史料綜覧巻七 / 応永四年(1397)十二月十四日条
「十四日 彗星ノ出現ニ依リテ 十楽院(注1)ニ大熾盛光法(注2)ヲ修セシメラル 尋デ 義満 室町第ニ尊星王法(注3)ヲ修ス」
(天皇は後小松天皇。当時は少しの天体異常現象でも国家国民を心配して天皇陛下や将軍もすぐに祈祷していたことが分かります。)
(注1)十楽院は、京都府京都市東山区にあった花園天皇の菩提寺。現在の青蓮院の地にあった。青蓮院の院家(延暦寺大乗院、延暦寺妙香院とともに青蓮院三院家)となり、のちに青蓮院に併合されたという。
(注2)大熾盛光法・・真言・天台で、天変地異などの除難のために熾盛光仏頂如来を本尊として修する法
(注3)尊星王は北極星を神格化したもので、妙見菩薩ともいわれる。 この尊星王を本尊とする尊星王法は、国家安泰を祈る大法で、 智証大師が唐において師の法全より直接付与された法として天台で重要視されています。北極星の化身である妙見菩薩(尊星王)は全宇宙の象徴であり、また天皇の本命星であるともされています。