讃観世音菩薩頌和釈・・18/20
金翅鳥害
「若金翅鳥以嘴爪 搏撮水陸諸龍等 其龍專心念菩薩 即得離苦獲安樂」
金翅鳥は大鳥にて嘴爪にて大海の諸龍を撮て食すを己が業力の感ずる食分とす。もし其の龍が專心に菩薩を念ずれば其の苦難を逃れて安樂を獲るとなり。
迦楼羅を此に妙翅鳥といふ。観佛三昧經に、一日に一の龍王と五百の小龍を噉ひ、両翼を披けば三百三十六万里なり。首に如意珠あり、是は有漏の業報の身なり。(佛説觀佛三昧海經「閻浮提中及四天下。有金翅鳥。名正音迦樓羅王。於諸鳥中快得自在。此鳥業報應食諸龍。於閻浮提日食一龍王及五百小龍」。法華義疏「迦樓羅者此云金翅鳥以其翅頭即有金色故以爲名。海龍王經翻爲鳳凰。大威徳迦樓羅王者。食龍之時有大威徳故以爲名也。大身者。經云兩翅相去三百三十六萬里也。閻浮提只1容其一足。大滿者。餘鳥食龍多不飽足。此鳥恒飽滿故云大滿。如意者。此鳥頸下有如意珠」)。
は観音に祈りて得たる子なり。越後の蔵王堂の三尺坊に住ひして八千枚を八千座行じて虚空に上がり大同四年(809年)に白狐に乗りて迦楼羅身を現じ羂索を持ちて遠州周知郡の秋葉山に降りて神と成れり。