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レッチェはイタリアのかかとにある。つまりイタリア半島を長靴に例えれば、その一番下のヒール部分に位置する。
この街の特徴を一言でいえば≪バロックの街≫。古代ローマから文明の開けたイタリアは、時代時代で様々な文化と建築を蓄積しながら、都市の姿を変えてきた。
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従って異なった時代の様式が複雑に絡み合った都市空間を形成している。
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だが、ここレッチェはちょっと違う。この街は16~18世紀のナポリ王国支配下の時代に急速に発展したため、その時代に流行していたバロック様式がほぼ都市全体の形を覆い尽くしてしまったのだ。
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それで、レッチェは「バロックのフィレンツェ」と呼ばれる。ルネサンスを開花させたフィレンツェがルネサンスの代名詞として語られるのと同様に、「バロックならレッチェを見よ」と例えられる街なのだ。
レッチェに入ったのは真夏の暑い盛りだった。先に南イタリア入りしていた友人と待ち合わせて、駅で合流。半日を彼と行動を共にした。
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まず訪れたのは、サン・トロンツォ広場。
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レッチェの守護聖人聖オロンツォの像が空中高くそびえる広場だ。円柱の高さ24m。その上に5mの像が載っている。
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大きなガラスのはめ込まれたこちらの建物は旧市庁舎。今は観光案内所になっている。
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バロックの街とはいってもわずかながら古代の痕跡は残る。5千人を収容するローマ劇場跡だ。ギリシャ悲劇などがここで上演されるという。
広場で軽い食事を済ませた後、街歩きを始めた。イタリアの各都市は通常、主となる教会を中心としてその前に広場が造られ、教会がランドマーク的な役割を果たしている。
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だが、レッチェの場合、中世までの都市構造を残したままで教会を建設したので、狭い街路を曲がると突然目の前に半分だけ教会が姿を見せるといったサプライズが連続する。
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その典型がサン・マッテオ教会だ。駅からサン・ピアージョ門をくぐって進むと、狭い両側の建物の中からヌッと教会が現れる。手前の建物の影から、夏の強烈な太陽を浴びて教会のファザードがギラギラと輝く光景は、レッチェならではだ。
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そのファザードは、1階部分が凸面、2階部分が凹面と、正反対の曲面で構成された特徴的な建築だ。アレッキ・カルドゥッチ設計。彼の代表作だ。
手前も建物が影になっている
返事が遅くなってごめんなさい。実は昨日まで長崎に旅行していました。
その旅行記はレッチェが終了してから連載するつもりです。
レッチェは青空の昼もいいですが、ドゥオモ広場の夜景は抜群でした。数回後にアップしますので楽しみにしていてください。
この街の名前も初めて耳にしましたが、またひとつ、イタリアで
訪れてみたい場所が増えました。
ここ最近、南イタリアの明るい陽光のイメージがなぜかたびたび
頭に浮かんできて、旅に出たい気持ちが高まっています。
レッチェのご紹介、楽しみにしています。