極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 111

2025年01月19日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月19日】 

電圧を高めたり、2つの充電ケーブルから給電したりして、車載バッテリーの充電時間を短くする(写真:日経クロステック)

✳️ BYDが狙うEV充電3分、電圧1000V以上で「給油並み」に
1月19日、中国・比亜迪(BYD)グループが新たな急速充電技術を開し
ている。電圧を高めることで、車載バッテリーをフル充電するまでにかか
る時間を約3分と、ガソリン車の給油時間並みに減らす。充電時間が長い
という電気自動車(EV)の積年の課題を解決し、EVの普及を図る。

BYDグループは5年間容量の減らないバッテリーを開発中だ(出所:日経クロステック)
BYDグループは5年間容量の減らないバッテリーを開発中だ(出所:日経
クロステック)

✳️ 群れで「仮想発電所」を構築する未来
      電気自動車の双方向充電を日産が先導
(CNET Japan)

電気自動車はもはやエコな交通手段というだけではない。家庭用のバッテ
リーとしても機能する可能性がある( 【画像】「EVの双方向充電」の先駆
者となった日本車とは
」)。電気自動車の普及は緩やかだが、技術の進化
は、『デジタル革命渦論』、『ディープラーニング』(NHK技研)、『
QRコード革命』、『ネオコンバーテック』と絡み急速に成長。2024年第
3四半期時点で、米国での軽車両(米国の基準ではテスラ モデルYなども該
当)の販売台数のうちEVが占める割合はわずか9%にに過ぎなかったが、
その割合は急速に増加、米再生可能エネルギー研究所(NREL)は、2030
年までに米国で3000万台から4200万台のEVが普及すると予測。


2030 National Charging Network レポートは、新しい概念を作成 インフォグラフィックに収め
られた全国的なEV充電ネットワークの計画を導くモデル 上。NRELによる画像

こうした進化は、単にガソリン代を節約したり、二酸化炭素排出量を削減
したりする以上の意味を持つ。EVの次なるフロンティアは双方向充電技術
にある。この技術を使えば、車の大容量バッテリーを停電時に家庭のバッ
クアップ電源として活用できる。フォード、GM、ボルボ、テスラ(サイ
バートラックのみ)といったメーカーがすでに一部のモデルでこの双方向
充電に対応しており、2025年や2026年までには多くのメーカーが同機能を
搭載するとみられる。EVメーカーが双方向充電技術を採用する動きが進む
中、この技術はテスラの「パワーウォール」のような家庭用バッテリーバ
ックアップの代替となる可能性がある。太陽光発電バッテリーは必要なとき
にバックアップ電力を提供するが、設置には数千ドルがかかり、使い道も
限定されている。それに対し、双方向充電は移動手段としての役割に加え
て、ガレージに停めている間にもEVを活用できるという一石二鳥のソリュ
ーションを提供する。  
「双方向充電技術は今後さらに普及し、2025年はその技術が転換点を迎え
る年になるでしょう」と、複数入居者向け建物にEV充電ソリューションを
提供するSwtch社のセールスエンジニアリングディレクター、トーマス・
マーティン氏は言う。  
CNETは自動車メーカーの専門家やこの技術を研究する研究者に取材し、
家庭と車の接続の未来について掘り下げた。この技術は本当に独立した家
庭用バックアップバッテリーに取って代わるのだろうか。

2025年の双方向充電はどうなっていくか
2025年の双方向充電は、主要な自動車メーカーが自社EVに導入することで

また、この技術がEVの中でもまだ限られたものから主流になるためには、
どのような課題を克服しなければならないのだろうか。 2025年の双方向充
電は、主要な自動車メーカーが自社EVに導入することで、さらなる普及が
期待されている。メーカー各社は、家庭向けの車両充電、いわゆる「V2H
」だけでなく、あらゆる用途に対応する双方向充電充電、つまり「V2X」
への移行を進めるだろう。  
「GMのような企業が2026年までに全車両でV2X技術を展開する計画を立

てていることから、V2X対応の車両数は急速に増えるだろう」と、Swtch社
のトーマス・マーティン氏と話す。この進展は、V2Xが普及フェーズに入
ることを後押しするだろう。ここでは、ユーザーがV2Xを使うかや技術的
な能力だけが重要なわけではない。「商用車両群」と「家庭のエネルギー
管理」という2つの大きなトレンドが注目されるだろう。 商用車両群にお
けるV2Gの重要性が高まる未来が見えてきた。

◾商用車両群におけるV2Gの重要性が高まる未来
タクシーなどの商用車両群の所有者にとって、双方向充電の未来は一般消
費者とは異なる。たとえば、UPSがトラック向けに車両から電力網へ電力
を供給する「V2G」システムを採用している事例がある。オークリッジ国
立研究所の研究スタッフであるオマー・オナール氏によれば、UPSが使用
するシステムはワイヤレスで充電しながら電力を送電網に戻すことが可能
だという。  このようなマイクログリッドの仕組みは、学校のバス、教会、
レンタカー会社、運送会社、公共交通機関など、大規模な商用車両群を運
営するどの組織にも技術的に適用できる。こうした大規模な商用車両群は、
管理が容易でスケジュールが予測可能であるため、V2Gプログラムにおい
て特に価値があるとされている。 家庭用電力管理システムが必要不可欠だ  
ボルボ・カーズ・エナジー・ソリューションの責任者であるアレクサンダー・
ペトロフスキー氏は、顧客がEVの充電と放電を最適化するアルゴリズムを
備えたエネルギー管理システムを必要とすると考えている。このシステム
は家庭での消費量や電力価格に応じてEVの充放電を自動的に調整すること
が求められる。  



このような仲裁機能はすでにSolarEdgeのホームバッテリーや、「Tesla
Powerwall 3」のような家庭用バッテリーに搭載されているが、車両メー
カーやEcoFlow、Savant、Jackery、Bluettiのような企業も同様の技術開
発に参入している。  
車両側では、フォードがSunrunやBGEと提携して、同社初のEVピックア
ップトラック「F-150ライトニング」のパイロットプログラムを実施して
いる。  
同プログラムでは、家庭への電力供給や電力網へのエネルギー供給が可能
だと実証した。GMもまた、同様の蓄電システム「GMエナジー・パワーバ
ンク」を展開している。同システムには、停電時にEVから家庭に電力を供
給したり、ピーク時の電力料金を抑える家庭用電力管理システムが含まれ
ている。

◾仮想発電所の構築に必要なこと
仮想発電所(VPP)の実現には、いくつかの追加要素が必要になる。車両
と家庭用インバーターを仮想発電所プログラムに接続する必要があり、こ
のシステムはVPPや電力会社によって維持管理される必要があるが、それ
は思ったほど簡単なことではない。 (編集部注:仮想発電所とは、分散さ
れた多数のEVの蓄電池がネットワークで繋がり仮想的な発電所を構築する
もの)
さらに、すべての家庭用充電器を設定してインターネットに接続する必
要がある。これにより、VPPは、充電が十分にある車両がその時点でどれ
だけ接続されているかを推測できるようになる。たとえば、充電残量が5~
10%しかない車両からはエネルギーを取り出すことができない。そのよう
な車両はまず充電を行う必要があり、オーナーが引き続き使用できる状態
を維持することが求められる。  
さらにマーティン氏によると、VPP(仮想発電所)や電力網サービスが大
きな成功を収めるには、市場規模の拡大が必要だという。システムを導入
する人が増え、接続される車両の数が増加すれば、予測
がより容易になり、安定性や効果が向上するという理由。

◾CES 2025での新たな動向  
CES 2025では、スマートエネルギー管理システムが大きな注目を集めた。
EcoFlowは「Oasis」というAI駆動の家庭用エネルギー管理システムを発
表した。同システムは既存のEcoFlow製品や家庭全体のバックアップ電力
ソリューションと連携する。AI、予測分析、自動化を組み合わせて家庭の
電力需要を管理し、家庭用の太陽光発電システムとも連携できる。将来の
エネルギー需要や太陽光発電量、電気料金や天候パターンを考慮して、電
力使用を調整できる。
Savantもまた、新しい「Smart Budget」電力パネルを発表した。同パネ
ルは既存の電力配電盤に追加できる電力モジュールで構成され、付属のソ
フトウェアは家庭のエネルギー使用量を調整し、需要が容量を超えないよ
うにする。優先順位をつけて電力を利用し、リアルタイムの消費量を監視
し、必要に応じて負荷を減らし、使用量をバランスさせてくれる。  
Bluettiもスマートエネルギー管理システムと新製品を発表した。同社の
「EnergyPro 6K」は、小規模から中規模の住宅向けのバックアップ電源と
して設計されている。既存の屋根設置型ソーラーシステムと統合できるほ
か、AT1スマート配電ボックスと組み合わせることで双方向EV充電や発電
機充電もサポートする。 最後に、Jackeryの「HomePower EnergySystem」
は今年後半に発売予定だ。このシステムはモジュール式で、7.7キロワット
時から15.4キロワット時まで積み重ねて拡張可能だ。バッテリーユニット、
ハイブリッドインバーター、負荷を管理するハブで構成され、EV充電器や
バックアップ発電機、既存の家庭用ソーラーシステムに簡単に統合できる
よう設計されている。

✅ EVの双方向充電は家庭用バッテリーを代替するか  
「私は家庭用バッテリーを持ったことがない」と語るのは、フォードでエ
ネルギーサービスとV2G事業を担当するライアン・オゴーマン氏。「私が
持っているのは『F-150ライトニング』(フォード初のEVピックアップト
ラック)だけです。2024年の夏、ミシガンで非常に激しい嵐があり、私の
地域では木々や電線が倒れ、3日間も停電しました。でも、私は問題あり
ませんでした。その間ずっとトラックの電力で生活し、電力が復旧したと
きには約100マイル分の充電が残っていました」  平均的なEV所有者は、
車をバッテリー代わりに使用した場合のエネルギー消費をほとんど感じな
いだろう。「車両が接続されているとき、車両から15~30マイル分(2
5km〜50km)の電力を取っても、ドライバーにとってほとんど支障がな
い」とオゴーマン氏は説明する。「車両によるが、1時間以内で減った分
の電力を充電で取り戻せる」  しかし、取材に応じた専門家の全員が、EV
の双方向充電が完全に家庭用バッテリーを置き換えるとは考えていない。
「もしあなたが人里離れた場所に住んでいて、長期間のエネルギーバック
アップが必要であれば、家庭用バッテリーシステムを購入する方が経済的
だ」とSwtch社のトーマス・マーティン氏は指摘する。「家庭用バッテリー
はより多くのエネルギーを蓄えられる可能性が高く、長期間の停電中でも
移動の必要がある場合に問題が生じにくいためだ」  「私たちは、どちら
か一方の選択肢とは見ていない」と語るのは、電力業界に独立かつ客観的
な専門知識を提供する研究所のシニアプロジェクトマネージャーであるベ
ン・クラリン氏。  

「どちらも停電時に人々を支援できる」──。
クラリン氏は、双向充電が家庭用バッテリーシステムと共存する余地があ
ると考えており、テスラのパワーウォールのようなシステムが双方向充電
によって完全に置き換えられる可能性は低いと述べた。  
また、クラリン氏は、EVの双方向充電が家庭用バッテリーの導入が実現困
難なケース、例えば多世帯住宅のような場所で有効に機能する可能性があ
ると指摘する。多世帯住宅では、スペースやコストの問題から個別のバッ
テリーバックアップを導入することが難しいからだ。



✅ 双方向充電の現状  
双方向充電はその名の通り、車両に蓄えられた直流(DC)エネルギーを交
流(AC)電気に変換し、それを自宅や電力網に供給するプロセスだ。これ
は、従来の一方向型のEV充電プロセスとは逆の仕組みも備える。通常のプ
ロセスでは、壁のコンセントからEV充電器を通じて交流電力を車のバッテ
リーに供給し、それを直流エネルギーに変換して蓄えるという流れだから
だ。 技術的な実装は比較的シンプルだが、双方向充電の本当の可能性は、
様々な活用方法にある。例えば、「V2H(Vehicle-to-Home)」充電では、
停電時に車をバックアップ発電機として利用できる。  「基本的なユース
ケースは2つある」と語るのは、GMエナジー(GMのエネルギー貯蔵やEV
充電ソリューションを提供する部門)の収益責任者であるアシーム・カプ
ール氏。「一つは純粋にレジリエンシー(回復力)を重視したもので、停
電時に車を使って自宅に電力を供給するというもの。このシナリオでは、
車を単なる移動手段以上のもの、つまり二重の資産として活用できる。
車をエネルギー資産として利用し、固定型の蓄電設備と組み合わせること
で非常に価値のある用途が生まれる」  平均的なEVはフル充電で60kWh
の電力を蓄えることができ、これは家庭の約2日間分に相当する。使用状
況によってはさらに長持ちし、家庭の電力バックアップとして実用的だ。
 「一般的な市販の固定蓄電システムでは、7~13kWh程度の電力を蓄え
られる」とフォードのライアン・オゴーマン氏は説明する。「それは素晴
らしいが、車両で言えばわずか15~30マイル分の走行距離に相当します
。一方でEVでは300マイル以上の走行が可能です」──。これにより、緊
急時にEVを電力供給源として使用しても、車両の走行距離に大きな影響を
与えることはなく、実用的なバックアップ手段となる。
 「V2L(Vehicle-to-Load)」のような選択肢もあり、これは車両の電力
を使ってキャンプ用品、電動工具、家電製品などのデバイスを動かすため
のアダプターを利用する。「基本的なV2Lであれば、ほとんど導入の障壁
はない」とマーティン氏は言う。「車に延長コードを差し込むためのコン
セントがあれば、デバイスに電力を供給できる」  これにより、V2Lは一
般消費者が最初に体験する双方向充電のユースケースとなるだろう。また、
「V2V(Vehicle-to-Vehicle)」という選択肢もあり、これは電力を使い切
ったEVに電力を供給する仕組みだ。これは車のバッテリーで別の車をジャ
ンプスタートする方法に似ているが、より適切な例えとしては、自分の車
の燃料を他の車に移すようなイメージだ。 双方向充電の普及における課題  
「双方向充電やその他の車両とさまざまなものを繋ぐ技術(V2X)の最大
の障壁は、車両自体の対応能力だ」とSwtchのマーティン氏は述べている。
「現場にはV2Xをサポートする充電器が存在するものの、対応する車両の
数が限られているため、現在では充電器の技術があまり効果を発揮してい
ない」 車両と充電器の性能  しかし、これも今後数年で変わる見込みだ。
GMだけでも、カプール氏は新たに発売されたChevroletのEV、Equinox、
Blazer、Silveradoをはじめ、Cadillac LyriqやGMC Sierraを挙げている。
これらの車両はすべて双方向充電に対応しており、GMの車両用ホームシ
ステムと連携して動作する  現在の最も代表的な例は、Ford F150 ライト
ニングとその専用充電器「Ford Connected Charge Station Pro」だ。こ
の双方向充電器は1310ドル(約20万円)で販売されているが、一部の電
動トラックモデルには無料で付属している。  他の自動車メーカーも追随
し、双方向充電に対応した車両を増やすと予想される。ボルボは、Volvo
EX90が双方向充電に対応すると発表しており、ヨーロッパでは交流(AC)
対応の双方向充電器の開発を進めている。また、スウェーデンの自動車メ
ーカーは、家庭用エネルギー会社「dcbel」と提携し、米国市場に直流(D
C)対応の双方向家庭用エネルギーステーションを導入する計画も進めてい
る。 設置費用とアップデート  双方向充電は基本的なEV充電よりも設置
費用がかかる。「車を自宅の予備電源として利用したり、V2G(Vehicle-
to-Grid)プログラムで電力網に接続するには、費用が最大の障壁になる
」とマーティン氏は指摘する。「互換性のある充電器と切断スイッチを購
入する必要があり、それだけで数千ドル(数十万円)がかかる。さらに、
その設置スペースも確保しなければならない」  特に集合住宅では、空
きスペースや費用が双方向充電の導入を難しくする場合があるが、一戸建
て住宅でも予想外の費用が発生することがある。古い配線や分電盤を使用
している家庭では、200アンペアの電気サービスに対応していない場合が
あり、双方向充電の利点を最大限に活用するには分電盤などのアップグレ
ードが必要になることがある。このアップグレード自体も追加費用となる。  
フォードのオゴーマン氏は、自社のCharge Station Proのような特定の双
方向充電器は、設置場所への負荷に合わせて給電能力を調整できることを
指摘している。そのため、フルの給電能力を活用しないことに問題がなけ
れば、分電盤のアップグレードが必須というわけではない。 規制の状況  
双方向充電の重要な要素の一つは、規制だ。電力を送電網に売買するプロ
セスは通常、各州や電力会社に委ねられている。一部の州では、太陽光パ
ネルで生産した余剰電力を買い取り、その分を電気料金から割り引く「ネ
ットメータリング」を導入している。  「業界では通常『相互接続契約
』と呼ばれます」と語るのは、国立再生可能エネルギー研究所で電気自動
車充電と電力網統合の主任エンジニアを務めるアンドリュー・メイツ氏。
「家庭に設置される電力網に電力を供給する装置はすべて登録されている
必要があり、その装置が発電装置であることを電力会社に申告しなければ
ならない
」 また、「夜間の電力料金が安い時間帯に車やバッテリーに電力
を蓄え、電力需要が高まり料金が上がる昼間にその電力を電力網に戻すこ
とで、家庭が利益を得る」という行為への金銭の支払いは、米国では州に
よって大きく異なる。また、国際的には、欧州連合が電力の購入と売電に
対する送電網料金や税金の変更を求めており、これが一般消費者の参加を
難しくしている。 これらの課題は、仮想発電所が直面する問題と非常に似
ている。RMI(旧ロッキーマウンテン研究所)の電力部門でマネージングデ
ィレクターを務めるマーク・ダイソン氏は、「米国における仮想発電所の
規制環境は、50州それぞれが異なるだけでなく、各州内の電力会社ごとに
も異なる仕組みになっている。この複雑さが市場の成長を妨げる大きな要
因の一つ」と指摘する。  最大の課題は、顧客が電力を電力網に戻すこと
に魅力を感じられる仕組みを作ることだ。ダイソン氏は続けてこう述べる。「
電力会社や規制当局が適切な料金設計やインセンティブプログラムを提供
し、電力網の計画や運用方法を見直さない限り、顧客にとってそのメリッ
トは十分に享受できません。これらの取り組みを進めることで、初めて仮
想発電所の持つ潜在力をユーティリティ規模で最大限に活用できるように
なる。」



✅ 双方向充電はEVバッテリーを劣化させるか?  
平均的なEVユーザーは、双方向充電による車のバッテリーの摩耗をあまり
心配する必要はなさそうだ。  「私たちのデータでは、これが一般消費者
にとって問題になることはないはずだ」とペトロフスキーは言う。「双方
向充電が適切に制御され、限定的に行われる限り、バッテリー寿命に大き
な影響を与えることはない」ペトロフスキーによると、ボルボはバッテリ
ーを過度に使用する顧客に対し、双方向機能を制限する予定だという。こ
れは、顧客ごとの条件や運転・充電の行動に基づいて判断される。  
「バッテリーを最も劣化させるのは、理想的な条件から外れてストレスを
与えることだ」とマーティンは言う。「頻繁に急速充電を行い、満充電に
近い状態を維持することや、非常に暑いまたは寒い環境で充電することが、
目に見える劣化を引き起こす主な要因だ」  そうは言っても、技術的には、
家庭用バッテリーバックアップとして使用してもEVに問題は生じないとマ
ーティンは説明する。「現在のEVのバッテリーは、電力を送電網に戻した
り、数日間家庭に電力を供給したりするような追加の負荷にも十分対応で
きる。年間数回そのような使い方をしても、大半の車両オーナーに問題は
生じないだろう」  さらに朗報として、話を聞いたすべてのメーカーが、
双方向充電が自社EVの標準機能であると確認している。この機能を使用す
ることで保証が無効になったり変更されたりすることはないという。これ
は顧客からよく寄せられる懸念点。

 

✳️特開2022-017924 リチウムイオン電池用電極の製造装置及びリチウ
ムイオン電池用電極の製造方法 APB株式会社、三洋化成工業株式会社  

 

【要約】下図4のごとく、電極活物質粒子を含む電極組成物と、上記電極組
成物の周囲を囲むように環状に配置される枠状部材とからなるリチウムイ
オン電池用電極材を基板上に配置する配置部と、上記リチウムイオン電池
用電極材を上記基板ごと真空包装して真空パッケージを得る真空包装部と、
上記真空パッケージをロールプレスする一対のローラを含む加圧成形部と、
を備えることを特徴とするリチウムイオン電池用電極の製造装置。電極層
の割れや欠けの発生を抑えると共に、ロールの回転速度を上げた場合であ
っても成形不良を起こしにくいリチウムイオン電池用電極の製造方法及び
その製造装置を提供すること。
   
【符号の説明】1 リチウムイオン電池用電極 1’、2’、3’ リチウムイ
オン電池
用電極材 5 真空パッケージ 10、11 基板 20 枠状部材
21 正極枠状部材 23 負極枠上部材 30 電極組成物 31 正極組成物
41 開口部 33 負極組成物 35 成形された電極組成物 40 包装材
50 プレスロール 60 セパレータ 71 正極集電体 73 負極集電体

【特許請求項目】

  1. 電極活物質粒子を含む電極組成物と、前記電極組成物の周囲を囲む
    ように環状に配置される枠状部材とからなるリチウムイオン電池用
    電極材を基板上に配置する配置部と、

    前記リチウムイオン電池用電極材を前記基板ごと真空包装して真空
    パッケージを得る真空包装部と、

    前記真空パッケージをロールプレスする一対のローラを含む加圧成形
    部と、
    を備えることを特徴とするリチウムイオン電池用電極の製造装置。
  2. 前記基板が、電極集電体である請求項1に記載のリチウムイオン電
    池用電極の製造装置。
  3. 前記加圧成形部における前記一対のローラの間隔は、前記電極活物
    質粒子の体積平均粒子径の3倍以上である請求項1又は2に記載の
    リチウムイオン電池用電極の製造装置。
  4. 電極活物質粒子を含む電極組成物と、前記電極組成物の周囲を囲む
    ように環状に配置される枠状部材とからなるリチウムイオン電池用
    電極材を基板上に配置する配置工程と、
    前記リチウムイオン電池用
    電極材を前記基板ごと真空包装して真空パッケージを得る真空包装
    工程と、
    一対のローラにより前記真空パッケージをロールプレスす
    ることで、前記電極組成物を加圧成形する加圧成形工程と、を備え
    ることを特徴とするリチウムイオン電池用電極の製造方法。
  5. 前記基板が、電極集電体である請求項4に記載のリチウムイオン電
    池用電極の製造方法。
  6. 前記一対のローラの間隔は、前記電極活物質粒子の体積平均粒子径
    の3倍以上である請求項4又は5に記載のリチウムイオン電池用電
    極の製造方法。
  7. 前記電極活物質粒子の平均粒子径は、5~200μmである請求項
    4~6のいずれかに記載のリチウムイオン電池用電極の製造方法。
  8. 前記真空パッケージの真空度は、-70kPa以下である請求項4
    ~7のいずれかに記載のリチウムイオン電池用電極の製造方法。

    表1

表1 .図9及び図10に示すように、本発明のリチウムイオン電池用電極
の製造方法により製造されたリチウムイオン電池用電極には、形状の乱れ
が確認できなかった。
一方、真空パッケージを作製したが枠状部材を用い
なかった比較例3~4では、図13及び図14に示すように、正極組成物
が変形していた。さらに、真空パッケージの真空度が0kPaである比較
例1~2、5~6では、図11、図12、図15及び図16に示すように、
枠状部材の有無に関わらず正極組成物が噴き出した痕跡がみられ、正極組
成物が大きく変形していた。また、正極組成物の噴き出しは、ロールの回
転速度が速いほど顕著であった
以上より、本発明のリチウムイオン電池
用電極の製造方法は、ロールの回転速度を上げた場合であっても成形不良
を起こしにくいことがわかる
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造
方法及びその製造装置は、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター及
びハイブリッド自動車、電気自動車用等に用いられるリチウムイオン電池
用電極を製造する方法及びその製造装置として有用である。

   心に残る歌 『アジア純真:PUFFY

              作詞:井上陽水/作曲:奥田民生
              ジャンル:J-POP

今日の言葉:
 
          春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。 
                 春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                                                                                      

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エネルギーと環境 110

2025年01月18日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月18
日】     

      インバウンド世界に捧ぐ茶の花を 
                   高山 宇 (赤鬼)

✳️  核種各種基材表面の高機能化と液滴塗工の現状
特殊な高分子薄膜(ポリマーブラシ)を常温・大気中・大面積で形成できる
技術を開発(産総研 2018.3.19)

高分子を基材表面から直接、伸長させたポリマーブラシは、高分子が直接
基材と強固に結合し、高分子がブラシのように伸びた特殊な構造のため、
従来のポリマーコーティングにはない優れた耐久性や安定性、特異な表面
機能を持ち、次世代型高分子被覆材料として期待されている。ポリマーブ
ラシの作製には、高分子形成の起点となる重合開始層が必要なため、その
重合開始層を容易に大面積で形成できる手法が求められていた。

今回開発した技術では、重合開始基を持つ有機シラン(トリアルコキシシ
ラン)と、テトラアルコキシシランを混合した塗液を各種基材に、特殊な
前処理をせずに塗布、乾燥するだけで重合開始層を形成できる。常温・大
気中で形成できるため、
スプレー法やグラビア印刷といった汎用の塗工手
法が使え、容易に大面積化できる。また、シリコン基板のほか、耐熱性の
ないプラスチック基板にも使用できる。さらに、産総研独自のポリマーブ
ラシ簡易合成法(
ハケ塗り法(Paint-on法))と組み合わせると、従来は
困難であったA4以上の実用基板サイズのポリマーブラシが常温・大気中で
作製できる。今回開発した技術は、各種基材表面の高機能化やメッキ用下
地層作製などへの応用が期待されていた。

今回開発した重合開始層の形成方法と得られるポリマーブラシの概要図
図1. 重合開始層の形成方法と得られるポリマーブラシの概要

図1(b)重合開始層を形成した各種基板、(c)roll-to-roll方式塗工により重合
開始層を形成したPETフィルムのロール(40 cm x 100 m)

図2 (a)今回使用したモノマーの構造式と今回開発したポリマーブラシ作製
技術の概要、
(b) Paint-on法によるDMAEMAポリマーブラシ作製前後のPET
フィルム外観、透明性および水滴接触角

DMAEMAポリマーブラシ表面に金属触媒を吸着させた後、還元剤として
ホルムアルデヒドを用い、無電解銅メッキを行った。図3に無電解メッキ
後のA4サイズのPETフィルムの構造、外観、曲げた様子、光学顕微鏡像と
電子顕微鏡像を示す。銅メッキ層が、ポリマーブラシを作製した基材表面
全体に形成されており、また、ポリマーブラシ表面と銅メッキ層は強固に
密着し、曲げ試験後でもメッキ層は剥離しなかった。密着性、均一性の向
上が必要ではあるが、ポリマーブラシの応用のひとつとして期待できる。


図3 PETフィルム上のポリマーブラシへの無電解銅メッキ
メッキ後のPETフィルムの(a)構造、(b)外観、(c)曲げた様子、(d)表面の光
学顕微鏡像と電子顕微鏡像

✳️その後、状況は変わったのか
衝撃後の液滴と基質の相互作用の物理学は、医薬品、ウイルスを含んだ飛
沫のコミュニティへの蔓延によるCOVID-19パンデミックとの闘い、エネ
ルギー性能、ナノプリンティング、バイオプリンティング、3Dプリンティ
ング、組織工学、スマートバイオマテリアルと機能器官の生成、高度なフ
レキシブルエレクトロニクス、ヘルスケアと医療における高解像度積層造
形など、現在の社会における多くのアプリケーションで重要性を示す。 し
たがい、液滴、基質、および環境条件にとって非常に複雑になる可能性の
あるこのような現象の物理学に焦点が当てられる必然が焦点となる。

ここでは、硬質で滑らかな乾燥表面から柔軟な表面まで、また親水性状態
から超疎水性状態まで、さまざまな基質の液滴-固体表面相互作用に関する
先行研究に焦点を絞ることによる現在の進歩は、バイオプリンティング、
スマートバイオマテリアル、プリンテッドエレクトロニクス、およびCOV
ID-19パンデミックとの闘いについて議論されてきた。さらに、衝撃時の
液滴と固体の表面の相互作用をより深く物理的理解の機械学習応用も議論
されている。最後に、液滴、基板、環境条件の複雑さ、ナノサイエンス、
機械学習、量子計算、電子顕微鏡などのイメージング技術等の最新の技術
の進歩を考慮し、これらの物理現象における研究の方向性を提供する。
【序論】
VII. 現在の進歩:
A. コーティング・印刷
従来のインクジェット印刷は、このような工業目的に不可欠な生物学的溶
液、生体高分子サンプル、マイクロスケール粒子、ナノスケール粒子から
なる液滴インクの印刷には適していなかった。
最近の研究では、課題克服のシンプルな革新的な印刷方法を実証されてお
り、それは「ドロップオンデマンド印刷技術」と呼ばれ、超疎水性ふるい
に液滴衝撃を当て、マイクロスケール液滴を「空洞形成と液滴放出」の2
つの方法で生成。超疎水性ふるいへの液の衝撃は、動圧間をもち)⁠、液滴衝
撃速、密度 (ρ)⁠、ブレークスルー圧力 (4σL−1)⁠、超疎水性メッシュ細孔に
よる、Lは超疎水性ふるい細孔サイズ。
そのため、レイリー不安定性のマイ
クロスケールの液滴放出の配列が生成される。この研究に適用された実験
セットアップの概略図9に示す。この技術は、フレキシブル電子テープ印刷
や、銀インク水性サンプルのポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリス
チレンスルホン酸(PEDOT:PSS)ポリマーの導電性アレイを使用した大面積
液滴アレイ印刷などの高度な電子アプリケーションの印刷に利用された(下
図1)。


液滴の衝撃、拡散、飛散は、バイオプリンティング技術において顕著な役
割を果たしています。3次元(3D)バイオプリンティングは、DNA、細胞、
細菌、タンパク質などのマイクロスケールの生物学的液滴の印刷を含む、
バイオ関連アプリケーションの広い範囲をカバーする、生物医学の最先端
技術です。3Dバイオプリンティングは、遺伝子発現の解析、生体細胞の先
端研究のための単一細胞のプリンティング、およびバイオポリマープリン
ティングにおいて重要な役割を果たします。さらに、3Dバイオプリンティ
ングは、生きた生体細胞の印刷、バイオセンサー製造、幹細胞アセンブリ、
人工臓器製造、3D機能臓器作製、組織工学、およびスマート3D機能生体
材料に適用されている。

B. 超疎水性表面への液滴の影響
液滴が超疎水性表面に衝突した後、表面の化学的疎水性と表面上のマイク
ロスケール/ナノスケールのパターン構造により、超疎水性パターン内に空
気が閉じ込められる。このイベントは、超疎水性表面に大きな平衡前進接
触角と低い接触角ヒステリシスを引き起こす。この物理現象は、飛行機の
翼の防氷、風力タービンブレードの防氷、基板の広範な抗力低減など、多
くの技術的応用に利益をもたらす。液滴衝突後の軟質超疎水性表面の動的
弾性応答を高速イメージング技術により検討し、軟質超疎水性表面のダイ
ナミクスに対する液滴反力の役割を解明した。
【参考文献】
Physics of droplet impact on various substrates and its current advancements
in interfacial science: A review、J. Appl. Phys. 133, 030701 (2023)

C. 応用事例
Ⅰ.実機を模擬した塗工型全固体電池の試作
実機を模擬した塗工型全固体電池の試作体電池が必要となるが、
大型全固
体電池の作製プロセスは未だ確立されていないが、
一つの手法として、液
系リチウムイオン電池同様に電極合材をスラ
リー化し湿式塗工する方法が
挙げられる。ただ、硫化物系固体
電解質は大気中の水分と反応し容易に変
質するため、プロセス中
の水分混入を抑えなければならない。すなわち、
塗工機やロールプ
レス機といった大型試作設備全般での露点制御がきわめ
て重要となる
コベルコ科研社が有する塗工型全固体電池試作プロセスお
よび環境を第
1図に示す。露点 -50℃以下に制御したスーパードライルー
ム内
に、露点-80℃以下のAr雰囲気のグローブボックスを設置し、水分を
除去した環境を整えている。この環境により、合材スラリーを
混練し集電
箔に塗工するプロセスにて大面積の全固体電極シー
トを作製可能としてい
る。作製された電極シートは低露点環境を
維持したまま、ロールプレスに
よる密度調整や積層・パッキングを
おこなえる。活物質/固体電解質の接
合界面形成においては、等
方圧プレス機(Cold Isostatic Pressing; CIP, Warm
Isostatic
Pressing; WIP)を使用し、高圧、加熱下での処理を施すことで、
接合界面形成の制御も可能である。

図1.上記設備による試作事例として、塗工型ラミネートセルの外観
ここでは正極活物質にLiNbO3コートLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、負極活物質
にグラファイト、固体電解質にLi6PS5Cl、導電助剤にアセチレンブラック
をもちいた。0.1C、25℃の充放電において1mAh程度の放電容量を実現で
きていることがわかる。これらの技術をベースに数cm角の塗工型ラミネー
トセルを作製し、サイクル試験や内部抵抗解析などに供することで、電極
構造の最適化や劣化メカニズムの解明などをおこなうことが可能である。



