大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 12月13日 部長増殖説

2013-12-13 18:53:25 | B,日々の恐怖




     日々の恐怖 12月13日 部長増殖説




 今いる会社での話です。
コンサル部の部長は時々ワープするらしい。
打ち合わせ中に他の場所で目撃されたり、出張中なのにかかってきた電話に出ていたりと 瞬間移動できる、又は分裂して増えてる、そんな噂があった。
 別の課で、経理の部署にいる私には、さほど接点が無かった為、自分でワープを目撃したことは無く残念に思っていた。
それでも社内で部長を見かけるたびに、気になって観察したりしていた。
努力が実ったのか、唯一自分で見た時の話です。


 経理用の伝票束を倉庫から3Fの経理まで運ぼうとした。
倉庫は1Fで本来なら階段推奨なんだけど、ダンボールが結構重かったのと台車を使う事になったので普段は使用しないエレベーターに乗ることにした。
 ビルは2箇所エレベーターがあって、正面にある来客用と奥で主に社員が使う古い物。
使ったのは古いほうで、狭くて大人3人くらいで息苦しくなるくらい。
 ビルは6F建、経理は4F、コンサルは6Fにある。
古いほうのエレベーターは3階までしか動かない。(理由は不明、昔からそうだったらしい。
ボタンも3Fまでしかない。)
 エレベーターに乗って、ボタンを押そうとしたときに、例の部長が一緒に乗ってきた。
台車と一緒に乗ると狭すぎるので、一度譲ろうとしたんだけど、部長はにっこり笑ってそのまま閉ボタンを押してしまった。
おかげで部長は片足を台車の上に乗せるしかなくて、非常に申し訳なかった。
 エレベーターは古くて、止まる時にガタンと衝撃がある。
3Fに到着して、部長を乗せたまま台車をガタンと揺らしてしまった。
バランスを崩して、積んだダンボール箱が扉が開くと同時に床に転がった。
あわてて先に出て、散らばった伝票束をかき集めてるうちに部長はそのままエレベーターを閉めてしまった。
 これ以上、そのエレベーターは上に行けないのに、なんで降りなかったのか不思議だった。
もう一つ不思議なのは、台車の上にダンボールを3箱積んでいて、その前に部長の足があって、ダンボール支えていたはず。
部長が足をどけないとダンボールは崩れないはずだった。
私が降りようと「すみません」と声を掛けたときにすっとどけたのを見たんだけど。

 戻ると経理の課長は会議に出てていなかった。
その会議は3ヶ月毎に行われる、全部署課長以上+営業+重役で行われるもので、もちろんコンサルの部長も出席しているはず。
 昼休みに営業の同期に聞くと、やっぱり部長は出席していた。
一度休憩を挟んだらしいけど、私が倉庫に行っていた時間とは違う。
それに重役クラスは来客用のエレベーターを使うのが常。
(部長だけど外部からの引き抜きで来て貰ったため、扱いは重役レベル。)
その話を同僚にして、部長増殖説のほうが有力になった。


 会社は古くて、本社な為、人数はかなりいます。
人が多いとそれなりに変な話も多いです。
使っているビルもかなり古いせいか、結構色んな話があります。
在籍6年目、まあまあ給料もいいし、もう少し頑張る予定です。














童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------