を「敵」呼ばわりするための布石である。
こうした、実ははっきりした意図を持ったブッシュ発言であることの傍証として、新聞の取り上げかたがある。
普通であれば、こんな発言であれば、まず産経が過剰に反応するはずだ。
しかし、おどろくなかれ、ネットで見る限り、産経は報じていない。
全く記事が見あたらない。
その代わりにかかれたのがこれだ
小沢氏「反米」への変節 産経2007.8.25
読売は一応記事にはしているが、全く批判の色はない
米大統領イラク関与継続訴え、「日本民主化」を引き合いに
読売2007.8.24
ブッシュ以外の人間がこんな発言をしたら、キャンキャン言って吠えまくりそうな読売が、
「日本の神道はあまりに狂信的で、天皇制に根ざしていることから、民主主義は成功しないとの見方もあった」
などというブッシュ発言を、おとなしく紹介している。
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そして、防衛大臣は、高村正彦になった。
高村正彦といえば、カルト統一教会の弁護士だったことで有名である。
統一教会のホームページより
カルト統一教会の信者になった人間を奪回しようとすることにたいし、統一教会の側が、人身保護請求をして、カルト教団に戻してしまったのである。その時の、統一協会側の弁護士が、今回めでたく防衛大臣になった高村正彦である。
統一教会が、オウムのように完全に破綻してから、信者の人権の観点から弁護を引き受けるならば、これは話は別だ。安田弁護士や、故遠藤弁護士のような、人権に対するきわめて原則的な態度といえる。
しかし、むちゃくちゃなカルト教団としての実体が明らかであるにもかかわらず、多くの政治家に秘書を送り込み、やりたい放題の統一教会の弁護士を引き受けるのは、本人もカルト同等であると考えざるを得ない。
しかも、やったことというのは、親が26歳の娘を奪回したことに対し、親が拉致をしたと言いがかりをつけて、娘を統一教会に帰してしまったのである。
もし、これが正しいと言い張るのならば、国務大臣として、オウムの信者が受けている人権侵害をやめさせてみたらいい。和光大学に、麻原の娘を入学させよと言ってみてはいかがか。
この高村が、日本の防衛大臣である。
おそらくは、統一教会人脈を総動員して民主党を揺さぶり、テロ特措法を通そうという魂胆だろう。
もちろん、次期FXを国産で、などと寝ぼけたことは口にするはずもない。
沖縄や岩国をはじめとする基地の町は、カルトなみの人権意識で踏みにじられていく。
ブッシュ発言に震え上がった安倍晋三は、高村を防衛大臣に据えた。
針のむしろの厚生労働省には、うっとおしい舛添を生け贄に差し出し、あとは、従来以上の冷血強行内閣で、民主党などに投票した日本人を懲らしめるつもりだろう。
アメリカに脅迫されれば、何でも売ります、というのは、ジイさん以来の安倍晋三のDNAなのだから。