これらの評価結果から推定された正極合材層の電子伝導とRionの関係を第
10図に示す。活物質に対する電子パス形成が良好で導電助剤-活物質コネク
ションによる電子供給が支配的な電極では、電極表面近傍の活物質まで電
子を供給することができ、電極全体の活物質が反応に寄与することで実効
的なRionが小さな値を示していると推定される。一方で、活物質に対する
電子パス形成が悪く、活物質-活物質コネクションによる電子供給が支配的
な電極では、電極表面近傍の活物質まで電子を供給することが困難となり、
反応に寄与できる活物質が減少することで実効的なRionが大きな値を示し
たと推定される。これらの手法をもちい全固体電池電極中の電子伝導、リ
チウムイオン伝導を解析・定量化し電極特性との相関を評価することで、
内部抵抗が低減された最適な電極構造を検討することが可能となる。

✳️
特許事例:特開2019-164980A 複合体電極及び全固体
リチウム電池 

【要約】リチウムイオン伝導パスの形成に寄与していない固体電解質を削
減することで、電極に含まれる多くの電極活物質を充放電に寄与させ、従
来に比べてより理論容量に近い容量を持つ電極を提供する。【解決手段】
下図1のごとく電極活物質と固体電解質を含む、焼結体である複合体電極
であって、前記複合体電極が、酸化物系電極活物質を含むシート状の電極
活物質層と、酸化物系固体電解質を含むシート状の固体電解質層が交互に
並ぶ交互配列体であり、前記電極活物質層の幅が、10nm以上20μm
以下であり、前記固体電解質層の幅が、10nm以上20μm以下であり、
前記固体電解質層が前記複合体電極を貫通することを特徴とする複合体電
極を提供する。

図1. 本発明の複合体電極10の模式図

【特許請求範囲】
1、電極活物質と固体電解質を含む、焼結体である複合体電極であって、
前記複合体電極が、酸化物系電極活物質を含むシート状の電極活物質層と、
酸化物系固体電解質を含むシート状の固体電解質層が交互に並ぶ交互配列
体であり、前記電極活物質層の幅が、10nm以上20μm以下であり、
前記固体電解質層の幅が、10nm以上20μm以下であり、前記固体電
解質層が前記複合体電極を貫通することを特徴とする複合体電極。
2、前記電極活物質層の幅が、10nm以上10μm以下であり、前記固
電解質層の幅が、10nm以上10μm以下であることを特徴とする請
求項
1に記載の複合体電極。
3、前記複合体電極の厚さが、10μm以上3mm以下であることを特徴
とする請求項1又は2に記載の複合体電極。
4、前記電極活物質が、スピネル型又はラムズデライト型のチタン酸リチ

ウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化モリブデン、層
状岩塩型のコバルト酸リチウム、層状岩塩型のニッケル酸リチウム、層状
岩塩型の三元系Li(NiCoMn)O(x+y+z=1)、層
状岩塩型の三元系Li(NiCoAl)O(x+y+z=1)、
スピネル型のマンガン酸リチウム、スピネル型のマンガン酸リチウムニッ
ケル(LiMn1.5Ni0.5)、LiMPO(M=Fe、Mn、
Co、Ni)で表されるオリビン型リン酸遷移金属リチウム、及びNAS
ICON構造のLi(POからなる群から選ばれる少なくと
も1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合
体電極。
5,
前記固体電解質が、ペロブスカイト型のチタン酸リチウムランタン、
ペロブスカイト型のニオブ酸リチウムランタン(Li
La(1−x)/3
NbO)(0≦x≦1)、ガーネット型のLiLaZr12
ガーネット型のLi
LaNb12、ガーネット型のLiLa
Ta12、ガーネット型のLiLaBaTa12、リン酸リ
チウム(Li
PO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、NASI
CON構造のLAGP(Li
1+xAlGe2−x(PO(0≦
x≦1))、NASICON構造のLATP(Li
1+xAlTi2−x
(PO(0≦x≦1))、及びNASICON構造のLZP(Li
1+4xZr2―x(PO(0≦x≦0.4))からなる群から選
ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
項に記載の複合体電極。
6、前記電極活物質がスピネル型又はラムズデライト型のチタン酸リチウ

ムであり、前記固体電解質がペロブスカイト型のチタン酸リチウムランタ
ンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合体電
極。
7、前記複合体電極が、アルキメデス法で算出する空隙率が40%以下の
焼結体であり、
正極である前記複合体電極と、セパレータ層としてのドラ
イポリマー電解質と、負極としての金属リチウムを積層した全固体型のセ
ルにおいて、温度60℃、0.002mA/cm
のレートで充放電試験
をした際の前記複合体電極の初期充電容量及び/又は初期放電容量が10
mAh/g以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
載の複合体電極。
8、前記複合体電極が、さらに、前記固体電解質層と平行な金属層を有し、
前記金属層が、金、銀、銅、ニッケル、及びアルミニウムからなる群から
選ばれる少なくとも一種の金属を含むことを特徴とする請求項1〜7のい
ずれか1項に記載の複合体電極。
9、前記固体電解質層が、導電助剤を含むことを特徴とする請求項1〜8
のいずれか1項に記載の複合体電極。
10,電極活物質又はその前駆体と、固体電解質又はその前駆体を含み、

焼結により請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合体電極を与える複合
体電極の前駆体であって、前記複合体電極の前駆体中に、前記複合体電極
の前駆体を貫通する固体電解質又はその前駆体の層を有し、前記複合体電
極の前駆体が、酸化物系電極活物質又はその前駆体を含むシート状の電極
活物質又はその前駆体の層と、酸化物系固体電解質又はその前駆体を含む
シート状の固体電解質層はその前駆体の層が交互に並ぶ交互配列体であり、
前記電極活物質又はその前駆体の比表面積が、0.5m/g以上であり、
前記固体電解質又はその前駆体の比表面積が、0.5m/g以上である
ことを特徴とする複合体電極の前駆体。
11、さらに、前記複合体電極の前駆体が、焼結中に熱分解する有機系バ

インダーを含むことを特徴とする請求項10に記載の複合体電極の前駆体。
12、請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合体電極を製造する方法で

あって、電極活物質又はその前駆体を含む層と、固体電解質又はその前駆
体を含む層とが交互に積層した積層体を得る積層工程と、記積層体を焼結
し、電極活物質層と固体電解質層が交互に積層した積層焼結体を得る焼結
工程と、を有することを特徴とする複合体電極の製造方法。
13,前記積層工程が、チタン酸リチウム又はその前駆体を含む層と、チ

タン酸リチウムランタン又はその前駆体を含む層とが交互に積層した積層
体を得る工程であり、前記焼結工程が、1000℃超で焼結した後、40
0℃以上1000℃以下で焼結する工程であり、前記複合体電極が、スピ
ネル型チタン酸リチウムを含む電極活物質層と、ペロブスカイト型チタン
酸リチウムランタンを含む固体電解質層が交互に並ぶ交互配列体であるこ
とを特徴とする請求項12に記載の複合体電極の製造方法。

14、リチウムイオンを吸蔵放出する負極層と、リチウムイオンを伝導す
るセパレータ層と、
リチウムイオンを吸蔵放出する正極層とをこの順に積
層しており、
前記負極層又は前記正極層として請求項1~9のいずれか1
項に記載の複合体電極を使
用することを特徴とするリチウムイオン電池
15、
リチウムイオンを吸蔵放出する負極層と、リチウムイオンを伝導す
るセパレータ層と、リチウムイオンを吸蔵放出する正極層とをこの順に積
層しており、
前記負極層又は前記正極層として請求項1〜9のいずれか1
項に記載の複合体電極を使用することを特徴とするリチウムイオン電池。
16、前記複合体電極中の前記固体電解質層の厚みが前記セパレータ帯の
幅よりも小さいことを特徴とする請求項15に記載のリチウムイオン電池。
17、前記負極帯の幅が、20μm以上500μm以下であり、前記セパレ
ータ帯の幅が、100μm以下であり、前記正極帯の幅が、20μm以上
500μm以下であることを特徴とする請求項15又は16に記載のリチ
ウムイオン電池。
18、前記リチウムイオン電池が、さらに、第1の集電体及び/又は第2
の集電体を有し、前記第1の集電体と、前記負極帯と、前記セパレータ帯
とがこの順に隣接しており、及び/又は、前記セパレータ帯と、前記正極
帯と、前記第2の集電体とがこの順に隣接しており、前記複合体電極中の
前記固体電解質層が、前記第1及び/又は第2の集電体と前記セパレータ
帯との間を結ぶように、前記複合体電極を貫通していることを特徴とする
請求項15~17のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池。
【請求項19】請求項15~17のいずれか1項に記載のリチウムイオン
電池を複数有する組電池であって、前記組電池が、一対の集電体と、複数
の前記リチウムイオン電池と、1つ又は複数の電極体と、を備え、複数の
前記リチウムイオン電池が、前記一対の集電体の間に一列に配置され、一
端の前記リチウムイオン電池の前記負極帯又は前記正極帯と前記一対の集
電体の一方とが隣接し、他端の前記リチウムイオン電池の前記負極帯又は
前記正極帯と前記一対の集電体の他方とが隣接し、隣り合う2個の前記リ
チウムイオン電池が、1つの前記電極体を介して、隣接し、当該1つの前
記電極体を挟んで、一方の前記リチウムイオン電池の前記負極帯が、前記
電極体に隣接し、他方の前記リチウムイオン電池の前記正極帯が、前記電
極体に隣接し、複数の前記リチウムイオン電池を直列に接続したことを特
徴とする組電池。
20、請求項15~17のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池を複
数有する組電池であって、前記組電池が、複数の集電体と、複数の前記リ
チウムイオン電池と、を備え、複数の前記リチウムイオン電池が、一列に
配置され、一端の前記リチウムイオン電池の前記負極帯又は前記正極帯と
1つの前記集電体とが隣接し、他端の前記リチウムイオン電池の前記負極
帯又は前記正極帯と他の1つの前記集電体とが隣接し、隣り合う2個の前
記リチウムイオン電池が、さらに他の1つの前記集電体を介して、隣接し、
当該さらに他の1つの前記集電体を挟んで、一方の前記リチウムイオン電
池及び他方の前記リチウムイオン電池の前記負極帯が、前記集電体に隣接
し、又は、一方の前記リチウムイオン電池及び他方の前記リチウムイオン
電池の前記正極帯が、前記集電体に隣接し、前記負極帯に隣接する前記集
電体どうしが電気的に接続し、前記正極帯に隣接する前記集電体どうしが
電気的に接続し、複数の前記リチウムイオン電池を並列に接続したことを
特徴とする組電池。

              ー 中 略 ー


                                                                               


✳️ 次世代電池 全固体フッ化物イオン電池の開発大きく加速
カーボンニュートラルの実現に向け、リチウムイオン電池に代わる次世代
の蓄電池として期待される「全固体フッ化物イオン電池」。追手門学院大
学高見剛教授の研究チームは、九州大学の多田朋史教授と共同で、簡便な
化学フッ化を用いてデータベースに存在しない新たな物質の合成に成功し、
室温付近でフッ化物イオンが超イオン伝導することを実証。全固体フッ化
物イオン電池の開発においては、これまで室温状態で動作する超イオン伝
導体の発見が課題となっていたが、今後、フッ化物イオン(F-)を拡散させ
る固体電解質の開発に向けた合成戦略の広がりが期待される。本研究成果
は、2025年1月14日(英国時間)に英国王立化学会の学術誌「Journal of
Materials Chemistry A」に掲載された。

【概要】フッ素はリチウムの50倍豊富に存在し、資源制約が少なく安価。
加えて、全固体電池であるため、安全性も担保できるが、現状課題として、
動作温度が室温をはるかに超える140C以上に限定されている。この最大
の要因は、固体電解質のフッ化物イオン伝導率が低いことにある。  
そして、固体電解質においてのイオン伝導率向上には、イオンが通れるよ
うな“隙間(空孔)”を作り出すことが必要で、安定した構造の中で、どの
ようにその空孔を作り出すかが素材探索や化合物合成の鍵となっている。
通常、フッ化物イオン伝導体は、高温(900~1000C程度)での固相反応法
により、熱力学的安定相として得られる(例えば、1000Cで合成される
既存の固体電解質La1-xBaxF3-xでは、3価のLaを2価のBaで置換することで
意図的に、x分のF空孔(F3-x中のxに相当)を作り出す)。F空孔はFの拡散
先となるが、この方法では導入できるF空孔量に限度があり、イオン伝導
率は低いため、F空孔の導入についての抜本的見直しが必要。
【成果】固有のF空孔を含む立方体構造を持つ新しいTlF相は、従来の固体
反応ではなく、ワンステップの化学フッ素化によって合成されます。結晶
構造は、Cu超イオン伝導体α-CuBrの電子的に反転した反α-CuBr構造であ
り、FがCuサイトを占め、TlがBrサイトを占めています。ザ・F+室温での
導電率は、従来の斜方晶相と比較して4桁以上増加し、F超イオン伝導率(
≥1 mS cm−1)は、約60°Cで観察されます。 ニューラルネットワークポテン
シャル分子動力学法は、F内因性F空孔による拡散。計算されたF導電率(
6.8 mS cm−1400 K)と活性化エネルギー(0.4 eV)は、実験値(4.3 mS cm)に
匹敵します−1398 K、0.3 eV)。優れたFに対して内在F空室を利用する新し
い設計ガイドラインを提案する従来の材料設計の代わりに、アリオレント
ドーピングによる外因性F空孔の導入に基づく導体。
図の要約:内因性F空孔を含む新しい抗α-CuBr構造によるTlFにおけるフッ化物超イオン伝導
【展望】研究グループは今回、ファンデルワールス化合物の「TlF(フッ化
タリウム)」に着目、化学フッ化を行うことでフッ化物イオン伝導の発現
を試みた。実験では、フッ化キセノン(XeF2)を用い200℃の低温で化学
フッ化を行った。そうすると複雑な構造体(orthorhombic相)ではなく、
目新しい構造体(cubic相)に構造相転移した。このcubic相は、Cuサイト
がF、BrサイトがTlで構成されており、銅超イオン伝導体「α-CuBr」の逆
構造であることが分かった。中性子回折により、Fの位置や量を精密に評
価した。この結果、x=1の組成では、Fサイトに対するFの占有率が17%、
F空孔が83%であった。また、少なくとも150℃付近まで化学的に安定して
おり、粒内ではTlとFがほぼ均一に分布していることを確認した。 温度上
昇に伴ってイオン伝導率は増加し、60℃で超イオン伝導域(>1mS cm-1)
に達した。これらのデータによれば活性化エネルギーは0.3eVと小さく、
イオン伝導率は従来のorthorhombic相に比べ、はるかに大きな値となっ
た。電子伝導率は全伝導率の0.01%未満と極めて小さかったニューラル
ネットワークポテンシャル動力学法を用いて理論計算を行った。その結果、
フッ化物イオン伝導率(6.8mS cm-1at 400K)と活性化エネルギー(0.4
eV)は、実験値(4.3mS cm-1at 398K, 0.3eV)とほぼ一致した。これら
の結果に基づき研究グループは、優れたフッ化物イオン伝導体を実現する
には、Intrinsic(内在的な)F空孔を利用するのが有効であることを実証
た。
既存のTlF(奥)から構造相転移を介して得られた新物質TlF(手前)におけるフッ化物超イオン伝導のイメージ[クリックで拡大] 出所:大手門学院大学
既存のTlF(奥)から構造相転移を介して得られた新物質TlF(手前)にお
けるフッ化物超イオン伝導のイメージ 出所:大手門学院大学

     心に残る歌 『 世界に一つだけの花』
                作詞・作曲:槇原敬之



 今日の言葉:
               

                春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                 春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                                                                                      
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エネルギーと環境 109

2025年01月17日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月17日】

       わびしき遺品整理や冬銀河 

                  高山 宇 (赤鬼)


フォーカシング⓵:高性能全固体ポリマー電池用電解質膜

ポリマー電解質を用いた全固体電池は、有機溶媒を用いず高温で安定なこ
とから、長寿命、高安全性などの特徴を有すが、ポリマー電解質はリチウ
ムイオンの伝導性に乏しい、電池温度を50℃以上に加温する必要があり
ました。今回開発した新規電解質膜は、室温でも高いリチウム伝導性を有
し、電池の作動温度を室温近くまで下げることが可能となり、全固体ポリ
マー電池の新しい用途展開が期待できる。




APB株式会社技術特許

1.特開2024-178619 リチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子、リチウ
ムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池 他三洋化成工業株式会社

【要約】リチウムイオン電池用電極活物質粒子が有する表面の少なくとも
一部を高分子化合物と導電性フィラーと有機溶媒とを含む被覆層で被覆し
てなるリチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子であって、上記被覆層に
含まれる有機溶媒の重量割合が、上記リチウムイオン電池用被覆電極活物
質粒子の重量を基準として10~1000ppmであるリチウムイオン電
池用被覆電極活物質粒子。内部抵抗値の上昇を抑制することができ、容量
維持率に優れるリチウムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池を得る
ことができるリチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子を提供する。
【詳細説明】
例えば、特許文献1(特開2017-160294/出願の拒絶・却下
)には、炭素
数1~12の1価の脂肪族アルコールと(
メタ)アクリル酸とのエステル
化合物及びアニオン性単量体を含んでなる単量体組成物の重合体であり、
酸価が30~700である重合体を含んでなる非水系二次電池活物質被覆
用樹脂組成物、及び、上記活物質被覆用樹脂組成物を含んでなる被覆層を
活物質の表面の少なくとも一部に有する非水系二次電池用被覆活物質が開
示されている。しかしながら、特許文献1に開示された活物質被覆用樹脂
組成物は、これをリチウムイオン電池用電極又はリチウムイオン電池に用
いた場合に電極強度(特に電極柔軟性)、サイクル特性(内部抵抗値の上
昇)及びレート特性(容量維持率)の観点から、改善の余地があった


【発明の効果】【0008】
本発明によれば、十分な電極柔軟性を持ち、内部抵抗値の上昇を抑制する
ことができ、容量維持率に優れるリチウムイオン電池用電極及びリチウム
イオン電池を得ることができるリチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子
を提供することができる。本発明によれば、十分な電極柔軟性を持ち、内
部抵抗値の上昇を抑制することができ、容量維持率に優れるリチウムイオ
ン電池用電極及びリチウムイオン電池を得ることができるリチウムイオン
電池用被覆電極活物質粒子を提供することができる。
【0009】<リチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子>
本発明は、リチウムイオン電池用電極活物質粒子が有する表面の少なくと
も一部を高分子化合物と導電性フィラーと有機溶媒とを含む被覆層で被覆
してなるリチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子であって、上記被覆層
に含まれる有機溶媒の重量割合が、上記リチウムイオン電池用被覆電極活
物質粒子の重量を基準として10~1000ppmであるリチウムイオン
電池用被覆電極活物質粒子に関する。なお、本明細書において、リチウム
イオン電池
と記載する場合、リチウムイオン二次電池も含む概念とする
【0010】本発明のリチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子を用いた
リチウムイオン電池用電極(単に電極ともいう)や、リチウムイオン電池
では、リチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子の被覆層中に所定量存在
する有機溶媒が、リチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子表面の粘着力
を向上させ、また、初回充電の際に電極活物質粒子近傍で電解重合を起こ
し絶縁被膜を作り、この被膜が電解液の分解を抑制することにより、電極
の柔軟性を向上させ、かつ内部抵抗値の上昇を抑制し、容量維持率が向上
すると考えられる
。              
【0011】(リチウムイオン電池用電極活物質粒子)
             ー 中 略 ー
【0015】
負極活物質粒子としては、炭素系材料[黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化
性炭素(ハードカーボン)、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェ
ノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(
例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素
繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiO)、珪素-炭素複合体
(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又
は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭
化珪素等)及び珪素合金(珪素-アルミニウム合金、珪素-リチウム合金、
珪素-ニッケル合金、珪素-鉄合金、珪素-チタン合金、珪素-マンガン
合金、珪素-銅合金及び珪素-スズ合金等)等]、導電性高分子(例えば
ポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジル
コニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタ
ン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-アル
ミニウム合金及びリチウム-アルミニウム-マンガン合金等)等及びこれ
らと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
              ー 中 略 ー
【0049】被覆層を構成する高分子化合物の重量平均分子量は、以下の
条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記)測
定により求めることができる。装置:Alliance  GPC  V200
0(Waters社製)溶媒:オルトジクロロベンゼン、N-ジメチルホ
ルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)標準物質:ポリス
チレンサンプル濃度:3mg/ml カラム固定相:PLgel  10μm、
MIXED-B  2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)カラム温度:
135℃
【0050】被覆層を構成する高分子化合物は、公知の重合開始剤{アゾ
系開始剤[2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、2,2’-
アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-
メチルブチロニトリル)等]、パーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパー
オキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等)
等}を使用して公知の重合方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重
合等)により製造することができる。重合開始剤の使用量は、重量平均分
子量を好ましい範囲に調整する等の観点から、モノマーの全重量に基づい
て好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.05~2重量%、
更に好ましくは0.1~1.5重量%であり、重合温度及び重合時間は重
合開始剤の種類等に応じて調整されるが、重合温度は好ましくは-5~
150℃、(より好ましくは30~120℃)、反応時間は好ましくは
0.1~50時間(より好ましくは2~24時間)である。
【0051】
溶液重合の場合に使用される溶媒としては、例えばエステル(炭素数2~8、
例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル)、アルコール(炭素数1~8、例えば
メタノール、エタノール及びオクタノール)、炭化水素(炭素数4~8、
例えばn-ブタン、シクロヘキサン及びトルエン)、アミド(例えばN,
N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する))及びケトン(炭
素数3~9、例えばメチルエチルケトン)が挙げられ、重量平均分子量を
好ましい範囲に調整する等の観点から、その使用量はモノマーの合計重量
に基づいて好ましくは5~900重量%、より好ましくは10~400重
量%、更に好ましくは30~300重量%であり、モノマー濃度としては、
好ましくは10~95重量%、より好ましくは20~90重量%、更に好
ましくは30~80重量%である。

【0052】乳化重合及び懸濁重合における分散媒としては、水、アルコ
ール(例えばエタノール)、エステル(例えばプロピオン酸エチル)、軽
ナフサ等が挙げられ、乳化剤としては、高級脂肪酸(炭素数10~24)
金属塩(例えばオレイン酸ナトリウム及びステアリン酸ナトリウム)、高
級アルコール(炭素数10~24)硫酸エステル金属塩(例えばラウリル
硫酸ナトリウム)、エトキシ化テトラメチルデシンジオール、メタクリル
酸スルホエチルナトリウム、メタクリル酸ジメチルアミノメチル等が挙げ
られる。更に安定剤としてポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン
等を加えてもよい。
               ー 中 略 ー
【0054】架橋剤(A’)を用いて被覆層を構成する高分子化合物を架橋
する方法としては、電極活物質粒子を、被覆層を構成する高分子化合物で
被覆した後に架橋する方法が挙げられる。具体的には、電極活物質粒子と
被覆層を構成する高分子化合物を含む樹脂溶液を混合し脱溶剤することに
より、被覆電極活物質粒子を製造した後に、架橋剤(A’)を含む溶液を該
被覆電極活物質粒子に混合して加熱することにより、脱溶剤と架橋反応を
生じさせて、被覆層を構成する高分子化合物が架橋剤(A’)によって架橋
される反応を電極活物質粒子の表面で起こす方法が挙げられる。加熱温度
は、架橋剤の種類に応じて調整されるが、架橋剤としてポリエポキシ化合
物(a’1)を用いる場合は好ましくは70℃以上であり、ポリオール化合
物(a’2)を用いる場合は好ましくは120℃以上である。

【0055】重合反応における系内温度は通常-5~150℃、好ましく
は30~120℃、反応時間は通常0.1~50時間、好ましくは2~2
4時間であり、重合反応の終点は、未反応単量体の量が、単量体組成物に
含まれる単量体成分の合計重量に基づいて通常5重量%以下、好ましくは
1重量%以下となる点であり、未反応単量体の量はガスクロマトグラフィ
ー等の公知の単量体含有量の定量方法により確認できる。
【0056】高分子化合物の重量割合は、被覆層が1層構成である場合、
被覆電極活物質粒子の重量を基準として0.3~10.0重量%であるこ
とが好ましい。
             ー 中 略 ー

【0057】(導電性フィラー)被覆層に含まれる導電性フィラーについ
て詳述する。
【0058】導電性フィラーとしては、導電性を有する材料から選択され
ることが好ましい。導電性フィラーとして好ましいものとしては、金属[
アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、カー
ボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチ
ェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルラ
ンプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。

(有機溶媒)被覆層は、有機溶媒を含む。
【0064】被覆層に含まれる有機溶媒としては、高分子化合物を溶解可
能な有機溶媒であれば特に限定されず、上述した高分子化合物を溶液重合
で製造する際に用いる溶媒として例示したものを好適に用いることができ
る。被覆層に含まれる有機溶媒は、高分子化合物を合成する際の有機溶媒
(残存有機溶媒)であってもよく、被覆層を形成した後に添加した有機溶
媒であってもよい。
【0065】被覆層に含まれる有機溶媒は、得られる電極の柔軟性の観点
から、アセトン、トルエン、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、N,
N-ジメチルホルムアミド及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群か
ら選ばれる1種以上であることが好ましい。なかでも被覆層に含まれる有
機溶媒の含有量の調整しやすさの観点から、N,N-ジメチルホルムアミ
ド(DMF)が好ましい。                     

                ー中 略ー
(被覆率)本発明のリチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子は、電極活
物質粒子が有する表面の少なくとも一部を高分子化合物と導電性フィラー
とを含む被覆層で被覆してなる。
【0077】被覆層が1層構成の場合、サイクル特性の観点から、下記計
算式で得られる被覆率が30~95%であることが好ましい。
被覆率(%)={1-[被覆電極活物質粒子のBET比表面積/(被覆前
の電極活物質粒子のBET比表面積×被覆電極活物質粒子中に含まれる電
極活物質粒子の重量割合+導電性フィラーのBET比表面積×被覆電極活物
質粒子中に含まれる導電性フィラーの重量割合+セラミック粒子のBET
比表面積×被覆電極活物質粒子中に含まれるセラミック粒子の重量割合)]}
×100
【0078】被覆層が2層構成の場合、容量維持率の観点から、下記計算
式で得られる第一被覆層の被覆率が30~95%であることが好ましい。
被覆率(%)={1-[第一被覆層で被覆された電極活物質粒子のBET
比表面積/(未被覆時の電極活物質粒子のBET比表面積×第一被覆層で被
覆された電極活物質粒子中に含まれる電極活物質粒子の重量割合+導電性
フィラーのBET比表面積×第一被覆層で被覆された電極活物質粒子中に含
まれる導電性フィラーの重量割合+任意で含まれるセラミック粒子のBE
T比表面積×第一被覆層で被覆された電極活物質粒子中に任意で含まれるセ
ラミック粒子の重量割合)]}×100

【0079】被覆層が2層構成の場合、第一被覆層の表面の少なくとも一
部が第二被覆層で被覆されていることが好ましい。第二被覆層の被覆率は、
電極の強度の観点から、第一被覆層に対する第二被覆層の被覆率が30~
95%であることが好ましい。第二被覆層の被覆率は、第一被覆層で被覆
後のサンプルのBET比表面積と第二被覆層のBET比表面積から計算に
より得ることができる。
被覆率(%)={1-[第二被覆層で被覆された電極活物質粒子のBET
比表面積/(第一被覆層で被覆された電極活物質粒子のBET比表面積×
第二被覆層で被覆された電極活物質粒子中に含まれる電極活物質粒子の重
量割合+導電性フィラーのBET比表面積×第二被覆層で被覆された電極
活物質粒子中に含まれる導電性フィラーの重量割合+任意で含まれるセラ
ミック粒子のBET比表面積×第二被覆層で被覆された電極活物質粒子中
に任意で含まれるセラミック粒子の重量割合)]}×100
【0080】
被覆層が2層構成の場合、電極活物質粒子の表面に第一被覆層が形成され
ない部分があってもよく、電極活物質粒子の表面に第二被覆層が被覆して
なる部分があってもよい。
【0081】<リチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子の製造方法>
本発明のリチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子は、被覆層を構成する
高分子化合物、導電性フィラー及び電極活物質粒子を混合することによって
製造することができる。高分子化合物、導電性フィラー及び電極活物質粒
子を混合する順番は特に限定されず、例えば、事前に混合した被覆層を構
成する高分子化合物と導電性フィラーからなる樹脂組成物を電極活物質粒
子とさらに混合してもよいし、高分子化合物、導電性フィラー及び電極活
物質粒子を同時に混合してもよいし、電極活物質粒子に高分子化合物を混
合し、さらに導電性フィラーを混合してもよい。
【0082】
本発明の被覆電極活物質粒子は、電極活物質粒子を、高分子化合物で被覆
することで得ることができ、例えば、電極活物質粒子を万能混合機に入れ
て30~800rpmで撹拌した状態で、高分子電解質組成物を含む樹脂
溶液を1~90分かけて滴下混合し、さらに導電性フィラーを混合し、撹
拌したまま50~200℃に昇温し、0.007~0.04MPaまで減
圧した後に10~900分保持し、その後、被覆電極活物質粒子に含まれ
る有機溶媒の重量割合が所定の範囲となるように有機溶媒を加えることに
より得ることができる。
【0083】電極活物質粒子と、高分子化合物及び導電性フィラーとの配
合比率は特に限定されるものではないが、重量比率で電極活物質粒子:高
分子化合物及び導電性フィラーの合計重量=1:0.001~0.1であ
ることが好ましい。
【0084】被覆層が2層構成の場合、電極活物質粒子、高分子化合物、
有機溶媒、任意で導電性フィラー及び任意でセラミック粒子を混合した第
一被覆層用被覆層組成物を脱溶剤して第一被覆電極活物質粒子を得る第1
被覆工程と、上記第一被覆電極活物質粒子、高分子化合物、有機溶媒、任
意で導電性フィラー及び任意でセラミック粒子を混合した第二被覆層用被
覆層組成物を脱溶剤する第2被覆工程とを有することが好ましい。
なお、モノマーは、第一被覆層用被覆層組成物と第二被覆層用被覆層組成
物の何れかに含まれていてもよいが、双方に含まれていることが好ましい。
第一被覆層用被覆層組成物、第二被覆層用被覆層組成物を脱溶剤する方法
は、上述した方法を用いればよい。
【0085】<リチウムイオン電池用電極>
本発明のリチウムイオン電池用電極は、本発明のリチウムイオン電池用被
覆電極活物質粒子と導電助剤とを含む非結着体からなる。ここで、非結着
体とは、リチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子と導電助剤とが結着剤
(バインダともいう)により位置を固定されていないことを意味する。す
なわち、リチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子と導電助剤は、それぞ
れ外力に応じて移動できる状態である。
【0086】本発明のリチウムイオン電池用電極は、溶剤乾燥型結着剤を
含まない。溶剤乾燥型結着剤としてはデンプン、ポリフッ化ビニリデン、
ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知
のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。これらの結着剤は溶剤に
溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで表面が粘着性を
示すことなく固体化して、被覆電極活物質粒子と導電助剤同士、及び、被
覆電極活物質粒子と導電助剤と集電体とを強固に固定するものである。
【0087】
本発明のリチウムイオン電池用電極は、十分な電極柔軟性を有する。
具体的には、下記に示す降伏点ストロークが0.13mm以上である。
上記降伏点ストロークが0.13mm以上であれば、リチウムイオン電池
用電極が引き伸ばされたり、歪んだりしても電気伝導性を好適に維持する
ことができる。
上記降伏点ストロークは、0.15mm以上であることが好ましく、0.
17mm以上であることがより好ましい。

