日々の恐怖 1月16日 くまさんパンツ
最近家を出た姉さんからメールが来ました。
霊で悩んでいるそうです。
姉「 オカルトに詳しい弟ちゃんに相談があるのです。」
俺「 なんでしょうか?」
※何故かうちでは家族間でのメールは一文ずつという家訓があります
姉「 最近姉さんの部屋に幽霊が出て困ってます。」
俺「 それは困りましたね、盛り塩などが効果的です。」
姉「 どうなるのですか?」
俺「 出なくなります。」
姉「 それは困ります。」
俺「 なぜですか?」
姉「 彼が雅治に似たなかなか良い男だからです。」
俺「 福山も姉さんに呼び捨てされるいわれはないと思う事でしょうね。」
姉「 彼は寝ている私に近寄らず、窓の側に立って見ているだけなのです。」
俺「 26にもなって、くまさんパンツを履いてる女に近付きたがる男なんていませんよ。」
姉「 きっと姉さんの大人の色華に気後れしているに違いありません。」
俺「 無視ですか。あと漢字が違います。」
姉「 どうにかならないでしょうか?」
俺「 もう男なら幽霊でもいいのですか。」
姉「 そういう訳ではありません。」
俺「 どういう訳ですか。」
姉「 私の魅力的な死体を前に生殺しでは気の毒すぎだと思います。」
俺「 そんな台詞はスポーツブラを卒業してからにして下さい。あと漢字違います。」
姉「 何とか彼のパワーを強めてあげたいのです。」
俺「 何考えてるんですか?」
姉「 悪い人じゃないです。」
俺「 そういう問題ではないです。」
姉「 教えないと弟ちゃんが中学生まで私と一緒にお風呂に入ってたことを彼女さんにバラします。」
↑
ほぼ、原文のままです。
霊に力を与える方法なんて知らないのでどなたか教えて下さい。
というか力を与えていいのでしょうか…?
ちなみに、姉は中学生と間違えて補導される程の童顔貧乳低身長です。
“ もっと、詳しく・・・・。”
えっと、まあ、ぶっちゃけ寝惚けた姉の見間違い&思い込みでは無いかと邪推しているのですが。
何しろ霊感皆無ですから。
むしろアンチ霊体質。
それを証明する事柄も多く、
・三年前に居間で起きたラップ音現象が姉が現れた途端にピタリと止んだ。
・黒猫は姉を見ると必ず尻尾を巻いて逃げる。
・姉が泊まるとあらゆる霊現象が無くなるので一人暮らしの女友達から重宝されている。
・去年の家族旅行で旅館に泊まり座敷童子と間違えられる。
・お見合いの相手から飴をもらって帰ってくる。
と、そうそうたる経歴の持ち主なのです。
ただ、何と返答したらよいものかと…。
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