ヴェネツィアの島の1つにジュデッカ島という島がある
サンマルコ聖堂のある本島と カナルグランデ(大運河)を挟んで隣り合った島だ
その島で年に1度 もっとも賑わう日がある
11月の第3日曜日 レデントーレ教会の祭礼だ
起源は 約500年前に遡る
当時ヴェネツィア全土が ペストの病魔に侵されていた
そのパンデミックの退散を神に祈り ようやく収まった時
感謝の表現として 建築されたのがこの教会だ
祭りの日だけに渡される仮設橋を渡って 人々は参拝に訪れる
そして夜 鎮魂と感謝の気持ちが 花火によって表現される
私も夜 サンマルコ広場に足を運んだ
広場は続々と集まる市民たちで すっかり超満員
身動きも出来ないほどの 状態になっていた
夜11時 ドーンという爆音とともに花火が上がった
続けて何発もの花火が夜空に上がる
満開となった光の中に 浮かび上がったのは
ヴェネツィアの守護聖人サンマルコの像だった
宵闇に隠れて見えなかったものが
花火の鮮烈な光によって
くっきりとしたシルエットとなって 浮かび上がったのだ
花火は ほんの10数分
でも市民たちはみな 握手をし
お互いの手を取り合って 感謝の表情を浮かべた
そんな輪の中で 異邦人である私にも
握手の手が あちこちから延びてきた
そう この日この時に集まった人みんなで
今そこにある平安の喜びを祝い合う
心のつながりを確かめ合う時間が 生まれていた
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