徒然なるまま”僕の趣味と遊ぶ”

タイガース、水彩画、鉄道などの、僕の気ままな”独り言”

映画 「 ロストケア 」

2023年03月28日 17時00分19秒 | 映画・社会

長生きすることは、本当に幸せなのか・・
何が正義なのか、何が正しいのか・・・
この映画は、今、日本が直面している重要な社会問題であり、高齢社会の介護の問題は誰もが少なからず関わることなのです。

出来れば避けたい、目を背けたいことでもあるのですが・・・
一言で”介護”と言っても、社会的な問題だけではなく、家族の問題でもあり、人間の尊厳の問題でもあるのです。

    

映画は、早朝の民家で老人と訪問介護センターの所長の死体が発見されたところから始まります。
捜査線上には、センターで働く斯波宗典(松山ケンイチ)が上がるが、彼は介護家族から慕われる献身的な弁護士なのです。

検事の大友秀美(長澤まさみ)は、斯波が務める介護センターが世話をしている老人の死亡率が他施設よりもダントツに死亡率が高く、、彼が働き始めてから40人を超えることが判明した。

   

事実を明らかにするため斯波と対峙することになった大友は、彼の主張に驚愕し、戸惑いを隠せなかった。
それは、斯波は「殺人」ではなく、「救い」だと・・・

 
      斯波の父親も・・・・         多くの介護者は、彼を慕っていた

この映画を見る前には、一瞬神奈川県相模原市で2016年に起きた障害者施設の刺殺事件を思い出しましたが、その考え方とは全く違ったものであると思いました。
といっても、どちらが正しいとかいう問題ではなく、社会や人それぞれの人の心には想像もつかない問題が潜んでいるということなのでしょうか・・・

調べてゆくと、介護家族の厳しい現実が突き付けられ、大友の”法のもとでの正義”と斯波の”信念”とが向き合い、激しく衝突します。

他に、鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、藤田弓子、柄本明などの好演も見逃せません。


映画 「シャイロックの子供たち」

2023年02月22日 16時00分28秒 | 映画・社会

まず、興味を持ったのが  ”題名” です。

    

映画は、シェクスピアの戯曲「ベニスの商人」の舞台から始まります。
”ベニスの商人”の話は、大まかには知っていますが、その金貸しの名前がシャイロックだということを知りませんでした。
つまり、銀行=金貸し=シャイロックで、子供は、銀行員ということなのです。

  

その金貸しは、強欲でかなり評判の悪い金貸しですが、銀行員全員が悪い金貸しではありません。 銀行員も色々ですが、まっとうな銀行員のためにも申し添えます。
悪い銀行員といっても、それも様々で、根っからの悪党や、一時の迷いから悪に手を染めてしまう人もおり、それらの人々を描いているのがこの映画なのです。

「シャイロックの子供たち」は、池井戸潤の小説で累積発行部数50万部を突破し、昨年は、TVドラマ化され、今年に映画化されました。
     

さて、その銀行は、東京第一銀行のとある支店での騒動です。
お金を扱う銀行での現金紛失事件が、それも100万円という大金で、上層部はうやむやにすべく穴埋めをしますが、お客様係の西木(阿部サダヲ)は、同じ支店の愛理(上戸彩)田端(玉森裕太)とともに事件の真相を探る。

  

出世コースから外れた支店長・九条(稲葉敏郎)、パワハラ上司の副支店長・古川(杉本哲太)エースと呼ばれるが過去に問題がある滝野(佐藤隆太)、本店から調査に来た本部調査部・黒田(佐々木蔵之介)

銀行を取り巻く取引先にも多くの問題を抱え、銀行を利用して一儲けを図る石本(橋爪功)や沢崎(柄本明)など芸達者の登場人物の掛け合いもなかなか見ものでした。

最後は、池井戸潤の十八番である「やられたら、倍返し」が見事成功するのでしょうか・・・・

   


