箱根湯本駅を訪れた3年前、駅の階段はこんなエヴァンゲリオンのイラストで飾られていた。箱根があの作品の中に使われていたらしい。カラフルで気分大上昇の楽しい階段になっていた。
代わって、箱根彫刻の森美術館のもう1つの階段作品。この作品のタイトルは「天をのぞく穴」(井上武吉作)。
井上はかつて東西に分断されていた当時の西ベルリンで5年間を過ごした経験があり、その当時の閉そく感、壁に囲まれた現地の状況などを踏まえて「壁に穴をあけたら、その先に自由や希望が見えるだろうか」とのテーマで制作したという。
「地下の小部屋の天井に開いたい小さな窓から見上げる窓」。そのために降りて行く階段がこれだった。
訪問時にはそんな深い背景を全く知りもせず、「あ、階段がある」と、出入りして数枚写真を撮ってすぐ地上に出てきてしまったという、アホな形で手元に残されたのが、この階段写真です。そんなわけで地下の部屋や窓の写真はありません。作者の方、すみません。
それで、足りない分の代わりに別の作品を何点か。
高村光太郎作「乙女の像」。青森県の十和田湖畔にもある像。若いころ青森県に勤務していた時代があり、当時何度も通った懐かしい像を箱根で見つけて、ちょっと感激。
ブランクーシ作「接吻」。見ているだけで思わず微笑みが漏れてくる。素朴に見えるけど実は愛の究極の形が表現されているのかも。
ニキ・ド・サン・ファール作「ミスブラックパワー」。大根足で立つ女性像の圧倒的な迫力。でもこちらもユーモラスな雰囲気を醸し出す。私的には、ここの美術館の作品の中でも一番親しみを感じる逸品だ。
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