大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 12月24日 化け物

2013-12-24 18:51:49 | B,日々の恐怖


     日々の恐怖 12月24日 化け物


 まだひいばあさんが生きていたころ、確かまだ幼稚園の頃だったと思う。
ひいばあさんの家があるのは、観光にも狸を利用しているほど県内では狸で有名な土地で、もちろん今でも狸は良く出る。
狸を扱った絵本なども出ており、俺は狸の絵本が大のお気に入りだった。
 ある日、ひいばあさんの家に遊びに行った時、俺はひいばあさんに聞いてみた。

「 狸って化けるって本当?」
「 狸は化けねな。」
「 えー。」

夢を壊されふてくされかけていたら、ひいばあさんが続けて言った。

「 狸は化けねども、なんかしかが狸に化ける。」
「 狸に?」
「 おめ、動物園の狸が化けるのみたこどあっか?」
「 なーい。」
「 狸は化けね、ケモノっこだもの。」
「 化けらァずはバケモノよ、バケモノがケモノさ化けらぁずや。」
「 バケモノが狸に化けるの?」
「 狸だけでね、けづねさも、いたぢさも、いぬさも化ける。」
「 人さもな。」
「 ・・・・・・。」
「 んだがら○○ちゃん、おがさんがたのゆごどきがねば、バケモノよってくど?」

最後の言葉は俺を戒めるために言ったんだろうが、どうしても“バケモノはケモノに化けるからバケモノだ”と言う言葉が、心に残って仕方ない。












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