極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 118

2025年01月27日 | 水素物語⓷

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月27日】            寒牡丹 に対する画像結果 

          冬菫忘れかねてか寒牡丹 

                 高山 宇 (赤鬼)


コバルト白金ナノ薄膜に円偏光を面直方向に入射すると磁気の方向を変える光磁気トルクが発生した[クリックで拡大] 出所:東北大学
✳️ 白金混合のコバルトナノ薄膜 光磁気トルクが5倍
東北大学の研究グループは、白金(Pt)を混合した金属磁性体ナノ薄膜に
おいて、従来比約5倍の光磁気トルクを観測した。 光磁気トルクの増強が、
円偏光によって発生する電子軌道角運動量、及び相対論的量子力学効果に
起因することを明らかにした。 光を用いた高効率のスピンメモリーやスト
レージ技術の開発に活用が期待できる。
【掲載誌】
Physical Review Letters Light-induced torque in ferromagnetic metals
via orbital angular momentum generated by photon helicity 




「水素物語(私)」海水電解技術の考察で、残件する電極・隔膜・装置の
課題の全貌の考察を行った。今回は、⓵光触媒の現状と、②再エネの太陽
発電の薄膜系の課題、⓷サプライチェーン・リサイクルチェーンの課題、
考察に移る。ところで、以前に掲載している「可視光エネルギーを利用し
て,常温で環状アルカンから最大限の触媒」を取り挙げた課題をおさらい
する。
化石燃料を燃やしてエネルギーを得る現状のエネルギー生産システムか
ら,水素エネルギーを活用する循環型水素社会への転換」が進められ、水
素を安全・安価に貯蔵・運搬する技術確立が前提。
水素を貯蔵・運搬する
方法は高圧・低温にして液化する方は効率が悪く、液体の安価で安定な有
機分子を水素貯蔵体として利用する方法(
例えば,メチルシクロヘキサン
(MCH)と呼ぶ環状アルカンの分子式はC7H15で,3分子の水素(H2)が
6個の炭素原子に結合して貯蔵されているとみなせる。MCHは常温で液体
で,ガスステーションやガソリンスタンドなどに貯蔵でき,トラックやタ
ンカーで運搬もできる。MCHから水素を取り出した後に生じるトルエン
も液体で,これに水素を付加させれば,水素貯蔵体であるMCHに戻す。)。
しかし,アルカンのC-H結合を切ることや,ここで出てくるHを水素とし
て取り出すことは難く,今まで開発された方法は,取り出せるエネルギー
よりも用いるエネルギーの方が多くなりうるような状況だった。
研究グル
ープは,複数の触媒をシステムとして組み上げて,可視光エネルギーを使
ってラジカルを発生させ,これを用いて有機分子のC-H結合を切って有
用な官能基に変える反応を開発。このアプローチを発展させて,可視光(
青色)のエネルギーを用いて,常温で環状アルカンから3分子の水素を取
り出す触媒システムを開発。

✳️  常温・可視光で アルカンから水素を取り出す触媒

研究では,光触媒(赤色),TBACl触媒(緑色),TPA触媒(黄色),コ
バルト触媒(青色)の四種類の触媒をシステム化することが成功の鍵とな
った。特に,TBACl触媒とTPA触媒の組み合わせが特徴的で,光触媒がTB
ACl触媒から塩素ラジカルを発生させ、1回目の水素取り出しを,TPA触媒
から硫黄ラジカルが発生してこれが2回目と3回目の水素取り出しを,そ
れぞれ役割分担しながら推進。
反応を細い透明なチューブの中をフローさ
せながら行なうと,フラスコでは24時間の反応時間で58%収率にて進行し
反応が,80分で42%収率にて進行。
研究グループは,この成果で得られ
た精密な触媒システムの設計概念
は,より効率の高い新たな分子技術の革
新に向けた第一歩となるというもの。
【掲載誌

 "Catalytic Acceptorless Complete Dehydrogenation of Cycloalkanes,"
Nature Communications: 2025年1月9日, doi:10.1038/s41467-024-55460-y.
🪄安全・安価を担保する方法ではあるが迅速にリスク・インパクト・マ
 ネイジメントの検証が残件する。