【0088】本明細書において降伏点ストロークは、以下の方法により測
定し算出する。リチウムイオン電池用電極(サンプルサイズ:直径16m
mの円形)の降伏応力をISO178(プラスチック-曲げ特性の求め方)
に準拠して、オートグラフ[(株)島津製作所製]を用いて測定する。
リチウムイオン電池用電極のサンプルを支点間距離5mmの治具にセット
し、オートグラフにセットされたロードセル(定格荷重:20N)を1m
m/minの速度で電極に向かって降下させ、ロードセルが電極に触れて
から降伏点でのロードセルの降下距離(mm)を降伏点ストロークとして
算出する。
【0089】本発明のリチウムイオン電池用電極は、被覆電極活物質粒子
及び導電助剤と、電解質及び溶媒を含有する電解液とを含む電極活物質層
と、集電体とを備えていることが好ましい。
【0090】(被覆電極活物質粒子)
被覆電極活物質粒子としては、本発明のリチウムイオン電池用被覆電極活
物質粒子を用いる。電極活物質層の重量を基準として、被覆電極活物質粒
子を40~95重量%含むことが好ましく、60~90重量%で含むこと
がより好ましい。
【0091】(導電助剤)
本発明のリチウムイオン電池用電極は、上述した被覆電極活物質粒子の被
覆層中に含まれていてもよい導電性フィラーとは別に導電助剤を含んでい
る。被覆層中に含まれている導電性フィラーが被覆電極活物質粒子と一体
であるのに対し、導電助剤は被覆電極活物質粒子と別々に含まれている点
で区別できる。
【0092】導電助剤は、被覆層に含まれる導電性フィラーと同じであっ
てもよいし、異なっていてもよい。本発明のリチウムイオン電池用電極に
含まれる導電助剤としては、導電性フィラーとして例示したものと同じも
のを用いることができる。
【0093】リチウムイオン電池用電極中に含まれる導電助剤と被覆層中
に含まれる導電性フィラーの合計含有量は、特に限定されないが、電極活
物質層から電解液を除いた重量を基準として0.5~20重量%であるこ
とが好ましい。
【0094】(電解液)
電解液は、電解質及び溶媒を含有する。
【0095】電解質としては、公知の電解液に用いられている電解質が使用
でき、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、L
iClO及びLiN(FSO等の無機アニオンのリチウム塩、Li
N(CFSO、LiN(CSO及びLiC(CFSO
等の有機アニオンのリチウム塩が挙げられる。これらの内、電池出力
及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiN(FSOであ
る。
【0096】溶媒としては、公知の電解液に用いられている非水溶媒が使
用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カル
ボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合
物、アミド化合物、スルホン、スルホラン及びこれらの混合物を用いるこ
とができる。
【0097】ラクトン化合物としては、5員環(γ-ブチロラクトン及びγ
-バレロラクトン等)及び6員環(δ-バレロラクトン等)のラクトン化合
物等が挙げられる。
               ー 中 略 ー
【0103】これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併
用してもよい。
【0104】電解液中の電解質の濃度は、1.2~5.0mol/Lであ
ることが好ましく、1.5~4.5mol/Lであることがより好ましく、
1.8~4.0mol/Lであることが更に好ましく、2.0~3.5m
ol/Lであることが特に好ましい。
このような電解液は、適当な粘性を有するので、被覆電極活物質粒子間に
液膜を形成することができ、被覆電極活物質粒子に潤滑効果(被覆電極活
物質粒子の位置調整能力)を付与することができる。
               ー 中 略 ー
【0105】(電極活物質層)
本発明のリチウムイオン電池用電極において、電極活物質層の厚みは、電
池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~
450μmであることがより好ましい。
【0106】(集電体)
集電体を構成する材料としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス
鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料、並びに、焼成炭素、導電性
高分子材料、導電性ガラス等が挙げられる。集電体の形状は特に限定され
ず、上記の材料からなるシート状の集電体、及び、上記の材料で構成され
た微粒子からなる堆積層であってもよい。集電体の厚さは、特に限定され
ないが、50~500μmであることが好ましい。
               ー 中 略 ー
【0111】<リチウムイオン電池>
本発明のリチウムイオン電池は、本発明のリチウムイオン電池用電極を備え
る。
【0112】本発明のリチウムイオン電池用電極と、対極となる電極とを
組み合わせて、セパレータと共にセル容器に収納し、電解液を注入し、セ
ル容器を密封することでリチウムイオン電池を得ることができる。また、
集電体の一方の面に上記のリチウムイオン電池用正極を形成し、もう一方
の面に負極を形成してバイポーラ(双極)型電極を作製し、バイポーラ(
双極)型電極をセパレータと積層してセル容器に収納し、電解液を注入し、
セル容器を密封することでもリチウムイオン電池を得ることができる。本発
明のリチウムイオン電池は、本発明のリチウムイオン電池用電極を正極、
負極の双方に備えることが好ましい。
【0113】セパレータとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン製の
多孔性フィルム、多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンと
の積層フィルム、合成繊維(ポリエステル繊維及びアラミド繊維等)又は
ガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チ
タニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン
電池用のセパレータが挙げられる。
【0114】なお、本明細書には以下の発明が記載されている。
〔1〕リチウムイオン電池用電極活物質粒子が有する表面の少なくとも一
部を高分子化合物と導電性フィラーと有機溶媒とを含む被覆層で被覆して
なるリチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子であって、上記被覆層に含
まれる有機溶媒の重量割合が、上記リチウムイオン電池用被覆電極活物質
粒子の重量を基準として10~1000ppmであるリチウムイオン電池
用被覆電極活物質粒子。
〔2〕上記有機溶媒が、アセトン、トルエン、イソプロピルアルコール、
酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド及びN-メチル-2-ピロリ
ドンからなる群から選ばれる1種以上である上記〔1〕に記載のリチウム
イオン電池用被覆電極活物質粒子。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕に記載のリチウムイオン電池用被覆電極活物
質粒子と導電助剤とを含む非結着体からなるリチウムイオン電池用電極。
〔4〕上記〔3〕に記載のリチウムイオン電池用電極を備えるリチウムイ
オン電池。


【実施例】
【0115】次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の
主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、
特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
【0116】[電解液の作製]
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合
溶媒(体積比率1:1)にLiN(FSOを2.0mol/Lの割
合で溶解させて電解液を作製した。
【0117】[樹脂集電体の作製]
2軸押出機にて、ポリプロピレン[商品名「サンアロマーPL500A」
、サンアロマー(株)製]70部、カーボンナノチューブ[商品名「Fl
oTube9000」、CNano社製]25部及び分散剤[商品名「ユ
ーメックス1001」、三洋化成工業(株)製]5部を200℃、200
rpmの条件で溶融混練して樹脂混合物を得た。得られた樹脂混合物を、
Tダイ押出しフィルム成形機に通して、それを延伸圧延することで、膜厚
100μmの樹脂集電体用導電性フィルムを得た。次いで、得られた樹脂
集電体用導電性フィルムを直径15mm又は16mmの円形となるように
切断し、片面にニッケル蒸着を施した後、電流取り出し用の端子(5mm
×3cm)を接続した樹脂集電体を得た。なお、直径15mmの円形の樹脂
集電体を正極用樹脂集電体として用い、直径16mmの円形の樹脂集電体
を負極用樹脂集電体として用いた。
【0118】(比較例1)
[被覆層組成物の調製]
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4
つ口フラスコにDMF150部を仕込み、75℃に昇温した。次いで、ア
クリル酸91部、メタクリル酸メチル9部及びDMF50部を配合した単
量体組成物と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.3
部及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)0.8部をDMF
30部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みなが
ら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を
行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。
次いで、80℃に昇温して反応を3時間継続し、樹脂濃度30%の共重合
体溶液を得た。得られた共重合体溶液を撹拌下、アセトン中に滴下して精
製を行った。精製後、テフロン(登録商標)製のバットに移して150℃
、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行い、DMFおよびアセトンを留
去して高分子化合物を得た。得られた高分子化合物をハンマーで粗粉砕し
た後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の高分子化合物を得た。高分子化合
物1部をDMF3部に溶解し、モノマーの含有量が高分子化合物のモル数
を基準として0.1モル%となるようにアクリル酸:メタクリル酸メチル
(重量比が91:9)を追加し、被覆層組成物を得た。
【0119】[被覆正極活物質粒子の作製]
正極活物質粒子(LiNi0.8Co0.15Al0.05粉末、体積平
均粒子径4μm)90.12部を万能混合機ハイスピードミキサーFS2
5[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状
態で、被覆層組成物12.56部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電助剤であるアセチレンブラック[デンカ(株)
製  デンカブラック(登録商標)]3.14部及びセラミック粒子(AE
ROSIL  200(二酸化ケイ素、BET比表面積200m/g、製品
名「AEROSIL  200」、日本アエロジル(株)製))2.10部を
分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。その後、撹拌を維
持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したま
ま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を13時間維持して
揮発分を留去した。得られた粉体を目開き200μmの篩で分級し、比較例
1の被覆正極活物質粒子を得た。
【0120】得られた被覆正極活物質粒子に含まれる有機溶媒の重量割合
をGC測定装置([(株)島津製作所製]:ガスクロマトグラフGC-2
010)で測定し、ピーク強度の面積比から有機溶媒の重量割合をppm
オーダーで算出した。
【0121】(実施例1~5、比較例2)
その後、被覆正極活物質粒子に含まれる有機溶媒の重量割合が表1に記載
の重量割合となるように、有機溶媒(DMF)を追加し、万能混合機ハイ
スピードミキサーFS25で室温、720rpmで5分撹拌して、実施例
1~5、比較例2の被覆正極活物質粒子をそれぞれ得た。
表1

【012】[リチウムイオン電池用正極の作製]
作製した被覆正極活物質粒子98.50部と、炭素繊維[大阪ガスケミカル
(株)製  ドナカーボ・ミルド  S-243:平均繊維長500μm、平均
繊維径13μm:電気伝導度200mS/cm]2.06部とケッチェンブ
ラック[ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製  EC300J]
1.03部とを混合して正極スラリーを作製した。
作製した正極スラリーを、Φ15(mm)の金型上に正極活物質粒子の目
付量が50mg/cmになるように充填し、プレス機(HANDTAB
-100T15、市橋精機(株)製)で1ton/cmの圧力で打錠成
形して正極活物質層(厚さが213μm)を形成し、上記樹脂集電体の片面
に積層して実施例1~5及び比較例1、2に係るリチウムイオン電池用正
極(直径15mmの円形)を作製した。

【0124】
得られたリチウムイオン電池用正極について、電極強度(柔
軟性)の測定を下記の通り行った。
得られたリチウムイオン電池用正極(
サンプルサイズ:直径15mmの円形)の降伏応力をISO178(プラ
スチック-曲げ特性の求め方)に準拠して、オートグラフ[(株)島津製
作所製]を用いて測定し、以下の基準で電極強度を評価した。

まず、リチウムイオン電池用正極の各サンプルを支点間距離5mmの治具
にセットし、オートグラフにセットされたロードセル(定格荷重:20N
)を1mm/minの速度で電極に向かって降下させ、ロードセルが電極
に触れてから降伏点でのロードセルの降下距離(mm)を降伏点ストロー
クとして算出した。
ストロークが長ければ長いほど電極の柔軟性が高いと
言える。測定結果を表2に示す。

表2.

【0132】(実施例6~10、比較例3、4)
その後、被覆負極活物質粒子に含まれる有機溶媒の重量割合が表3に記載
の重量割合となるように、有機溶媒(DMF:トルエン=1:1)を追加
し、万能混合機ハイスピードミキサーFS25で室温、720rpmで5
分撹拌して、実施例6~10の被覆負極活物質粒子をそれぞれ得た。

【0133】
表3.

【0134】
(リチウムイオン電池用負極の作製)
作製した被覆負極活物質粒子99部と、炭素繊維[大阪ガスケミカル(株)
製  ドナカーボ・ミルド  S-243:平均繊維長500μm、平均繊維径
13μm:電気伝導度200mS/cm]1部とを混合して負極スラリーを
作製した。
作製した負極スラリーを、Φ16(mm)の金型上に負極活物
質粒子の目付量が23.4mg/cmになるように充填し、プレス機(
HANDTAB-100T15、市橋精機(株)製)で1ton/cm
の圧力で打錠成形して負極活物質層(厚さが300μm)を形成し、上記樹
脂集電体の片面に積層して実施例6~10及び比較例3、4に係るリチウ
ムイオン電池用負極(直径16mmの円形)をそれぞれ作製した。

【0135】得られたリチウムイオン電池用負極について、前記リチウム
イオン電池用正極と同様にして電極強度(柔軟性)の測定を行った。測定
結果を表4に示す。

【0136】
表4.

【0137】
表4より、被覆層が所定の有機溶媒を含む被覆負極活物質粒子を用いた実
施例6~10のリチウムイオン電池用負極では、十分な電極柔軟性を有す
ることが確認された。
【0138】[リチウムイオン電池の作製]
表2又は表4に記載のリチウムイオン電池用正極とリチウムイオン電池用
負極とを、セパレータ(セルガード製#3501)を介して表5の通り組
み合わせ、電解液を注入して、リチウムイオン電池を作製した。
【0139】<内部抵抗上昇率の測定>
25℃下、充放電測定装置「HJ-SD8」[北斗電工(株)製]を用い
て以下の方法によりリチウムイオン電池の評価を行った。定電流定電圧方
式(0.1C)で4.2Vまで充電した後、10分間の休止後、定電流方
式(0.1C)で2.5Vまで放電した。定電流定電圧方式(CCCVモ
ードともいう)で0.1Cにおける放電0秒後の電圧及び電流並びに0.1
Cにおける放電10秒後の電圧及び電流を測定し、以下の式で内部抵抗を
算出した。内部抵抗が小さいほど優れた電池特性を有することを意味する。
なお、放電0秒後の電圧とは、放電したと同時に計測される電圧(放電時
電圧ともいう)である。
[内部抵抗(Ω・cm)]=[(0.1Cにおける放電0秒後の電圧)-
(0.1Cにおける放電10秒後の電圧)]÷[(0.1Cにおける放電0
秒後の電流)-(0.1Cにおける放電10秒後の電流)]×[電極の対向
面積(cm)]
内部抵抗の測定につき、20サイクルの繰り返し試験を行い、2サイクル
目の内部抵抗(初期内部抵抗)と20サイクル目の内部抵抗を比較して(
20サイクル目の内部抵抗/2サイクル目の内部抵抗)、「内部抵抗上昇
率(%)」を求めた。
【0140】<容量維持率の測定>
25℃下、充放電測定装置「HJ-SD8」[北斗電工(株)製]を用い
て以下の方法によりリチウムイオン電池につき充放電試験を行った。定電
流定電圧方式(0.1C)で4.2Vまで充電した後、10分間の休止後、
定電流方式(0.1C)で2.5Vまで放電した。
このとき放電した容量を[放電容量(mAh)]とした。20サイクルの
繰り返し試験を行い、20サイクル容量維持率(%)を求めた。
【0141】
表5.

【0142】表5より、実施例の被覆電極活物質粒子を用いて作製したリ
チウムイオン電池用電極を正極及び負極に備えるリチウムイオン電池では、
内部抵抗値の上昇を抑制することができ、容量維持率に優れることが確認
された。
【産業上の利用可能性】
【0143】本発明の被覆電極活物質粒子は、特に、定置用電源、携帯電
話、パーソナルコンピューター、ハイブリッド自動車及び電気自動車用等
に用いられるリチウムイオン電池等の電極活物質粒子として有用である。


🪄全固体電池もまだまだ改良余地ありと確信する。


    心に残る歌 『華原朋美 - 見上げてごらん夜の星を』
                  作詞永六輔、作曲いずみたく
 





● 今日の言葉:

     春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                           春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                                                                                      

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エネルギーと環境 108

2025年01月16日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月16日】

       冴ゆる朝それもそうだよアルテック 

                  高山 宇 (赤鬼)




【海水有価物回収水素製造並びに炭素化合物製造事業論 9】

3.特開2025-2926 水電解装置及び水電解装置の組み立て
構造 株式会社ノーリツ
【要約】下図5のごとく、入水部と吐水部とを有するケース内に第1電極(
11)と第2電極(12)とがイオン交換膜(13)を挟んで絶縁された状態に積層配
置され、第1電極と第2電極の間に電圧を印加してケース内を流動する水
を電気分解する水電解装置において、第1電極とイオン交換膜と第2電極
は、各々が中央に開口部を有する平板形状であって、これら開口部が連通
するように積層されてケースに固定され、第1電極は、第1電極の開口部
(11a)とイオン交換膜の開口部(13a)とを一致させ、且つ第1電極の外縁部
がイオン交換膜の外縁部よりも内側となるように形成され、第2電極は、
第2電極の外縁部とイオン交換膜の外縁部とを一致させ、且つ第2電極の
開口部(12a)がイオン交換膜の開口部よりも大きく形成された。 
 
特開-水電解装置及び水電解装置の組み立て構造 図5                  
 図5. 電解
電解部の分解図        図4.図1水電解装置の外観斜視図
【符号の説明】【0042】
1    :水電解装置 2    :入水部 3    :吐水部 4    :ケース 5    :
第1ケース 6    :第2ケース 7    :抑え板 8    :パッキン
9a,9b:電力線 10  :電解部 11  :第1電極 11a:開口部
12  :第2電極 12a:開口部 13  :イオン交換膜 13a:開口
部 15  :陽極板 15a:貫通孔  15b:端子部 16  :陽極側
メッシュ電極 16a:貫通孔 17  :触媒電極 17a:貫通孔 18  
:陰極版 18a:貫通孔 18b:端子部 19  :陰極側メッシュ電
極 19a:貫通孔 20  :治具 20a:棒状部(棒状部材)
【発明を実施するための形態】
【実施例】
図1図2図3に示すように、水電解装置1は、入水部2と吐水部3を
有するケース4内に電解部10が収容され、外部から電解部10に電力を
供給するための電力線9a,9bが接続される。ケース4は、入水部2を
有する第1ケース5と、吐水部3を有する第2ケース6によって構成され
ている。入水部2と吐水部3には不図示の水管又はホースが夫々接続され
る。
-水電解装置及び水電解装置の組み立て構造 図1

図1.実施例に係る水電解装置の外観斜視図
【0017】
ケース4内では、入水部2から導入された水は、例えば矢印A1
のように電解部10の外周側に向かって広がるように流動した後、矢印A
2のように向きを変えて外周側から電解部10の中央に向かって集まるよ
うに流動し、矢印A3のように吐水部3からケース4の外に流出する。こ
のとき、ケース4内を流動する水の一部が電解部10で電気分解されるこ
とにより電解水が生成される。電解水は、例えばオゾン水、次亜塩素酸水
等であり、殺菌作用を有する。入水部2には水の流量を一定にするための
水ガバナー2aが装備され、一定の質(濃度)の電解水が生成される。
-水電解装置及び水電解装置の組み立て構造 図2
図2.図1の水電解装置を入水部側から見た平面図
-水電解装置及び水電解装置の組み立て構造 図3
図3. 図2のIII-III線断面図である。
【0018】図3図4に示すように、電解部10は、複数のビス7aで固定
される抑え板7によって、吐水部3を有する第2ケース6に固定される。
抑え板7は、第1ケース5の入水部2から導入された水を電解部10の外
周側に向かうように誘導する。電解部10が固定された第2ケース6には、
パッキン8を挟んで第1ケース5が複数のビス4aによって固定される。

【0019】次に電解部10について説明する。電解部10は、第1電極11
と第2電極12とがイオン交換膜13を挟んで絶縁された状態に積層配置
されて形成されている。以下では第1電極11が陽極且つ第2電極12が
陰極の場合について説明するが、極性を入れ替えて構成することもできる。
【0020】図4図5に示すように、第1電極11は、各々が矩形の平板状
に形成された陽極板15と陽極側メッシュ電極16と触媒電極17とを積
層して平板形状に形成されている。陽極板15は中央に矩形の貫通孔15
aを有する。陽極側メッシュ電極16は中央に矩形の貫通孔16aを有す
る。触媒電極17は中央に矩形の貫通孔17aを有する。第1電極11は、
これら貫通孔15a,16a,17aが連通して積層方向に貫通する開口
部11aを有する。
【0021】第2電極12は、各々が矩形の平板状に形成された陰極板18と
陰極側メッシュ電極19とを積層して平板形状に形成されている。陰極板
18は中央に矩形の貫通孔18aを有する。陰極側メッシュ電極19は中
央に矩形の貫通孔19aを有する。第2電極12は、これら貫通孔18a,
19aが連通して積層方向に貫通する開口部12aを有する。尚、陽極側
メッシュ電極16と陰極側メッシュ電極19は、メッシュ状に形成された
電極を複数重ねて形成されてもよい。
【0022】触媒電極17は、水の電気分解を促進させるための触媒を有する
第1電極11は触媒電極17をイオン交換膜13に接触させ、第2電極1
2は陰極側メッシュ電極19をイオン交換膜13に接触させるように積層
されている。イオン交換膜13は、例えば厚さが1mm未満の矩形の平板
形状に形成され、中央にイオン交換膜13をその厚さ方向に貫通する矩形
の開口部13aを備えている。陽極板15は電力線9aと接続するための
端子部15bを有する。陰極板18は電力線9bと接続するための端子部
18bを有する。
【0023】第2ケース6は、ケース4の内方に突出する複数の突起によって
形成された電解部10の位置決め用の位置決め部6aを有する。この第2
ケース6に第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12とを積層配置
する際には、第2ケース6の吐水部3が、例えば作業台に設置された治具
20の上方に延びる棒状部20a(棒状部材)に嵌められる。
【0024】吐水部3の通路3aの開口形状は、第1電極11の開口部11a
及びイオン交換膜13の開口部13aと大きさ及び形状が一致するように
形成されている。棒状部20aの軸方向と直交する断面の形状は吐水部3
の開口形状に合わせた矩形状であるが、吐水部3を嵌めたときに棒状部
20aを中心に第2ケース6が回転せず安定する例えば八角形、十字形等
にすることもできる。
-水電解装置及び水電解装置の組み立て構造 図6
図6.図3の電解部の断面模式図
【0025】図4図6に示すように、吐水部3が嵌められた治具20の棒状
部20aの先端側は、第2ケース6の内側に突出する。第1電極11とイ
オン交換膜13と第2電極12は、この突出した棒状部20aに、各々の
開口部11a,13a,12aを嵌めて積層される。
【0026】このとき治具20の棒状部20aと第2ケース6の位置決め部6a
によって、第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12は、その積層
方向と直交する方向に拘束されて位置が決まる。尚、第1電極11を構成
する陽極板15と陽極側メッシュ電極16と触媒電極17と、イオン交換
膜13と、第2電極12を構成する陰極側メッシュ電極19と陰極板18
とが、治具20の棒状部20aに順に嵌められて積層されてもよい。

【0027】積層された第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12を積
層方向に拘束する抑え板7が第2ケース6に固定されることによって、電
解部10が第2ケース6に固定される。抑え板7は、その外縁部が位置決
め部6aに当接することにより位置決めされるが、治具20の棒状部20a
の先端部分との当接により位置決めされてもよい。電解部10が固定され
た第2ケース6は治具20から取り外され、端子部15b,18bに電力
線9a,9bが締結固定され、第1ケース5が第2ケース6に固定される。

【0028】第2ケース6を治具20から取り外したので、電解部10の第1
電極11とイオン交換膜13と第2電極12の各々の開口部11a,13
a,12aと吐水部3から棒状部20aが除去されて連通する。また、第
2ケース6の位置決め部6aはケース4の内方に突出する複数の突起によ
って形成されているので、電解部10の外周側は位置決め部6aによって
閉塞されない。
【0029】陽極側メッシュ電極16と陰極側メッシュ電極19は、例えばチ
タンやステンレス鋼を素材とする金属線によって、外部と連通する細かい
空隙を有するメッシュ状に形成されている。それ故、図3の矢印A1のよ
うに入水部2から導入されて外周側に向かった水は、矢印A2のように向
きを変えて電解部10の外周側から開口部11a,13a,12aが連通
した電解部10の中央の開口部に向かって陽極側メッシュ電極16の内部
及び陰極側メッシュ電極19の内部を流動する。
【0030】流動する水に浸漬した電解部10の第1電極11と第2電極12
の間に電圧を印加することにより、流動する水の一部が電気分解されて電
解水が生成される。そして、矢印A3のように電解部10の開口部に集め
られた電解水が吐水部3を介してケース4の外に向かって流れ出る。
【0031】図5図6に示すように、第1電極11は、陽極板15と陽極側
メッシュ電極16と触媒電極17の各々の貫通孔15a,16a,17a
が同じ大きさ及び同じ形状に形成され、積層したときにこれら貫通孔15
a,16a,17aが一致して第1電極11の開口部11aになる。また、
第1電極11は、陽極板15と陽極側メッシュ電極16と触媒電極17と
が、端子部15bを除いて同じ大きさ及び同じ形状に形成され、これらを
積層したときにこれらの外縁部が一致する。

【0032】イオン交換膜13は、その開口部13aが第1電極11の開口部
11aと同じ大きさ及び同じ形状に形成され、第1電極11とイオン交換
膜13を積層したときに開口部13aと開口部11aが一致する。また、
イオン交換膜13は第1電極11よりも大きく形成され、第1電極11と
イオン交換膜13を積層したときに第1電極11の外縁部がイオン交換膜
13の外縁部よりも内側となる。
【0033】第2電極12は、陰極板18と陰極側メッシュ電極19とが、端
子部18bを除いて同じ大きさ及び同じ形状に形成され、これらを積層し
たときに外縁部が一致する。また、陰極板18と陰極側メッシュ電極19
の各々の貫通孔18a,19aが同じ大きさ及び同じ形状に形成され、積
層したときにこれら貫通孔18a,19aが一致して第2電極12の開口
部12aになる。そして、イオン交換膜13と第2電極12を積層したと
きに、第2電極12は、イオン交換膜13の外縁部と第2電極12の外縁
部が一致し、第2電極12の開口部12aがイオン交換膜13の開口部1
3aよりも大きく形成され、開口部12aの内縁部は開口部13aの内縁
部よりも外側になる。
【0034】第1電極11とイオン交換膜13を積層する際には、治具20の
棒状部20aの外周に第1電極11とイオン交換膜13の各々の開口部11
a,13aを囲む内縁部を当接させてこれら開口部11aと開口部13a
とを一致させる。そして、イオン交換膜13と第2電極12を積層する際
には、第2ケース6の位置決め部6aにイオン交換膜13と第2電極12
の各々の外縁部を当接させてこれら外縁部を一致させる。これにより第1
電極11とイオン交換膜13と第2電極12の位置ずれの発生が防止され、
位置ずれによる第1電極11と第2電極12の短絡が防止される。

【0035】また、第1電極11の内縁部と第2電極12の内縁部との距離
、及び第1電極11の外縁部と第2電極12の外縁部との距離を、イオン
交換膜13の厚さよりも大きくして、析出物や異物による第1電極11と
第2電極12の短絡を発生し難くしている。尚、第1電極11とイオン交
換膜13と第2電極12の外縁部が一致し、且つ開口部11a~13aが
一致する電解部10の場合でも、位置ずれによる第1電極11と第2電極
12の短絡が防止される。
【0036】上記の水電解装置1及び水電解装置1の組み立て構造の作用、効
果について説明する。
水電解装置1は、各々が中央に開口部を有する平板
形状の第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12とが、これらの開
口部11a,13a,12aが連通するように積層され、イオン交換膜13
によって第1電極11と第2電極12が絶縁された状態でケース4(第2
ケース6)に固定されている。第1電極11は、その開口部11aをイオ
ン交換膜13の開口部13aと一致させ、且つ外縁部がイオン交換膜13
の外縁部よりも内側となるように形成されている。一方、第2電極12は、
その開口部12aがイオン交換膜13の開口部13aよりも大きく、且つ
外縁部がイオン交換膜13の外縁部と一致するように形成されている。

【0037】それ故、イオン交換膜13の開口部13aを介する第1電極11
と第2電極12との距離、及びイオン交換膜13の外縁部を介する第1電
極11と第2電極12との距離を、イオン交換膜13の厚さよりも夫々大
きくすることができる。電極間の距離が大きいほど電極間の短絡が発生し
難くなるので、イオン交換膜13に対する第1電極11と第2電極12の
位置ずれによる第1電極11と第2電極12の短絡を防止し、析出物、異
物等による短絡を発生し難くすることができる。

【0038】水電解装置1は、各々が中央に開口部を有する平板形状の第1電
極11とイオン交換膜13と第2電極12とが、これらの開口部11a,
13a,12aを吐水部3に挿入した棒状部20a(棒状部材)に嵌めて
積層され、ケース4(第2ケース6)に固定されて形成される。この水電
解装置1の組み立て構造では、開口部11a,13aを囲む内縁部に当接
する棒状部20aによって、第1電極11とイオン交換膜13の積層方向
と直交する方向の位置が決まる。一方、第2電極12とイオン交換膜13
とは、これらの外縁部が当接するケース4(第2ケース6)に形成された
位置決め部6aによって、積層方向と直交する方向の位置が決まる。従っ
て、積層時にイオン交換膜13に対して第1電極11と第2電極12の位
置ずれを防ぐことができるので、位置ずれによる第1電極11と第2電極
12の短絡を防止することができる。
【0039】第1電極11は、その開口部11aがイオン交換膜13の開口部
13aと一致し、且つ外縁部がイオン交換膜13の外縁部よりも内側とな
るように形成されている。また、第2電極12は、その開口部12aがイ
オン交換膜13の開口部13aよりも大きく、且つ外縁部がイオン交換膜
13の外縁部と一致するように形成されている。これにより、イオン交換
膜13の開口部13aを介する第1電極11と第2電極12と距離、及び
イオン交換膜13の外縁部を介する第1電極11と第2電極12との距離
を、イオン交換膜13の厚さよりも夫々大きくすることができる。従って、
第1電極11と第2電極12の位置ずれによる短絡を防止し、析出物、異
物等による短絡を発生し難くすることができる。

【0040】積層した第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12を固定
したケース4(第2ケース6)を棒状部20aから取り外すので、第1電
極11の位置ずれを防止することができる。また、棒状部20aから取り
外されたことによって、第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12
の各々の開口部11a,13a,12aと吐水部3が連通するので、水又
は電解水の流通路にすることができる。
【0041】入水部2と吐水部3を入れ替えて、水の流動方向が上記と反対の
水電解装置1とすることもできる。断面が矩形の開口部を有する矩形の平
板形状の電解部10は、円形又は正多角形の平板形状に形成されてもよく、
断面が円形又は正多角形の開口部を有していてもよい。その他、当業者で
あれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を
付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含する
ものである。
                             この項了

□. 特開2024-173640 電気化学デバイス用電極、電気化学デバイス、アル
カリ水電解装置、および電極の製造方法  日本特殊陶業株式会社
【要約】下図1のごとく、
電気化学デバイス用電極は、金属系導電基材と、
導電基材上に設けられ、導電基材を構成する金属の酸化物を主成分とする
第1層と、第1層上に設けられ、導電性酸化物粒子の集合体として形成さ
れる第2層と、を備え、電気化学デバイス用電極の耐久性を高め、貴金属
の使用量を低減あるいは削減可能にする。

4. 特開2024-135262 電極構造体および水電解装置 株式会社SCRE
ENホールディングス 

【要約】下図3のごとく、電極構造体は、電解質膜51と、電解質膜51
のアノード側に位置する複数のアノード触媒粒子611と、電解質膜のカ
ソード側に位置する複数のカソード触媒粒子と、電解質膜51とアノード
触媒粒子611との間に位置する再結合層80とを備える。アノード触媒
粒子は、水を、水素イオン、酸素、および電子に電気分解させる。カソー
ド触媒粒子は、水素イオンおよび電子を結合させて、水素を生成する。電
解質膜51のカソード側において生成された水素が、電解質膜51を透過
してアノード側へ流れた場合、再結合層80は、透過した水素を酸素と結
合させて水に戻す。これにより、アノード側から排出される酸素に水素が
混入することを抑制できる

図3 .第1実施形態のセルにおいて、水素のクロスオーバーが発生したと
きの様子を示した図
【符号の説明】【0057】
  1   水電解装置   10    セル   20    セパレータ   21    アノード面  
22    カソード面   23    アノード溝   24    カソード溝 
30    セル
スタック   40    電源   51    電解質膜   61    アノード触媒層 
62   アノード多孔質層  71  カソード触媒層 72  カソード多孔質層
  80    再結合層 611  アノード触媒粒子
【詳細説明】
  従来、水(HO)を電気分解することにより水素(H)を製造する、
固体高分子形水電解装置が知られている。固体高分子形水電解装置は、温
効果ガスを排出しない燃料である水素を製造するものであるため、脱炭
素化に貢献できる技術として、近年特に注目されている。

固体高分子形水電解装置は、セルとセパレータとが交互に積層されたセル
スタックを有する。各セルは、電解質膜と、電解質膜の両面に形成された
触媒層とを有する。固体高分子形水電解装置の使用時には、アノード側の
触媒層とカソード側の触媒層との間に、電圧を印加するとともに、アノー
ド側の触媒層に水を供給する。これにより、アノード側の触媒層と、カソ
ード側の触媒層とにおいて、次の電気化学反応が生じる。その結果、カソ
ード側の触媒層から、水素が排出される。
  (アノード側)  2HO  →  4H  +  O  +  4e
  (カソード側)  2H  +  2e  →  H
🎈【特許文献1】 特開2022-023996号公報  
 固体高分子形水電解装置では、アノード側の触媒層において生成された水
素イオン(H)が、電解質膜を通って、カソード側の触媒層へ移動する。
このため、水素の製造効率を高めるためには、電解質膜の厚みを薄くして、
電解質膜のイオン抵抗を小さくすることが望ましいが、
電解質膜の厚みを
薄くすると、カソード側の触媒層で生成された水素の一部が、電解質膜を
透過して、アノード側へ流れる場合がある。その場合、アノード側から排
出される酸素に水素が混入する。  上記課題を解決するため、本願の第1
発明は、電解質膜と、前記電解質膜のアノード側に位置し、水を水素イオ
ン、酸素、および電子に電気分解させるための複数のアノード触媒粒子と、
前記電解質膜のカソード側に位置し、水素イオンおよび電子を結合させて
水素を生成するための複数のカソード触媒粒子と、前記電解質膜のアノー
ド側の面と前記アノード触媒粒子との間に形成された再結合層と、を備え
前記アノード触媒粒子は、酸化イリジウム、イリジウムとルテニウムの合
金、またはイリジウムと二酸化チタンの合金を含み、前記再結合層は、白
金、イリジウム、コバルト、またはルテニウムを含む。
【0010】  本願の第2発明は、第1発明の電極構造体であって、前記再
結合層の外側に積層されたアノード多孔質層をさらに有し、前記アノード
多孔質層が、前記アノード触媒粒子を担持している
【0011】本願の第3発明は、第1発明の電極構造体であって、前記再
結合層の外側に積層されたアノード触媒層と、前記アノード触媒層の外側
に積層されたアノード多孔質層と、をさらに有し、前記アノード触媒層は
複数の前記アノード触媒粒子を含む
【0012】本願
第4発明は、第3発明の電極構造体であって、前記ア
ノード多孔質層が、前記アノード触媒粒子を担持ている。  
【0013】本願の第5発明は、水電解装置であって、第1発明から第4
発明までのいずれか1発明の電極構造体を備える。  
【発明の効果】【0014】
  本願の第1発明~第5発明によれば、電解質膜のカソード側において生成
された水素が、電解質膜を透過してアノード側へ流れた場合でも、再結合
層において、透過した水素を酸素と結合させて水に戻すことができる。
これにより、アノード側から排出される酸素に水素が混入することを抑制
できる。
【0015】  特に、本願の第2発明によれば、アノード触媒粒子の層を形
成しない。このため、電解質膜のアノード側の面における塗布処理の回数
を減らすことができる
【0016】特に、本願の第4発明によれば、アノード多孔質層に触媒粒
子を担持させることで、アノード触媒層の厚みを薄くすることができる。