映画 「イチケイのカラス」

2023年01月17日 16時53分33秒 | 映画・社会

漫画を原作とした人気のテレビドラマの映画化です。
"イチケイ"とは、通称で東京地方裁判所第3支部第1刑事部(イチ刑)のことだそうです。
また、カラスと呼ばれる理由はいくつかあり、まず、法衣が黒、第2に黒は何物にも染まらないということで法曹関係では裁判官をカラスということだそうです。
もう一つの理由は、カラスは日本神話で”導きの神”といわれ、神武天皇を大和に案内したのが、あの三本足の八咫カラスと言われており、裁判官も正しい方向に導く役目があるとゆことです・・・

       

 

映画は、イージス艦と貨物船の衝突事件とある町の大企業の疑惑が浮かび、この2つの事件が平行して起こっているところから始まります。

入間みちお(竹野内豊)は東京地方裁判所第3支部第1刑事部を去って岡山に異動し、主婦が史上最年少防衛大臣・鵜城英二(向井理)に包丁で切りつけた障害事件を担当することになりました。

     
   島谷船長の妻は防衛大臣に詰め寄るが・・・   入間を支える岡山支部の面々

イージス艦と貨物船の衝突事件は、不審だらけですが、イージス艦の航海内容は国家秘密で、入間の伝家の宝刀である職権発動が通用出来ない難敵。

   
        板間は、月本に次第にひかれるが・・・      入間は、防衛大臣の疑惑を解明出来るか

一方、板間千鶴(黒木華)は、裁判官の”他職経験制度”で弁護士となり、入間の隣町でそこで出会った人権派弁護士・月本信吾(斎藤工)と組み、町の疑惑を解明してゆきます。

 
  疑惑企業の弁護士三田村武晴(尾上菊之助)   坂間と仲の良い産業医小早川悦子(吉田羊)

隣町の2つの事件がそれぞれ関連されてゆく中、衝突事件の解明も徐々に明るみになってゆくなか貨物船の船員が倒れていて船の操縦で出来なかったとか、一方板間の担当事件では、月本が殺されたとか、それぞれの事件が進展してゆきます。

それぞれの事件のつながりは・・・、衝撃の事実が・・・・

   


映画 「 ある男 」

2022年11月23日 10時29分25秒 | 映画・社会

映画 「ある男」のジャンルは、一般的には”ヒューマンミステリー”と言われています。
その内容は、人種差別、偏見、死刑制度、人名売買、そして家族の在り方も含め、あらゆる社会の問題が含まれています。

今の社会に生きてゆくのが、自分だけの起因ではなくても、息苦しい環境に置かれることがあり、そのためには、過去の自分を消してしまいたいことがあり、それが事件を生み、多くの人を巻き込むことになるということなのでしょう・・・

 

弁護士の城戸章良(妻夫木聡)は、かっての依頼者である谷口里枝(安藤さくら)から、亡き夫・大祐(窪田正孝)の身元調査を依頼され、谷口の文房具店のある宮崎県に飛ぶ。

   
    出会いから、親子の楽しみも、大祐の事故からすべてが狂ってしまう。

 

話は、大祐が文房具店で買い物を始めたことから里枝と親しくなるところから始まります。 その大祐が不慮の事故で亡くなり、葬儀のあと、疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島秀和)が、線香をあげに来た時、その遺影を見て、これは大祐でないという。
そこで、かって自分の離婚の弁護をした弁護士の城戸にその大祐の身元を調べることを依頼、夫が大祐でないことが判明した。

      
    遺影は、大祐ではないと、兄から告げられた里枝の気持ちは・・・



城戸は、大祐とは何者か、その素性を追いかけると、他人として生きた男の複雑な思いが、その環境にあり、その経緯や理由を調べてゆきます。
そこには、多くの人が関わり、社会的に多くの問題を含んでいることが分かってきます。
まず、見終わって、気が重く、なにかスッキリした気持ちになりませんでしたが、映画館の外の明るい光を浴びると、ほっとした気持ちになり、現実に戻ったようです。

 


映画 「沈黙のパレード」

2022年09月22日 19時05分52秒 | 映画・社会

「ガリレオシリーズ」の劇場版。
不可解な死の真相を、物理学者の湯川学らが解き明かす物語で、それには物理学者独特の推理が見どころとなっています。 

   

