実際、最近も社会面を賑わした安楽殺人事件がありましたが、この作品は、130人もの患者を安楽死させた実在の米国の病理学者で元医師(ドクター・デスと呼ばれていました)をモデルに描いたとされる作家・中山七里のサスペンス小説を映画化されたものです。
安楽死については賛否あるのですが、日本では所詮殺人犯罪です。
この映画の犯人も「人には生きる権利と死ぬ権利が平等にある」「死にたいあなたへ 最後は楽に 殺して差し上げます」と・・・・
映画は、雨の中、8歳の少年が公衆電話から110番に「お父さんが殺された」と泣きながら訴えるところから始まります。
少年は「知らない医者と看護婦が来て注射を打ち、その後、いつもの医者が来て死んだと言った」と告げ、不審に思った犬養(綾野剛)と高千穂(北川景子)は火葬場に急行し、火葬される寸前に司法解剖に回しました。
遺体から塩化カリウムと麻酔薬が検出されます。
犬養の娘は入院中で人工透析を続けており、自分の肝臓が娘に移植できないことを嘆き、ドナーが現れるのを待っている娘を励ます。
映画は、この警視庁の敏腕刑事の犬養とバディである女性刑事高千穂と新米刑事の沢田(岡田健史)捜査1課の麻生リーダー(石黒賢)それに犬養の娘(田牧そら)を中心に物語は進みます。
殺人犯と刑事たちの攻防戦はなかなか迫力のある場面が描かれていますが、その中に病気に苦しむ人たちの苦悩、そして犬塚自身の娘の病気に対する葛藤も折り込みながら、有力な証言をえられない焦燥感が、捜査は難航を極めてゆきます。
この物語の犯人も自らをドクター・デスと呼ばれており、実在の130人をも安楽死させた米国の病理学者(ジヤック・ケブオーキアン)を尊敬していたことから、この安楽死殺人を遺産としょうし殺人を繰り返したのでしょう。
そして、そこには疑問も・・・
殺害に対する報酬を受け取らないとか、又安楽死させる薬物の入手経路は描かれていません。 この犯人の背後には、これを操る真犯人がいるのではと思うのは邪推なのでしょうか・・・
そして、それこそが遺産なのかも知れません・・・