徒然なるまま”僕の趣味と遊ぶ”

タイガース、水彩画、鉄道などの、僕の気ままな”独り言”

映画 「 八犬伝 」

2024年10月31日 14時34分57秒 | 映画・社会

映画「八犬伝」は、原作者の滝沢馬琴(役所広司)は構想中の物語を語りはじめ、その内容を描く浮世絵師葛飾北斎(内野聖陽)の奇妙な友情の駆け引きと、馬琴の語る「八犬伝」の内容を描く内容となっています。

また、馬琴の家族のやり取りや失明しても口述筆記で描き続け、28年間106冊という超大作を書き上げた馬琴の偉業の映画化なのです。

     

馬琴の構想中の物語「八犬伝」は、八つの珠を持つ八犬士が集結し、里見家の呪いと戦うために過酷な旅に出る物語だった。

   

この八犬伝の内容もさることながら、僕的には、それよりも、この物語に引き込まれた北斎は続きを聞くために馬琴の元を通いようになり、二人の奇妙な関係で巧妙な駆け引きの方が興味がありました。

       

そして、馬琴の家族の動きも見逃せません。
小説ばかり書いて家庭を顧みない馬琴を罵倒する妻のお百(寺島しのぶ)と医師を目指しながら病弱の長男宗伯(磯村勇斗)、そして晩年、完成間近に視力が失われ始め、絶望的ななか、義理の娘から意外な申し出が出ます。
それは、目が悪いと気づき、密かに八犬伝を読み始めた宗伯の妻のお路(黒木華)から口述筆記を申し出ます。
しかし、漢字が分からず、馬琴が手でなぞって字を教え、物語を完成させます。

       

  

執念をもって里見家の復興を果たす八犬伝の物語以上に、馬琴の執念をもこの映画は伝えているのではないでしょうか・・・

         


映画 室井慎次「敗れざる者」

2024年10月19日 11時25分18秒 | 映画・社会

20年以上前に大ヒットした「踊る大捜査線」シリーズで柳葉敏郎が演じる室井慎次を主人公に描く映画2部作の前編。後編は11月15日に「生き続ける者」が封切りされます。

この映画を見終わって、しばらく席を立つのも忘れるほど、面白く感じました。
確かに20年以上という年月を経た柳葉いや室井慎次の人柄が、この映画の円熟度として現れているのではないでしょうか・・・

   

室井慎次(柳葉敏郎)は、あの20年前に青島との約束を果たせなかったことを悔やみ、警察を辞めて故郷の秋田に戻って、事件の被害家族や加害者家族を支援するという思いで少年たちと穏やかな日々を過ごしているところから映画は始まります。

   

この映画の主題は、警察を辞めた室井に、この穏やかに過ごしていた故郷で死体が発見され、再び事件に巻き込まれることなのですが、それと同時に、注目は事件の関係者の子供たちの演技がこの映画の見どころでもあるのではないでしょうか・・・

二人の男の子の内、高校生の森 貴仁(斎藤 潤)と小学生の町凛久(前山くうが、前山こうが)それに新たに突然現れた謎の少女日向 否(福本莉子)
なお、小学生の柳町凛久役は、ダブルキャストで二人が一人の役を演じていたようです。
それに、秋田犬も見逃せません。 

   

謎の少女の来訪とともの、他殺と思われる死体が発見される。
彼女は、最悪の犯人と言われた猟奇殺人犯、日向真奈美(小泉今日子)の娘だという。

室井は大変な死体を発見したのだろうか・・・静かな山村が、警察官、警察車両などで大騒ぎとなり、これは最悪の犯人が室井に挑戦してきたのか・・・

  

他に、筧利夫、甲本雅裕、真矢ミキ、升 毅、のおなじみの出演者に、いしだあゆみ、松下洸平、佐々木 希などが加わり多彩な出演者となっています。


映画「スオミの話をしよう」

2024年09月18日 14時50分14秒 | 映画・社会

8月に体を壊し、先日それ以来、通院以外初めての外出に映画を見てきました。
三谷幸喜の監督・脚本ということで、内容を知らないままに出かけました。

   

話は、有名な詩人である寒川しずお(坂東彌十郎の妻であるスオミが突然姿を消し、そのため刑事・草野圭吾(西島秀俊)と部下の小磯杜夫(瀬戸康史)が、寒川の豪邸に到着するところから話は始まります。

そこには、寒川の世話役である乙骨直虎(戸塚純貴)が彼らを招き入れ、スミオに何があったのかを調べてゆきます。が夫である寒川が警察に届けるのを反対します。

   