映画は、ある商店街の催しで一人の女学生が、多くの観衆の前でのど自慢を披露しているところから始まります。
その女学生が行方不明になって数年後に女性の遺体が発見され、死体遺棄事件として、おなじみの警視庁捜査1課の刑事草薙 俊平(北村一輝)と刑事 内海 薫(柴咲コウ)が捜査。
この二人が捜査を担当し、容疑者 蓮沼 寛一(村上 淳)として浮かぶが、完全黙秘を貫き、証拠不十分で釈放される。

物理学者 湯川 学(福山雅治)の元に、刑事 内海が相談に訪れます。

  

その蓮沼が、女子学生の住んでいた町に戻ってきた。 
当然、街中には憎悪感が漂う中、その男は、女学生の両親が経営している食堂に現れ、挑発してくる、そんな中、この町の夏祭りのパレードが始まります。

  

そのパレードの当日に事件が起こります。
蓮沼が何者かに殺されてしまうが、犯人どころか、その死因さえも特定できませんでした。

動機は、女子学生を愛していた家族や、歌仲間、恋人、食堂の客など全員に動機があると同時にアリバイもあり、その上、全員が、沈黙する事態になってしまう。

ここで湯川博士の推理が始まります。
誰が、どのような方法で、死因は・・・・

ここからがこの映画のプライマックスとなります。
犯人は誰か・・・以外と思わせぶりで、少々ありきたりだったのかも知れません。
誰も善人だが、また誰もが怪しい・・・湯川博士の理論的な推理と内海刑事の軽妙なやり取り、そんな中、草薙刑事の苦悩はあまりにもこの映画の言わんとするところなのではないでしょうか・・・。 

             

女学生の両親 なみき食堂の主人並木祐太郎(飯尾 和樹)、並木真知子(戸田 菜穂)。
他の出演者には、田口浩正、吉田 羊、壇 れい、椎名 桔平など。


映画 「峠 最後のサムライ」

2022年06月23日 10時51分13秒 | 映画・社会

慶応3年(1867年)、大政奉還により260年余りに及んだ徳川幕府は終焉を迎え、諸藩は東軍(旧幕府)と西軍(新政府軍)に分かれている。
翌年、鳥羽伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発する。  

       


そんな中、越後の小藩、長岡藩の家老・河井継之助(役所広司)は、東軍。西軍いずれにも属さない武装中立を目指し、民の暮らしを守ろうと戦争を避けようとした。

しかし、和平を願っての談判も決裂する。
継之助は徳川譜代の大名として義を貫き、西軍と砲火を交えるという決断を下す。

戦いのない世を望んだが、最後の戦いが始まった・・・

 

ここまでには、妻おすが(松たか子)への愛情の証、オルゴールや中立国スイスの話、そして夫婦での芸者遊びなど殺伐とした戦いの中でもほっとする話を織り込んでゆく。

一旦城を奪還するが、多勢におされ、会津に退却する。
大けがをした継之助が、最後のサムライとして、の終焉を迎えることになる。

   

彼の生き方(中立、独立)は、なにも幕末の話だけではなく、今も考えさせられることで、時代の潮流に、望むと望まずにも関わらず、流されることを考えなくてはならないようです。

主な登場人物
仲代達矢   牧野雪堂(前長岡藩主)                      
東出昌大   徳川慶喜
佐々木蔵之介 継之助の盟友 藩医者
榎本孝明   川島億次郎(継之助の幼馴染)
渡辺 大   花輪求馬(軍事掛)
田中 泯   河井代右衛門(継之助の父)
永山絢斗   松蔵(継之助に仕える従僕)
AKIRA    山本帯刀(長岡藩の軍事掛)
芳根京子   むつ(旅籠の娘)
香川京子   お貞(継之助の母)

 


映画 「大河への道」

2022年05月24日 12時41分47秒 | 映画・社会

落語家 立川志の輔の落語「大河への道」を映画化されたものです。
言わずと知れた伊能忠敬が、200年前の江戸時代に、現在の地図とあまり誤差の少ない日本での最初の実測地図を作製しました。と学校でも教わったのですが・・・

郷土の町おこしのため、千葉県香取市が、郷里の偉人伊能忠敬を主人公にした大河ドラマの制作プロジエクトを発足させます。

  

