日々の恐怖 1月20日 大阪
大学、社会人となって暫く不思議な人達を見ていなかったのですが、大阪で働いていたときに、どうしても気になる場所がありました。
そこは、家から大通りへ向かうときに通る、大変細い道で、気になる場所は、武家屋敷の壁(下が石垣で白い壁のミニ屋根付)が続く家の端。
その家の端の下にアスファルトからでる3つの石。
少しあいて2つの石。
いかにも除けることが出来ませんでした!というかの様なその石。
ずっと気になっていたのです。他にも大通りに出る道はあったのですが、その道が近道だったので、自転車でサーっと通れば怖くないっ!!と言い聞かせながら良く通ってました。
それでも3年半なにもなく過ごしていたのですが、東京転勤が決まって引越しの前日。
夜中の2時半。
引越しの用意をしていたのですが、ガムテープがなくなってしまい、仕方なく大通りのコンビニへ。
「この道も通ることがなくなるな。」と思いながら、その細い道を通ってコンビニへ。
無事コンビニへはたどり着いたのですが、問題は帰り。
調度、その問題の石にあたりに雨も降っていないのに女性が傘を差して立っていました。
直視しているわけではないので、「あ、誰かいるな~」といった感じだったのですが、場所が場所なのと、雨でもないのに傘を差していること、あと、女性の周りがなんとなくボヤっとしていて、白く明るかったということがあり、「やばい!!」と思いました。
ちょっと昔話。
中学校の頃、金縛りにあうようになりました。
その頃の体験で、夢の中で自分の目の前の丘を、白いヒラヒラのロングスカートに白の洋服、大きな白いストローハットをかぶった女の子が、ゆっくり(ビデオのスロー再生みたいに)左から右方向へ降りてきていて、丘を降りきったところで、はっと目が覚めたのですが、その女の子はまだ自分の目の前でゆっくりと動いているのです、白くボヤっと光りながら。
まだ夢の続きかな?と思って頬をつねってみようと思ったその時、金縛りにあい「うぅぅ、やばい~」と焦っているなか、その女の子はゆっくりと自分とは反対方向(奥)へと歩いていっているのですが、その奥ではいつも見慣れた自分の部屋の景色が・・・。
これは、絶対夢じゃない!!と確信し、怖くなったのですが、金縛りにあっている為、その女の子から目が離せません。
そんな状態が5分くらい続き、女の子もだいぶん遠くへ行った時に、ふと、「どんな顔してるのかな?見てみたい。」と思ってしまったその瞬間。
ピタッと女の子の足が止まり、ゆっくり振り返り始めたのです。
「やばい!やばい!やばい!怖い!!!!」と焦っても、体は動かず。
女の子の顔が見えるか見えないか!というところで金縛りがやっと解け。
そのまま布団を被って小さくなって眠りました。
と、言うことがありました。
それで、そのときの白くボヤっとした感じが一緒だったので、今回も「やばい!」と思ったのですが、急に折り返したり、じっと見たり、驚いたりすると霊さんが「あ、この人自分が見えてるんだ。」と思ってついて来る。
と聞いたことがあったので、ここは”頑張って何事もないように通り過ぎる作戦”を実行することにしました。
しかし、横目にどうしてもその女性が見え、近づくにつれ白と水色の水玉模様のロングスカート、腕まくりした白い服、両手で持った紺色の傘(ちなみに足はありました)が見えてきて、顔は傘に隠れて見えませんでした。
あまりにはっきりと姿が見えるので、これは普通に人間の女性かな?と思いながら、横を通り過ぎると同時にそちらを見ると、女性の下あごから上がありませんでした。
「・・・・・・・・・!!!」
絶句。
「落ち着け。落ち着け。落ち着け・・・・・・・」と言い聞かせながら、気付いていないふりをするので精一杯。
とにかくごまかす為、夜中の2時半過ぎというのに携帯で友達にTel。
無理やり起こして、「最近どうよ・・・。」なんて訳の分からない会話を始めた。
家についてから事情を説明したら納得してくれたのですが、「怖くて寝られん!!」と怒られました。
ごめんなさいでした。
それが、自分が体験したなかで一番怖い出来事でした。
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