靖国神社にA級戦犯が祀ってあることに反発している国があり、そのため外交問題が行き詰っています。
その国は、A級戦犯が祀っていなければ良いとも言っています。
もう一つの国は、何がなんでも靖国神社自体があることを反対しています。
これらの国といっても2国だけですが、靖国神社やA級戦犯というのをどれだけ理解しているのか疑問です。
作家の上坂冬子氏が文春新書の「戦争を知らない人のための靖国問題」という本の中で「靖国問題が国内外これ程話題になりながら、参拝は是か非かというだけで一向に核心に迫る議論として発展しないのは、かって靖国神社が日本人にとってどんな存在であったのかという肝心はポイントをはずしたまま、上滑りな雑談ばかりが進行しているせいである」といっています。
また、「靖国神社がかって日本人にとってどのような存在であったかを充分知らねば、心情的にも論理的にも話が噛み合うはずがない」ともいっています。
詳しい内容については、この本を読んで頂くとして、この靖国神社に参拝した外国の要人は32カ国に及び、中でもアジア諸国は、インド、インドネシア、タイ、ミヤンマー等9カ国が参拝しています。
このうちA級戦犯が祀ってあるのがいけないと言っている国は、どうもA級戦犯という資格がないようです。
というのも極東国際軍事裁判の戦勝国は11ヶ国が裁判官になり、この中には前述の2国はありません。
A級というのは、平和の対する罪を問うというもので、当時、各国に交戦権があり、それぞれの国も国家の方針に従って平和を乱しているから、日本のみにその罪を問うのはおかしな話で言いがかりであるが、敗戦国のみ被告として裁き戦勝国の思うままに扱われたのです。
しかし、その戦犯と引き換えに、平和条約締結に繋がっているのです。
どんな罪にしろ、裁判ののち判決を受け、判決通り処刑されれば、その罪は一件落着で、一事不再理は秩序ある社会の鉄則です。
60年も過ぎてこの問題を云々するのは、それこそアジアの平穏を乱しているのです。
東京裁判とは無関係の国から悶着付ける「資格がない」ことだけは確かなようです。
「資格がない」というにはもう一つの根拠があります。
裁判のあと、サンフランシスコ平和条約が締結されましたが、署名したのは連合国48ヶ国でその中には、前述の2ヶ国は著名しておりません。
この条約の25条には、サンフランシスコ条約に署名、批准していない国は、この条約に関するいかなる権利も権限も与えないと明記されています。
つまり、かの2ヶ国には、A級戦犯とか靖国神社に対する発言権は全くないのです。 その時には、この2ヶ国は、まだ存在していなかったのですから・・・・。
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