「医科歯科連携」①

2014年06月09日 | Weblog
みなさん、こんにちは。
 今回は「医科歯科連携」についてです。
 一言で「医科歯科連携」といっても、①在宅医療での「医科歯科連携」、②入院患者を対象とした「医科歯科連携」(周術期口腔機能管理料)、③歯科と全身疾患との関係に注目した「医科歯科連携」(例えば、歯周病と糖尿病など)が挙げられると思います。
 新聞や雑誌等で「医科歯科連携」という言葉が頻繁にみられるようにもなりましたので、今回は①在宅医療での「医科歯科連携」について考えてみようと思います。


①在宅医療での「医科歯科連携」
  医科や歯科において在宅医療に力を入れて取り組まれている医療機関は多いと思います。超高齢社会となり、国の政策も「病院から在宅へ」という方向性は、今回の診療報酬の改定で変わることはありませんでした。これからますます期待される在宅医療の分野ですが、医科と歯科の連携は、現状どうでしょうか。
 
ある雑誌の記事によると、「在宅医療の現場では医科歯科連携が必ずしもうまくいっておらず、訪問してくれる歯科医にどうつなげていったらいいのかわからない」という在宅医からの声があるようです。
 また、ある歯科医院様から伺った話として、「在宅の患者様からすると、歯科は歯科、医科は医科ということもあり、在宅の患者様に関わる医療機関との連携はできていない」といった現状もあるようです。
 
「在宅患者のQOLの維持・向上と安心・安全な生活の継続には、楽しい食事と豊かなコミュニケーションが重要である」という観点から、口腔ケアや摂食・嚥下リハビリテーション、そして栄養管理が欠かせないと言われています。
 訪問歯科診療では、義歯関係、口腔ケアやリハビリテーションが中心あり、誤嚥性肺炎を予防にもつながります。医科の訪問診療においても、歯科と連携することによって、誤嚥性肺炎を防ぎ、患者様の全身状態やQOLの改善につながるのであれば、医師と患者様双方にとって喜ばしいことだと思います。

 現状の問題点は、医科歯科連携を行いたいけれど、訪問診療をしてくれる歯科医院を知らない、歯科医院からは、どの在宅医と連携できるのかわからないといった医療機関の情報がわからないことと、お互いがお互いのこと(相手がどんなことができるのか等)を知らないことも問題の1つだと考えられます。
 福田事務所では、訪問診療に力を入れて取り組まれている医院様と歯科医院様との橋渡しができるように、“強存強栄”の精神で頑張って参りますのでよろしくお願いいたします。

平野悠一