映画は、このプロジェクトの活動と伊能忠敬の時代、江戸時代1818年と並行して物語は進行してゆき、主な登場人物は、現代と江戸時代を平行して、二役となります。

現代のプロジェクトは香取市総務課主任の池本安治(中井貴一)は、江戸時代では、幕府天文学の高橋景保の二役となり、プロジェクトの脚本を依頼した大物脚本家加藤浩造(橋爪功)は江戸時代では源空寺の和尚を演じています。

さて、脚本を依頼された加藤は、伊能に感銘を受けるとともにその肝心の伊能が完成の3年前に亡くなっていることを知り、伊能を主人公にして脚本は出来ないと告げます。

一方、江戸時代では、この事実を隠蔽するため、公金横領のそしりを受けるのを覚悟して師匠伊能の意志を継ぐため死を覚悟して測量を続けます。

  

完成の暁には、時の将軍11代徳川家斉(草刈正雄・・現在では千葉県知事で)に見せますが、伊能の死を隠し通せるのでしょうか・・・

現在では、脚本家には、伊能ではなく、高橋を主人公にと言われ、池本は、どう結論付けたのでしょうか・・・

 

共演者もほとんどが時代を超えた二役で、池本の助手と高橋の家来には松山ケンイチが、他に北川景子、西村まさ彦、平田密、原作者の立川志の輔も登場しています。

さて、この映画は、時代劇でもないし、1種のドキメンタリーなのでしょうか?
はたまた、喜劇なのでしょうか・・・
どうやら、歴史も人生も、どうやら喜劇だったりして・・・そして主人公も不在になりかねません・・・
歴史は、人の感動と名前だけが優先されて、どこかで真実が埋没されかねないのです。


映画 「99.9 刑事専門弁護士ーTHE MOVIE」

2022年01月06日 19時56分55秒 | 映画・社会

話題の映画「99.9」を見てきました。
久しぶりに多くの観客の中での映画鑑賞となりました。
2016,2018年にTBSで放送していたものの映画化です。

個性的な刑事専門弁護士たちがぶつかり合って99.9%不可能と思われる刑事事件に挑んでいくエンターテイメントです。

99.9%とは、日本の刑事事件における裁判の有罪率のことで、起訴された99.9%は有罪になるといわれ、残り0.1%を目指して、事実を追い求めてゆく弁護士の姿を描いた物語。

  

99.9%逆転不可能と言われる事件で無罪を勝ち取ってきた深山(松本潤)が主人公。
この法律事務所”班目法律事務所の刑事事件専門ルームは、新所長となった佐田(香川照之)のもとに新米弁護士の穂乃果(杉咲花)が加わり、事件に挑み続けていました。

そんなある日、15年前に起きた毒物ワイン殺人事件に関する依頼で、その犯人と思われる人物は、死刑判決の確定後、無罪を訴えて獄中死し、真相は葬られてしまう。

その事件には、南雲弁護士(西島秀俊)とその娘エリ(蒔田彩珠)が関わっており、謎の弁護士として登場する。

 

 

深山たちは、村の青年・守(道枝駿佑)の協力のもと、当時の再現をするが、一時は逆転かと思われたが・・・
一転二転するが、果たしてこのピンチを切り抜けることが出来るのか・・・

真実を求める深山に、真実の残ごくな結末が待っていた・・・
真実を知ることがいつも人を幸せにするとは限らない。
真実によって傷つく人もいる・・・
そして嘘では人を救えない、救うことは出来ないのです。
これが、この映画のテーマなのです。


映画 「 燃えよ剣 」

2021年11月19日 08時41分56秒 | 映画・社会

封切り日から1か月以上経っているので、もう上映されていないとばかり思っていたのですが、ひょんなことから、今も上映されているのを知り、見に行ってきました。

 
 

土方歳三(岡田准一)の半生を、インタビューで語りながら進行して行き、幕末の動乱期を彼とその仲間が激動の如く暴れまくって、駆け足的な展開で描く、血生くさいアクション劇です。

何しろ土方歳三の半生を、2時間半の映画で駆け抜けるため、文字通り展開が激しくある程度の歴史の記憶と則して見てゆかなくてはならず、2時間半はあっと言う間でした。

          

