セーヌ左岸、パンテオン近くにあるサンテティエンヌ・デュ・モン教会に出かけた。ここはパリの守護聖女であるジュヌヴィエーヴを祀る教会だ。
彼女は5世紀にパリに蛮族が侵入した際、パリの街を守って活躍し、聖女となった女性だ。
入ってみて、とても高い空間に気分が晴れ晴れするのを感じる。
(天井の低い家が好きなのに、妻に高い家の購入を押し切られて屈折する夫(竹野内豊)のCMがよく流れているが、私はやっぱり天井の高い家が好きだ)。
その正面に向き合うと、この教会独自の形態に目を引かれる。内陣と身廊との間に仕切りがなされている。これは「ジュペ」と呼ばれる形で、パリでは唯一この教会だけに見られるものだという。
両脇にある螺旋階段の見事なカーブは実に優雅。
植物の花弁などをモチーフにした透かし彫り細工が丁寧に施されている。
空を舞う天女の姿も見つかった。
天井にはアーチを描く枝のような模様も。
鮮明なステンドグラスもある。
こちらのステンドグラスにはジュヌヴィエーヴの葬儀の模様が描かれている。その背景にこの教会があるのを見つけた。
ジュヌヴィエーヴ像も祭壇に飾られていた。
彼女の像はこの教会内だけでなく、パリの街中にも設置されている。トゥルネル橋という、ノートルダム大聖堂の後ろ姿を眺めるベストポイントのたもとに立つ大きな像が、そのジュヌヴィエーヴ像だ。
内陣奥にある黄金色の箱は、彼女を納めたものだ。
「ピエタ」の群像もあった。
この木像はだれだろう。
こちらは聖母像に違いないようだ。
こんな屋根部分が宙吊りになったような説教壇もあった。
すぐお隣はパンテオンなのだが、残念なことに今日は臨時休館だった。
この教会はいつ頃のものでしょうか。
パリ市民には大切な女性だったんですね
5世紀の女性であるジュヌヴィエーヴの墓がある教会ですから起源は中世以前でしょうが、現在の形になったのは17世紀です。だからバロック風の建物になっています。
パリっ子たちには大切な教会のようで、私が行ったときにも普通の市民の参拝者もいましたし、学校の課外授業のようで、子供たちが大勢先生の引率で来ていましたよ。
(私はそんな名前の食器屋さんは知りませんでした)