5. 特開2024-142829 ポリマー、電解質材料、電解質膜、触媒層付き電
解質膜、膜電極接合体、固体高分子形燃料電池及び固体高分子形水電解装
置 東ソー株式会社
【要約】下記式(1)で表される構造を有する、ポリマーで、電解質とし
て十分なプロトン伝導性を有するとともに、化学耐久性に優れるポリマー
を提供すること。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
  下記式(1)で表される構造を有する、ポリマー。
【化1】000004
[式(1)中、
  Aは、下記式(a1)で表される構成単位を示し、
  Aは、下記式(a2)で表される構成単位を示し、
  L及びLは、それぞれ独立して、単結合又は-SO-を示し、
  nは、10~100の数を示し、
  *は、結合手を示す。
  複数のAは、互いに同一であり、
  複数のAは、互いに同一であり、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【化2】
000005 
   [式(a1)中、
  IExGは、イオン交換基を示し、
  Lは、単結合又は-SO-を示し、
  xは、1~10の整数を示し、
  *は、結合手を示す。
  複数のIExGは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【化3】

式(a2)中、
  Arは、イオン交換基を有しないアリーレン基を示し、
  Lは、単結合又は-SO-を示し、
  yは、2~20の整数を示し、
  *は、結合手を示す。
  複数のArは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【請求項2】
  前記式(a1)で表される構成単位が、前記イオン交換基として、スルホ
ン基、アルキルスルホン基及びスルホンイミド基からなる群より選択され
る少なくとも一種を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
  前記式(a2)で表される構成単位が、前記アリーレン基として、フェニ
レン基、ナフチレン基及びフルオレン基からなる群より選択される少なく
とも一種を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
  数平均分子量が、20000~300000である、請求項1に記載の
ポリマー。
【請求項5】
  スルフィド基を有する重合体の酸化物であって、
  前記重合体が、下記式(b1)で表される化合物と下記式(b2)で表
される化合物との重合体である、ポリマー。
【化4】

[式(b1)中、
  IExGは、イオン交換基を示し、
  Lは、単結合、-S-又は-SO-を示し、
  X1b及びX2bは、それぞれ独立して、ハロゲン原子を示し、
  xは、1~10の整数を示す。
  複数のIExGは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【化5】

[式(b2)中、
  Arは、イオン交換基を有しないアリーレン基を示し、
  Lは、単結合、-S-又は-SO-を示し、
  Z1b及びZ2bは、それぞれ独立して、チオール基、ハロゲン原子、ボ
ロン酸基、アルキルボラン基又はボロン酸エステル基を示し、
  yは、2~20の整数を示す。
  複数のArは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【請求項6】
  請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマーを含有する、電解質材料。
【請求項7】
  請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマーを含有する、電解質膜。
【請求項8】
  請求項7に記載の電解質膜と、該電解質膜の一方面上又は両面上に配置
された触媒層と、を備える、触媒層付き電解質膜。
【請求項9】
  請求項7に記載の電解質膜と、該電解質膜の一方面上又は両面上に配置
された電極層と、を備える、膜電極接合体。
【請求項10】
  請求項9に記載の膜電極接合体を備える、固体高分子形燃料電池。
【請求項11】
  請求項9に記載の膜電極接合体を備える、固体高分子形水電解装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】本発明は、ポリマー、電解質材料、電解質膜、触媒層付き電
解質膜、膜電極接合体、固体高分子形燃料電池及び固体高分子形水電解装
に関する。
【背景技術】【0002】
近年、環境問題を背景にエネルギー効率の高い新エネルギー技術として燃
料電池が脚光を浴びている。なかでも電解質にポリマー(高分子)材料を
用いた固体高分子形燃料電池は、最大電流密度が高く、しかも低温で作動
することから、自動車等の移動用動力源や携帯電子機器等の小容量電源に
適しており、特に注目されている。
【0003】固体高分子形燃料電池の電解質に使用されるポリマー(電解
質ポリマー)としては、フッ素系ポリマーが知られている(例えば、特許
文献1参照。)。フッ素系ポリマーは、高いプロトン伝導度及び優れた化
学耐久性を有することから電解質用途で広く使用されているものの、コス
トが高く、環境負荷も大きいという問題がある。
【0004】このような理由から、フッ素を用いない電解質ポリマーの開
発も進められている。例えば、特許文献2には、イオン性基を含有するセ
グメント(A1)とイオン性基を含有しないセグメント(A2)をそれぞ
れ1個以上含有するブロック共重合体からなる高分子電解質膜に関する発
明が開示されている。
【発明の効果】(電解質膜の作製)
  得られたポリマー(P3)をDMSOに溶解し、ポリマー(P3)を10
質量%含む溶液を得た。得られた溶液をガラス基板上に流延塗布し、60
℃で12時間乾燥して膜(膜厚49μm)を得た。得られた膜を1Mの塩
酸に24時間浸漬して金属イオン(Na又はK)をプロトン(H
に置換した後に、純水中に浸漬して十分に洗浄し、減圧乾燥することで、
比較例1のポリマー電解質膜(プロトン置換されたポリマー(P3)から
なる電解質膜)を得た。
【0157】(評価)
  本比較例のポリマー電解質膜について実施例1と同様の手法で各種評価
(プロトン伝導度評価、化学耐久性評価、水素ガス透過性試験、及び、S
AXS測定)を行った。プロトン伝導度は、231mS/cm(80℃相
対湿度100%)であった。フェントン試験では、試験中にポリマー電解
質膜が完全に溶解し、膜形状を保持できなかったため、質量維持率及びプ
ロトン伝導度維持率はともに0%となった。水素ガス透過率は、0.15×
10-7cm・mm/(cm・s・kPa)(80℃相対湿度60%)
であった。SAXS測定によるdry状態及びwet状態での面間隔dは
それぞれ3.6nm及び5.5nmであった。
【0158】<比較例2>
(電解質膜の作製)
  ポリマー(P3)に代えて実施例1で得られたポリマー(P1)を用いた
こと以外は、比較例1と同様の手法により、比較例2のポリマー電解質膜
(プロトン置換されたポリマー(P1)からなる電解質膜)を得た。電解
質膜の膜厚は37μmとした。
【0159】(評価)
  本比較例のポリマー電解質膜について実施例1と同様の手法で各種評価(
プロトン伝導度評価、化学耐久性評価、水素ガス透過性試験、及び、SA
XS測定)を行った。プロトン伝導度は、185mS/cm(80℃相対
湿度100%)であった。フェントン試験では、試験中にポリマー電解質
膜が完全に溶解し、膜形状を保持できなかったため、質量維持率及びプロ
トン伝導度維持率はともに0%となった。水素ガス透過率は、0.14×
10-7cm・mm/(cm・s・kPa)(80℃相対湿度60%)
であった。SAXS測定によるdry状態及びwet状態での面間隔dは
それぞれ3.9nm及び5.4nmであった。
【0160】<比較例3>
  比較例3では、評価サンプルとして市販のNafionTM  NR211
を用い、実施例1と同様の手法で各種評価(プロトン伝導度評価、化学耐
久性評価、水素ガス透過性試験、及び、SAXS測定)を行った。プロト
ン伝導度は、130mS/cm(80℃相対湿度100%)であった。フ
ェントン試験での質量維持率及びプロトン伝導度維持率は100%であっ
た。水素ガス透過率は、1.03×10-7cm・mm/(cm・s・
kPa)(80℃相対湿度60%)であった。SAXS測定によるdry
状態及びwet状態での面間隔dはそれぞれ3.3nm及び5.3nmで
あった。
表1.
000037
                              以上
🪄全固体有機樹脂型電解膜及び電池(APEM
/APB)に関しては再度特集
     掲載する。水電解だけでなく海水電解も掲載したい。
 今日の言葉:
  
 春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                           春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                                                                                   

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エネルギーと環境 107

2025年01月15日 | ネクスト九年健康術

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月15日】

         冴ゆる朝吾は産業革命家 

                  高山 宇 (赤鬼)

🪄自治会の総会、老友会の新年会、週末も隣人会の総会、町内のお悔やみ
と続く中、入浴中の異変(二度)、つまりヒートショックを体験。今朝目
覚めに「吾は第四次産業革命家なり」との言葉が口を衝き、短歌を詠む。

⛑️ 気をつけよう入浴中のヒートショック



【特版:ウイルス解体新書】
⛑️ コロナの流行は今後も社会に負荷をかける

新型コロナウイルス感染者が国内で初確認されてから15日で5年。感染者
数は抗体保有率の調査から昨年3月時点で7千万人以上と推計され、人口動
態統計による死者数の累計は同8月時点で13万人に上る。オミクロン株に
よる感染が急拡大した2022年をピークに死者数は減っているが、インフル
エンザより圧倒的に多い。流行は今も夏と冬に繰り返されており、警戒が
続いている。
古瀬祐気・東京大教授(感染症学)は「人口の大半が感染す
るであろうことは分かっていた。ただ、有効なワクチンが短期間で開発さ
れ、他の対策と併せ流行の波を小さくできた」と評価。一方で「コロナの
流行は今後も社会に負荷をかけるだろう。基本的な感染対策といった負荷
を減らす努力や仕組み作りを続けてほしい」と呼びかける。
厚生労働省が22府県を対象に昨年3月に実施した血液調査では、コロナ
感染で得られる抗体の保有率は60.7%。日本の人口に置き換えると少なく
とも約7300万人が一度は感染したことになる。さらに複数回感染した例も
多く報告されている

✅ 表面絶縁抵抗が高いステンレス鋼
12月14日、日本金属は、高い表面絶縁抵抗を有するステンレス鋼「FI(Fine
Insulation)仕上」を開発。小型で低背化が進むスマートフォンやゲーム
機などの用途に向ける。
FI仕上のイメージ図と応用例[クリックで拡大] 出所:日本金属
◾膜厚が0.5~1μmの無機被膜をプレコート

FI仕上は、ステンレス鋼の表面に、50MΩ以上の高い絶縁抵抗を有する無
機被膜(膜厚は0.5~1μm)をプレコートしている。このため、FI仕上のユ
ーザーは絶縁処理を行う必要がなく、製造工程の簡略化やコスト低減が可
能となる。
FI仕上の皮膜耐熱温度は最高850℃で、高温環境においても安
定した被膜を維持できる。しかも無機被膜は硬質で、傷付き耐性にも優れ
ている。厚みは0.05~0.15mm、幅は最大500mmである。鋼種としては
SUS304やSUS301、SUS430などを用意したが、ステンレス鋼以外の金属
に対応することも検討していく。


✳️ 可視光で水素の安全/安価な貯蔵/運搬に道
1月9日,東京大学,岡山大学,神戸大学は,可視光エネルギーを利用し,
常温で環状アルカンから最大限の触媒の開発に成功する。地球沸騰化に歯
止めをかけるために,化石燃料を燃やしてエネルギーを得る現状のエネル
ギー生産システムから,水素エネルギーを活用する循環型水素社会への転
換が望まれている
が,そのためには水素を安全・安価に貯蔵・運搬する技
術が必要となる。水素を貯蔵・運搬するために広く用いられている方法は
高圧・低温にして液化するというものだが,これは決して効率のいもので
はなく,液体の安価で安定な有機分子を水素貯蔵体として利用する方法に
注視れされている。

例えば,メチルシクロヘキサン(MCH)と呼ぶ環状アルカンの分子式は
C7H15で,3分子の水素(H2)が6個の炭素原子に結合して貯蔵されている
とみなすことができる。MCHは常温で液体で,ガスステーションやガソ
リンスタンドなどに貯蔵でき,トラックやタンカーで運搬もできる。MC
Hから水素を取り出した後に生じるトルエンも液体で,これに水素を付加
させれば,水素貯蔵体であるMCHに戻るが
,アルカンのC-H結合を切る
ことや,ここで出てくるHを水素として取り出すことは難く,今まで開発
された方法は,取り出せるエネルギーよりも用いるエネルギーの方が多く
なりうるような状況だった
同研究グループは,複数の触媒をシステムと
して組み上げて,可視光エネルギーを使ってラジカルを発生させ,これを
用いて有機分子のC-H結合を切って有用な官能基に変える反応を開発して
きた
。今回,このアプローチを発展させて,可視光(青色)のエネルギー
を用いて,常温で環状アルカンから3分子の水素を取り出す触媒システム
を開発。

🎈【展望】
研究では,光触媒(赤色),TBACl触媒(緑色),TPA触媒(黄色),コ
バルト触媒(青色)の四種類の触媒をシステム化することが成功の鍵とな
った。特に,TBACl触媒とTPA触媒の組み合わせが特徴的で,光触媒がTB
ACl触媒から塩素ラジカルを発生してこれが1回目の水素取り出しを,TP
A触媒から硫黄ラジカルが発生してこれが2回目と3回目の水素取り出し
を,それぞれ役割分担しながら推進する。
反応を細い透明なチューブの中
をフローさせながら行なうと,フラスコでは24時間の反応時間で58%収
率にて進行していた反応が,80分で42%収率にて進行することも分かった。
研究グループは,この成果で得られた精密な触媒システムの設計概念は,
より効率の高い新たな分子技術の革新に向けた第一歩となるとしている。
 【関連論文及び特許文献】
Rahul A. Jagtap, Yuki Nishioka, Stephen M. Geddis, Yu Irie, Tsukasa
Takanashi, Rintaro Adachi, Akira Yamakata, Masaaki Fuki, Yasuhiro
Kobori, Harunobu Mitsunuma*, Motomu Kanai*,
"Catalytic Acceptorless Complete Dehydrogenation of Cycloalkanes,"
 Nature Communications: 2025年1月9日,
doi:10.1038/s41467-024-55460-y.論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)



✳️ 新型リン酸鉄リチウムブレードセルバッテリーモジュール
© レスポンス

【海水有価物回収水素製造並びに炭素化合物製造事業論 8】

1.
特開2025-003211 水電解用電極、水電解セル、水電解
置、水電解
電極の検査方法、及び水電解用電極の製造方法 
パナソニックIPマネジ
メント株式会社
【要約】下図1のごとく水電解用電極1Aは、導電性基材7Aと、触媒層
20とを備える。触媒層20は、導電性基材7Aの表面に設けられている。
導電性基材7Aは、主に、分光測定不能な第1の表面部位10と、一部に、
分光測定可能な第2の表面部位15とを有する。触媒層20は、第1の表
面部位10に設けられている。触媒層20は、第2の表面部位15に設け
られることで、従来よりも品質を評価する観点から有利な水電解用電極
を提供する。
000002
図1本開示の水電解用電極の一例を模式的に示す図
【符号の説明】【0165】1A、1B、1C  水電解用電極   2  水電
セル   2a  アノード  2b  カソード   2p  隔膜   3  水電解装置
4  水電解セル  4a  アノード   4b  カソード   4p  アニオン交換
膜   5  水電解装置   7A、7B、7C  導電性基材   10  第1の表面
部位  11  線状部 12  開口 15、16、17  第2の表面部位 20 
 触媒層  20a  層状複水酸化物 21  ホスト層 22  ゲスト層 25
空隙 26  界面層 27  緻密層 28  表面ラフネス層 30  キレート

【発明の効果】  本開示によれば、従来よりも品質を評価する観点から有
利な水電解用電極を提供できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】  導電性基材と、  前記導電性基材の表面に設けられた触媒層
と、を備え、前記導電性基材は、主に、分光測定不能な第1の表面部位と、
一部に、分光測定可能な第2の表面部位とを有し、前記触媒層は、前記第
1の表面部位及び前記第2の表面部位に設けられている、水電解用電極。
【請求項2】前記第1の表面部位は、非平面である、請求項1に記載の
電解
用電極。
【請求項3】 前記第2の表面部位は、平面である、請求項1に記載の水電
用電極。
【請求項4】前記第2の表面部位の形状は、多角形、円形、又は楕円形で
ある、請求項1に記載の水電解用電極。
【請求項5】前記第2の表面部位は、前記導電性基材の同一面に複数設け
られている、請求項1に記載の水電解用電極。
【請求項6】 前記第2の表面部位の形状は、ライン状である、請求項1に
記載の水電解用電極。
【請求項7】 前記導電性基材は、メッシュ構造を有し、前記第1の表面部
位は、メッシュ部分の表面部位であり、
  前記第2の表面部位のライン幅は、前記メッシュ構造を構成する金属線
の線幅よりも大きい、請求項6に記載の水電解用電極。
【請求項8】前記第2の表面部位は、前記導電性基材の外周部にフレーム
状に設けられている、請求項1に記載の水電解用電極。
【請求項9】前記導電性基材は、メッシュ構造を有し、
  前記第1の表面部位は、メッシュ部分の表面部位であり、前記第2の表
面部位のフレーム幅は、前記メッシュ構造を構成する金属線の線幅よりも
大きい、請求項8に記載の水電解用電極。
【請求項10】前記触媒層は、2種類以上の遷移金属を有する層状複水酸
化物を含む、請求項1に記載の水電解用電極。
【請求項11】前記触媒層は、キレート剤を含む、請求項10に記載の
電解
用電極。

【請求項12】前記キレート剤は、アセチルアセトン及びクエン酸塩からな
る群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項11に記載の水電解用電極
【請求項13】前記2種類以上の遷移金属は、Ni、V、Cr、Mn、Fe、
Co、Cu、W、及びRuからなる群より選ばれる少なくとも2つを含む、
  請求項10に記載の水電解用電極。
【請求項14】前記2種類以上の遷移金属は、Ni及びFeを含む、請求
項13に記載の水電解用電極。
【請求項15】前記第1の表面部位を構成する部分と前記第2の表面部位
を構成する部分とは、同じ種類の金属を含む、請求項10に記載の水電解
用電極。
【請求項16】  アノードと、  カソードと、  隔膜と、を備え、  前記アノ
ード及び前記カソードからなる群より選ばれる少なくとも1つは、請求項
1に記載の水電解用電極を含む、水電解セル。
【請求項17】アノードと、カソードと、アニオン交換膜と、を備え、前
記アノード及び前記カソードからなる群より選ばれる少なくとも1つは、
請求項1に記載の水電解用電極を含む、水電解セル。
【請求項18】 請求項16又は17に記載の水電解セルと、前記カソード
と前記アノードとの間に電圧を印加する電圧印加器と、を備える、水電解
装置。
【請求項19】水電解用電極の検査方法であって、請求項1から15のい
ずれか1項に記載の水電解用電極における、前記導電性基材の前記第2の
表面部位に形成された前記触媒層に対して所定の分光測定を行うことと、
  前記所定の分光測定の結果に基づいて、前記水電解用電極の品質を判定
することと、を含む、検査方法。
【請求項20】 水電解用電極の製造方法であって、 請求項1から15の
いずれか1項に記載の水電解用電極における、前記導電性基材の前記第2
の表面部位に形成された前記触媒層に対して所定の分光測定を行うことと、
  前記所定の分光測定の結果に基づいて、前記水電解用電極の品質を判定
することと、を含む、製造方法。

2. 特開2025-3201 非水電解質蓄電素子 株式会社GSユアサ
【要約】下図1のごとく、本発明の一態様に係る非水電解質蓄電素子は、
スピネル型結晶構造を有し、マンガン元素を含むリチウム遷移金属酸化物
を含有する正極と、非水電解質とを備え、上記リチウム遷移金属酸化物が、
平均一次粒子径に対する平均粒径の比が5以下の粒子であり、上記非水電
質が、硫黄原子又はリン原子と酸素原子との二重結合を有し窒素元素を
含まないアニオンを有する塩、オキサラト錯体アニオンを有する塩、不飽
和環状カーボネート、及び硫黄原子と酸素原子との二重結合を有する環状
化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する。

図1は、非水電解質蓄電素子の一実施形態を示す透視斜視図である
【符号の説明】【0129】
1    非水電解質蓄電素子 2    電極体 4 正極端子 41  正極リード
5    負極端子 51  負極リード 20  蓄電ユニット 30  蓄電装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】スピネル型結晶構造を有し、マンガン元素を含むリチウム遷
移金属酸化物を含有する正極と、
  非水電解質と
  を備え、
 上記リチウム遷移金属酸化物が、平均一次粒子径に対する平均粒径の比
が5以下の粒子であり、上記非水電解質が、硫黄原子又はリン原子と酸素
原子との二重結合を有し窒素元素を含まないアニオンを有する塩、オキサ
ラト錯体アニオンを有する塩、不飽和環状カーボネート、及び硫黄原子と
酸素原子との二重結合を有する環状化合物からなる群より選ばれる少なく
とも1種の化合物を含有する、非水電解質蓄電素子。
【請求項2】上記化合物が、ジフルオロリン酸リチウム、リチウムビス(
オキサレート)ボレート、ビニレンカーボネート及び4,4’-ビス(2,
2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)からなる群より選ばれる
少なくとも1種である、請求項1に記載の非水電解質蓄電素子。
【請求項3】上記非水電解質における上記化合物の含有量が、0.1質量
%以上10質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の非水電解質蓄
電素子。

【0102】<非水電解質蓄電素子の製造方法>
本実施形態の非水電解質蓄電素子の製造方法は、公知の方法から適宜選択
できる。当該製造方法は、例えば、電極体を準備することと、非水電解
を準備することと、電極体及び非水電解質を容器に収容することと、を備
える。電極体を準備することは、正極及び負極を準備することと、セパレ
ータを介して正極及び負極を積層又は巻回することにより電極体を形成す
ることとを備える。
【0103】非水電解質を容器に収容することは、公知の方法から適宜選
択できる。例えば、非水電解質に非水電解液を用いる場合、容器に形成さ
れた注入口から非水電解液を注入した後、注入口を封止すればよい。
【0104】<その他の実施形態>
  尚、本発明の非水電解質蓄電素子は、上記実施形態に限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよ
い。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することが
でき、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成又は周知技
術に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除
することができる。また、ある実施形態の構成に対して周知技術を付加す
ることができる。
【0105】上記実施形態では、非水電解質蓄電素子が充放電可能な非
電解
質二次電池として用いられる場合について説明したが、非水電解質蓄
電素子の種類、形状、寸法、容量等は任意である。本発明は、種々の二次
電池、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタ等のキャパシ
タにも適用できる。
【0106】上記実施形態では、正極及び負極がセパレータを介して積層
された電極体について説明したが、電極体は、セパレータを備えなくても
よい。例えば、正極又は負極の活物質層上に導電性を有さない層が形成さ
れた状態で、正極及び負極が直接接してもよい。
【実施例】【0107】
  以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以
下の実施例に限定されるものではない。
【0108】[実施例1]
(正極の作製)  正極活物質として、平均一次粒子径が3.0μm、平均粒
径が10.4μm、平均一次粒子径に対する平均粒径の比が3.5であり、
スピネル型結晶構造を有するLiMn(スピネル型リチウムマンガン
酸化物A)を準備した。
 上記スピネル型リチウムマンガン酸化物Aと、導電剤であるアセチレンブ
ラック(AB)と、バインダであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)と
を95.5:3.0:1.5の質量比(固形物換算)で含み、N-メチル
ピロリドン(NMP)を分散媒とする正極合剤ペーストを調製した。この
正極合剤ペーストを正極基材としてのアルミニウム箔に塗布し、乾燥を行
った。その後、プレスを行い、正極活物質層を有する正極を得た。
【0109】(負極の作製)
  負極活物質である黒鉛と、バインダであるスチレン-ブタジエンゴム(
SBR)と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)とを9
7.8:1.0:1.2の質量比(固形分換算)で含み、水を分散媒とす
る負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを負極基材として
の銅箔に塗布し、乾燥を行った。その後、プレスを行い、負極活物質層
を有する負極を得た。
【0110】(非水電解質の調製)
  エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)
とを30:70の体積比で混合した非水溶媒に、電解質塩としてLiPF
を0.9mol/dmの含有量で、及びリチウムビス(オキサレート)
ボレート(LiBOB)を0.1mol/dmの含有量で溶解させ、非
水電解質を調製した。なお、LiBOBは、化合物Xに該当し、非水電解
質におけるLiBOBの含有量は1.6質量%である。
【0111】(セパレータの準備)
  セパレータとしてポリオレフィン製微多孔膜を準備した。
【0112】
(非水電解質蓄電素子の作製)
  上記セパレータを介して、上記正極と上記負極とを積層することにより
電極体を作製した。電極体を金属樹脂複合フィルム製の容器に収納し、内
部に上記の非水電解質を注入した後、熱溶着により封口し、実施例1の非
水電解質蓄電素子を得た。
【0113】[比較例1から3]  スピネル型リチウムマンガン酸化物の
種類、並びに電解質塩の種類及び含有量を表1に記載のとおりとしたこと
を示す。
【0114】  なお、以下の各表中、スピネル型リチウムマンガン酸化物
Bは、平均一次粒子径が1.5μm、平均粒径が17.7μm、平均一次粒
子径に対する平均粒径の比が11.8であり、スピネル型結晶構造を有る
るLiMnを示す。
【0115】[実施例2]
(正極の作製)  上記スピネル型リチウムマンガン酸化物Aと、導電剤で
あるアセチレンブラック(AB)と、バインダであるポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)とを95.5:3.0:1.5の質量比(固形物換算)
で含み、N-メチルピロリドン(NMP)を分散媒とする正極合剤ペース
トを調製した。この正極合剤ペーストを正極基材としてのアルミニウム箔
に塗布し、乾燥を行った。その後、プレスを行い、正極活物質層を有する
正極を得た。
【0116】(負極の作製)
  負極活物質である黒鉛と、バインダであるスチレン-ブタジエンゴム(
SBR)と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)とを9
7.8:1.0:1.2の質量比(固形分換算)で含み、水を分散媒とす
る負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを負極基材として
の銅箔に塗布し、乾燥を行った。その後、プレスを行い、負極活物質層を
有する負極を得た。
【0117】(非水電解質の調製)
  エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とエ
チルメチルカーボネート(EMC)とを25:5:70の体積比で混合し
た非水溶媒に、電解質塩としてLiPFを1.0mol/dmの含有
量で溶解させ、溶液を得た。得られた溶液に、さらに添加剤としてビニレ
ンカーボネート(X1)を0.4質量%の含有量で、ジフルオロリン酸リ
チウム(X2)を0.5質量%の含有量で、及び4,4’-ビス(2,2
-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)(X3)を1.2質量%の
含有量でそれぞれ溶解させ、非水電解質を調製した。
【0118】(セパレータの準備)
  セパレータとしてポリオレフィン製微多孔膜を準備した。
【0119】(非水電解質蓄電素子の作製)
  上記セパレータを介して、上記正極と上記負極とを積層することにより
電極体を作製した。電極体を容器に収納し、内部に上記の非水電解質を注
入した後、封口し、実施例2の非水電解質蓄電素子を得た。
【0120】[実施例3、比較例4、5、参考例1から6]
  スピネル型リチウムマンガン酸化物の種類、並びに添加剤の種類及び含
有量を表2、3に記載のとおりとしたこと以外は、実施例2と同様にして、
実施例3、比較例4、5及び参考例1から6の各非水電解質蓄電素子を得
た。なお、表3中、「-」は、対応する添加剤を含有させていないことを
示す。また、表2、3中の添加剤は以下の化合物を示す。X1からX4の
各化合物が、化合物Xに該当する。
  X1:ビニレンカーボネート
  X2:ジフルオロリン酸リチウム
  X3:4,4’-ビス(2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)
  X4:リチウムビス(オキサレート)ボレート
  Y1:リチウムジフルオロホスホニルフルオロスルホニルイミド
【0121】
[評価](1)初期充放電
  得られた各非水電解質蓄電素子について、以下の条件にて初期充放電を
行った。25℃の恒温槽内において、充電電流1.0C、充電終止電圧4.
10Vとして定電流充電を行った後、4.10Vにて定電圧充電した。充
電の終了条件は、電流が0.01Cに減衰した時点とした。その後、10
分間の休止期間を設けた。放電電流1.0C、放電終止電圧2.75Vと
して定電流放電した。その後、10分間の休止期間を設けた。上記充放電
を2回繰り返し、2回目の放電電気量を初期の放電容量とした。
【0122】
(2)高温環境下での保存後の回復容量維持率の測定
  次いで、実施例1から3及び比較例1から5の各非水電解質蓄電素子
について、25℃の恒温槽内にて、充電電流1.0Cで定電流充電を行い、
SOCを50%にした。SOC50%の算出は、上記「初期充放電」で得
られた初期の放電容量の半分とした。このSOC50%の状態で各非水電
質蓄電素子を65℃の恒温槽内に15日間保存した。その後、25℃の
恒温槽内に3時間保管した。続いて、放電電流1.0C、放電終止電圧2.
75Vとして定電流放電した。その後、10分間の休止期間を設けた。そ
の後、上記「初期充放電」と同様の方法で保存後の放電容量を求めた。初
期の放電容量に対する保存後の放電容量の百分率を保存後の回復容量維持
率として求めた。結果を表1、2に示す。
  また、参考例1から6の各非水電解質蓄電素子について、25℃の恒温
槽内にて、充電電流1.0Cで定電流充電を行い、SOCを50%にした。
このSOC50%の状態で各非水電解質蓄電素子を45℃の恒温槽内に
90日間保存した。その後、25℃の恒温槽内に3時間保管した。続いて、
放電電流1.0C、放電終止電圧2.75Vとして定電流放電した。その
後、10分間の休止期間を設けた。その後、上記「初期充放電」と同様の
方法で保存後の放電容量を求めた。初期の放電容量に対する保存後の放電
容量の百分率を保存後の回復容量維持率として求めた。結果を表3に示す。
【0123】【表1】


【0126】表1に示されるように、スピネル型リチウムマンガン酸化物
の平均一次粒子径に対する平均粒径の比が5以下であり、且つ非水電解
が化合物XであるLiBOB(リチウムビス(オキサレート)ボレート)
を含む実施例1の非水電解質蓄電素子は、スピネル型リチウムマンガン酸
化物の平均一次粒子径に対する平均粒径の比が5以下ではない、あるいは
水電解質が化合物Xを含まない比較例1から3の各非水電解質蓄電素子
と比べて、保存後の回復容量維持率が高い結果となった。表2の実施例2、
3も同様に、保存後の回復容量維持率が高い結果となった。また、実施例
2と実施例3との対比から、化合物Xであるビニレンカーボネート(X1)
の含有量が増えると、保存後の回復容量維持率はより高まっており、ビニ
レンカーボネート(X1)による保存後の回復容量維持率の改善効果が確
認できた。

【0127】表3は、参考例として、各化合物Xが保存後の回復容量維持
率を高めることができる成分であることを示すものである。
参考例1と参
考例2との対比から、実施例1と同様に、リチウムビス(オキサレート)
ボレート(X4)による保存後の回復容量維持率の改善効果が確認できた。

 参考例3は、参考例1に対して、ジフルオロリン酸リチウム(X2)の含
有量を増やしたものであり、保存後の回復容量維持率が高まっている。こ
の結果から、ジフルオロリン酸リチウム(X2)による保存後の回復容量
維持率の改善効果が確認できた。

 参考例3と参考例4との対比から、4,4’-ビス(2,2-ジオキソ-
1,3,2-ジオキサチオラン)(X3)による保存後の回復容量維持率
の改善効果が確認できた。
一方、参考例5と参考例6との対比から、化合
物Xに該当しないリチウムジフルオロホスホニルフルオロスルホニルイミ
ド(Y1)の場合は、逆に保存後の回復容量維持率が低下する結果となっ
た。
以上の結果から、硫黄原子又はリン原子と酸素原子との二重結合を有
し窒素元素を含まないアニオンを有する塩、オキサラト錯体アニオンを塩、
不飽和環状カーボネート、及び硫黄原子と酸素原子との二重結合を有する
環状化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物Xは、保存後
の回復容量維持率を高めることができる成分であることがわかる。そして、
このような化合物Xを非水電解質に含有させ、さらにスピネル型リチウム
マンガン酸化物として平均一次粒子径に対する平均粒径の比が5以下であ
るものを正極に用いた場合には、高温環境下での保存後の回復容量維持率
はより高まることがわかる。

【産業上の利用可能性】
【0128】本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、
自動車、産業用等の電源として使用される非水電解質蓄電素子等に適用で
きる。

3.特開2025-2926 水電解装置及び水電解装置の組み立て
構造 株式会社ノーリツ
【要約】下図5のごとく、入水部と吐水部とを有するケース内に第1電極(
11)と第2電極(12)とがイオン交換膜(13)を挟んで絶縁された状態に積層配
置され、第1電極と第2電極の間に電圧を印加してケース内を流動する水
を電気分解する水電解装置において、第1電極とイオン交換膜と第2電極
は、各々が中央に開口部を有する平板形状であって、これら開口部が連通
するように積層されてケースに固定され、第1電極は、第1電極の開口部
(11a)とイオン交換膜の開口部(13a)とを一致させ、且つ第1電極の外縁部
がイオン交換膜の外縁部よりも内側となるように形成され、第2電極は、
第2電極の外縁部とイオン交換膜の外縁部とを一致させ、且つ第2電極の
開口部(12a)がイオン交換膜の開口部よりも大きく形成された。


図5.図4の電解部の分解図
【符号の説明】【0042】
1    :水電解装置 2    :入水部 3    :吐水部 4    :ケース 5    :
第1ケース 6    :第2ケース 7    :抑え板 8    :パッキン
9a,9b:電力線 10  :電解部 11  :第1電極 11a:開口部
12  :第2電極 12a:開口部 13  :イオン交換膜 13a:開口
部 15  :陽極板 15a:貫通孔  15b:端子部 16  :陽極側
メッシュ電極 16a:貫通孔 17  :触媒電極 17a:貫通孔 18  
:陰極版 18a:貫通孔 18b:端子部 19  :陰極側メッシュ電
極 19a:貫通孔 20  :治具 20a:棒状部(棒状部材)
                           この項つづく

