大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 12月6日 夢

2013-12-06 21:35:41 | B,日々の恐怖




     日々の恐怖 12月6日 夢




 二年くらい前の事です。
当時、三年くらい同棲していた彼女がいたんだが、そいつと新しくマンションを借りて引っ越した。
俺は霊感とか無いし、霊や宇宙人すら信じてなかった。

 ある日、寝室のベットで寝ていると誰かが布団の中に入ってきた。
あぁ彼女が来たんだなぁ、ぐらいでしか思わなかった。
ちなみに、当時の俺は水商売を経営していて帰りが朝が当たり前。
彼女は昼間仕事をしていた。

 それで違和感を感じた。
俺が寝てる時間は彼女は仕事に行っているはずだと。
そして目を開けると、ベットには誰も居なかった。

 もちろん彼女は仕事に行っていた。
夢でも見たのかと思い気にはしていなかった。
 またある日、寝ていると今度は犬がベットに入ってくる感じがした。
犬は飼っているので、あぁ飼い犬が入って来たなと思っていた。
また違和感を感じた。

 飼い犬は犬部屋用に一部屋潰して使っていた。
犬部屋はレバーで開けるタイプのドアだから犬が自ら開ける事は出来ない。
彼女が入れたのか?いや、今日は彼女が仕事に行くのを見送っている。
やはり目を開けると犬は居なかった。

 酒も飲んでるし変な夢でも見たんだと言い聞かせていた。
それから頻繁に女と犬は現れる様になった。
寝ていて目をつぶってるはずなんだが、女の感じがわかる。
顔はボヤけて分からないんだが、髪が長く白い服を着ている。

 布団に入らない時もあり、ただ俺のそばで立っている時もあった。
犬はいつもジャンプしてベットに入ってくるか、俺の上に飛び乗るって感じだった。

 これは彼女が本当に横で寝ている時もあった。
何かをされる訳じゃない、でも恐怖は感じていた。
必死に目を開けよう、起きようとしても出来ない時もあった。
動く手で彼女に起こしてくれ…と頼んだこともあった。
 だけど声も出ない、腕も彼女に少し触れる程度しか動かなかった。
必死に目を開けると何も変わらない寝室。
だけど、もう一度眠ると同じ事が起きる。
女か犬が来る。
同時に来る時もある。
 彼女には怖がらせない様に、

「 女や犬が入ってくる夢をみるんだ。」

くらいしか教えて無かった

 こんな現象が三日に一回、一日に四回も見る日があった。
霊など全く信じてない俺でも少し怖くなっていた。
 ある日、俺が仕事に行っていた時に彼女が友達を呼んだらしい。
その子は自称霊感が強いらしく、うちのマンションの駐車場に着くなり、

「 うわっ!ここ酷いね、大丈夫?」

なんて言ってたと聞いた。

 霊など信じない俺はアホくさwって笑っていた。
そんな事がたびたび起きる事が三ヶ月くらい続いたあと、俺が仕事に行こうとシャワーを浴び、髪の毛を乾かしていたらインターホンが鳴った。

 こんな時間に誰だ?(夜11時頃)と出てみると警察だった。
話によると下の階の住人が連絡が取れなくなり親が不動産屋に連絡を入れたところ、心配になり部屋に入ってみると亡くなってたそうだ。

 女性の一人暮らしで最後に見たのはいつか?とか彼氏らしき男は見なかったか?とか聞かれた。
女が三ヶ月くらい前に犬を散歩させてたのを見たみたいな話を警察にしていた。
あとから聞いた話によると病死で他殺とかでは無いと聞いた。
新聞にも載らなかったし。

 そんな事が起きてから、女や犬の霊は見なくなった。

“ よくある話で女が気付いて欲しかったみたいな事かな?”

なんて、怖がりながらも自己解決していた。
そして色々あり、五年に及ぶ同棲生活も破局し、俺は一人暮らしになった。


 女は新しい男と別のマンションで同棲を始めていた。
久々に女から電話がかかって来て、

「 あんたが見るって言ってた女や犬が入ってくる夢って、女は髪が長くて…服が…こんな感じじゃない?」

みたいな事を言われた。
まるっきし俺が見た女と一緒だった。

 どうやら、新しい男がそんな夢を見るらしい。
俺は見なくなったのは、よく考えると彼女と別れてからだった。
もしかして、あの女や犬の霊は下の住人じゃ無く、元々彼女に付いていたのかも?
それとも、まだ下の住人が彼女に付いて行ったかもしれない。
今は彼女は結婚してしまい連絡も取らないが、旦那はまだ夢を見ているのだろうか?














童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------