国家危機を救う仏教原理「成就衆生浄佛国土」その3６

・・なすべきことを知りえぬ無力があると申したが、かかる知識に関する無力は最近の時局のみに結びついて起こったものではない。・・今世紀からの科学あるいは学問がすでに生詰まりを示して居るのである。・・絶対的に精確と考えられておる数学や物理学の如き科学においても基礎危機として現れておるところの自己の依存する原理の二律背反が存在しておる。その道の専門学者がすでにかくの如く基礎危機と言う事は、われわれの知識の自己矛盾の暴露に他ならない。・・・これはおよそ歴史の中における人間の知識に関する理性の自己矛盾である。・・したがってもしまったく懐疑的虚無主義的な立場に立てば、一切の学問をみな無力として否定することもできよう。科学者は噴火山上の乱舞を続けていると言えない事もない。（続）