             心に残る歌 『時 代
                 作詞&作曲:中島 みゆき
              ジャンル:ニューミュージック



「時代」(じだい)は、中島みゆきが作詞・作曲した歌である。1975年
中島自身によって発表され、同年に中島の2作目のシングルとしてキャニ
オン・レコード
からリリースされた。その後も別バージョンがたびたび作
られ、アルバムやシングルに収録されている。また、他の多くの歌手によ
ってもカバーされている。また、この曲は日本の歌百選。

   

 今日の言葉:
                                    

            春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                           春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                          

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エネルギーと環境 106

2025年01月14日 | 第4次産業(マルチメディア)革命

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

 参籠会(名称変更): 彦根着 11:38(快速/米原)

【季語と短歌:1月14日】
 
     冬日射し眩しく見ぬディスプレイ 
                  高山 宇 (赤鬼)

 



DWPTによる無限走行と市街地での最適配置 (画像:東京大学生産技術研究所)
市街地の走行中ワイヤレス給電は1.6%未満で可能
 東京大学生産技術研究所は、市街地における電気自動車(EV)向けの走
行中ワイヤレス給電システム(DWPT)の最適配置を、数理最適化と詳細
な交通シミュレーションに基づき導出したと発表した。生産技術研究所の
本間裕大准教授らの研究チームが、埼玉県川越市を対象に解析した。その
結果、市内の全道路長の約150kmに対しDWPTを敷設する道路長は2359m
(1.6%未満)で、充電待ちをせずに市内全体を移動できることが分かった。

計算では、150kmの道路を7mごとに分割し、DWPTを設置するか否かの
検討を行う2万1000以上の0-1変数からなる離散最適化問題、および信号サ
イクルや待ち行列長、車両の加減速タイミングなどを考慮した詳細な交通
シミュレーションの両方を活用して解析した。
その結果、車両が減速・停
止する交差点付近への設置が最も効果的であることが示された。同時に、
具体的な設置箇所や敷設量には緻密な配置戦略が求められることも明らか
になった。交通量や一時停止時間、待ち行列長、敷設コストなど、トレー
ドオフとなる様々な要因を考慮しながら丁寧に最適配置することが重要で
あると

✳️ 積雪発電のしくみ

積もった雪を活用した発電の実証実験がニセコエリアの倶知安町にあるス
キー場で報道陣に公開。この実証実験は、スキーリゾートを展開する東急
不動産と青森市の企業、それに電気通信大学の研究者が共同で先月から倶
知安町のスキー場で行っている。雪でマイナス10度から0度程度に冷や
された銅管の中の不凍液とバイオマスボイラーから供給されるおよそ10
00度の熱源の温度差を利用することで機械の中のガスが膨張と圧縮を繰
り返し、ピストンを駆動させて発電します。1日あたりの発電量は最大で
2万8800ワットアワーだという。また不凍液は発電の際に温められる
ことで道路や屋根などに降り積もった雪をとかすことに活用する計画。

✅ 夏の冷房に利用する雪


【関連特許1件】

1.特開2024-121897 熱吸収構造体および温度差発電装置 国立大学法人
電気通信大学他
【要約】下図1のごとく、温度差発電装置は、高温熱源として利用される
熱エネルギーを取り込む加熱部と低温熱源として利用される流体が流され
る冷却部との温度差に応じて発電を行う。そして、所定の耐熱性を備えた
材料の繊維体または多孔質体により構成される集熱層を有する熱吸収構造
体が、加熱部の少なくとも一部を覆うように設けられる。本技術は、例え
ば、雪冷熱を使用した積雪発電で用いられる温度差発電装置に適用できる。

000002

図1. スターリングエンジンの一実施の形態の構成例を示す図

【符号の説明】  11  スターリングエンジン,  21  発電部,  22  冷却
部,  23  加熱部,  31  熱吸収構造体,  32  電源,  41  上端面,  
42  発熱体,  43  集熱層,  44  固定部材,  45  密閉容器,  46  
集光レンズ
【図2】熱吸収構造体の第1の構成例を説明する図である。
【図3】熱吸収構造体の第2の構成例を説明する図である。
【図4】熱吸収構造体の第3の構成例を説明する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】高温熱源として利用される熱エネルギーを取り込む加熱部の
少なくとも一部を覆うように設けられ、所定の耐熱性を備えた材料の繊維
体または多孔質体により構成される集熱層を備える熱吸収構造体。
【請求項2】前記集熱層によって覆われる前記加熱部の表面形状に沿って
前記集熱層よりも前記加熱部側に設けられ、電源から供給される電力によっ
て発熱する発熱体  をさらに備える請求項1に記載の熱吸収構造体。
【請求項3】前記集熱層、前記発熱体、および前記発熱体を固定する固定
部材のうちの、少なくとも1つ以上が黒体化されている請求項2に記載の
熱吸収構造体。
【請求項4】前記集熱層および前記発熱体を収納する密閉容器  をさらに
備える請求項2または3のいずれかに記載の熱吸収構造体。
【請求項5】前記集熱層に対して太陽光を集光する単体もしくは複数の集
光レンズ をさらに備える請求項1乃至4のいずれかに記載の熱吸収構造体。
【請求項6】高温熱源として利用される熱エネルギーを取り込む加熱部と、
  低温熱源として利用される流体が流される冷却部と、前記加熱部と前記冷
却部との温度差に応じて発電を行う発電部と、前記加熱部の少なくとも一
部を覆うように設けられ、所定の耐熱性を備えた材料の繊維体または多孔
質体により構成される集熱層を有する熱吸収構造体とを備える温度差発電
装置。
【請求項7】前記熱吸収構造体は、前記集熱層によって覆われる前記加熱
部の表面形状に沿って前記集熱層よりも前記加熱部側に設けられる発熱体
をさらに有しており、前記発電部によって発電された電力の少なくとも一
部が供給されることによって前記発熱体が発熱する請求項6に記載の温度
差発電装置。
【請求項8】前記発電部によって発電された電力の少なくとも一部を蓄電
する蓄電部をさらに備える請求項7に記載の温度差発電装置。





✅ 欠陥見逃し率が10分の1 中国発AI外観検査装置
AIを活用した外観検査装置を提供する中国企業「深圳箇元科技(UnitX)」
がこのほど、UP Partnersの主導するシリーズBで4600万ドル(約70億円)
を調達。資金は市場開拓や技術開発に充てられる。
2018年に設立された
UnitXは、製造業に従事する企業が品質検査にかかるコストを削減し、品
質や良品率を改善できるよう、深層学習を活用した外観検査技術の開発に
取組んでいる。

外観検査は製造業に欠かせないプロセスであり、不良品を排除して製品の
品質を保つ「最後のとりで」だ。製造業の精密化や人件費の高騰に伴い、
手作業のみに頼った品質検査では対応しきれなくなり、多くの企業がマシ
ンビジョンを利用した欠陥検出システムを導入するようになっている。

元科技の隆徳鋒社長は「自動車部品の検査にAIを使えば、欠陥見逃し率は
検査員の手作業に比べて10分の1になる」と語る。このため、中国トップ
クラスの製造工場では効率化と利益増を図るため、生産プロセスにAIを導
入できないかと模索を続けており、AI外観検査の需要が日増しに高まって
いる。

AI外観検査は効率的に不良品を検出し、製造コストを削減できるだけでな
く、人為的な見落としを減らすことで、プロセスの効率化や緻密な品質管
理が可能になる。
目下、製造業で使用される外観検査システムは、ランダ
ムな形状の欠陥を認識しづらく、複雑な形状に光を当て、画像化すること
難しいなどの課題を抱えている。
これらの課題を解決すべく、箇元科技は
深層学習モジュール「CorteX」と光学モジュール「OptiX」を開発し、欠
陥を検出するAI検査装置から自動検査システムまでトータルにカバーする
ソリューションを打ち出した。

深層学習モジュール「CorteX」は、欠陥分類レベルのしきい値管理ができ
るため、誤判定率を大幅に下げられる。わずか5つの欠陥サンプルでシス
テムをトレーニングすることが可能で、複雑な形状をした欠陥も高い精度
で検出できる。
光学モジュール「OptiX」は、どんなタイプの欠陥にも対
応で
きる多彩な照明モードを備えており、環境の変化や新たな欠陥にもす
ぐさ
ま適応できる。また秒速0.5メートルで流れるラインにも対応できる
ため、
検査スピードが大幅に向上する

この2つの主力製品を組み合わせた検査装置1台で検査員4人分の作業を肩
代わりでき、欠陥見逃し率を10分の1に減らせるという。
これまでに企業
100社以上が同社の製品を導入しており、リチウムイオン電池や家電、EV、
自動車部品などの世界的なトップメーカーのサプライチェーンで活用され
ている。
中国経済の発展の重心が「量」から「質」へと移行するのに伴い、
推進力となるような革新的技術が切実に必要とされている。その中でも、
AI技術を活用したスマート製造業が大きなトレンドとなっている。隆社長
は「工場にとって優秀な目となり頭脳となること」を自社の目標に掲げ、
今後もAI技術を駆使して製造業の活性化を後押ししていく考
えを示した。

✳️ 米自動運転新興、編集できる動画生成AIで開発短縮
米新興のHelm.ai(ヘルムAI)は、自動運転システムの開発に使う動画デ
ータを生成する新しいAI(人工知能)モデルを開発した。自動車メーカー
の開発者が、動画内の天候、明暗などの条件や物体の外観を編集できるの
が特徴だ。自動運転用AIのトレーニングに使うデータの収集を効率化でき
るとする。H
elm.aiが開発したAIモデル「GenSim-2」は、前身モデル「
GenSim-1」を進化させたもの。同社はAIが自力でデータの規則性や特徴
を導き出す「教師なし学習」や深層ニューラルネットワーク(DNN)を
使ってGenSim-2をトレーニングし、自動車メーカーの要件に合わせた多
様な現実に近い動画データを生成できるようにした。

GenSim-2では、開発者が動画データ内の雨、霧、雪といった天候の条件
や、まぶしさ、昼、夜といった明暗の条件を自由に変更できる。さらに(
1)道路表面の舗装やひび割れ、ぬれ(2)車両の種類や色(3)歩行者や
建物、ガードレールといった道路上の物体――などの外観をカスタマイズ、
調整することも可能という。これらを変更しても、複数のカメラの視点に
おける一貫性は保たれ、データセット全体で整合性を確保できるとする。

Helm.ai最高経営責任者(CEO)のVladislav Voroninski(ブラディスラフ・
ヴォロニンスキー)氏は「GenSim-2はシミュレーションと現実世界の条
件との差を埋めることで、開発期間を短縮し、コストを削減できる」とコ
メントした。
Helm.aiは自動運転のアルゴリズムや開発・検証ソフトウエ
アを手掛ける新興で、ホンダが2021年に出資した。ホンダは2026年に投
入予定の電気自動車(EV)商品群「0(ゼロ)シリーズ」でHelm.aiの教師
なし学習の技術を活用し、自動運転「レベル3」を実現する方針だ。

図11

図11..本研究で提案した形状制御と内部テクスチャ制御の重ね合わせによる
製品の高機能化の概念図

✳️ 世界初・金属3Dプリンティングで3種の結晶配向
(原子配列方向)実現

9日、阪大の研究グループは、金属3Dプリンティング技術によって,弾性
率や降伏強度といった材料の力学機能に異方性を生み出す結晶配向方位を
制御することに成功した。

3Dプリンティングは,その自在な形状設計能力を生かし,トポロジー最適
化技術と組み合わせることで,特定の力学的環境下における部材形状の最
適化により強度を維持しつつ軽量化を達成する手段として注目されてきた。
しかしながら,トポロジー(形状)のみで得られる軽量化効果は限定的で
あり,形状に加えて,材料そのものの強度特性をも同時に制御する,抜本
的な製品設計指針の革新が求められていた。

研究グループでは,3Dプリンティングの形状設計能力はそのままに,材料
そのものの強度特性を制御する手段として,結晶配向性の導入を図ってき
たが、
原子配列の異方性に基づき,ヤング率や降伏強度といった力学機能
に異方性を導入し,さらに結晶配向を,部材内部の場所ごとの力学的要請
に合わせて変化させるという新たな設計手法
のめ,立方晶系の結晶構造を
持つ金属材料(構造材料の多くが該当する)において,<001>と<011>が
造形方向(BD)を向いた単結晶様の結晶配向を実現しており,残りは,多
くの金属種にて力学機能の最大値を示す<111>の配向化が必要だった。
<
001><011>//BD試料における解析から,結晶の優先成長方向と対称性に
基づく配向化機構を予測し,<111>//BDを達成する特殊なレーザー走査戦
略を設計し,<111>//BDを目指した。
<111>//BDの対称性に基づき,通
常往復走査させるレーザーを片道走査させ,層ごとに走査方向を120°回転
させる3層周期の新たな走査戦略,+120°Rotスキャンを設計することで,
<111>//BDなる結晶配向を実現し,単一材料にて3種の結晶配向をそろえ
ることに成功。

この結晶配向制御は,輸送・エネルギー分野での活用が期待されるNi基超
合金や各種社会基盤材料にも適用可能。これにより,新設計手法実現の基
盤要素を獲得。
カスタム異方性力学機能制御の実証のため,形状異方性と
材質異方性(結晶配向)を同時に導入した造形体試料を作製し,ヤング率
を解析。材質のみを異方性にした場合,形状のみを異方性にした場合に対
し,形状・材質の両者の異方性を,向きをそろえて導入すると大きなヤン
グ率異方性を示した。
研究グループは,この設計概念を組み入れた形状・
材質同時最適化設計ツールを構築し3Dプリンタと連結することで,軽量か
つ高力学機能性を両立した製品が社会実装される未来も近いとしている
【論文】“Superimpositional design of crystallographic textures and
macroscopic shapes via metal additive manufacturing-Game-change in
component design”
DOI:10.1016/j.actamat.2025.120709

         心に残る歌 四季の歌
              作詞&作曲:荒木とよひさ
                 ポップス&フォーク

作詞家・荒木とよひさ1963年頃から1964年にかけて作詞作曲した楽曲。
人から人へ、口伝えによって広まり、日本で国民的人気の楽曲となった荒
木の作詞家デビュー作。日本の歌百選の1曲。自然現象などを直喩として
用い、友人・親・恋人といった身近な人を隠喩として用いながら
れぞれを愛する人の性格を表現する


 今日の言葉:「DX進化で人類は赤ちゃんになる」と予測されている。
        

 
        

ブルーバックス<br> もうひとつの脳―ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」

なにしろ、神経膠細胞(neuroglia)というその名は、ラテン語で「神経
細胞の接着剤」を意味する。脳の陰の支配者「グリア細胞」とはなにか?
 脳内の全細胞の8割以上を占める「グリア」。これまで、電気活動を行
うニューロンの間を埋める単なる梱包材とみなされ、軽視されてきた。し
かし、近年の研究で、グリア細胞は、ニューロンの活動を感知し、その動
きを制御できることがわかってきた。脳に関する科学者の理解を揺るがす、
グリア細胞の役割とは?
【概要】
脳内の全細胞の8割以上を占める「グリア」は、電気活動を行うニューロ
ンの間を埋める単なる梱包材とみなされ、長らく軽視されてきた。しかし、
近年の研究で、グリア細胞は、ニューロンの活動を感知し、その動きを制
御できることがわかってきた。脳に関する科学者の理解を揺るがす、グリ
ア細胞の役割とは?(🪄時間をかけてみるとしよう

             
            春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                           春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                      

 

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エネルギーと環境 105

2025年01月13日 | ネオコンバーテック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月13日】

        蝋梅やふたり誘われ砂利を踏む 

                  高山 宇 (赤鬼)


✳️ 
世界初300MW級圧縮空気エネルギー貯蔵発電所 中国
エネルギー開発の国有企業、中国能建(エネルギー・チャイナ)が9日明ら
かにした。世界初の300メガワット級圧縮空気エネルギー貯蔵発電所「能儲
1号」が、フル出力で発電を開始。同発電所が有する多くの技術が技術の空
白を埋め、大規模な新型エネルギー貯蔵技術の商業化応用に技術的支援を
提供(提供/CRI)

✳️ 水素航空機用超電導モーター開発⓵ 
世界的に環境意識が高まる中、モビリティ業界に於いてもCO2などの温室
効果ガス削減に向けた動きが加速している。
例えば、航空業界では、2050
年にCO2排出量を実質ゼロ(カーボンニュートラル)とする目標を掲げ、
従来の石油由来ジェット燃料から、持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable
Aviation Fuel/※2)への切り替えが進んでいる。しかし、その達成には、
燃料以外にも航空機システム全体の進化が必要とされ、推進系に於いて、
軽さと高い出力を両立したモーターの登場が期待されている。



2024年10月16日、東芝と欧州エアバスは16日、水素を燃料とした水素航
空機向けの「超電導モータ」を共同で研究開発すると発表した。東芝は
2015年の不正会計発覚から続く経営混乱のさなかでも小型で高出力のモー
ターの技術開発を続け、実用化に向けた連携先をつかんだ。逆風期にも手
綱を緩めなかった研究開発が、東芝の再成長のカギを握る。


今回の共同研究で、次世代機に使う2MW(メガワット)の超電導モータの
開発を目指す。エアバス・アップネクストは、2MW級の超電導電気推進シ
ステムを使った実証機「クライオプロップ」の開発を進めており、動力と
して東芝ESSが開発する2MW級の超電導モーターを活用する。 エアバスの
シニアバイスプレジデント 兼 将来技術研究責任者のグゼゴルツ・オムバッ
ハ氏は、東芝をパートナーに選んだ理由について、東芝が超電導技術を50
年以上研究しているとした上で、「信頼できるパートナーで、脱炭素化へ
東芝も同じビジョンをもっている」と説明。両社の技術を使った実証機を
2030年までに飛行させ、2040年までに新機材に活用できればと言う。

【関連特許技術】
1.特開2024-135407 超電導線材、超電導コイル、超電導磁石、超電導モ
ータ
、超電導発電機、超電導航空機、及び、超電導機器 株式会社東芝
【要約】下図1のごとく、実施形態の超電導線材は、基板と、基板上に設け
られ、第1の希土類元素、Ba、Cu、及びOを含む第1の領域と、基板
上に設けられ、第2の希土類元素、Ba、Cu、及びOを含む第2の領域
と、基板上に設けられ、第1の領域と第2の領域との間に設けられ、第3
の希土類元素、Pr、Ba、Cu、及びOを含む第3の領域と、を備える。
第3の領域の表面に存在するアスペクト比が3以上の粒子の面密度が、第
1の領域及び第2の領域の表面に存在するアスペクト比が3以上の粒子の
面密度より大きい。


図1. 第1の実施形態の超電導線材の模式上面図

【符号の説明】10      基板 20      中間層 30      酸化物超電導層
31a    第1の超電導領域(第1の領域)31b    第2の超電導領域(第
2の領域) 32a    第1の非超電導領域(第3の領域)40      保護層
52      固定子(超電導磁石)52a    固定子コイル(超電導コイル)
54a    回転子コイル(超電導コイル)66      超電導発電機 100    
超電導線材 200    超電導モータ 300    超電導航空機 400    重
粒子線治療器(超電導機器)
【特許請求の範囲】
【請求項1】  基板と、  前記基板の上に設けられ、イットリウム(Y)、
ランタン(La)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム
(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(
Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、
及びルテチウム(Lu)からなる群から選ばれる少なくとも一つの第1の
希土類元素、バリウム(Ba)、銅(Cu)、及び酸素(O)を含み、前
記基板の表面に沿った第1の方向に伸長する第1の領域と、 前記基板の上
に設けられ、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)
、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、
ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツ
リウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から
なる群から選ばれる少なくとも一つの第2の希土類元素、バリウム(Ba)、
銅(Cu)、及び酸素(O)を含み、前記第1の方向に伸長する第2の領
域と、  前記基板の上に設けられ、前記第1の領域と前記第2の領域との間
に前記第1の領域及び前記第2の領域に接して設けられ、イットリウム(
Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウ
ロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、ホ
ルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビ
ウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)からなる群から選ばれる少なくと
も一つの第3の希土類元素、プラセオジム(Pr)、バリウム(Ba)、
銅(Cu)、及び酸素(O)を含み、前記第1の方向に伸長する第3の領
域と、を備え、  前記第3の領域の表面に存在するアスペクト比が3以上の
粒子の面密度が、前記第1の領域の表面に存在するアスペクト比が3以上
の粒子の面密度より大きく、  前記第3の領域の表面に存在するアスペクト
比が3以上の粒子の前記面密度が、前記第2の領域の表面に存在するアス
ペクト比が3以上の粒子の面密度よりも大きい、超電導線材。
【請求項2】  前記第1の領域及び前記第2の領域に含まれるプラセオジム
(Pr)の濃度は、前記第3の領域に含まれるプラセオジム(Pr)の濃
度よりも小さい、請求項1記載の超電導線材。
【請求項3】  前記第1の領域及び前記第2の領域に含まれる希土類元素
中のプラセオジム(Pr)の濃度は1原子%未満であり、前記第3の領域
に含まれる希土類元素中のプラセオジム(Pr)の濃度は10原子%以上
である、請求項1記載の超電導線材。
【請求項4】  前記第3の領域の前記表面に存在するアスペクト比が3以上
の粒子の前記面密度は、前記第1の領域の前記表面に存在するアスペクト
比が3以上の粒子の前記面密度の2倍以上であり、  前記第3の領域の前記
表面に存在するアスペクト比が3以上の粒子の前記面密度は、前記第2の
領域の前記表面に存在するアスペクト比が3以上の粒子の前記面密度の2
倍以上である、請求項1記載の超電導線材。
【請求項5】
  前記第1の領域の前記第1の方向に垂直で前記基板の前記表面に沿った第
2の方向の幅は5μm以上10mm以下であり、
  前記第2の領域の前記第2の方向の幅は5μm以上10mm以下であり、
  前記第3の領域の前記第2の方向の幅は1μm以上2mm以下である、請
求項1記載の超電導線材。(以下割愛)

2.特開2025-279 極低温冷凍機の膨張機のためのガス置換方法、極低温
冷凍機、ガス置換配管 住友重機械工業株式会社
【要約】下図1のごとく極低温冷凍機10の膨張機14のためのガス置換
方法が提供さ
れる。膨張機14は、膨張機シリンダ16と、膨張機シリン
ダ16内の圧力を切り替える圧力切替バルブ42と、圧力切替バルブ42
から膨張機シリンダ16への接続流路20bと、圧力切替バルブ42を駆
動する膨張機モータ40とを備える。方法は、不燃性ガス源を接続流路2
0bまたは膨張機シリンダ16に接続することと、膨張機モータ40の停
止中に、不燃性ガス源からの不燃性ガスで膨張機シリンダ16内の滞留ガ
スをパージすることと、を備える。


【符号の説明】
【0076】
  10  極低温冷凍機、  13a  高圧ポート、  13b  低圧
ポート、  14  膨張機、  16  膨張機シリンダ、  20  膨張機ハウジング、 
 20b  接続流路、  40  膨張機モータ、  42  圧力切替バルブ、  54  
ガス受入ポート、  56  ガス置換配管、  58  ガス出口ポート、  60  不
燃性ガス源。
【発明の概要】 極低温冷凍機によって再凝縮されるガスが例えば水素など
可燃性ガスを含む場合には、極低温冷凍機を取り巻く雰囲気に可燃性ガス
が含まれる可能性がある。本発明者は、極低温冷凍機の運転を中断して行
われるメンテナンス作業の最中に、可燃性ガスが極低温冷凍機の膨張機内
に取り込まれる可能性があることに気づいた。メンテナンス作業は、内部
部品の検査や交換のために膨張機の分解および再組立を伴う。そのため、
膨張機が設置された現場でメンテナンス作業が行われた場合、周囲のガス、
つまり可燃性ガスを含むかもしれないガスが膨張機内部に取り込まれうる。
その結果、モータなど膨張機内の電気機器と可燃性ガスが接触する可能性
がある。可燃性ガスと接触した状態で電気機器を作動させることは、発火
のリスクをもたらしうる。
  本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、膨張機内の電気機器と可燃
性ガスとの接触を回避するための極低温冷凍機の膨張機のガス置換技術を
提供することにある。
【発明の効果】  本発明によれば、膨張機内の電気機器と可燃性ガスとの接
触を回避するための極低温冷凍機の膨張機のガス置換技術を提供すること
ができる

  今年のクラシック 『脳疲労回復クラシック
            Classical music to relieve brain fatigue

 今日の言葉: 

                  春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                           春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                             

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エネルギーと環境 104

2025年01月12日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月12日】

          山茶花や赤南天も雪帽子 

                 高山 宇 (赤鬼) 



✳️ カリフォルニア州の太陽光発電所はフル稼働せず
カリフォルニア州は、いわゆる「カーボンフリー」の電力エネルギー源へ
の移行政策を維持、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで2030年まで
に電力の60%を賄い、2045年までにこの割合を100%にまで伸ばすことを
州法で義務化する。現に、2022年4月3日には一時的に電力供給源の97.6%
を再生可能エネルギーが占めたという(後は気候変動の最適化問題だけと
なるだけのはず😁)。ローカルニュースサイトのSFGATEがカリフォルニ
ア州の事例を挙げて問題点を解説。

カリフォルニア州の電気料金は全国平均の約2~3倍になっていることに加
え、前述のように他の州へ電力を売り払った場合、他の州民の電気料金は
カリフォルニア州民より安価になるか、あるいは無料になることがあり、
不公平が生じている。
ところで、SFGATEは「明確な解決策はバッテリーを増設、その技術は太陽
光発電に比べて遅れ、インフラ整備も追いついない。カリフォルニア州の
ギャビン・ニューサム知事が『政権発足以来、州内のバッテリーが1250%
増加した』と宣伝したが、まだまだ先は長い」と現状を指摘する。


カリフォルニア州の住宅の太陽光発電設備の設置件数の成長率(前年同
月比)。NEM3.0が始まった2023年4月から激減している(資料:米オ
ーム・アナリティクス)

図 4-8: トランザクション要素を含む CalFUSE フレームワーク概説図


図 太陽光発電(PV)パネルの価格は、何十年にもわたって年間約12%縮小



✳️ 電気自動車 価格破壊時代到来か 
中国の電気自動車市場で競争が激化しているという。各自動車メーカー
が次々とSUV、セダン、ハッチバックなどの手頃な価格帯の電気自動車を
投入し、価格競争を展開する中、中国国内だけでなく世界市場への進出も
相次いでいる。中国の電気自動車市場をリードするBYDは、今月に韓国の
乗用電気自動車市場に参入を控えている。 こうした状況下、今回は中国の
ウーリン自動車が電気自動車「ビンゴSUV」の値下げを発表し、注目を集
めている。ビンゴSUVの価格は75,800元(約160万円)からと、比較的手
頃な設定となっている。一充電走行距離が330kmと短いという課題があっ
たが、今回、航続距離が長い中間グレードと上位グレードの値下げにより、
より購入しやすい価格設定となった。(進化はこれからだけど、日本政府
の遅延・停滞ぶりがすべての面で露わとなっているように感じますが、い
かがか😵‍💫
✳️ 自動車製造に適した3Dプリンターの選択、多様な技術と得意分野を
   まず理解する


写真:三菱UFJと積水化学,ペロブスカイトPV実証実験開始

SWCNT電極を採用したペロブスカイト太陽電池の電流‐電圧特性曲線と、断面走査型電子顕微鏡(SEM)観察像。表は電流‐電圧特性から得られた光起電力パラメーター[クリックで拡大] 出所:名古屋大学
SWCNT電極を採用したペロブスカイト太陽電池の電流‐電圧特性曲線と、
断面走査型電子顕微鏡(SEM)観察像。表は電流‐電圧特性から得られた
光起電力パラメーター 出所:名古屋大学

✳️  ペロブスカイト太陽電池の耐久性を大幅改善
名古屋大学の研究グループは、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)電
極にフッ素系化合物を添加することで、ペロブスカイト太陽電池の耐久性
を大幅に改善できることを発見した。

大気中280日保管後でも発電効率は8.1%を維持
2024年12月、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)電極にフッ素系化合
物を添加することで、ペロブスカイト太陽電池の耐久性を大幅に改善でき
ることを発見。
そして、SWCNT電極の性能を向上させるp-ドーパントに
「2,2,2-トリフルオロエタノール(TFE)」を用い、ペロブスカイト太陽電
池の耐久性を改善した。TFEは弱酸性で濃度の調整などを行う必要がなく、
スピンコートで簡単に滴下できるという。
試作したペロブスカイト太陽電
池の発電効率は、SWCNT電極のみだと13.0%となった。これに対しTFEを
滴下することで14.1%に向上した。SWCNT電極の表面シート抵抗は37.4
Ω/sqから32.7Ω/sqに低下。電荷トラップ密度も9.77×1015cm-3から8.64
×1015cm-3に低下した。これらのデータから、光起電力特性を向上させる
効果があることが分かった。なお、TFEはフッ素が含まれているが、狭義
にはPFASに該当しないという。今回の研究はデンソーと共同で行った.

