「おつかれさまでした!」
「ただいま!」
ぷしゅー!
これが私の至福の時です。
仕事終わりのビールは最高ですよね。この一瞬のために働いているといっても過言ではない、というぐらいこの瞬間が好きです。
ですが、このビールとお酒、税金という面からみると、少し違って見えてきます。
ビールには酒税がかかっています。
酒税とは、お酒の製造者に対する課税で、その負担分をコストとして販売価格に反映していいます。
酒税の額は、その数量に対して、お酒の品目、およびアルコール分による一定の税率を乗じたものです。
お酒の種類によって税率はさまざまですが、なかでもビールの税率は最も高く設定されています。
例えば、小売価格が221円の350ml缶 (A社の通称:銀色のやつ)の場合、
一本当たりの酒税が77円で、税金の負担率は消費税と合わせて40%以上!です。
同じ350ml缶でも、発泡酒だと47円。その他ビール系飲料(いわゆる第3のビール)は28円です。
※ ビール・発泡酒・その他ビール系飲料の区分は「原料」と「麦芽の使用割合」で決まります。
他のお酒と比べてみると、ワインだと、一本当たり(750ml)で60円、日本酒だと1升瓶(1800ml)で216円の税額となっており、いかにビールに対する税金が高いか分かりますね。
なぜビールの税率がこれほどまでに高いのかというと、そもそもビールは明治時代に海外から輸入されてきたいわゆる「舶来もの」の高級酒だったため、高級品として税率が高く設定されていました。それが、今日まで続いているようです。
今や大衆から愛されるお酒となったビールですが、税金の面からすると、今でも高級酒のようです。
そんな高級酒のビールですが、2020年より段階的に酒税の見直しが行われます。
2026年にはビール・発泡酒・その他ビール系飲料の税率が一本化され、350mlあたりの税額が54.25円となります。
これにより、ビールは減税となりますが、発泡酒やその他ビール系飲料は増税となるため、
これまで発泡酒・第3のビール造りに力を入れてきたメーカー各社が、ビールに力を入れて商品開発を進めることになりそうです。
発泡酒や第3のビールも、値上がりにはなりますが、これからは価格ではなく、カロリーオフやプリン体オフの健康志向を意識した商品づくりにシフトしていくでしょう。
いずれにせよ、酒税の見直しにより、価格だけでなく、メーカー各社の戦略にも大きく変化がありそうです。新しい銘柄も台頭してくると思いますので、動向に注目しましょう。
好きな銘柄:よなよなエール、ハートランドビール
監査部 2課
長野