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米官業利権複合体と結託する「連合」の変質

2012-07-29 03:45:34 | 植草一秀氏の『知られざる真実』


米官業利権複合体と結託する「連合」の変質




7月21日のメルマガに、


「米官業利権複合体の走狗に成り下がった「連合」」


と題する記事を書いた。


この記事を受けるかのように、7月23日付の東京新聞「こちら特報部」が、


「連合 政権批判に背
 問われる存在意義」


と題する特集記事を掲載した。


連合は、労働組合の中央組織であることとされている。


「資本」ではなく「労働」の意思を代表する組織である。


政治の主役は、本来、主権者である国民である。


国民が代表者を国会に送り、この国民の代表者が国会で活動して政治を行う。これが本来の政治の姿だ。


ところが、現実には主権者国民ではない、大資本が政治に強い影響力を行使している。その最大の理由は、企業献金が合法化されていることによる。



企業献金が認められると、資本力で一般個人を圧倒する大資本が政治に強い影響力を持つことになる。


1970年の八幡製鐵企業献金事件判決で、最高裁は企業献金を合憲とする判決を示した。しかし、最高裁元長官の岡原昌男氏は1993年11月2日に、衆議院「政治改革に関する調査特別委員会」で参考人として意見表明した。


この内容については、弁護士の鬼頭栄美子氏が、私の2009年7月27日付ブログ記事に、貴重な論考を寄稿くださっているので、詳しくは、当該記事をご参照賜りたい。


なお、鬼頭弁護士による論考は、全3回にわたっており、企業献金問題に関する極めて重要な論考記事になっているので、その全体をぜひご購読賜りたい。


その1 


その2


その3


(その3)の記事に示されている、鬼頭弁護士による岡原氏発言のポイントは以下のものである。


①企業献金は、善悪以前に、そもそも法律的に理屈が通らず、適法性がないこと


②現在のような数百万から億といった企業献金は悪であり、何とか直してもらいたいこと


③企業献金は、全面禁止の方向に向かうべきであること


④八幡製鉄事件が起きた昭和35年当時、政治家が皆受領していたので、最高裁としては、違憲だとか違法だとか言えるわけがなかったこと


⑤八幡製鉄事件昭和45年最高裁判決は、政治的配慮から、やむなく、「助けた判決」であること



鬼頭弁護士は、企業献金問題が日本国憲法の定める、


「国民主権(憲法前文、1条)、議会制民主主義(憲法1条、15条、41条)、普通選挙制度(憲法15条、44条)の根幹に関わる事柄であり、企業献金を認め続けることは、主権者国民の参政権を実質的に侵害する、違憲の疑いが濃い重大問題なのである」


と指摘する。


憲法第14条が定める「参政権」の性格について、鬼頭弁護士は次のように指摘する。


「参政権の性格(参政権・選挙権の本質は、自然人のみが主権者として有する政治的基本権であること-憲法15条、44条)を踏まえれば、献金額の多寡に関わらず、企業の政治献金を許してはならないことは、自明である。


普通選挙権獲得の歴史に鑑みても、また、憲法論的意味においても、政治意思の形成・政治過程への参画は、自然人のみに期待されており、企業の出る幕ではない。参政権・選挙権の分野において、企業(法人)と個人(自然人)を、同列におくことがあってはならない。」


日本政治の刷新を実現するためには、企業献金を全面的に禁止することが不可欠である。民主党は2009年総選挙のマニフェストに企業団体献金の全面禁止を明記した。しかし、その後、この公約の実現に向けて具体的行動がまったく示されていない。



話が企業献金の問題に移ってしまったが、大企業=大資本が政治を支配してしまっては、主権者国民のための政治は実現しようがない。


「連合」という組織は、労働者を代表するべき存在である。


その「連合」がいま、米官業の利権複合体と結託する政治を推進する方向に舵を切っている。


消費増税、原発再稼働、TPP、沖縄基地問題に対して、一般国民、労働者の立場から意見を集約し、これを政治に反映させることを目指すべき労働者を代表する中央組織が、大資本・米国・官僚機構と結託し始めているのだ。


私は、この姿勢に対する批判を7月21日付メルマガ記事に書いた。


東京新聞は7月23日付「こちら特報部」特集記事に掲載した。


当然の批判である。


「連合」に加盟する各種労働組合、労働団体は、「連合」の行動を是正するか、それが実現できなければ、「連合」から離脱することを検討するべきだ。


民主党議員で、主権者国民に対する詐欺的行為を働いている人々は、次の選挙で連合の支援を得られなくなることを警戒して、主権者国民に対する詐欺的行為を働いていると聞く。


これらの議員は、その本末転倒を考えるべきだ。


「連合」のために政治が存在するのではない。


「労働者のための政治」を実現するために、本来「連合」が存在するのだ。


その「連合」が労働者の意思に背を向けて、利権複合体と手を組むのであれば、労働者の意向を尊重する議員が背を向けるべき相手は、「連合」であって、「主権者国民=労働者」ではないはずだ。


主権者国民に背を向けて、米官業のトライアングル=米官業利権複合体と結託する民主党議員には、次の選挙で「落選」=「落選運動」という試練が待ち構えている。


「連合」加盟労働組合に参加する構成員の労働者は、正しい声を発するべきである。


「労働者」のための組織が、大資本と結託して庶民を踏みつけにする政治を支援することの本末転倒を見つめる必要がある。






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