大気中で260日間保管したペロブスカイト太陽電池の外観。表は各太陽電池における発電効率の経時変化[クリックで拡大] 出所:名古屋大学
大気中で260日間保管したペロブスカイト太陽電池の外観。表は各太陽電
池における発電効率の経時変化   出所:名古屋大学
---------------------------------------------------------------------------------
【関連論文】
雑誌名:Photochem 2024, 4(3), 319-333.
論文タイトル:Facile Doping of 2,2,2-Trifluoroethanol to Single-walled
Carbon Nanotubes Electrodes for Durable Perovskite Solar Cells
著者:上岡 直樹,Achmad Syarif Hidayat,大島 久純,土方 啓暢,松尾
豊*(*は責任著者、下線は本学関係者)
DOI: doi.org/10.3390/photochem4030019
URL: https://doi.org/10.3390/photochem4030019


図.1 典型的な倒立PSCの構造。b 3Dペロブスカイト(左)、RPペロブスカ
イト(中央)、2Dペロブスカイト(右)の膜構造。c、d スペーサーカチオンの
化学構造:BA(c)およびPEA(d)。e 本研究に用いたRP Sn系PSCの概略図

✳️️️ スズペロブスカイトPVの性能向上 
筑波大筑波大学の研究グループは,次世代の太陽電池として注目されてい
るRPスズペロブスカイト太陽電池内部の電荷の状態や動きを電子スピン共
鳴技術で観測し,従来の3次元スズペロブスカイト太陽電池に比べて性能が
向上する仕組みを解明。ペロブスカイト太陽電池は次世代太陽電池として
注目されている。効率が高く,柔軟性があって,印刷が可能などの特長が
あるが、当初は鉛が用いられ,その毒性が環境面での課題。
鉛を環境負荷
少ないスズで置き換える方法が提案されているが,スズは酸化されやすく
鉛を用いたペロブスカイト太陽電池より効率や耐久性が低いことが新たな
課題となっていた。
スズの酸化を抑制し,耐久性を上げる改善策として,スズペロブスカイト
結晶に大きな有機陽イオンを導入し,2次元層状構造を持たせたRuddlesden-
Popper(RP)スズペロブスカイトを形成する手法が提案されているが,
その内部状態や通常のスズペロブスカイト太陽電池に比べて性能が向上す
る仕組みは,まだ十分に解明されていなかった。
研究グループは,電子ス
ピン共鳴を用い,微視的な視点から駆動中のデバイスの内部状態を調べた。
ペロブスカイト太陽電池は,ペロブスカイト構造を持つ結晶を,正孔輸送
層と電子輸送層が挟んだ構造をしている。

まず,RPペロブスカイト太陽電池に光を照射しない状態では,正孔輸送層
からRPペロブスカイトへ正孔が拡散していることが観測された。それによ
り,正孔輸送層とRPスズペロブスカイトの界面に電子の逆流を抑制するエ
ネルギー障壁が形成され,性能向上につながることが分かった

次に,太陽光照射下ではRPスズペロブスカイトから正孔輸送層へ電子が
移動したことが観測された。これは,紫外線などの短波長の光により生成
した高いエネルギーを持つ電子に由来するものだと分かった。この電子移
動により,正孔輸送層とRPズペロベスカイト界面におけるエネルギー障壁
が高くなり,デバイスの効率がさらに向上することも分かった。
研究グループは,デバイス駆動中における性能向上の仕組みの解明は,高
効率で長寿命な太陽電池の開発を進める上で極めて重要で,今後の研究の
発展に貢献することが期待されるという。
【関連論文

Chen, Y., Yamaguchi, S., Sato, A. et al. Operando spin observation elucidating
performance-improvement mechanisms during operation of Ruddlesden–
Popper Sn-based perovskite solar cells. npj Flex Electron 9, 1 (2025).
・ https://doi.org/10.1038/s41528-024-00376-2

図1 独自設計しているGaN on GaNベースの1200V耐圧横型GaN HEMTの構造
図1.
独自設計しているGaN on GaNベースの1200V耐圧横型GaN HEMT
の構造(
出所:「令和5年度地域共創・セクター横断型カーボンニュート
ラル技術開発・実証事業(ワイドバンドギャップ半導体によるEV 車載用
高性能充電システムの技術開発)成果報告書」)

✳️ GaN on GaN横型HEMTを活用
          車載充電器の高出力・小型化を実現

GaN on GaN基板で作成する1200V耐圧の横型GaN HEMTを利用した、電
気自動車(EV)向け小型車載充電器(OBC)を名古屋大学とパナソニック
オートモーティブシステムズのグループが開発している。同グループは、
2023年から3年間実施している環境省プロジェクト「地域共創・セクター
横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(ワイドバンドギャップ
半導体によるEV車載用高性能充電システムの技術開発)」に参画。今回の
開発は、CO2削減への貢献を目的として進められている同プロジェクトの
取り組みの一環として進められている。

近年、充電時間の短縮を狙ってEV用バッテリーの高電圧化が進んでいる。
開発しているOBCでは、こうした動きに対応して、800V、22kWと高出力・
高電圧の実現を目指している。一般に、高出力化に伴って電力変換損失が
増加し、高電圧化によっても絶縁距離確保が求められ、OBCの筐体は大型
化する傾向がある。このため、車両サイズの異なるさまざまな車両への搭
載性の向上と車室空間の居住性を向上させる観点から、OBCは小型化が強
く望まれるEV用システムコンポーネントの一つとなっている。

OBCとデバイスの擦り合わせ開発で
GaN on GaNの潜在能力を引き出す

同グループでは、OBCの中のAC/DC変換器を構成するパワー半導体に、高
速動作によるスイッチング損失の低減が期待できる横型GaN HEMTを適用
して動作周波数を向上。これによって、小型受動部品の使用を可能にし、
高出力化・電圧化と小型高効率化を兼ね備えたOBCを実現する。まず、AC
/DC変換器中の力率改善回路とDC-DC変換回路を対象にして、総合効率、
素子数、サイズ比、コスト比などの基準を設定して、駆動回路のトポロジ
ー方式を選定。スイッチング周波数500kHzでの動作を想定して、容積が
10リットルと小型のOBCの実現を目指す。

✳️ ソニー・ホンダ初EV「AFEELA 1」センサー配置変更理由 
ソニーグループ(ソニーG)とホンダが折半出資するソニー・ホンダモビ
リティ(東京・港)は、世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2025」
(2025年1月7~10日、米国ラスベガス)で、電気自動車(EV)ブランド
「AFEELA(アフィーラ)」の第1弾となる製品「AFEELA 1」を発表した。
多数の。多数のセンサーやAI(人工知能)、高性能な半導体を使った先進
運転支援システム(ADAS)を武器に、競争が激化するEV市場に挑む。

アメリカナマズの可能性|なまずの匠 | アメリカナマズ専門漁師 | 鮮度と品質にこだわる

✳️ アメリカナマズに食用に挑戦
霞ケ浦で大繁殖しているアメリカナマズを食用魚として広めようと、茨城
県かすみがうら市のウナギ漁師外山(とやま)厚志さん(46)が奮闘。も
ともと食用に輸入された外来種だが普及せず、現在は主に肥料や飼料とさ
れている。漁業被害などももたらす駆除対象の「厄介者」だが、きちんと
調理すればさまざま料理に使える。そんな隠れた魅力を伝えようと知恵を
絞っている。
自身でも試行錯誤を繰り返し、臭みをなくすために塩水と牛
乳に漬けるなど、独自の下処理方法を確立。昨年、試食会を計4回開催し、
100人以上に料理を振る舞った。フライ、かば焼き、天ぷら、酢豚…。
参加者の多くは試食前には否定的なイメージを持っていたが「全く臭みが
ない」「身がフワフワしている」と好評を得た。唐揚げを4人で100個以上
食べるグループもいた。

          アメリカナマズに食用に挑戦 に対する画像結果

昨年11月に土浦市であったカレーフェスでは、アメリアナマズのフライを
使った「なまずカレー」がグランプリに輝き、注目度も高まる。淡泊な白
身が特徴で、外山さんは「どんな料理にも合う汎用性が高い魚」と魅力を
語る。
3カ月近く試作を重ねて完成させた労作がある。特製のだしに漬け込
み、燻製(くんせい)ボックスでいぶしたジャーキーだ。広く販売するに
は水産製品製造業の営業許可が必要で、営業許可を得るために今年、工房
建設を予定。計画に向け昨年8月にはクラウドファンディングで資金を募り、
370人から約330万円が寄せられた。

アメリカナマズの可能性|なまずの匠 | アメリカナマズ専門漁師 | 鮮度と品質にこだわる

県によると、アメリカナマズは雑食性で何でも食べる。霞ケ浦では近年、
名産のワカサギやテナガエビが捕食されるなどして漁獲量が激減している。
鋭いトゲを持ち漁師がけがをしたり、漁具が傷つけられたりすることもあ
る。釣り客が釣っても湖岸に捨てていく人が多く、悪臭も問題になってい
る。
季節を問わず安定した水揚げが期待できる点も、食用魚としては大き
なメリットという。外山さんは「未開拓の市場で、すごい可能性を秘めて
いる。『まずい魚』という偏見を打破したい」と話している。

     
        霞 ヶ 浦が誇る天然うなぎでまちおこし

🪄約30年前(ブログを検索すれば分かるが)、日本ナマズ(キャッフィシ
ュの養殖を調査したことがあり、「淡水河豚」(毒なし)として十分であ
ることを確認しているが、筑波でもチャレンジしていることを知る。テッ
サは美味しい(餌や共食いそして、品種改良すれば、美味で健康に良い白
身魚はないと確信している。そうか、「へしこ」「熟れ寿し」も可能で「
淡水魚チーズ」もあり、これにチョウザメ、イワナ、にごろブナ、ザリガ
ニもあれば琵琶も筑波も近海の魚介類で「世界に冠たる美味し国」となる
だろうね 



 

✅ ウクライナ空軍司令部は2025年1月8日、F-16パイロットが1回の出撃
   で巡航ミサイル6発を撃墜したと発表




✅ 
雪に負けない北陸新幹線  どこがちがう
✅    高齢者を「薬漬け」にするよりずっと効果的…長野県が「お金がかから
        ない長寿県」になった意外な理由:
高齢者の健康を守ってきたのは総
  合診療医。
長野県には信州大学の医学部がありますが、その影響力は
  他県より弱いとされ、その附属病院に勤める専門医も少ないという特
  徴があげられている。

  年頭クラシック ベートーヴェン交響曲第7番
            Symphony No. 7 in A major, Op. 92


 今日の言葉: 

                  春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                           春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                             



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エネルギーと環境 103

2025年01月11日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月11日】

          雪かきや幾齢までか厳しかね 

                 高山 宇 (赤鬼) 

🪄
マキタ電動コードレス除雪機もあるが、除雪搬出も考えに入れないと使
い物にならない(要検討)




✳️ ノルウェーの2024年新車販売台数の89%がEV
日本より寒いノルウェーでEVが急速に普及している。ノルウェーの2024年
新車販売台数のうち、89%がEVとなり、前年の82%から比率を伸ばした。
ガソリン車やディーゼル車に対する高い税金や、EV用の急速充電器など、
長年にわたるEV普及施策が奏功した。(オルタナ 2025.1.2)

ノルウェーは国内で自動車を生産せず、すべて海外から輸入する。そのた
め、国内に自動車業界団体によるロビー活動がないことも、同国がEV推進
政策を実行しやすい要因だとの見方もある。
EVは一般的に寒冷地で避けら
れる傾向にある。過度な寒さがバッテリーに負荷をかけ、航続距離に影響
を与えるからだ。ノルウェー自動車連盟(NAF)によると、航続距離への
影響は車種や搭載機能によって異なるという。
NAFは2022年、EVの31モデ
ルで寒冷環境下の性能をテストした。その結果、最も航続距離を維持した
のは中国「BYD Tang」で、11%の低下だった。31モデルの平均としては、
20%近く低下した。今回のテストでは使用されなかったが、ノルウェーで
販売されるEVの一部は、ヒートポンプやバッテリー絶縁、予熱機能といっ
た冬季向けの装備を備えているという。

ノルウェーがEV普及を進める背景には、「低炭素社会(ロー・エミッショ
ン・ソサイエティ)」への移行がある。同国は、2030年までに温室効果ガ
ス(GHG)排出量55%以上減(90年比)、2050年までにGHG排出量90~
95%削減(90年比)を目指す。ノルウェーは石油やガスの輸出大国だが、
自国の電力はほぼ再生可能エネルギーでまかなっている。
国際エネルギー
機関(IEA)のレポート(2020年)によると、発電量の98%を再生可能エ
ネルギーが占め、そのうち水力発電が92%だ。建設部門と産業のほぼ半分
がすでに電化しているという。


 ✅ 英国で「風力」が電源構成のシェアトップ
英ナショナル・エネルギー・システム・オペレーター(NESO)は、英国の
2024年の電源構成で、風力発電が占める割合が30%に達したと公表した。
ガスの26.3%や原子力の14%を上回り、風力が初めて同国最大の発電方式
となった。その他、輸入が14.1%、バイオマスは6.8%、太陽光は5%、水
力は2%と続いた。
英国は24年9月に最後の石炭火力発電所を閉鎖してお
り、石炭による発電は0.6%にとどまった。
島国・英国は洋上風力発電に力
を入れており、約15ギガワットの設備を有する。脱炭素政策をさらに推進
するため、30年までに風力の発電容量を4倍の60ギガワットにすることを
目指す。
同じく島国の日本では、風力発電が電源構成に占める割合は約1%
にとどまる。一方で、伸びしろを評価する声も多く、今後の導入加速が期
待されている。

✅ ペロブスカイト太陽電池の大面積及び耐久性強化⓷
・特開2024-164966 太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア
構造体 マクセル株式会社

-太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア構造体 図1
図1.有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図
【詳細説明】
【0089】
図4に示した太陽電池素子200のバリア層110及び図5、6に示した
太陽電池セル20の最外周部に設けた第二バリア層10の太陽光入射側面
に、図10および図11(バリア層の断面模式図)に示すモスアイ形状の
超微細光学素子110Aを設ける。なお、便宜上、図11に示す超微細光
学素子110A部分のモスアイ形状は省略している。この断面形
状は図10に示したように、基材の屈折率nと空気の屈折率(1.0)の平
均値がモスアイ構造の高さhに対して直線(一次関数)的に変化すること
で反射損失を極限まで抑えることができる。本発明のモスアイ構造では
10
に示したように突起部の先端部分Tの形状を楕円形状とする。この
形状としては突起部のピッチPの1/5から1/10の幅を短軸長とし
た楕円形状とすると良い。以上述べたように突起部の先端形状を楕円形状
とすることで金型からの離型性が確保できる。また突起部と突起部の繋ぎ
部分も平坦とする外に太陽光入射側に凹面を成す形状とすることで、金型
の加工精度と成形品の金型からの離型性の両面を同時に向上することがで
きる。この結果、バリア層110や第二バリア層10の表面に設けた超微
細光学素子110Aは良好な形状精度を得ることができる。

図.10 実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けたナノ光学素
子の形状と素子の高さ方向の屈折率分布を模式的に示した断面図と特性図

【0090】非特許文献1で公開された「印刷で作成できるガラス並みのウル
トラ・ハイバリア」に公開された手法によって基材にプレカーサーである
PHPSを塗布して窒素等の不活性ガス雰囲気中において、照射強度20
(mW/cm)で波長172(nm)のVUV光を照射した。図12は、
この時照射時間をパラメータとした場合に成膜されたバリア膜の屈折率分
布を厚さ方向で計測した結果を示した特性図である。最も左に示した棒グ
ラフはバリア層のプレカーサーであるPHPSの850(nm)の光に対
する屈折率を測定した結果(n=1.54)と、塗布厚さ357(nm)で
照射時間0(分)の状態を表している。他方右端はVUV光の照射時間60
(分)で形成されたバリア膜の膜厚さが281(nm)屈折率は1.76
の部分が68(nm)、屈折率が1.65の部分が92(nm)、屈折率が
1.56の部分が117(nm)と照射光源に近い部分の屈折率が高く、
遠い部分はプレカーサーの屈折率に近づくことが分かる。更に最表面層に
は膜厚3~4(nm)のSiOの膜が形成されておりこの膜厚はVUV
の照射時間により変化しない。


図12. 本発明のバリア層を形成するために照射するVUV光の照射エネ
ルギー量とバリア層屈折率の厚さ方向の分布を示す特性図

【0091】図12は、上述したようにVUV光の照射強度を20(mW/c
)一定として照射時間を5(分)、10(分)、20(分)、60(
分)と変化させた場合の成膜されたバリア膜の屈折率分布を、厚さ方向で
計測した結果を示した特性図である。照射時間に無関係に表面層にSiO
の薄膜が形成されることから雰囲気中の残存成分が表面層に形成された可
能性があるがこの結果、可視光領域から近赤外光領域まで高い透過率が実
現できた。
【0092】上述した手法で形成したバリア層(膜)の表面に、超微細光学形
状であるモスアイ形状の突起形状の最適化では、上述した屈折率変化を考
慮して最適設計する必要がある。モスアイ形状には図11に示すように表
面の撥水性を高める効果が生じ水の接触角が20度を超えるバリア層が実
現できるため汚れ防止の効果もある。またTiOをバリア層に含有させ
ることで光触媒効果により防染効果を得ても良い。

図13.バリア層を形成するために照射するVUV光の照射時間とバリア層
の平均屈折率と厚さの変化を示す特性図

【0093】図13は、上述したVUV光の照射時間をパラメータとして成膜
したバリア膜(層)の、平均屈折率とバリア膜(層)の厚さの関係を纏め
た特性図である。VUV光の照射時間に反比例して厚さが減少し、屈折率
は反して増加する。この傾向は1分以内と1~5分、5~10分、10分
以上で傾きが異なり最初の1分間の変化が大きい。この結果から大きな密
度変化が最初の1分間で発生していると推定した。

【0094】発電のためのエネルギー源である太陽光の分光エネルギー分布を
図14に示す。地球の大気圏に含まれる成分の吸収により特定波長に吸収
特性があるがエネルギーのピークは、450(nm)から700(nm)
の可視光領域であり、紫外線領域を含む可視光領域(A)の他に近赤外領
域(B)、遠赤外領域(C)にも強いエネルギーが存在することが分かっ
ている。そこで本発明の太陽電池素子、太陽電池セルでは、太陽光の分光
エネルギー分布を考慮して、例えば図4および図16に示したように、
数層の光吸収層(図4では第一の光吸収層102A、第二の光吸収層10
2Bおよび第三の光吸収層102C、図16では第一の光吸収層202、
第二の光吸収層203および第三の光吸収層204)を設け、図15に示
した太陽光の分光エネルギー特性に対する光吸収層の感度特性を模式的に
表した特性図に示したそれぞれの波長に対して、光電変換効率が最も高い
光吸収部材をそれぞれの層(最上位層、中間層および最下層)に含有させ
る。この結果、複数層に分割して備えた光吸収層(光変換層)により高効
率で光電変換を行うことができる。

図16.本発明の一実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けた第
一の実施例である微細光学素子の形状と作用を示す模式図である。

【0095】〈バリア層に設けた微細光学素子の第一および第二の実施例〉
第一の実施形態である図16は本発明のバリア層の表面に設けた集光作用
を持つ微細光学素子200(図16中では太陽光入射方向に凸面(正の屈
折力))とその作用を説明するための模式図である。この凸面のピッチは
10~300(μm)程度とすると良いが、この後詳細に説明するレンズ
作用により得られる焦点位置と光変換層(光吸収層)の位置関係を最適設
計する必要があるため、最大では1500(μm)程度になる場合もある。
この微細光学素子200の表面にピッチが100~200(nm)の超微
細光学素子であるモスアイ形状を設け、この効果で入射面での太陽光の反
射を低減すれば更に良い。
【0096】集光作用を持つ微細光学素子の作用で入射した太陽光は平行光束
から光の波長に応じて異なる焦点に集光する。一般的な正の屈折力を持つ
光学素子は光線の波長が短いほど焦点距離が短く例えば図14の(A)領
域に示された可視光領域の光束の焦点は最も短く図16中の第一の光吸収
層202内の焦点P1に集光する。同様に図14の(B)領域に示す近赤
外線領域の光束の焦点は次いで短く図16中の第二の光吸収層203内の
焦点P2に集光する。更に図14の(C)領域に示す遠赤外線領域の光線
の焦点は図16中の最も遠方の第三の光吸収層204内の焦点P3となり
平行光で入射した光束が、(1)波長に応じで入射面からの距離が異なる
複数の焦点に向け集光する、(2)太陽光束を光学素子の作用により斜め
光束に変換する。

図16.実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けた第一の実施例
である微細光学素子の形状と作用を示す模式図。

【0097】このためそれぞれの焦点位置に波長に応じで光電変換効率が最も
優れた成分を含む光電変換層(光吸収層)202、203、204を配置
し、システム全体として最も高い光電変換効率を実現する。更にそれぞれ
の光電変換層(光吸収層)を太陽光が斜めに横切るため、実効的な光路長
が延び光電変換量が増加する。他方同じ光電変換量とするためには層厚を
薄くできるため電気抵抗が小さくなり、太陽電池から取り出せる電力が大
きくなる。更に太陽光線が集光することで大きな光エネルギーが絞られた
状態で光電変換層(光吸収層)に入射するため、通常の太陽光束(平行光
束)が入射する場合の数倍から数十倍の光電変換効率が実現できることが
判明した。
【0098】更に光電変換層(吸収層)の同一平面内で光密度が「密な部分」
と「疎な部分」とが発生するため、変換効率と温度の勾配が同一平面上で
生じる。このため、熱伝導にも時間的なずれが生じ光の伝搬との差が部分
的に発生するため、光電変換効率そのものが大幅に向上することが判明し
た。
【0099】第二の実施形態である図17に示すように、上述した微細形状の
光学素子200から入射し光吸収層(光電変換層)202、203、20
4や電子輸送層105(図示せず)、正孔輸送層106(図示せず)及び
2つの電極103、104(図示せず)を透過して基板101の表面に備
えた反射面205(図4では反射面205は図示せず)で反射した太陽光
(破線で図示)は、微細形状の光学素子の入射面内部で全反射を繰り返し
再び光電変換層(光吸収層)に向かい太陽電池素子から飛び出せない構造
とすることができ、光電変換効率を更に高めることができる。微細光学素
子の形状は、日中における太陽の移動により太陽電池に入射する光線(光
束)が微斜め方向から入射しても収差の影響がなく焦点に集光するために、
入射面形状を楕円形状とし、加えて光軸から離れた部分の曲率
半径を相対的に大きくすることで非点収差を低減するとさらによい。


図20.本発明の一実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けた第
三の実施例である微細光学素子の外観形状を示す模式図

【0100】バリア層に設けた微細光学素子の第三の実施例
図20は本発明のバリア層の表面に微細な集光作用を持つ微細光学素子2
10(図16同様に太陽光入射方向に凸面(正の屈折力))を有するレン
チキュラーレンズ形状である。図21はその作用を説明するための模式図
である。この凸面のピッチは図16に示した第一の実施例と同様に10~
300(μm)程度とすると良い。しかしながら第一の実施例との違いは
、XY平面においてはレンズ作用を持たないレンチキュラーレンズ形状を
成している。このため図21に示すようにXZ平面のレンズ作用により集
光が行われXY平面内においては集光作用を持たない。この後、詳細に説
明するこのXZ平面のレンズ作用により得られる焦点と光電変換層(光吸
収層)の配置は最適化する必要があるが、この微細光学素子を最外縁部に
設けたバリアシート表面に設ける太陽電池においては、この焦点位置が最
大では3000(μm)程度になる場合もある。この微細光学素子の第二
の実施例においても第一の実施例と同様に、表面にさらにピッチ100~
200(nm)の超微細光学素子であるモスアイ形状を設け、この効果で
入射面での太陽光の反射を低減すれば更に良い。


図21.実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けた第三の実施
例である微細光学素子の形状と作用を説明する模式図

【0101】図21に示すようにXZ平面の微細な光学素子の作用で入射した
太陽光は平行光束から光の波長に応じて異なる焦点に集光する。一般的な
正屈折率を持つ光学素子は光線の波長が短いほど焦点距離が短く、例えば
図14の(A)領域に示された可視光領域の光束の焦点は最も短く図21
中の第一の光吸収層102A内の焦点P1(焦点距離l1)に集光する。
同様に図14の(C)領域に示す遠赤外線領域の光線の焦点は最も遠方の
第三の光吸収層102C内の焦点P3(焦点距離l3)に焦点を結ぶ。こ
のため、平行光で入射した光束が、(1)波長に応じで入射面からの距離
が異なる複数の焦点に向け集光する。(2)太陽光束を光学素子の作用に
より斜め光束に変換する。この微細光学素子の光軸近傍を透過して屈折す
る光束φ1は収差が発生しないが周辺部分を通過する光束φ3は収差が発生
するため、微細光学素子は光軸近傍に対して周辺部分においてはレンズ作
用が弱くなるような非球面形状とすると良い。


図21 本発明の一実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けた第
三の実施例である微細光学素子の形状と作用を説明する模式図

【0102】一方、XY平面ではレンズ作用(集光作用)を持たないため、
14
の(A)、(B)および(C)の波長領域の光に対しては図22に示
すように、それぞれのレンチキュラーレンズに対応した焦点が線状に発生
し波長領域ごとに複数の焦点(線)L102A、L102B、L102C
がそれぞれの光電変換層(光吸収層)102A、102B、102C上に
形成される。このためそれぞれの光電変換層(光吸収層)の面内において
受光する光強度に疎密な分布が生じる。この結果、光電変換により発生す
る電流も面内で不均一となる。
【0103】このほか光電変換層(光吸収層)で集光した太陽光により発生す
る熱も電流と同様に面内で不均一になる。このため電流の疎密と温度の疎
密が光電変換層の面内において発生しかつ、図21に示したように複数の
光電変換層(光吸収層)102A、102Bおよび102Cにおいても同
様の疎密が発生するため、より高い光電変換効率を得ることができること
が判った。
【0104】この第三の実施例においては、第一の実施例と同様に図21に示
すように、それぞれの焦点位置に波長に応じで光電変換効率が最も優れた
成分を含む光電変換層(光吸収層)102A(第一の光吸収層)、102
B(第二の光吸収層)および102C(第三の光吸収層)を配置しシステ
ム全体として最も高い光電変換効率を実現する。更にそれぞれの光電変換
層(光吸収層)を太陽光が斜めに横切るため実効的な光路長が延び光電変
換量が増加する。他方同じ光電変換量とするためには層厚を薄くできるた
め、電気抵抗が小さくなり太陽電池から取り出せる電力が大きくなる。


図23 実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けた第三の実施
例である微細光学素子の集光作用を示す模式


図11. 実施例に係るバリア層表面に設けたナノ光学素子の撥水性を示す
断面図

【0105】更に太陽光線が集光することで、大きな光エネルギーが絞られた
状態で光電変換層(光吸収層)に入射するため、通常の太陽光束(平行)
が入射する場合の数倍から数十倍の光電変換効率が実現できる。この効果
図23に模式的に示す。図23は縦軸が相対エネルギー強度を、横軸焦
点での光束(スポット)幅を微細光学素子のピッチに対する相対値で示す
。集光力が強い微細光学素子によるスポット径は小さくなるため単位面積
当たりの絶対エネルギーは非常に大きくなる。この結果、上述したように
それぞれの光電変換層(光吸収層)において発生する電流と温度の疎密が
大きなる。
【0106】以上述べた本発明の太陽電池素子及び太陽電子セルに主眼を置い
て説明したが、太陽電池セルを複数並列に配置して全体をフレキシブルな
シートに貼合して太陽電池ユニットとすることは言うまでもない。この表
面に上述したバリア性をもつバリア層を設けることで、ガラス並みの表面
硬度を得ることができるため設置に際して特別な配慮が不要で、バリア層
の厚さが薄いため曲面や折り曲げた状態でも設置可能で、従来のガラス基
板上に配置したシリコン型太陽電池に比べ取り付けの自由度が大幅に向上
する。
【0107】本発明の太陽電池は成膜(層)工程を印刷工程(Roll to
Roll)で製造する方法は採用可能である。またその構成と製造工程は、
特に限定されず、例えば、基材上に電子輸送層を配置する工程と、電子輸
送層上に光電変換層(光吸収層)を配置する工程と、光電変換層(光吸収
層)上にホール輸送層を配置する工程と、ホール輸送層上に透明電極を配
置する工程と、上記透明電極上に引出し配線を設ける工程と、この引出し
配線の全体を覆って封止するバリア層を設ける工程と、透明電極上の上記
バリア層の外側に上記取出し電極を設ける工程とを有する製造方法からな
る。
【産業上の利用可能性】
【0108】本発明によれば、透明電極上に引出し配線を有しつつ、その外延
部をガラス同等の透過率と硬度を有するバリア層を設ける。さらにこの引
出し配線からの大気中の水分の浸入を抑制すること信頼性が高くこのバリ
ア層の表面に超微細光学素子及び微細光学素子を設けることで高い光電変
換効率を有する太陽電池を提供することができる。
🎈マクセル株式会社(Wikipedia)
                            この項了

🪄タフで強力でコンパクトな太陽電池の調査は継続研究するが、次回は、
APB(オール樹脂電池)の現状を考察する。1988年で『物理最前線 
ゆらき』を手にしてから、「マイクロ➡ナノ」の科学の世界に移り、以降
『デジタル革命渦論』『ナノコンバーテック創業論』の事業戦略概論を着
し現在に至る。具体的には「OLEDディスプレイ」、「色素増感太陽電
池」(現在のペロブスカイトなどの「薄膜太陽電池」)、「オール再生可
能エネルギー」、「海水電解水素製造・希少物質及び二酸化炭素回収」で

あり、頻近な情報では、「電子部品」・「太陽電池・燃料電池・オール樹
脂電池」或は「新規触媒・材料・農産物・遺伝変換細胞医療品」など広範
にまたがるが、例えば、製版・インクジェットなどの液滴塗工に特化する
ことも念頭あるように様々だが、前途洋々であるり面白い事業が約束され
ているはず。そして最新分野は「スピントロニックス (Wikipedia
」な
どがある。そして、2025年その成果をひとつづつそれを実現させて
ましょう。

基本法則から読み解く物理学最前線<br> 非平衡統計力学―ゆらぎの熱力学から情報熱力学まで   

  年頭クラシック バッハ:カンタータ 第190番
           Singet dem Herrn ein neues Lied BWV 190
                 神なしたもう御業こそ、いと善けれ


 今日の言葉: 

                  春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                           春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                            (因果報応の季節風)より

                      

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エネルギーと環境 102

2025年01月10日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

             

【季語と短歌:1月10日】

          奥伊吹息子と二人初滑り 

                 高山 宇 (赤鬼) 

🪄新年の挨拶迎え(老友会)の予定が朝から初降雪で凍結防止剤(中国
製)を散布、除雪するも中止。回覧板には町民の訃報(1月6日回付)で告
知あり。スポーツ万能の長男に奥伊吹でスケボの教えを乞と思ってたが当
てが外れ慌ただしい。

 

✅ ペロブスカイト太陽電池の大面積及び耐久性強化⓷
・特開2024-164966 太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア
構造体 マクセル株式会社

【0060】上記引出し配線の幅は特に限定されないが、好ましい下限は5(
μm)、好ましい上限は500(μm)である。上記引出し配線の幅が5(
μm)以上であれば、上記引出し配線の抵抗を低くすることができる。上記
引出し配線の幅が500(μm)を超えると、入射光が遮られる面積が大き
くなるため、太陽電池の光電変換効率が低くなることがある。上記引出し
配線の幅のより好ましい下限は10(μm)、より好ましい上限は200
(μm)である。上記引出し配線の幅は、例えば、測長機能付き光学顕微鏡、
線幅測定装置等により測定することができる。

【0061】〈バリア層〉
本発明の太陽電池20は、更に、上記引出し配線5の全体を覆って封止す
る第二バリア層10と、上記透明電極4上の上記バリア層10の外側に配
置された取出し電極8とを有する(図6参照)。上記引出し配線5の全体
を覆って封止する第二バリア層10を設けるとともに、上記第二バリア層
10の外側に別途上記取出し電極8を設けることにより、上記引出し配線
5からの大気中の水分の浸入を抑制することができる。これにより、大気
中の水分の浸入による上記光電変換層の劣化を抑制することができる。一
方、上記引出し配線5と上記取出し電極8とは繋がっておらず、分離して
いるが、電流は、上記引出し配線5の端部から一旦上記透明電極4を通り、
次いで上記取出し電極8へと流れるため、電流の取出しは問題なく行うこ
とができる。

図5 実施例に係る太陽電池のユニットの引出し配線の端部(取出し部)
がバリア層に覆われた太陽電池構造を模式的に示す上面図と断面図

【0062】図5および図6に示す第一バリア層7および第二バリア層10の
材料について以下説明する。上記第一バリア層7の材料としては水蒸気バ
リア性を有していれば特に限定されないが、無機材料が好ましい。上記無
機材料としては、Si、Al、Zn、Sn、In、Ti、Mg、Zr、Ni
、Ta、W、Cu若しくはこれらを2種以上含む合金の酸化物、窒化物又
は酸窒化物が挙げられる。なかでも、上記バリア層に水蒸気バリア性及び
柔軟性を付与するために、Zn、Snの両金属元素を含む金属元素の酸化
物、窒化物又は酸窒化物が好ましい。



特開-太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア構造体 図7

【符号の説明】M…金属原子 R…有機分子 X…ハロゲン原子又はカル
コゲン原子 1…基材 2…絶縁層からなる外枠 3…光電変換層 4…
透明電極 5…引出し配線 5´…端部(取出し部) 6…平坦化層 7…
(第一)バリア層(膜) 8…取出し電極 9…更なる配線 10…(第二
)バリア層(膜) L…引出し配線の端部からバリア層の端部までの距離
20…太陽電池セル(ユニット) 100…太陽電池素子 200…太陽
電池素子 101…基材 102、102A、102B、102C…光電
変換層(光吸収層)   L102A、L102B、L102C…光電変換層
(光吸収層)の焦点(線) 103…第一電極 104…第二電極 105
…電子輸送層   106…正孔輸送層 107…引出し配線 110A…超
光学素子   110…バリア層(膜) 200…微細光学素子 201…(
第二)バリア層(膜) 202…第一の光吸収層(光電変換層) 203…
第二の光吸収層(光電変換層)204…第三の光吸収層(光電変換層) 
210…微細光学素子

【0063】上記第一バリア層7の材料が無機材料である場合、第一バリア層
7(無機層)の厚みは、好ましい下限が30nm、好ましい上限が2500
(nm)である。上記厚みが30(nm)以上であれば、上記無機層が十
分な水蒸気バリア性を有することができ、太陽電池の耐久性が向上する。上
記厚みが2500(nm)以下であれば、上記無機層の厚みが増した場合で
あっても、発生する応力が小さいため、上記無機層と他の層との剥離を抑
制することができる。上記厚みのより好ましい下限は50(nm)、より
好ましい上限は1500(nm)であり、更に好ましい下限は100(n
m)、更に好ましい上限は1200(nm)である。上記無機層の厚みは、
光学干渉式膜厚測定装置(例えば、大塚電子社製のFE-3000等)を
用いて測定することができる。
【0064】上記第一バリア層7の材料のうち、上記無機材料で上記引出し配
線5の全体を覆って封止する方法として、特に限定されないが、真空蒸着
法、スパッタリング法、気相反応法(CVD)、イオンプレーティング法
が好ましい。なかでも、緻密な層を形成するためにはスパッタリング法が
好ましく、スパッタリング法のなかでもDCマグネトロンスパッタリング
法がより好ましい。上記スパッタリング法においては、金属ターゲット、
及び、酸素ガス又は窒素ガスを原料とし、上記引出し配線上に原料を堆積
して製膜することにより、無機材料からなる無機層を形成することができる。
【0065】なお、上記第一バリア層7は、必ずしも形成する必要はないが、
水蒸気バリア性をより向上させる観点からは、上記第一バリア層7を形成
することが好ましい。
【0066】続いて、第二バリア層10の材料について説明する。上述した太
陽電池の外周部に形成する第二バリア層10として非特許文献1に示す「
印刷で作成できるガラス並みのウルトラ・ハイバリア」に示された手法に
よりプレカーサーであるPHPS(Perhydro-polysilaz
ane:パーヒドロポリシラザン)を塗布してVUV(Vacuum Ul
tra Violet)光を窒素等の不活性ガス雰囲気中で特定時間照射す
ることで紫外線と近赤外光線に対して透明度の高いガラス並みの遮断性を
有した窒化珪素を含む薄膜を形成する。この第二バリア層10はスピンコ
ーターやロール・ロールでプレカーサーの膜厚を均一化することでウエッ
トプロセスでの成膜可能であり、ドライ成膜の工程に比べて投資を抑えた
製造工程が実現できるという大きなメリットがある。
【0067】上記第二バリア層10の形成に用いるプレカーサーの材料として
PHPS(パーヒドロポリシラザン)を例示したが、上記プレカーサーと
してはシラザン骨格を有する化合物、すなわちポリシラザン化合物であれ
ば特に限定されずに用いることができる。
ポリシラザンとは、珪素-窒素
結合を有するポリマーであり、セラミック前駆体無機ポリマーである。ポ
リシラザン化合物としてはパーヒドロポリシラザンやSiと結合する水素
原子部分の一部がアルキル基等で置換されたオルガノポリシラザン等が挙
げられる。上記アルキル基としては、炭素原子数1~8の直鎖、分岐鎖ま
たは環状のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、得られる水蒸気バ
リア層としての緻密性の観点から、パーヒドロポリシラザンが特に好まし
い。
【0068】上記ポリシラザン化合物を含有する塗布液を調製するための溶剤
としては、ポリシラザンを溶解できるものであれば特に限定されないが、
例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソ
ルベッソ、ターベン、塩化メチレン、トリクロロエタン、酢酸エチル、酢
酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、ジブチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、モノ
-およびポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)
等を挙げることができる。
【0069】上記ポリシラザン化合物を含有する塗布液は塗布・乾燥された後、
窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気中や真空雰囲気中で真空紫外光(V
UV)が照射されることにより改質され、窒化珪素を含む緻密なバリア層
(第二バリア層10)となる。なお、上記第二バリア層10は、水蒸気バ
リア層としての性能を妨げない範囲において、酸化窒化珪素を含んでいて
も良い。
【0070】上記第二バリア層10の厚みは、好ましい下限が100(nm)、
好ましい上限が500(nm)である。上記厚みが100(nm)以上で
あれば、上記バリア層が十分な水蒸気バリア性を有することができ、太陽
電池の耐久性が向上する。上記厚みが500(nm)以下であれば、上記
バリア層の厚みが増した場合であっても、発生する応力が小さいため、上
記バリア層と他の層との剥離を抑制することや、バリア層のクラックの発
生を抑制することができる。上記厚みのより好ましい下限は150(nm)、
より好ましい上限は350(nm)である。
【0071】更に本願発明では上述したように塗布によるウエットプロセスで
の成膜により得られる第二バリア層10では、上記プレカーサーの表面に、
特有の光学性能を付加した極微細なモスアイ形状やレンチキュラーレンズ
形状等のマスター形状をその表面に形成したロールまたはスタンパーを用
いて微細なモスアイ形状やレンチキュラーレンズ形状を転写、賦形した後
にVUV光を照射して第二バリア層10表面に新たに光学性能を付加させ
ることで水分や空気の遮断効果に加えて詳細は後述するが、太陽光の反射
損失の低減という新たな価値を付加した。
【0072】〈取り出し電極〉
上記取出し電極は、導電性材料からなる電極であれば特に限定されず、例
えば、上記引出し配線と同様の材料からなる電極が挙げられる。上記取出
し電極は、上記透明電極上の上記バリア層の外側に配置されていればよい
が、太陽電池の4つの辺のうちの少なくとも1つの辺に沿って、線状に配
置されていることが好ましい。更に、線状(複数本の線状)に設けられた
上記引出し配線に対して垂直となるように、線状に配置されていることが
より好ましい。これにより、電流の取出しをより良好に行うことができる。
【0073】図5は、本発明の太陽電池の一例を模式的に示す上面図(図5
A))及び断面図(図5(B))である。図5においては、基材1上に、
光電変換層(光吸収層)3と透明電極4とが設けられており、透明電極4
上に引出し配線5が線状(複数本の線状)に設けられており、引出し配線
5を覆って封止する第一バリア層7が設けられている。ここで、引出し配
線5は、第一バリア層7によりその全体が覆われて封止されており、第一
バリア層7に覆われず露出している部分はない。更に太陽電池ユニット2
0の外側外延部には全面を覆う第二バリア層10を設けることでバリア性
をより高めることができる。