次に、②再エネの太陽発電の薄膜系の課題について、課題は、⓵遠赤外系
の薄膜太陽電池開発現状と②高性能薄膜電池の意匠加工技術。日本が誇る
ペロブスカイト太陽電池の出現によるパワフルでダウンサイジングな太陽
電池でエネルギー市場は一変。安全性も鉛の完全回収で解決でき、機能性
では粗方決着し、光電変換だけでなく光熱変換可能。残件は政治経済政策
のみ。

【特許事例】
1.特開2024-121832 ホウ素キレート構造を有する新規化合物および光電
 変換素子 東京都公立大学法人他
【要約】下記一般式(1)又は(2)で表されるホウ素キレート化合物の
近赤外領域に及ぶ吸収帯を有するホウ素キレート化合物および光電変換素
子を提供する。

(Xは酸素原子または硫黄原子;Zは芳香族炭化水素化合物の芳香環から
水素原子を二つ除いた二価の連結基、又は複素環化合物の複素環から水素
原子を二つ除いた二価の連結基;R~Rは水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルケニル基、ハロゲン原子等。)


【図1】本発明の光電変換素子の実施態様を例示した断面図
【符号の説明】1  絶縁部 2  上部電極(電極膜)3  電子ブロック層
4  光電変換層 5  正孔ブロック層 6  下部電極(電極膜)7  絶縁基材
若しくは他光電変換素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)又は(2)
【化1】000003
(一般式(1)、(2)中、二つのXはそれぞれ独立に、酸素原子または
硫黄原子を表す。Zはそれぞれ独立に、芳香族炭化水素化合物の芳香環か
ら水素原子を二つ除いた二価の連結基、又は複素環化合物の複素環から水
素原子を二つ除いた二価の連結基を表す。R乃至Rはそれぞれ独立に
水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ハロ
ゲン原子を表す。)

で表されるホウ素キレート化合物。
【請求項2】前記一般式(1)及び(2)におけるR乃至Rが水素原
子である請求項1に記載のホウ素キレート化合物。

【請求項3】前記一般式(1)及び(2)におけるXが酸素原子である請
求項1又は請求項2に記載のホウ素キレート化合物。

【請求項4】前記一般式(1)及び(2)における二つのZがそれぞれ独
立に芳香族炭化水素化合物の芳香環から水素原子を二つ除いた二価の連結
基である請求項1に記載のホウ素キレート化合物。

【請求項5】請求項1に記載のホウ素キレート化合物を含む近赤外光吸収
材料。

【請求項6】請求項1に記載のホウ素キレート化合物を含む有機薄膜。
【請求項7】請求項6に記載の有機薄膜を含む光電変換素子。
【請求項8】請求項7に記載の光電変換素子を備える光センサー。
【請求項9】請求項7に記載の光電変換素子を備える撮像素子。

図2 本発明の化合物(1-3)及び比較化合物を用いて得られたテトラ
 ヒドロフラン溶液中の吸収スペクトルの測定結果


図3 本発明の化合物(1-3)及び比較化合物を用いて得られた有機
 薄膜の吸収スペクトルの測定結果

図4 本発明の化合物(1-3)を用いた光電変換素子の波長870nm
の光照射時における明電流と暗電流の電圧依存測定の結果

【発明の効果】  本発明の化合物及び該化合物を含む有機薄膜は波長800
nm以上の近赤外光領域に主たる吸収帯を有する。また、該化合物及び/
又は該薄膜を用いることにより、近赤外光電変換素子が実現する。該化合
物は、熱安定性が高く、各種有機エレクトロニクスデバイスへの工業的利
用を可能とする。

発電する熱線遮蔽材

✳️ コロナ「研究所流出」 起源巡り声明
米中央情報局(CIA)は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流
行)の起源について、中国のウイルス研究所から流出した可能性があると
する声明を出した。26日付ワシントン・ポスト紙が報じた。CIAのラトク
リフ長官は実態解明に意欲を見せており、中国とトランプ政権の対立が再
燃しそうだという。CIA報道官は25日に出した声明で「パンデミックの起
源は自然発生よりも研究関連である可能性が高い」と指摘。一方でこの評
価の確信度は「低い」と留保を付け、自然界から中間宿主の動物を介して
人に広がった可能性も含めて分析を続ける

     心に残る歌曲 『青い山脈 藤山一郎 他』
            ジャンル:歌謡曲・1949年
            作詞:西城八十/作曲:服部一郎 
          



今日の言葉:トランプ大統領は私よりひとつ上。想定以内のことが起きて
      いる(このままだとグレートアジアのガザ化が始まるかもね)

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                                                                                                   

 

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