福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験その142

2014-09-19 | 四国八十八所の霊験
19年夏には女体山越えのコースを歩く機会に恵まれました。お遍路交流サロン手前の ダムの堤防を歩いて対岸につきます。そこでは風化した100体のお地蔵様が人気のない遍路道に沿ってつぎつぎにあらわれます。こういう寂しいところで遍路の道中を何百年も見守り続けてくださっているのだと思うとまた涙がでてきました。 このコースは最後の山越えにふさわしく、まさに遍路宿「長尾路」の女将の言ったとおり「行者道」というべきものでした。断崖の上や岩の上など道なき道を歩きました。たしかに遍路宿の女将のいうように雨など降ると避けたほうがいいみちです。それに岐路が多く途中の標識を見間違えると山中に迷い込みます。

 88番大窪寺は胎蔵が峰の中腹445mに建つ大寺です。堂々たる山門です。四国霊場会のホームページには「養老元年に行基菩薩開基。弘仁7年に、唐から帰国した弘法大師が、現在の奥の院近くの胎蔵ヶ峰という岩窟で、虚空蔵求聞持法を修法し堂宇を建立。等身大の薬師如来坐像を彫造し本尊とされました。また唐の恵果阿闍梨より授かった三国(印度、唐、日本)伝来の錫杖を納めて大窪寺と名づけ、結願の地と定めました。本堂西側にそそりたつ女体山には奥の院があります。大師が本尊に水を捧げるために独鈷で加持すると清水が湧き出たと伝えられます。その水を薬とともに服用し、ご利益を受ける人も少なくありません本尊の薬師如来はホラ貝を持っておられ秘仏です」とあります。此のホラ貝で諸病を吹き払ってくださるのです。
澄禅「四国遍路日記」によると「堂の西に塔あり。半ば破損したり。是も昔は七堂伽藍にて、十二坊在りしかば、今は無縁所にて本坊ばかりなり」とあります。江戸初期は荒廃していたと思われます。いまは堂々たる寺容です。行基菩薩以来二千年近く寺をまもり続けてきた護法善神のお力と人々の信心とに頭の下がるおもいです。

17年の1回目は雨と10月末の寒さで震えてしまいました。
震えながらも本堂、大師堂で「有難うございました。」と座って一心にお経をあげました。大師堂の内拝口から地下へ進むと、中には八十八ヶ所すべての本尊があり、お砂踏みができるという記事をあとでインターネットでみました。まだお砂ふみはしていません。
少し前まではお蔭を頂いた遍路の松葉杖、コルセット、髪などがところ狭しと奉納されていたということです。残念ながらいまは片付けられています。杖が山のように奉納されているばかりです。
 しかし千数百年の間、無数のお遍路さんがお蔭をいただき、今もいただいていることは間違いないのです。
今までここで多くのお遍路さんが感涙にむせび、立ち去りがたいおもいで般若心経と大師宝号をあげ続けたのです。私も何十年来の四国遍路の願いが叶えられただけでなく、多くの縁者の病気まで治していただき感無量でした。
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