特開-太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア構造体 図6
図6 本発明の別の一実施例に係る太陽電池のユニットの引出し配線の端
部(取出し部)がバリア層に覆われた太陽電池構造を模式的に示す上面図
と断面図

【0074】図6図6(A):上面図、図6(B):断面図)に示す本願発
明の別の実施例においては、透明電極4上の第一バリア層7の外側に取出
し電極8が線状に設けられている。この開口部において引出し配線5と取
出し電極8とは直接繋がっておらず分離しているが、電流は、引出し配線
5の端部から一旦透明電極4を通り、次いで取出し電極8へと流れる。こ
のため、電流の取出しは問題なく行うことができる。なお、図4において
は、後述するような絶縁層からなる外枠2及び平坦化層6も設けられてい
るが、本発明の太陽電池は、必ずしもこれらを有していなくてもよい
【0075】上述したように、本発明の太陽電池の一実施例においては、引出
し配線5と取出し電極8とは繋がっておらず、分離しているが、電流は、
上記引出し配線5の端部から一旦上記透明電極4を通り、次いで上記取出
し電極8へと流れるため、電流の取出しは問題なく行うことができる。抵
抗を低減する観点からは、引出し配線5の端部の幅が、引出し配線5の他
の部分の幅以上であることが好ましく、他の部分の幅の2倍以上であるこ
とがより好ましい。なお、引出し配線の端部とは、引出し配線の取出し電
極に近い側の端部を意味し、上記引出し配線の他の部分とは、引出し配線
の端部以外の部分を意味する。
特開-太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア構造体 図7
図7引出し配線の端部(「端部接続型」)の一例を模式 的に示す上面図

特開-太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア構造体 図8
図8 、引出し配線の端部(「T字型」)の一例を模式的に 示す上面図

【0076】図7および図8は、本発明の太陽電池における引出し配線の端部
の一例を模式的に示す上面図である。図7および図8において、引出し配
線5は、線状(複数本の線状)に設けられており、引出し配線5の端部の
形状は、それぞれ「端部接続型」及び「T字型」であるということができ
る。図7の「端部接続型」に示すように、引出し配線5は、複数の引出し
配線5同士が端部において接続されるように該複数の引出し配線5に直行
するような又はそれに準じるような配線を有していてもよい。図7および
8において、引出し配線5の端部の幅は、他の部分の幅より大きくしてい
る。この結果、抵抗を低減し、より高い光電変換効率を得ることができる。

【0077】また、上記引出し配線の端部から上記バリア層の端部までの距離
(沿面距離)は、水蒸気バリア性の観点から長い方が好ましく、抵抗を低
減する観点からは短い方が好ましい。上記引出し配線の端部から上記バリ
ア層の端部までの距離が短いほど、上記引出し配線の端部から上記取出し
電極までの距離も短くなるため、電流が上記透明電極を通る距離が短くな
り、この結果、抵抗を低減することができる。水蒸気バリア性と抵抗の低
減とを両立する方法として、例えば、引出し配線の端部からバリア層の端
部までの間に、複数の区画に分離する更なる配線を設ける方法が挙げられ
る。これにより、実質的な沿面距離が延びるため水蒸気バリア性が高まる。
他方、電流が透明電極を通る距離が短くなるため抵抗を低減することがで
きる。上述した配線を複数設けて更なる低抵抗化を実現してもよい。



特開-太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア構造体 図9
【0078】上図9は、本発明の太陽電池における、引出し配線5の端部の一
例を模式的に示す上面図(図9(A)および図9(B))である。図9
B)
に示すように、本発明の太陽電池は、引出し配線5の端部から第一バ
リア層7の端部までの間に、複数の区画に分離する更なる配線9を有していて
もよい。この時、太陽電池セル20の最外周部には第二のバリア層10を
設けることは言うまでもない。
【0079】本発明の太陽電池は、必要に応じて、更に、光電変換層(光吸収
層)3の側面を取り囲むようにして上記透明電極4の下に配置された、絶
縁層からなる外枠2を有していてもよい。上記光電変換層の周囲に上記絶
縁層からなる外枠を配置することにより、上記光電変換層端部からの水分
の浸入を抑制することができるため、太陽電池の信頼性が向上する。
【0080】〈絶縁層〉
上記絶縁層からなる外枠2の材料は、水蒸気バリア性を有していれば特に
限定されず、無機絶縁性材料であってもよいし、有機絶縁性材料であって
もよい。無機絶縁性材料として、例えば、SiO、Al、ZrO
等の無機酸化物、ガラス、グレースト等が挙げられる。有機絶縁性材料は、
耐熱性が充分良好であるものが好ましく、このような有機絶縁性材料として、
例えば、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
【0081】平坦化膜
本発明の太陽電池は、必要に応じて、更に、透明電極4とバリア層7との
間に配置された平坦化層6を有していてもよい。上記平坦化層6の材料と
しては、水蒸気バリア性を有していれば特に限定されないが、熱硬化性樹
脂又は熱可塑性樹脂が挙げられる。(中略)
この時得られる平坦化層膜は
透明度も高く、無機物(SiN)であるため熱や紫外線に対する耐性が
高い平坦化層膜が実現できる。また、太陽電池の外周部に形成するバリア
層として、上述したPHPSをプレカーサーとして用いた窒化珪素を含む
バリア層を適用する場合、平坦化層6として、シリコーン樹脂(ポリジメ
チルシロキサン)を衝撃緩和層の機能も兼ねて用いることが好ましい。
【0083】(中略)
【0085】〈バリア層に設けた超微細光学素子
図4に示す太陽電池素子のバリア層110及び図5および図6に示す太陽
電池セルの第二バリア層10の少なくとも太陽光入射側の表面に設ける超
微細光学素子について、以下詳細に説明する。上述した有機・無機ペロブ
スカイト型太陽電池は材料を所望の厚さに複数層に分けて塗布工程で製膜
できるため、材料コストが低減できるだけでなく、Roll to Rol
lで安価に製造できる。一方、この太陽電池の課題であった水分の遮蔽を
実現する具体的な技術は、非特許文献1で公開された「印刷で作成できる
ガラス並みのウルトラ・ハイバリア」に公開された手法によってプレカー
サーであるPHPSを塗布してVUV(Vacuum Ultra Viol
et)光を窒素等の不活性ガス雰囲気中で特定時間照射することで、可視
光と近赤外光線に対しも透明度が高くガラス並みの遮断性と硬度を有した
薄膜を形成する。(中略)
【0087】超微細形状としてはモスアイ形状を、バリア層の少なくとも太陽
光入射面に付与することで図4~6に示す本発明の太陽電池素子200及
び太陽電池セル20への太陽光の反射損失を大幅に軽減できる。このモス
アイ形状による反射損失低減効果は広く知られているように、太陽光の入
射角度依存性が小さく波長依存性も同様である。

特開-太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア構造体 図18

特開-太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア構造体 図19
図18                    図19
【0088】太陽の位置の変化により太陽電池への光線入射角度と放射光線の
波長成分の変化により、太陽電池素子または太陽電池セルの表面に一般的
な反射防止膜を成膜しても反射率の角度依存性と波長依存性を無くすこと
はできない。そこでバリア層の表面に賦形する100~200nmピッチ
のモスアイ形状の超微細光学素子を設けることで、図18および図19
に破線で示した一般的な反射防止膜とは異なり、実線で示すような入射角
度、波長依存性がほとんど無い反射防止効果を有する太陽電池素子及び太
陽電池セルが実現でき、反射損失を低減することでシステム全体の光電変
換効率を高めることができる。この反射率の波長特性は図18に示すよう
に光電変換に必要な太陽光の波長範囲においてはほぼゼロであり良好な特
性を得ることができる。
                           この項つづく
 今日の言葉: 明朝も、除雪・融雪作業だ!                        

                             

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エネルギーと環境 101

2025年01月09日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

                     

【季語と短歌:1月9日】

     犬はしゃぎ吾はスコップ除雪かな 

                 高山 宇 (赤鬼) 



 

⛑️ 異常気象:ロサンゼルス西部で大規模な山火事 2025.1.8 AFP



最近はかなり浸透してき、すでに有線よりワイヤレス充電のほうがメイン。
そんなワイヤレス充電に新たな便利さが加わる。パナソニック傘下のパナ
ソニック オートモーティブシステムズが開発した「ムービングコイル技術
が、ワイヤレス充電規格「Qi2」の新規格
「APP(Active Alignment Power
Profile)」基礎技術に採用


✅ 現状のワイヤレス充電の弱点
ガジェット向けワイヤレス充電規格のベースが「Qi」。充電器側のコイル
の上に、同じくコイルを内蔵したスマホを乗せることで、ワイヤレスで電
気を伝える方式。これは、コイルの面合わせがズレると給電できない。
この課題を解決したのが「Qi2」規格。つまり、コイルの位置にマグネッ
トを配置することで、正確な位置合わせが可能となった。ベスポジで充電
できることで、充電ロスも減るってわけですね。また、現行のMagSafe充
電器がそうであるように、磁石によって3次元的に機器を充電する(原理は
下図をクリック)


※しかし、電磁波の多様・拡大社会は、その「リスク・インパクト・マネ
 ージメント」は大切になる。



✳️ 炭素磁石の合成に成功 京大
1月8日、京都大などの研究チームは、炭素を素材に用いた磁石を作るこ
とに成功した。成果は軽量・低コストで高性能の炭素磁石実用化に向けた
一歩になるという。論文は9日、英科学誌ネイチャーに掲載された。
現代のエレクトロニクスには高性能な磁石が不可欠ですが、従来の磁石は
主に金属で作られており重量や希少金属使用による供給リスク等の問題が
ある。これに対して、炭素は軽量かつ安価で、炭素でできた磁石の研究が
進められていた。グラフェンナノリボン(GNR)は、その端構造を設計す
ることで電子・磁気特性を制御できる可能性があるため大きな注目を集め
ているが、従来の研究では対称ジグザグ端を持つGNRしか合成できず、磁
石の性質を示さなかった(反強磁性)。これに対して、非対称ジグザグ端
を持つGNR
は強磁性を示すと考えられていたが、その合成は技術的に非常
に困難であり未解決の課題となっていた。 

坂口浩司 エネルギー理工学研究所教授と小島崇寛 同助教、およびシンガ
ポール国立大学(National University of Singapore )、米国カリフォルニ
ア大学バークレー校(University of California, Berkeley)との国際共同研
究チームは、非対称なZ型構造を持つ前駆体分子を設計・合成し、これを
金属基板上で一方向に揃えて繋げる新たな合成法を開発することで、非
称ジグザグ端型GNRの合成に成功した。合成した非対称ジグザグ端型GNR
は、本研究チームの理論予測通り、電子スピンがジグザグ端に高密度で局在
「炭素磁石」としての特性を持つことを世界で初めて実証。この非対称ジ
グザグ端型GNRを、ギリシャ神話に登場する二面顔を持つ神「ヤヌス(Ja-
nus)」にちなみ、「Janus GNR(JGNR)」と命名。この成果は、磁性材
料研究を革新する一歩となり、様々な電子工学、機械工学やメディカル分
野への応用が期待されている。


炭素磁石となるニ面顔「ヤヌス型」グラフェンナノリボン(JGNR)
【掲載論文】
タイトル:Janus graphene nanoribbons with localized states on a single
zigzag edge  (非対称ジグザグ端上にスピン状態を持つヤヌス型グラフェン
ナノリボン) 
著  者:Shaotang Song, Yu Teng, Weichen Tang, Zhen Xu, Yuanyuan He,
Jiawei Ruan, Takahiro Kojima, Wenping Hu, Franz J Giessibl, Hiroshi
Sakaguchi*, Steven G Louie*, Jiong Lu* (*は責任著者) 
掲 載 誌:Nature  DOI:10.1038/s41586-024-08296-x. 

✳️ 水素発生と半導体応用を備えた二次元半導体ナノリボン
1月9日、クリーンエネルギーの必要性から、水素への期待は高まり、効
果的に水素を製造する方法が望まれている。電気化学的に水から水素を発
生する方法では、白金が高い触媒活性を示すことが知られているが、白金
は希少金属で非常に高価であることが課題です。半導体性の二次元物質で
あるMoS2は安価で、高い触媒活性を示すことが知られていましたが、そ
の活性サイト(反応が起こる場所)に関して議論があった。また、MoS2
のナノシートは半導体材料としても優れており、微細化の限界に近付きつ
つあるシリコンデバイスに代わる次世代半導体として、近年大きな注目を
集めている。研究グループは、化学蒸着法と呼ばれる方法により二次元半
導体であるMoS2のナノリボンを基板上に高密度に成長させる方法を新たに
開発し、ナノスケールの電気化学的な測定を通じて、ナノリボンの端が中
心部の100倍近い触媒活性を示すことを見出しました。さらに、このMoS2
ナノリボンは半導体デバイスとしても優れた電気特性を示すことも明らか
にしました。本研究成果は、クリーンエネルギーの開発に寄与するととも
に、次世代半導体開発に大きく貢献すると期待されている。

文章を入れてください
図、高密度のMoS2ナノリボンの端(エッジ)から電気化学反応によって
  水素ガスが発生するイメージ
【掲載論文】
タイトル:Janus graphene nanoribbons with localized states on a single
zigzag edge  (非対称ジグザグ端上にスピン状態を持つヤヌス型グラフェン
ナノリボン) 
著  者:Shaotang Song, Yu Teng, Weichen Tang, Zhen Xu, Yuanyuan He,
Jiawei Ruan, Takahiro Kojima, Wenping Hu, Franz J Giessibl, Hiroshi
Sakaguchi, Steven G Louie*, Jiong Lu
掲 載 誌:Nature  DOI:10.1038/s41586-024-08296-x. 

 ペロブスカイト太陽電池の大面積及び耐久性強化⓶
・特開2024-164966 太陽電池及びそれに用いる光学素子を
備えるバリア
構造体 マクセル株式会社
【要約】下図21のごとく、本発明の太陽電池は高効率で、印刷工程で安価
な太陽電池が実現できる有機無機ペロブスカイト型太陽電池の課題である
水分・空気のバリア性が高いガラス同等のバリア層を有しその表面に超微
細または微細光学素子を設け反射防止と集光作用を備え光電変換層(光吸
収層)平面内に光の疎密を作ることで一層の高効率化を実現する。

【0020】〈バリア構造〉
【0023】本発明の太陽電池は、基材上に、少なくとも光電変換層(光吸収
層)と透明電極とを有する。なお、本明細書中、「層」とは、明確な境界
を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層を
も意味する。なお、層の元素分析は、例えば、太陽電池断面のFE-TE
M/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって
行うことができる。また、本明細書中に記載した「層」とは、平坦な薄膜
状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成
しうる層をも意味する。

【0024】〈基材〉
上記基材は特に限定されないが、フレキシブル基材が好ましく、例えば、
ポリイミド、ポリエステル系の耐熱性高分子や金属箔を有する基材が挙げ
られる。なかでも、ポリエチレンナフタレートフィルムや金属箔を有する
基材が好ましい。特に上記金属箔を用いることにより、耐熱性高分子を用
いる場合と比べてコストを抑えられるとともに、高温処理を行うことがで
きる。即ち、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層形成時にお
いて耐光性(光劣化に対する耐性)を付与する目的で80(℃)以上の温
度で熱アニール(加熱処理)を行っても、歪みの発生を最小限に抑えて、
高い光電変換効率を得ることができる。
【0025】上述した金属箔は特に限定されず、例えば、アルミニウム、チタ
ン、銅、金等の金属や、ステンレス鋼(SUS)等の合金からなる金属箔
が挙げられる。これらは単独で用いられても良く、2種以上を併用しても
よい。上述した基板の候補としてはアルミニウム箔が好ましい。上記アル
ミニウム箔を用いることにより、他の金属箔を用いる場合と比べてもコス
トを抑えるとともに、柔軟性があることから作業性を向上できる。
【0026】上記基材は、上記金属箔のみからなるものであってもよい。この
場合、上記金属箔は、電極としての役割も果たしてもよい。また、上記基
材は、更に、上記金属箔上に形成された絶縁層を有していてもよい。この
場合、本発明の太陽電池は、更に、上記絶縁層上に形成された電極を有す
ることが好ましい 。
【0027】上記絶縁層は特に限定されず、例えば、酸化アルミニウム、酸化
ケイ素、酸化亜鉛等からなる無機絶縁層、エポキシ樹脂、ポリイミド等か
らなる有機絶縁層が挙げられる。なかでも、上記金属箔がアルミニウム箔
である場合には、上記絶縁層が酸化アルミニウム被膜であることが好まし
い。上記絶縁層として上記酸化アルミニウム被膜を用いることにより、
機絶縁層の場合と比べて、大気中の水分が絶縁層を透過して有機無機ペロ
ブスカイト化合物を含む光電変換層を劣化させることを抑制することがで
きる。
【0028】また、上記絶縁層として上記酸化アルミニウム被膜を用いること
により、上記アルミニウム箔と接することで時間の経過とともに有機無機
ペロブスカイト化合物を含む光電変換層(光吸収層)に変色が生じ、腐食
が起きるという現象を抑制することができることはすでに公知である。
なお、一般的な他の太陽電池では光電変換層がアルミニウムと反応して変
色が生じること等は報告されておらず、上記のような腐食が起きるという
現象は、光電変換層が有機無機ペロブスカイト化合物を含むペロブスカイ
ト太陽電池に特有の問題として先出願された公報に記載されている。
【0029】上述した公報によれば酸化アルミニウム被膜の厚みは特に限定さ
れないが、好ましい下限が0.1(μm)、好ましい上限が20(μm)で
あり、より好ましい下限が0.5(μm)、より好ましい上限が10(μm)
である。上記酸化アルミニウム被膜の厚みが0.1(μm)以上であれば、
上記酸化アルミニウム被膜が上記アルミニウム箔の表面を充分に覆うこと
ができ、上記アルミニウム箔と電極との間の絶縁性が安定する。さらに、
酸化アルミニウム被膜の厚みが20(μm)以下であれば、上記基材を湾曲
させても上記酸化アルミニウム被膜にクラックが生じにくい。
上記酸化ア
ルミニウム被膜の厚みは、例えば、上記基材の断面を電子顕微鏡(例えば、
S-4800、HITACHI社製等)で観察し、得られた写真のコント
ラストを解析することにより測定することができる。
【0030】上記酸化アルミニウム被膜と上記基材の厚みの比率は特に限定さ
れないが、上記基材の厚み100(%)に対する上記酸化アルミニウム被
膜の厚みの比率の好ましい下限が0.1(%)、好ましい上限が15(%)
である。上記比率が0.1(%)以上であれば、上記酸化アルミニウム被
膜の硬度が上がり、上記電極をパターニングする際に上記酸化アルミニウ
ム被膜の剥離を抑制しつつパターニングを良好に行うことができ、絶縁不
良及び導通不良の発生を抑制することができる。上記比率が15%以下で
あれば、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層形成時に加熱処
理を行う際に、上記アルミニウム箔との熱膨張係数の差によって上記酸化
アルミニウム被膜及び/又はその上に形成された上記電極にクラックが生
じることを抑制することができる。これにより、太陽電池の抵抗値が上昇
してしまったり、上記アルミニウム箔が露出して有機無機ペロブスカイト
化合物を含む光電変換層に腐食が起きたりすることを抑制することができ
る。
【0031】上記酸化アルミニウム被膜を製膜する方法は特に限定されず、例
えば、上記アルミニウム箔に陽極酸化を施す方法、上記アルミニウム箔の
表面にアルミニウムのアルコキシド等を塗布する方法、上記アルミニウム
箔の表面に熱処理による自然酸化被膜を形成する方法等が挙げられる。な
かでも、上記アルミニウム箔の表面全体を均一に酸化させることができる
ことから、上記アルミニウム箔に陽極酸化を施す方法が好ましい。即ち、
上記酸化アルミニウム被膜は、陽極酸化被膜であることが好ましい。上記
アルミニウム箔に陽極酸化を施す場合には、陽極酸化における処理濃度、
処理温度、電流密度、処理時間等を変更することにより、上記酸化アルミ
ニウム被膜の厚みを調整するとができる。
【0032】上記基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限が5(μm)、
好ましい上限が500(μm)である。上記基材の厚みが5(μm)以上で
あれば、充分な機械的強度を持つことができ、取扱い性に優れた太陽電池
とすることができる。さらに、上記基材の厚みを500(μm)以下とする
ことで、フレキシブル性に優れた太陽電池が実現できる。上記基材の厚み
として、より好ましい下限は10(μm)、より好ましい上限は100(μm)
である。上記基材の厚みとは、上記基材が上記金属箔と上記金属箔上に形
成された絶縁層とを有する場合、上記金属箔と上記絶縁層とを含む上記基
材全体の厚みを意味する。
【0033】上述したように基材が金属箔と金属箔上に形成された絶縁層とを
有する場合、上記絶縁層上に形成された電極を有することが好ましい。
【0034】〈電極及び透明電極材料〉
上記電極及び上記透明電極は、どちらが陰極になってもよく、陽極になっ
てもよい。上記電極及び上記透明電極の材料として、例えば、FTO(フ
ッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、リチウ
ム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム-銀混合物、マグネシウ
ム-インジウム混合物、アルミニウム-リチウム合金、Al/Al
合物、Al/LiF混合物、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ
酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(イン
ジウム亜鉛酸化 物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、
導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられても
よく、2種以上が併用されてもよい。
【0035】〈光電変換層:有機無機ペロブスカイト化合物〉
上記光電変換層(光吸収層)102は、有機無機ペロブスカイト化合物を
含む。光電変換層に有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、
太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。有機無機ペロブスカ
イト化合物は、一般式R-M-X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、
Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表されることが好まし
い。
【0036】上記Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも
正の整数)で示されることが好ましい。上記Rは、具体的には例えば、メ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルア
ミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルア
ミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、
トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチル
プロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシル
メチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾー
ル、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、
イミダゾリン、カルバゾール、メチルカルボキシアミン、エチルカルボキ
シアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチ
ルカルボキシアミン、ヘキシルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、
グアニジン、アニリン、ピリジン及びこれらのイオン(例えば、メチルア
ンモニウム(CHNH)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられ
る。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、プロピル
カルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン
、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンが好ましく、メチ
ルアミン、エチルアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウ
ム、グアニジン及びこれらのイオンがより好ましい。なかでも、高い光電
変換効率が得られることから、メチルアミン、ホルムアミジニウム及びこ
れらのイオンが更に好ましい。
【0037】上記Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、ア
ンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲル
マニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マン
ガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。なかでも、電
子軌道の重なりの観点から、鉛又はスズが好ましい。これらの金属原子は
単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0038】上記Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、
臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子又は
カルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカ
イト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能にな
ることから、ハロゲン原子が好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイ
ト化合のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素がより好
ましい。
【0039】有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に
有機分子R、面心に ハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方
晶系の構造を有することが好ましい。図1は、体心に金属原子M、各頂点
に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立
方晶系の構造の一般的な有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例
を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することに
より、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記
有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の
光電変換効率が向上すると推定されている。
【0040】有機無機ペロブスカイト化合物は、結晶性半導体であることが好
ましい。結晶性半導体とは、X線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検
出できる半導体を意味している。上記有機無機ペロブスカイト化合物が結
晶性半導体であれば、有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が
高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。また、有機無機ペロブス
カイト化合物が結晶性半導体であれば、太陽電池に光を照射し続けること
による光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光
劣化が抑制されやすくなる。
【0041】〈結晶化の指標〉
一般的に、結晶化の指標として結晶化度を評価する。結晶化度は、X線散
乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来
のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、
全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。有
機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30(%)であ
り結晶化度が30(%)以上であれば、有機無機ペロブスカイト化合物中
の電子の移動度が向上し、太陽電池の光電変換効率が高くなる。また、上
述した結晶化度が30(%)以上であれば、太陽電池に光を照射し続ける
ことによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因す
る光劣化が抑制されやすくなる。上記結晶化度のより好ましい下限は50
(%)、更に好ましい下限は70(%)である。また、上記有機無機ペロ
ブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール(
加熱処理)、レーザ等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられ
る。
【0042】また、他の結晶化の指標として結晶子径を評価することもできる。
結晶子径は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピ
ークの半値幅からhalder-wagner法で算出することができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶子径が5(nm)以上であれば、
太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、
特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制される。また、上記有機無機
ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換
効率が向上する。上記結晶子径のより好ましい下限は10(nm)、更に
好ましい下限は20(nm)である。
【0043】〈光電変換層(光吸収層)〉
光電変換層(光吸収層)は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、
上記有機無機ペロブスカイト化合物に加えて、更に、有機半導体又は無機
半導体を含んでいてもよい。有機半導体として、例えば、ポリチオフェン
(3-アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げ
られる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカ
ルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電
性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロ
シアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリ
ン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されてい
てもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含
有材料も挙げられる。
【0044】無機半導体として、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジ
ウム、酸化スズ、酸 化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、
CuSCN、CuO、CuI、M oO、V、WO、MoS
MoSe、CuS等が挙げられる。
【0045】光電変換層(光吸収層)は、有機無機ペロブスカイト化合物と有
機半導体又は無機半導体とを含む場合、薄膜状の有機半導体又は無機半導
体部位と薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位とを積層した積層体
であってもよいし、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカ
イト化合物部位とを複合化した複合膜であってもよい。量産時において製
法が容易な積層体が好ましく、他方有機半導体又は無機半導体中の電荷分
離効率を向上させることができる点では複合膜が好ましい。
【0046】有機無機ペロブスカイト化合物で形成された部位の厚みは、好ま
しい下限が5(nm)、好ましい上限が1000(nm)である。上記厚
みが5(nm)以上であれば、充分に光を吸収することができるようにな
り、光電変換効率は高くなる。しかしながら、厚みが厚くなれば抵抗値も
大きくなるため電子や正孔の取り出し時の損失も大きくなるため効率低下
が生じる。
【0047】そこで本願発明では後段で詳細に説明するがバリア層表面に賦形
した光学素子のレンズ作用で太陽光を集光させる。この結果、光電変換層
を太陽光が斜めに通過することで厚い光電変換層と同等の光電変換効率が
得られ、高い光電変換効率と低損失を同時に両立できるという本願発明特
有の第一効果を得ることができる。


図4

図16.実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けた第一の実施例で
ある微細光学素子の形状と作用を示す模式図
【0048】図4図16および図17に示すように光電変換層が、有機無機
ペロブスカイト化合物部位を複数層設けて複合化した複合膜である場合、
上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は2000(
nm)である。さらに厚みが30(nm)以上であれば、充分に光を吸収
することができるようになり、光電変換効率が高くなる。



図17 実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けた第二の実施例
である微細光学素子の形状と作用を示す模式図

【0049】この時、上述したバリア層表面に賦形した光学素子を設けること
で、この光学素子のレンズ作用で太陽光を集光させる。この結果として、
光電変換層を太陽光が斜めに通過することで厚い光電変換層と同等の光電
変換効率が得られ、高い光電変換効率と低損失を同時に両立できるという
本願発明特有の第一の効果を得ることができる。この構成によれば、厚み
が1500(nm)以下であっても、太陽光が斜めに光電変換部を通過す
るため電荷が電極に到達しやすくなり、光電変換効率が高くなる。

【0050】光電変換層は、光電変換層形成後に熱アニール(加熱処理)が施
されていることが好 ましい。熱アニール(加熱処理)を施すことにより、
光電変換層中の有機無機ペロブスカ イト化合物の結晶化度を上げることが
でき、光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)をより
抑制することができる。従来の耐熱性高分子からなる基材を用いた太陽電
池にこのような熱アニール(加熱処理)を行うと、基材と光電変換層等と
の熱膨張係数の差により、アニール時に歪みが生じ、その結果、高い光電
変換効率を達成することが難しくなる。上記金属箔を用いた場合には、熱
アニール(加熱処理)を行っても、歪みの発生を最小限に抑えて、高い光
電変換効率を得ることができるので好ましい。
【0051】上記熱アニール(加熱処理)を行う場合、上記光電変換層を加熱
する温度は特に限定されないが、100(℃)以上、250(℃)未満で
あることが好ましい。上記加熱温度が100℃以上であれば、上記有機無
機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができる。上記加
熱温度が250(℃)未満であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物
を熱劣化させることなく加熱処理を行うことができる。より好ましい加熱
温度は、120(℃)以上、200(℃)以下である。また、加熱時間も
特に限定されないが、3分以上、2時間以内であることが好ましい。加熱
時間が3分以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度
を充分に上げることができる。上記加熱時間が2時間以内であれば、上記
有機無機ペロブスカイト化合物を熱劣化させることなく加熱処理を行うこ
とができる。これらの加熱操作は真空又は不活性ガス下で行われることが
好ましく、露点温度は10(℃)以下が好ましく、7.5(℃)以下がよ
り好ましく、5(℃)以下が更に好ましい。
【0052】本発明の太陽電池は、上記基材及び上記透明電極のうちの陰極と
なる側と、上記光電変換層との間に、電子輸送層を有してもよい。上記電
子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分
子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金
属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ
基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、
バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾ
ール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化
合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフ
ィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸
化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫
化亜鉛等が挙げられる。
【0053】上記電子輸送層は、薄膜状の電子輸送層(バッファ層)のみから
なっていてもよいが、多孔質状の電子輸送層を含むことが好ましい。特に、
上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカ
イト化合物を複合化した複合膜である場合、より複雑な複合膜(より複雑
に入り組んだ構造)が得られ、光電変換効率が高くなることから、多孔質
状の電子輸送層上に複合膜が製膜されていることが好ましい。
【0054】上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1(nm)、好ましい
上限が2000(nm)である。上記厚みが1(nm)以上であれば、充
分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000(nm)以
下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。
上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3(nm)、より好ましい上
限は1000(nm)であり、更に好ましい下限は5(nm)、更に好ま
しい上限は500(nm)である。
【0055】本発明の太陽電池は、上記光電変換層と、上記基材及び上記透明
電極のうちの陽極となる側との間に、ホール(正孔)輸送層を有してもよ
い。上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分
子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性
剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリ(3-アルキルチオフェン)等
のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、トリフ
ェニルアミン骨格、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニル カルバ
ゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高
分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシア
ニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨
格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物、酸化モリブデン、酸化バ
ナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モ
リブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホス
ホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物、
カーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料等が挙げられる。
【0056】上記ホール輸送層は、その一部が上記光電変換層に浸漬していて
もよいし、上記光電変換層上に薄膜状に配置されてもよい。上記ホール輸
送層が薄膜状に存在する時の厚みは、好ましい下限は1(nm)、好まし
い上限は2000(nm)である。上記厚みが1(nm)以上であれば、
充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000(nm)以
下であれば、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。
上記厚みのより好ましい下限は3(nm)、より好ましい上限は1000
(nm)であり、更に好ましい下限は5(nm)、更に好ましい上限は500
(nm)である。
【0057】本発明の太陽電池は、更に、上記透明電極上に配置された引出し
配線を有する。上記引出し配線を設けることにより、上記透明電極の面積
が大きくなったとしても高い光電変換効率を得ることができる。
【0058】上記引出し配線は、導電性材料からなる配線であれば特に限定さ
れず、例えば、銅、アルミニウム、銀、金、白金等の金属又はこれらの合
金等からなる配線、炭素からなる配線等が挙げられる。これらは単独で用
いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。銀からなる配線である場
合、上記引出し配線は、上記透明電極上に例えば銀ペースト等を用いて形
成される。
【0059】上記引出し配線の形状は特に限定されず、例えば、線状(複数本
の線状)、格子状、網目状等が挙げられる。これらの形状は単独で用いら
れてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 
                          この項つづく

  ダンシング・ロック 『Da-iCE / TAKE IT BACK』


今日の言葉: スプレー式シリコンスピンドル油を購入。安いものだ
         が雑なつくり(1コインショップが泣くねぇ)。心が
         ないね。

                 春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                          春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                            (因果報応の季節風)より

                        

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エネルギーと環境 100

2025年01月08日 | ネオコンバ-テック


彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

                    
【季語と短歌:1月8日】

        小寒や明日明後日は大雪ぞ 
                高山 宇 (赤鬼)
                 

✅ ペロブスカイト太陽電池量産新会社設立
  100MW製造ライン稼働 積水化学工業

6日、ペロブスカイト太陽電池の設計や製造、販売を行う新会社「積水ソ
ーラーフィルム」を設立した。シャープの本社工場(堺市堺区)の建物や
電源設備、冷却設備なども取得した。100メガワット製造ラインの稼働
を目指し設備投資を行い、2027年4月に工場を稼働。量産化に乗り出
す。段階的に増強投資を行い、30年にはギガワット級の製造ライン構築
を目指す。海外展開も視野に需要の獲得を狙う。


積水ソーラーフィルムは、日本政策投資銀行(政投銀)と共同で運営する。
資本金は1億円で、出資比率は積水化学工業が86%、政投銀が14%。
社長には上脇太積水化学工業取締役兼専務執行役員が就いた。所在地は大
阪市北区西天満2の4の4。量産化に向けた投資額は3145億円で、そ
の半分に当たる1572億5000万円を国からの補助金で賄う。
積水化
学工業は現有設備で生産したペロブスカイト太陽電池の販売を25年度に
開始する。ペロブスカイト太陽電池の軽量で柔軟な特徴を生かし、耐荷重
性の低い屋根や公共部門(災害時避難所となる体育館など)を中心に導

を進める。量産効果でコストを低減し、民間の工場・倉庫
などの屋根や外
壁面もターゲットに需要を創出し、事業につなげる。

 

✳️大谷翔平は聖徳太子?
今季の注目は何と言っても投打二刀流の復活だ。1人で2役をこなす万能
ぶりは目が肥えたMLBファンをもうならせるが、大谷が持つ特殊能力は
ほかにもある。米メディアらから日常的に寄せられる、脈絡もなく矢継ぎ
早の質問を瞬時にさばく上に「失言」も皆無。もしかすると、あの〝偉人〟
の生まれ変わりなのかもしれない――。多様性に富んだ米国でも「スーパ
ースター」と認知されている。発言は常に注目の的だが、その様子は日本
書紀に残る聖徳太子(厩戸王)さながら。10人の訴えを同時に聞き、全
て的確に答えた伝説とソックリと評されているとか。(東スポWEB より)

🪄聖徳太子(しょうとくたいし)は、飛鳥時代皇族政治家。叔母の
推古天皇の下、摂政として蘇我馬子と協調して政治を行い、国際的緊張の
なかで遣隋使を派遣するなど中国大陸を当時統治していたから進んだ文
化や制度をとりいれ、冠位十二階十七条憲法を定めるなど天皇を中心の
中央集権国家体制の確立を図る。このほか仏教を厚く信仰して興隆に努め、
後世には聖徳太子自体が日本の仏教で尊崇の対象となった。(Wikipedia)

 法隆寺



ホンダは7日(日本時間8日)、2026年から投入する電気自動車(EV)ブ
ランド「ゼロシリーズ」の新たな試作車2車種を公開した。「アシモOS」と
名付けた、車の制御を統合的に行う基本ソフト(OS)を独自で開発し、搭載
することも明らかにした。

【5分でわかる】進む部品の一体化。「Xin1」のeAxle(イーアクスル)とは?

