大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 1月4日 電話

2014-01-04 17:43:25 | B,日々の恐怖


   日々の恐怖 1月4日 電話


 電話の話です。
私がまだ独身の頃、飲んで家に帰ると、唐突に名古屋の方に就職した友人を思い出しました。
すでに日付は変わっていましたが、相手も一人暮らし、気兼ね無くタ"イヤルしました。
 コール音を聞くこともなく、相手が出たので驚きました。
電話の向こうで友人は、彼も私のところへ電話しようと受話器を取ったところだと笑いました。
 こんな偶然もあるのだなと話は弾みます。
友人はかなりハイなようで、異様なくらい陽気です。
お互い都合をつけ一度飲もうと約束し、電話を切りました。
 翌日、仕事の都合がついたので、私は友人の職場へ電話しました。
私は友人がバイクの事故で瀕死の重症であることを教えられました。
事故の時刻は0時過ぎです。
私は取るものも取り合えず、名古屋へ向かいました。
 私が電話をした時刻、友人は救急車か病院にいたはずです。
私としゃべった友人が、生身の本人であったはずがありません。
名古屋へ向かいながらも、私は友人は助からないのではと思い涙しておりました。
 結局、友人は奇跡的に持ち直しました。
会話が出来るようになったのは、約1ヶ月後でした。
その時、言いました、夢を見たと。
自分が事故で死にかけていると分かっていたのだが、部屋で電話で私と飲む約束をする夢を見たと。
約束したから死ぬことはないと思っていたと言うのです。

「 夢じゃない、本当に約束したんだ。」

と答えると二人とも、涙が止まらなくなりました。


 電話と言えば、もうひとつ奇妙な話があります。
やはり友人の家の電話なのですが、時々、通話中に混線したかのように、お婆さんがお経を唱える声が入ります。
この現象が起きると2、3分後に回線が切れてしまいます。
この現象は架かって来た時のみ、相手や時間と無関係に月に1度程度起こります。
 友人やその家族は慣れたもので、読経が聞こえると、こちらから架け直すと言って、さっさと電話を切ります。
 NTTにも解明不能なこの現象は、現在も継続中ですが、それほど不便じゃないからと友人は笑っています。











童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------