今まで、土方歳三のドラマや映画は、部分部分を取り上げたものが多かったようにおもいます。
従って彼が関わった多くの事件や事象を時系列的に演じる作品は、珍しくこれほど彼一人が主役であったものと改めて思い知らせられました。
それほど日本の歴史に、江戸末期特に佐幕派と討幕派の間で、良くも悪くも影響を与えたものとホトホト感心せざるを得ません。
ただ、それが多くの人の血を流したという事実は、彼だけのセイだけではありませんが、勝てば官軍で新政権樹立に肩入れするものが多くあるのも仕方がないのです。

   

血気盛んな田舎の若者が、武士になりたいという一念で武芸に励み、京都で会津藩で浪士組を組織し、芹沢鴨(伊藤英明)の殺害、新選組の結成、池田屋事件、鳥羽伏見の戦い、そして仙台、会津での戦い、そして五稜郭へと、歳三の歴史を中心にスポットを当てての構成で、その合間に、お雪(柴咲コウ)との心の交流、近藤勇(鈴木享平)沖田総司(山田涼介)ら隊士の関係を描き歳三の人間味ドラマとなっています。

 

武州多摩の”バラガキ”は、「武士」になったのでしょうか?
最後の壮絶な彼の死が、武士としての意気込みを表したのでしょうか・・・

土方歳三の求めたものは手に入ったのでしょうか・・・
何が彼をここまで駆り立てたのか・・・
彼が望んだ武士は・・最後まで武士として生きたのでしょうか・・・
多くの仲間をなくし、彼は何を望んで新しい世の中を望んだのでしょうか・・

時代の潮流に流され、命を懸けて夢を求めた者たちは、結局、刀の力だけではどうにもならなかったという思いに至ったのでしょうか・・・

この激動の時代があったからこそ、今の時代が、日本があることを忘れてはならないのでしょう。


映画 「 ドクター・デスの遺産 」

2020年11月20日 13時03分29秒 | 映画・社会

実際、最近も社会面を賑わした安楽殺人事件がありましたが、この作品は、130人もの患者を安楽死させた実在の米国の病理学者で元医師(ドクター・デスと呼ばれていました)をモデルに描いたとされる作家・中山七里のサスペンス小説を映画化されたものです。

安楽死については賛否あるのですが、日本では所詮殺人犯罪です。
この映画の犯人も「人には生きる権利と死ぬ権利が平等にある」「死にたいあなたへ 最後は楽に 殺して差し上げます」と・・・・

      

映画は、雨の中、8歳の少年が公衆電話から110番に「お父さんが殺された」と泣きながら訴えるところから始まります。
少年は「知らない医者と看護婦が来て注射を打ち、その後、いつもの医者が来て死んだと言った」と告げ、不審に思った犬養(綾野剛)と高千穂(北川景子)は火葬場に急行し、火葬される寸前に司法解剖に回しました。
遺体から塩化カリウムと麻酔薬が検出されます。

     

犬養の娘は入院中で人工透析を続けており、自分の肝臓が娘に移植できないことを嘆き、ドナーが現れるのを待っている娘を励ます。

映画は、この警視庁の敏腕刑事の犬養とバディである女性刑事高千穂と新米刑事の沢田(岡田健史)捜査1課の麻生リーダー(石黒賢)それに犬養の娘(田牧そら)を中心に物語は進みます。

       

殺人犯と刑事たちの攻防戦はなかなか迫力のある場面が描かれていますが、その中に病気に苦しむ人たちの苦悩、そして犬塚自身の娘の病気に対する葛藤も折り込みながら、有力な証言をえられない焦燥感が、捜査は難航を極めてゆきます。


この物語の犯人も自らをドクター・デスと呼ばれており、実在の130人をも安楽死させた米国の病理学者(ジヤック・ケブオーキアン)を尊敬していたことから、この安楽死殺人を遺産としょうし殺人を繰り返したのでしょう。

そして、そこには疑問も・・・
殺害に対する報酬を受け取らないとか、又安楽死させる薬物の入手経路は描かれていません。 この犯人の背後には、これを操る真犯人がいるのではと思うのは邪推なのでしょうか・・・
そして、それこそが遺産なのかも知れません・・・