やがて、屋敷にはスオミの歴代の夫たちが集まってくる。
寒川家の庭師の魚山大吉(遠藤憲一)1番目の夫で、2番目の夫は怪しげなYou Tuberである十勝左衛門(松坂桃李)3番目の夫は、かって草野の上司で宇賀神守(小林隆)で、彼には中国語しか使わなかったという・・・
4番目の夫は、初めに登場した草野で、最後5番目がここの当主の寒川氏現在の夫でここに新旧5人のスオミの夫が集いました。
それぞれ、スオミについて語り始めましたが、不思議なことに彼らの思い出の中のスオミは全く違う人格で別人と思われました。

そんな中、犯人から身代金の要求があり、そのお金の工面や犯人の要求にどのように答えるか・・・

はたして、スオミは一体何者で誰に誘拐されどこに消えたのか・・・

    

これは、単なる喜劇なのか、サスペンスなのか、この物語自体も全く見当のつかないもので、この映画は、ほとんどが寒川の屋敷内が舞台であり、これは、演劇の方がしっくりいきそうではと思われました。

この寸劇の結末は、どうなるのでしょうか・・・
スオミの行方と、その正体は何者か、そして、この映画は、コメディーかサスペンスか、あなたが見て確認してください・・・

 

 


2024年上半期の水彩画

2024年07月14日 13時43分11秒 | 芸術・水彩画

今年(2024年)の上半期に描いた水彩画を紹介します。
コロナ開けということで、あちこちの行楽地などには、久しぶりの人出らしいです。
ましてや、インバウンドも多く、それにトラブルも起こっているようです。

ぼくは、今年の初めから口内トラブルに襲われ、この半年の間に3本の歯を抜き、口の中はストレスに襲われ、免疫が希薄になり、一時は食事も困難でしたが、これも原因の一つは加齢なのかも知れません。

さて、その間、外出は通院が主に、たまに映画などで気分を紛らわしていました。
従って、描く絵も過去の思い出が多くなりました。

 ◎奈良の思い出 4点
  

  

 ◎昔の思い出
    
    武庫川河川敷の桜                尼崎、寺町 長遠寺
 
   
    鎌倉、アジサイ寺から相模湾を望む          昔の須磨水族館

  


映画「90歳。何がめでたい」

2024年06月26日 16時06分37秒 | 映画・社会

直木賞作家の佐藤愛子のエッセイ「90歳。なにがめでたい」の映画化。
この時、当の本人は、90歳どころか昨年100歳を迎えたとか、歯に衣を着せぬ物言いで現代社会をエネルギッシュに表現した佐藤愛子を撮影中の90歳を迎えた草笛光子が熱演し、映画化されたもの。

 
               吉川の妻(木村多江)が人生相談する(清水みちこ)所から話は始まる

 

この映画は、年寄りの今後の生き方とか考え方の指針の一つになると思われます。
断筆宣言をした90歳の作家・佐藤愛子(草笛光子)は、毎日、新聞やテレビをぼうーと眺める日々を過ごしていました。 サラリーマンなら定年後することがない毎日の生活と変わらない生活。それが・・・・

   
      佐藤愛子は、吉川に口説かれエッセイを書くことに・・・

同じ家の2階には、娘・響子(真矢ミキ)孫・桃子(藤間爽子)には、愛子の孤独な気持ちは伝わらない。
同じころ、大手出版社に勤める中年編集者。吉川真也(唐沢寿明)は、昭和気質でコミュニケーションが伝わらず、それが会社では、パワハラ、セクハラと問題視され、家庭でも妻や娘に愛想をつかれ悶々とする生活を送っていた。

その吉川が、編集部で佐藤愛子のエッセイを載せる企画を立てたが、こばみ続けていた佐藤を口説き落とし、担当として仕事に就くことになった。

         
  愛子の娘(真矢ミキ)と孫         タクシーの運転手(三谷幸喜)との掛け合いが面白い 

     
   編集員の土産が・・・                      仕事を離れると孤独感に・・

この二人の出会いが、新たな人生を切り開くこととなるのか、それぞれの生き方について面白可笑しく考えさせられてゆきます。

燻っていた余生を目的を持つことによって”やりがい”とか”自信”とかそれが”自慢”になり、”前向き”に考えるようになるというのが、この映画の主題なのでしょうか・・ 
とかく、歳をとると、昔と今を比べてしまう節があり、昔が良かったというのは何時の時代もあることで、それが年寄りの余生を送るのには支障になります。それを自分なりに解釈して乗り越えることが活力となり、前向きになるのではないでしょうか・・・誰もが出来ることではありませんが・・・