歴史上有名な「関ケ原の戦い」が映画化されました。
多くの人が知っている物語だけに、どのように描くかがこの映画の見所なのかも知れません。
結末が分かっているだけに、この映画2時間29分を面白く観客をどのように釘付けするかにかかっています。
もちろん、関ケ原の戦いと言えば、石田三成と徳川家康の天下を二分する戦いであり、この映画もその二人を中心に話は進みます。
官僚的とか文官と言われた石田三成(岡田准一)は、この映画では”義に生きた武将”として演じられ武人としての側面が強調されています。
一方、タヌキおやじとか策謀家と言われている徳川家康(役所広司)は文字通り”天下を狙う野望家”として描かれています。
映画は、両者を ”義と利”、”愛と野望” の激突として”関ケ原”で最終局面を迎えるという設定になっています。
映画は、関ケ原に至るまでの経緯を、三成が豊臣秀吉(滝藤賢一)に見いだされるところから始まります。
原作は司馬遼太郎の同名小説ですが、映画的に改変されているところとして、三成の愛妾の初芽(有村架純)は伊賀の忍者として、そして小早川秀秋(東出昌大)も優柔不断な裏切者ではありませんでした。
家康の存在感が顕著に表れた場面・・・・
ともかく、この映画の見せ場は、壮絶な合戦であり、天下の趨勢をたった6時間で結着したのは、何だったのか考えさせられる映画となっています。
つまり、天下分け目の戦いは、合戦する前から(秀吉の死後すぐに)始まっており、その過程から、すでに勝負がついていた合戦だったのです。
特に印象深かったのは、主役の三成より、強引で他を圧倒させる人間臭さの家康でした。
役所広司の役者根性が家康同様、一枚うわてだったようです。