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日々の恐怖 1月8日 カーナビ

2014-01-08 18:05:30 | B,日々の恐怖



   日々の恐怖 1月8日 カーナビ



 私の車はカーナビを装備していますが、現在のナビは2つめになります。
1つめのナビは古いタイプのもので、液晶の画面をエアコンの噴出し口に据え付ける形のものでした。
 この1つめのナビですが、明らかに目的地へは遠回りの案内で墓場の前を通らせたり、走行中にガッチリと据え付けているはずの液晶モニターが突然ボロッと落ちるので仕方なしに停車するとそこは神社の前だったり…。
 などなど、いつしか仲間内でも「このナビは心霊ナビだ」と言われるようになっていました。

 今から3年ほど前、仲間と岐阜の白鳥周辺へスノーボードをしに行った帰りの事です。
その頃、友人が蟹江に住んでいたので、帰りに皆で顔を見せに行こうと名古屋方面へ車を走らせていました。
 前日の夜中から出発し、スキー場で一日動き回った後の渋滞…私たちの疲れはピークに達していたため、友人の家に寄る前にひとっ風呂浴びていこうという事になり、その友人にお風呂屋さんの電話番号を聞きナビで検索し目的地を設定ました。
 そしてとあるパーキングエリアの手前を過ぎる頃、同行していた仲間の1人である、いわゆる感の強いヤツが突然「今抜いていった黒い車、運転手が乗ってなかった」などと口走り始めました。
その時から車内にはイヤな空気が漂い始めました。

 やがて日も暮れ始め、名古屋市内にさしかかった頃、ナビが突然再検索を始め、今来た道を戻るよう指示してきたのです。
運転疲れの苛立ちがピークに達していた私は、

「 ハァ?この糞ナビがぁ!!」

と、機械であるカーナビを大人気なく罵りました^^;。
 するとどうでしょう。
ナビは再検索を始め、目的地を特定したかと思えばまた検索。
それを5回ほど繰り返しました。
 そして、モニターに浮かび上がったルートは3~4重の時計回りの渦巻き、そして真ん中に目的地を示す「G」のマーク。
友人達の会話がピタッと止みました。

 それを見た私はプッチ~ン!

「 よっしゃ、その通りに走ったる!!」

怒りに任せて黙々とハンドルを切る私。
 20分ほど走ったでしょうか。
ナビが「目的地周辺です。音声案内を終了します。」と告げたその場所は・・・・。
お風呂屋さんなどではなく、なんと葬儀場。
しかも、葬儀が執り行われている最中でした。

「 うああああああ!!」

車の中で叫ばない者はいませんでした。
逃げるように近所のファミレスへ飛び込み、とりあえず腹いっぱいご飯を食べました。
それからというもの、ナビを罵るのは止めました^^;













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