コロナ関連の医療費控除

2020年11月24日 | 税務情報(個人関係)

皆さん、こんにちは。

コロナウィルス感染がまた拡大傾向の中、日々寒くなってまいりましたので、くれぐれもご自愛ください。

では、今日は「マスク購入費、PCR検査代、オンライン診療代は、医療費控除の対象になるのか?」を解説します。

今年も終わりに近づき、年が明ければ確定申告の時期となります。

今日は医療費控除に関するテーマでお届けします。

また、10/23付けで、国税庁からコロナに関するFAQが追加されており、この中から「上記3点が医療費控除の対象になるのか?」を解説します。

医療費控除の対象になるのは、医師等による診療や治療に関して支払った費用・治療や療養に必要な医薬品の購入費用・急を要する場合、電車やバス等が利用できない場合のタクシー代などとなります。

〇 マスク購入費

マスクの着用は国が提唱していることとはいえ、「疾病の予防」のための行為になりますので、

マスク購入費は医療費控除の対象になりません。

もしかしたら、皆さんの今年のマスク代は数万円になっているかもしれませんが、残念ながらこれは医療費控除の対象にならないのです・・・。

〇 PCR検査代

(1) 医師等の判断によりPCR検査を受けた場合

自己負担部分は医療費控除の対象になりますが、公費負担の部分の金額は医療費控除の対象とはなりません。

(2) ご自身の判断でPCR検査を受けた場合感染していないことを明らかにする目的で、ご自身の判断で受けたPCR検査代は医療費控除の対象となりません。

ただし、PCR検査の結果が「陽性」と判断され、引き続き治療を行った場合は、そのPCR検査は「治療に先立って行われる診察と同じ」となり、この場合のPCR検査代は医療費控除の対象となります。

(3) 抗体検査代

抗体検査代は国税庁のFAQには記載がありませんが、抗体検査は罹患した一定期間経過後に体内に抗体があるか否かを検査するものですので、医療費控除の対象にはなりません。

〇 オンライン診療代

・ オンライン診療料 … 医療費控除の対象になります。

・ オンラインシステム利用料 … 医療費控除の対象になります。

・ 処方された医薬品の購入費用 … 医療費控除の対象になります。

・ 処方された医薬品の配送料 … 治療または療養に必要な医薬品の購入費用には該当しませんので、医療費控除の対象となりません。

今日の内容は以上となりますが、平成29年分から令和元年分までの確定申告については、「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付せず、領収書を確定申告書に添付する・確定申告書を提出する際に提示することも認められていました。

しかし、この経過措置は終わっておりますので、令和2年分の確定申告からは「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告書に添付する必要がありますのでご注意ください。

なお、医療保険者から交付を受けた医療費通知※がある場合は、医療費通知を添付することにより、医療費控除の明細書の記載を簡略化することができます。

医療費控除はご自身で申告される方も多いと思いますが、控除となるもの、ならないものの判断や改正点等にはくれぐれもご注意ください。

 

監査部:十塚彰文