宇都宮氏の哀れは国民の姿(高橋清隆の文書館)
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投稿者 ますらお 日時 2016 年 7 月 14 日 02:31:28: tlXAsMLYVhTKo gtyCt4Lngqg
元記事http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1906465.html
東京都知事選に立候補を表明していた宇都宮健児氏が13日、出馬を取りやめた。野党4党が支持する鳥越俊太郎氏の出馬を受けてのことだが、宇都宮氏にとっても、都民にとってもやりきれないことである。
鳥越氏の突然の出馬表明に、既視感を覚えた人が多いのではないだろうか。2014年都知事選の細川護煕元首相の土壇場での参上である。脱原発を掲げ、20年東京五輪返上を口にした。両者は宇都宮氏を都知事にさせないために送り込まれたと確信する。推薦人は加藤寛ゼミ出身で廃炉利権に邁進する小泉純一郎元首相だった。
イエズス会の大学を出た細川氏は、首相になる前、ビルダーバーグの会議に参加している。海外から莫大な資金を提供され、日本新党を結成したと推察する。細川内閣がやった政策として真っ先に浮かぶのは、小選挙区制の導入とコメの自由化(食管法廃止)である。小泉氏と同様、マスコミが好印象しか伝えないのは、権力の手先である推測を補強する。
細川氏の参戦により、反自民票は2分され、舛添要一氏が当選した。宇都宮氏は公示前、反自民候補の一本化を模索するため、細川氏に再三接触を試みたが、面談を拒否されたと講演会で吐露している。
「鳥越さんは工作員ではないでしょう」。そうおっしゃる人がいるかもしれない。確かに、穏健な顔つきに見えるが、それはテレビを通しての情報ではないか。彼の不審な行動はネット上に散乱するが、私が不可解に思ったことが1つある。以前、小林よしのりが責任編集する月刊誌の対談で『年次改革要望書』が主題になった。鳥越氏は小林氏に促され、キャスターを務める民放報道番組で「この問題を取り上げる」と誓約したが、ついにしなかった。
極めて単純だが、私は郵政民営化に反対しなかった政治家を基本的に認めていないし、『年次改革要望書』に言及できないジャーナリストを信用していない。「テレビではできない」と言い訳するなら、肩書きを外してほしい(もっとも、これができたジャーナリストを知らないから、私は「反ジャーナリスト」を名乗っている)。
今回の鳥越氏の立候補表明も、権力筋の誰かにそそのかされたのだろう。宇都宮氏は一本化を模索するため、鳥越氏と13日面会した。前回、細川氏と面談しなかったかどで散々たたかれたのは自身のせいでないが、再度の批判をかわしたいのも当然である。「まだ具体的な政策は決めていない」と言われたが、「憲法を守る」の一言で身を引いた。渡された「政策集は全部生かす」と応じたというが、小林氏との過去のやりとりから見て方便だろう。
権力に担がれた鳥越氏にできることは知れている。「東京は憲法改正を許さない」と言っているが、国が決めたことを地方自治体が変えることはできない。それを知ってての発言と解す。もし支配権力の意向を超えようとすれば、桝添氏や猪瀬氏のようにされるだろう。
マスメディアが特定の人物や団体を攻撃してきたら、支配権力に嫌われた証しだと思っている。桝添氏がたたかれ始めたとき、「どうせ権力が別の人に都知事をやらせたくなったのだろう。『東京五輪はおまえにやさせないぞ』と」と友達に告げた。すると、「じゃあ、小池百合子がなるんだ」と返された。ろくにテレビも見ていない私は、それだと直感した。
もちろん、小池氏が当選する保証はない。しかし、メディアをも牛耳る権力が支援しているのは間違いない。「『ひるおび!』で自民党東京都連の通達に非難相次ぐ『自民党は北朝鮮か』」の記事もその1つ。小池氏に入れたら除名との「通達」が「北朝鮮か!」なら、郵政民営化反対議員を除名した自民党本部はとっくに北朝鮮である。小池氏はその代表的刺客ではなかったか。
小池氏の背後に強大な権力が控えているのは、彼女の特異な経緯から分かる。日本新党で参院議員となり、細川氏と共に衆院にくら替えした。以来、政党を流転しながら、必ず受かる所から出馬している。小泉純一郎氏の愛人であることは公然の秘密である。
宇都宮氏は国家戦略特区構想に猛反対していた。その「東京圏」は、わが国のGDPの4割を占める地域を租界化する内容である。猪瀬直樹元知事は徳洲会との関係で辞職に追い込まれたが、特区に「外国人向け医療の提供」「保険外併用療養の特例」などが含まれていたことが大きいと見る。
政策があいまいで、言行一致に欠ける候補者のために立候補を降りる宇都宮氏は、やりきりないはずだ。後で名乗りを上げた得体の知れない人物を野党4党が推すところに、この国の闇を感じる。それでも自民系2候補に東京を任せないために鳥越氏に譲る潔さに、宇都宮氏の誠実な人柄が表れている。
政策観、人格とも上で初めに名乗りを上げながら辞退を強いられた宇都宮氏は哀れである。それ以上に、報道を見せられて怒ったり、喜んだり、権力にもてあそばれているだけの都民、いや国民の姿は哀れである。
■参考記事
「おもてなし」は奴隷国家の宣言http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1874221.html