✳️ Xin1のeAxle(イーアクスル)とは
「Xin1」とは、複数の部品や機能を1つにまとめたeAxleの総称で、「X」
は一体化した部品の数を示しています。例えば、5つの部品を一体化した場
合は「5in1」のeAxle、8つの部品を一体化した場合は「8in1」のeAxleと
なる。現在主流のeAxleは、「インバーター、ギア、モーター」を一体化し
たもの。3つの部品を1つにまとめているので、これを「3in1」のeAxleと
呼ぶ。

そしてその先の可能性の1つとして、第3世代をベースにさらに多くの部
品を一体化した新製品「Xin1」の開発を進めていると言う。

✳️ 電動ユニット関連特許技術
特開2022-190437 モータ駆動方法、及びモータ駆動装置
【要約】下図2のごとく、モータ駆動方法は、交流モータのロータに設けら
れた永久磁石が発生する界磁磁束の方向であるd軸と当該d軸に直交する
q軸との直交ベクトル座標系に基づいて、交流モータのステータに設けら
れたコイルに流れる電流を制御して交流モータを駆動し、q軸方向の電流
成分であるq軸電流の電流指令値をq軸電流指令値として取得するq軸電
流指令値取得ステップと、q軸電流指令値に基づく通電指示により、コイ
ルに流れる電流をコイル電流として検出するコイル電流検出ステップと、
コイル電流の検出結果に基づいてq軸上における駆動電流をq軸駆動電流
として演算する駆動電流演算ステップと、q軸電流指令値とq軸駆動電流
との差異を算定する差異算定ステップと、差異に基づいて、ロータの位置
を推定する推定ステップと、を備えるロータの位置を検出することが可能
なモータ駆動方法を提供する。


図2 交流モータの制御状態、ロータの挙動、及び交流モータの始動時にお
けるロータの位置の推定に利用される電流波形の一例

【特許請求の範囲】
【請求項1】交流モータのロータに設けられた永久磁石が発生する界磁磁束
の方向であるd軸と当該d軸に直交するq軸との直交ベクトル座標系に基
づいて、前記交流モータのステータに設けられたコイルに流れる電流を制
御して前記交流モータを駆動するモータ駆動方法であって、

前記q軸方向の電流成分であるq軸電流の電流指令値をq軸電流指令値と
して取得するq軸電流指令値取得ステップと、

前記q軸電流指令値に基づく通電指示により、前記コイルに流れる電流を
コイル電流として検出するコイル電流検出ステップと、

前記コイル電流の検出結果に基づいて前記q軸上における駆動電流をq軸
駆動電流として演算する駆動電流演算ステップと、

前記q軸電流指令値と前記q軸駆動電流との差異を算定する差異算定ステ
ップと、

前記差異に基づいて、前記ロータの位置を推定する推定ステップと、
を備えるモータ駆動方法。
【請求項2】前記コイル電流検出ステップは、更に、前記d軸方向の電流成
分であるd軸電流の電流指令値に基づく通電指示により、前記コイルに電
流を流して強め界磁制御を行った状態で検出する請求項1に記載のモータ
駆動方法。
【請求項3】推定された前記ロータの位置に基づいて前記ロータの回転速度
を推定する回転速度推定ステップを、更に備え、
前記d軸電流の電流指令
値は、前記回転速度が増大するほど、大きくなる請求項2に記載のモータ
駆動方法。
【請求項4】前記推定ステップによる前記ロータの位置の推定は、前記q軸
電流指令値と前記q軸駆動電流との差異に基づく推定を行わずに、前記直
交ベクトル座標系に基づいて前記交流モータを駆動した場合において、前
記ロータの位置が検出できない回転速度で回転する低速領域において実行
される請求項1から3の何れか一項に記載のモータ駆動方法。
【請求項5】請求項1から4のいずれか一項に記載の前記モータ駆動方法を
用いて前記交流モータを駆動するモータ駆動装置。

特開2022-187890車両用駆動装置の製造方法
【要約】下図3のごとく、回転電機用のステータと、ステータが配置される
円筒状の第1空間部を有するアルミニウム合金の鋳造物とを、準備する準
備工程と、鋳造物を加熱して、鋳造物の永久成長を促進させる熱処理工程と、
熱処理工程で昇温した鋳造物の温度が常温に低下する前に、ステータを第
1空間部内に配置し、その後の鋳造物の温度の低下によりステータと鋳造
物とを一体化する一体化工程とを含む、車両用駆動装置の製造方法が開示
される。

 図1 回転電機及び動力伝達機構を含む車両用駆動システムのスケルトン図


図2. 車両駆動装置の外観の一例を示す2面図

図3 本製造方法の流れを概略的に示すフローチャート
【特許請求の範囲】
【請求項1】回転電機用のステータと、前記ステータが配置される円筒状の
第1空間部を有するアルミニウム合金の鋳造物とを、準備する準備工程と、

前記鋳造物を加熱して、前記鋳造物の永久成長を促進させる熱処理工程と、
前記熱処理工程で昇温した前記鋳造物の温度が常温に低下する前に、前記
ステータを前記第1空間部内に配置し、その後の前記鋳造物の温度の低下
により前記ステータと前記鋳造物とを一体化する一体化工程とを含む、車
両用駆動装置の製造方法。
【請求項2】前記熱処理工程の熱処理条件は、前記鋳造物における少なくと
も加熱対象箇所において、前記熱処理工程で昇温した前記鋳造物の温度が
常温に低下する前に、永久成長が完了するように設定される、請求項1に
記載の車両用駆動装置の製造方法。
【請求項3】前記一体化工程の後に、回転電機を完成させる完成工程を更に
含み、
前記準備工程は、前記第1空間部を形成する内周部が機械加工され
た前記鋳造物を準備することを含み、
前記鋳造物を金型から取り出した後
から前記完成工程の終了までの間に、前記熱処理工程とは別の更なる熱処
理工程を含まない、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置の製造方法。
【請求項4】前記熱処理工程は、前記鋳造物における前記第1空間部に、
加熱装置を配置することを含む、請求項1から3のうちのいずれか1項に
記載の車両用駆動装置の製造方法。
【請求項5】前記鋳造物は、前記第1空間部に対して隔壁部を介して隣り合
う第2空間部であって、動力伝達機構が配置される第2空間部を更に形成し、

前記熱処理工程は、前記第1空間部を形成する内周部及び前記第2空間部
を形成する周壁部うちの、前記第1空間部に係る内周部のみを加熱対象箇
所として実行される、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の車両
用駆動装置の製造方法。

特開2024-177786回転電機
【要約】下図3のごとく、ロータは、ロータコアと、永久磁石と、界磁巻線
と、を含み、永久磁石は、ロータコアにおいて、S極とN極とを、周方向
で交互にかつ軸方向の異なる位置に、形成し、界磁巻線は、周方向でS極
とN極の間を通りつつロータコアの軸方向全体にわたって延在する第1部
位と、S極を挟んで周方向で隣り合う対の第1部位の軸方向一端側同士を
接続する態様で周方向に延在する第2部位と、N極を挟んで周方向で隣り
合う対の第1部位の軸方向他端側同士を接続する態様で周方向に延在する
第3部位と、を備える、回転電機が開示される。

図3.回転電機のロータの一部を示す概略的な斜視図

【特許請求の範囲】
【請求項1】ロータと、
前記ロータに径方向に対向するステータと、を備え、
前記ロータは、ロータコアと、前記ロータコアに配置される複数の永久磁
石と、前記ロータコアに周方向全体にわたって巻装される界磁巻線と、を
含み、

前記複数の永久磁石は、前記ロータコアにおいて、S極とN極とを、周方
向で交互にかつ軸方向の異なる位置に、形成し、

前記界磁巻線は、
周方向でS極とN極の間を通りつつ前記ロータコアの軸方向全体にわたっ
て延在する第1部位と、

S極を挟んで周方向で隣り合う対の前記第1部位の軸方向一端側同士を接
続する態様で周方向に延在する第2部位と、

N極を挟んで周方向で隣り合う対の前記第1部位の軸方向他端側同士を接
続する態様で周方向に延在する第3部位と、を備える、回転電機。
【請求項2】前記ロータコアは、外周部に、径方向外側に開口しかつ軸方向
に貫通するスロットを有し、

前記第1部位は、前記スロットに挿入され、
前記第2部位及び前記第3部位は、前記ロータコアの軸方向端面よりも外
側に配置される、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】前記ロータコアは、前記複数の永久磁石のうちのS極の永久磁
石が配置されるS極コア部が、S極間の突極部位を介して周方向に複数配
置され、かつ、前記複数の永久磁石のうちのN極の永久磁石が配置される
N極コア部が、N極間の突極部位を介して周方向に複数配置され、

軸方向で前記S極コア部とN極間の突極部位との間、及び、軸方向で前記
N極コア部とS極間の突極部位との間に、前記ロータと前記ステータとの
間の径方向の隙間以上の軸方向の隙間が形成され、前記軸方向の隙間に、
非磁性材料の部材が配置される、請求項1に記載の回転電機。
【請求項4】前記第2部位及び前記第3部位のうちの少なくともいずれか一
方に向けて冷媒を供給する冷媒供給手段を更に備える、請求項1から3の
うちのいずれか1項に記載の回転電機。
・2025-01-08 熱電発電装置(割愛)

・2022-12-15 燃料電池システム(同上)
🪄自動車製造とは面白いねぇ。幅がと奥行きがあって😅

✅ ペロブスカイト太陽電池の大面積化
・特開2017-188668 大面積ペロブスカイトフィルム、ペロブスカ
 イト太陽電池モジュールの製造方法及びその製造方法 国立中央大学

【要約】下図1のごとく、大面積ペロブスカイト膜の製造方法は、導電基板
に前駆体溶液を供給することで、フィルムを形成するステップと、前記フ
ィルムを逆溶剤に浸漬するか、赤外線で前記フィルムを加熱することによ
って、ペロブスカイト膜を形成するステップとを備え、前記ペロブスカイ
ト膜を構成するペロブスカイトの一般式はABX3で示され、前駆体溶液の
溶質には少なくともA、B、及びXが含まれ、ペロブスカイト膜のペロブ
スカイト結晶は導電基板上に連続且つ均一に分布されるとともに、ペロブ
スカイト結晶の分布面積は5cm2〜10000cm2であり、導電基板の
面積は5cm2〜10000cm2であることを特徴とする大面積且つ均一
なペロブスカイト膜及びその太陽電池モジュールの製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】【0001】
 本発明は、ペロブスカイト膜及びペロブスカイト太陽電池モジュール、
並びにその製造方法に関し、特に、大面積ペロブスカイト膜及びペロブス
カイト太陽電池モジュール、並びにその製造方法に関する。
【背景技術】【0002】
近年、エネルギー使用量の上昇が続いているとともに、大量に使用される
石油化学エネルギーは地球温暖化、気候変動により多大な災害を引き起こ
すため、地球環境に悪影響のない代替エネルギー源を見つけることが、現
在重要な課題の1つとなっている。最近注目されているのは、水力、風力、
太陽エネルギー、及び地熱エネルギーなどであり、とくに太陽エネルギー
は、低汚染、低環境破壊及び高安全性などの利点を有することから、最も
期待されている。
【0003】 ペロブスカイト太陽電池(perovskite solar cell)では、ペ
ロブスカイト(Perovskit e)膜を太陽電池の活性層(Active Layer、また、
光吸収層とも呼ばれる)の光起電力素子としている。ペロブスカイト材料は、
可視光に対する吸収率が高く、且つ光吸収範囲が広く、少量の材料を使用
するだけで高い短絡電流を生成できると同時に、電池素子としても高い開
放電圧を有するので、ペロブスカイト太陽電池は優れた電力変換効率(Po‐
wer Conversion Efficiency,PCE)を有し、ペロブスカイト太陽電池に用
いられるペロブスカイト膜は薄いため、材料コストも低くで済む。
【0004】従来のモジュール式のペロブスカイト太陽電池の製造技術に
おいては、それらの技術によって製造された大面積ペロブスカイト活性層
の連続性及び均一性は良好ではなく、且つ活性層内は小さな空孔を有する
ため、漏電しやすいという欠点をもたらし、また、その後の太陽電池の組
立過程で、ペロブスカイト活性層が破壊されるという欠点を有している。
これらの欠点は電池素子の電力変換効率を低下させ、且つこれに伴うヒス
テリシス現象を誘発することが多かった(ヒステリシス現象とは素子の順
方向掃引と逆方向掃引のI-V曲線が重ならないことを意味する)。
【0005】 したがって、如何にして空孔がなく、平滑で、且つ均一な
高品質の大面積ペロブスカイト膜を製造し、且つこの大面積ペロブスカイト
膜を使用して高効率のペロブスカイト太陽電池モジュールを組み立てるか
が、ペロブスカイト太陽電池モジュールを商品化させるための重要な課題
の1つである

【特許請求の範囲】
【請求項1】導電基板に前駆体溶液を供給することによって、フィルムを
形成するステップと、
 前記フィルムを逆溶剤に浸漬することによって、ペロブスカイト膜を形
成するステップとを備え、
 前記ペロブスカイト膜を構成するペロブスカイトの一般式はABX3で示
され、前記前駆体溶液の溶質には少なくともA、B、及びXが含まれ、
 前記ペロブスカイト膜のペロブスカイト結晶は前記導電基板上に連続且
つ均一に分布されるとともに、前記ペロブスカイト結晶の分布面積は5c
m2~10000cm2であり、前記導電基板の面積は5cm2~10000
cm2であることを特徴とする、大面積ペロブスカイト膜の製造方法。
【請求項2】導電基板に前駆体溶液を供給することによって、フィルムを
形成するステップと、赤外線で前記フィルムを加熱することによって、ペ
ロブスカイト膜を形成するステップとを備え、
 前記ペロブスカイト膜を構成するペロブスカイトの一般式はABX3で示
され、前記前駆体溶液の溶質には少なくともA、B、及びXが含まれ、前
記ペロブスカイト膜のペロブスカイト結晶は前記導電基板上に連続且つ均
一に分布されるとともに、前記ペロブスカイト結晶の分布面積は5cm2~
10000cm2であり、前記導電基板の面積は5cm2~10000cm2
であることを特徴とする、大面積ペロブスカイト膜の製造方法。
【請求項3】前記前駆体溶液は、スロットダイコーティングによって前記
導電基板に塗布されることで、前記フィルムを形成することを特徴とする、
請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】前記逆溶剤は前記フィルムにペロブスカイト結晶を生成させ、
 前記Aは、アルカリ金属イオン、メチルアミンイオン(CH3NH3 +)、
ホルムアミジンイオン(NH2CH=NH2 +)のうちの少なくとも1つであり、
前記Bは鉛(Pb)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)のうちの少なくと
も1つであり、前記Xは、VII族元素[フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(
Br)、ヨウ素(I)]、ヘキサフルオロホスフェート(PF6)、チオシアネ
ート(SCN)のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1
に記載の製造方法。
【請求項5】前記前駆体溶液の溶剤は、ジメチルホルムアミド(DMF)、
ジメチルスルホキシド(DMSO)、ガンマブチロラクトン(GBL)、また
はその混合溶液であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造
方法。
【請求項6】前記逆溶剤は、チオフェン(thiophene)、チオフェン誘導
体、ヨードベンゼン(Iodob enzene)、ジエチルエーテル(diethyl ether)、
クロロベンゼン(CB)、ジクロロベンゼン(DCB)、トルエン(toluene)、
ベンゼン(Benzene)、またはその混合物であることを特徴とする、請求
項1に記載の製造方法。
【請求項7】前記フィルムに対してアニールすることによって、ペロブス
カイト結晶粒を大きくするステップを更に備えることを特徴とする、請求
項1または2に記載の製造方法。
【請求項8】 前記フィルムを前記逆溶剤内に浸漬することによって、前
記逆溶剤を前記フィルムに与え、前記フィルムにおいて、前記ペロブスカ
イト結晶の生成量は、前記フィルムの前記逆溶剤での浸漬時間に基づいて
決まることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】導電基板を用意するステップと、前記導電基板に第1キャリ
ア輸送層を形成するステップと、前記第1キャリア輸送層に前駆体溶液を
供給し、フィルムを形成するステップと、
前記フィルムを逆溶剤に浸漬するステップと、
前記フィルムをペロブスカイト膜に変化させるステップと、
前記フィルムに対してアニールすることによって、ペロブスカイト結晶粒
を大きくするステップと、
前記ペロブスカイト膜に第2キャリア輸送層を形成するステップと、
前記第2キャリア輸送層に電極層を形成するステップとを備え、
前記ペロブスカイトの一般式はABX3で示され、前記前駆体溶液の溶質に
は少なくともA、B、及びXが含まれ、
前記ペロブスカイト膜のペロブスカイト結晶は前記導電基板上に連続且つ
均一に分布されるとともに、前記ペロブスカイト結晶の分布面積は5cm2
~10000cm2であり、前記導電基板の面積は5cm2~10000c
m2であることを特徴とする、大面積ペロブスカイト太陽電池モジュールの
製造方法。
【請求項10】前記前駆体溶液は、スロットダイコーティングによって前
記第1キャリア輸送層に塗布されることで、前記フィルムを形成すること
を特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】前記導電基板は、透明導電性ガラス、または透明導電フレ
キシブル基板であり、前記第1キャリア輸送層は、正孔輸送層、または電
子輸送層であり、前記第2キャリア輸送層は、電子輸送層、または正孔輸
送層であり、前記電極層は、陰極層、または陽極層であり、
前記正孔輸送層の材料は、ポリエチレンジオキシチオフェン:スチレンス
ルホン酸(PE DOT:PSS)、五酸化バナジウム(V2O5)、酸化ニッケル
(NiO)、グラフェン(graphene)、硫化モリブデン(MoS)、硫化セレ
ン(SeS)、2,2',7,7'-テトラキス[N,N-ジ(4-メトキシフェニル)アミノ]-
9,9'-スピロビフルオレン(Spiro-OMeTAD)、ポリアルキルチオフェン(
polyalkyl-thiophene)、三酸化モリブデン(MoO3)のうちの1つ、また
はその組み合わせであり、
 前記電子輸送層の材料は、6,6-フェニル-C61-酪酸メチル(6,6-phenyl-
C61-butyric ac id methyl ester,PC61BM)、6,6-フェニル-C71-酪酸メチ
ル(6,6-phenyl-C71-butyric a cid methyl ester,PC71BM)、インデン-
C60ビス付加体(Indene-C60 bisadduct,ICBA
)、フラーレンC60(C60)、フラーレンC70(C70)、フッ化リチウム(
LiF)、カルシウム(Ca)、二酸化チタン(TiO2)、バソクプロイン(BC
P)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)、PEI(polyethyleni-
mine)、poly[(9,9-bis-(3'-(N,N-dimethylamino)propyl)-2,7-fluo
rene)-alt-2,7-(9,9-dioctyl- fluorene)(PFN)のうちの1つ、またはそ
の組み合わせであり、
前記電極層の材料は、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、
パラジウム(Pd)、金(Au)のうちの1つ、またはその組み合わせである
ことを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【請求項12】面積が5cm2~10000cm2である導電基板と、前記
導電基板に設置する第1キャリア輸送層と、均一で連続な膜エリアを有し、
前記膜エリアの面積が5cm2~10000cm2であるペロブスカイト膜
と、前記ペロブスカイト膜に設置する第2キャリア輸送層と、
 前記第2キャリア輸送層に設置する電極層とを備えることを特徴とする、
大面積ペロブスカイト太陽電池モジュール。
【請求項13】前記膜エリアの結晶は多結晶であることを特徴とする、請
求項12に記載の大面積ペロブスカイト太陽電池モジュール。
【請求項14】前記大面積ペロブスカイト太陽電池モジュールは、光強度
が0.1~1000mW/cm2の弱光環境に応用することができることを
特徴とする、請求項12に記載の大面積ペロブスカイト太陽電池モジュー
ル。
【請求項15】前記電極層の材料は、銀であることを特徴とする、請求項
12に記載の大面積ペロブスカイト太陽電池モジュール。
【発明の効果】
【0060】下記の表1を参照されたい。従来のペロブスカイト太陽電池
と比べて、本発明に係る上記のペロブスカイト膜を活性層とする太陽電池
モジュールの活性層面積(11cm2、キャリアより電極の面積を引いたも
の)は従来の活性層面積(4cm2)より大きく、電力変換効率(15.4
%)は従来の効率(12.6%)より増加し、曲線因子(FF、0.77)
は従来素子のFF(0.69)より10%増加した。また、従来技術に比
べて、図4に示すように、本技術分野に開発された高効率ペロブスカイト
太陽電池モジュールには電流ヒステリシス現象がない。


・特開2024-164966 太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア
構造体 マクセル株式会社
【要約
】下図21のごとく、本発明の太陽電池は高効率で、印刷工程で安価
な太陽電池が実現できる有機無機ペロブスカイト型太陽電池の課題である
水分・空気のバリア性が高いガラス同等のバリア層を有しその表面に超微
細または微細光学素子を設け反射防止と集光作用を備え光電変換層(光吸
収層)平面内に光の疎密を作ることで一層の高効率化を実現する。

図21 本発明の一実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けた第
三の実施例
【符号の説明】M…金属原子 R…有機分子 
X…ハロゲン原子又はカル
コゲン原子 1…基材 2…絶縁層からなる外枠 3…光電変換層 4…
透明電極 5…引出し配線 5´…端部(取出し部) 6…平坦化層 7…
(第一)バリア層(膜) 8…取出し電極 9…更なる配線 10…(第二
)バリア層(膜) L…引出し配線の端部からバリア層の端部までの距離
20…太陽電池セル(ユニット) 100…太陽電池素子 200…太陽
電池素子 101…基材 102、102A、102B、102C…光電
変換層(光吸収層)   L102A、L102B、L102C…光電変換層
(光吸収層)の焦点(線) 103…第一電極 104…第二電極 105
…電子輸送層   106…正孔輸送層 107…引出し配線 110A…超
光学素子   110…バリア層(膜) 200…微細光学素子 201…(
第二)バリア層(膜) 202…第一の光吸収層(光電変換層) 203…
第二の光吸収層(光電変換層)204…第三の光吸収層(光電変換層) 
210…微細光学素子

【発明の効果】
【0014】  本発明で開示された太陽電池(セル)によれば、基本構成の
外表部を覆うバリア層により空気や水分を遮蔽し、バリア層の表面に設け
た極微細形状の光学素子の作用によって光電変換効率を大幅に向上できる。
  上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らか
にされる。
  なお、以下に説明する太陽電池を構成する素材や素材が成す特定の機能を
有する複数の層の厚さや製造法について本願と直接関連しない部分につい
ての記載内容は、本願執筆時に公知となった先行出願された特許から抜粋
し本願発明がより明確になるように工夫して記載した。

【0018】  <ペロブスカイト型太陽電池の基本構成>
  ペロブスカイト型太陽電池の基本構造は、図2に示すように基材101上
に少なくとも光電変換層(光吸収層とも表記する)102とその両側に電
極104、103を備えている。太陽光が入射する側に設けた電極は透明
度が高い部材を使用することで高い光電変換効率を得る。光電変換層(光
吸収層)102が有機無機ペロブスカイト化合物を含む太陽電池の光電変
換効率を向上させる技術手段について、材料や層間の伝導度や密着性を高
める材料の検討は先行メーカで鋭意進められてきたが、生産性を向上のた
めに太陽電池の大型化や大面積化の検討を進めている。しかしながら、太
陽電池の大面積化に伴ない空気や水分のバリア性の確保及び抵抗(電気抵
抗)の高い透明電極の面積も大きくなり、充分な光電変換効率が得られな
いという新たな問題が浮上した。


図2 ペロブスカイト型太陽電池の基本構造を模式的に示す断面図

【0019】  上述した電気抵抗を低減するために図3に示す太陽電池100
では透明電極104上に、例えば銀ペースト等を用いて形成される線状(
複数本の線状)、格子状、網目状等の引出し配線107を設けている。こ
の結果、透明電極104が大面積化しても抵抗値が小さいため素子内部損
失が低減され結果として高い光電変換効率が得られる。一方、有機無機ペ
ロブスカイト化合物は水分に非常に弱いため、光電変換層(光吸収層)
102が有機無機ペロブスカイト化合物を含む太陽電池では、他の太陽電
池(例えば、多結晶シリコン太陽電池であるCIGS太陽電池等)と比べ
て大気中の水分の浸入による光電変換層(光吸収層)102の劣化が問題
となるためこの対策技術として図4に示した後述する本願発明が生まれた。


図3.透明電極上に引出し配線が設けられたペロブスカイト型太陽電池の基
本構造を示す断面図


図4.本発明の一実施例に係る引出し配線の端部(取出し部)がバリア層に
覆われた太陽電池を模式的に示す断面図

【0020】  〈バリア構造〉
  上述したように引出し配線部分も水分が透過しやすいことから、大気中の
水分の浸入を抑制するためには、例えば、図4に示すように、太陽電池
200において、引出し配線107を遮蔽材で覆って封止するバリア層110
を設ける。
【0021】  さらに太陽電池のセル(ユニット)として引出し配線は、電
流の取出しのためにその端部(取出し部)のみはバリア層に覆われず露出
している必要がある。そのため、例えば、図5に示すように、引出し配線
5の端部(取出し部)5´のみはバリア層に覆われず露出される。本願発明
の太陽電池の一例について、模式的にその上面図(図5(A))及び断面
図(図5(B))を示す。図5に示した太陽電池セル(ユニット)20にお
いては、基材1上に、光電変換層(光吸収層)3と透明電極4とが設けら
れており、透明電極4上に引出し配線5を設け、引出し配線5を覆って封
止する第一バリア層7を設ける。ただし、引出し配線5の端部(取出し部)
5´は、第一バリア層7に覆われず露出している。このため太陽電池セル20
全体を第二バリア層10で覆って空気や水分の遮断性能を向上させること
が好ましい。なお、上記引出し配線5の端部とは、上記引出し配線の電流
の取り出しのための取出し電極に近い側の端部を意味する。図5では、上
記引出し配線5の端部5´が上記取出し電極としての機能を兼ねている。


図5 本発明の一実施例に係る太陽電池のユニットの引出し配線の端部(
取出し部)がバリア層に覆われた太陽電池構造を模式的に示す上面図と断
面図           
                           この項つづく

 新年の楽曲 
      『USJ ヴァイオリン・トリオ 2016 ビバルディ「四季」冬』


 今日の言葉: 明朝は、室内ウォーキングマシンのメンテだ。

 

                 春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                          春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                             (因果報応の季節風)より


                          

 

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エネルギーと環境 99

2025年01月07日 | リスク・インパクト・マネージメント

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。



✳️ 実用熱電材料の熱伝導率が低い理由を解明
1月6日北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の研究グループは,レー
ザーラマン散乱分光法を実用熱電材料(ビスマス-テルル-セレン系材料)
に適用し,4次以上の高次の非調和格子振動がほとんど存在しないことを
実証。
◾熱電変換技術には,熱電素子に直流電流を流すと素子の両端でそれぞれ
吸発熱がおこるペルチェ効果と,素子に温度差をつけると電圧が発生する
ゼーベック効果がある。特にペルチェ効果は,光通信用レーザーダイオー
ドの温度制御にも使用されている。このビスマス-テルル-セレン系の熱電
材料は低い熱伝導率が特長で,優れた熱電性能を持つ。電気の良導体にも
かかわらず,窓ガラスのような絶縁体と同等の熱伝導率(約1W/mK)を
示すが,その原因はよくわかっていなかった

研究では,レーザーラマン散乱分光法を適用した。レーザーラマン散乱分
光法は,物質中の格子振動のエネルギーを測定するだけでなく,散乱光ピ
ークのピーク幅を解析することにより,格子振動の緩和時間に関する情報
が得られ。得られた振動エネルギーから,どの振動パターンがどのよう
なエネルギーを持っているかを推測することもできる。

研究グループは温度可変ラマン散乱分光器を用いて,ビスマス-テルル-セ
レン系材料のラマン散乱スペクトルを広い温度範囲で測定し,その変化を
詳細に解析した。スペクトルは3本のピーク(一つ一つが格子振動のエネル
ギーに対応)からなっており,その半値幅を温度に対してプロットすると,
温度の上昇とともにほとんど直線的に増加している。
pr20250106-13.png
図3.実測された熱電材料Bi2Te3のラマンスペクトルの一例。特徴的な3本
のピーク(A1gおよびEgモード)が観測される。黒点が測定値、赤線はフィ
ッテイング曲線である。

pr20250106-14.png
図4.ラマンピークの半値幅の温度依存性の一例。温度の上昇とともに、ほ
とんど直線的に半値幅が広くなっていることが分かる。4次の非調和項が含
まれる場合は、この振る舞いが下凸の曲線となる。

この温度変化を解析すると,「格子振動には非調和成分が存在するが,そ
れは3次までの振動であり,4次以上の非調和振動は存在しない」ことが明
らかになった。4次の非調和振動は近似的には大きな振幅をもった格子振
動に対応するため,この結果は,「大振動振幅が熱の流れを阻害すること
は,ビスマス-テルル-セレン系材料の低熱伝導率の原因ではない」ことを
示し,むしろ構成元素が重元素であることが主な理由であることを明確に
表しているという。これらの情報は,実用熱電材料の熱伝導率が低い理由
だけでなく,低い熱伝導率をもつ材料の開発に指針を与えるもの。
さらに、レーザーラマン散乱分光法が物質の熱の伝わり方を解析する有効
な手法として提示されたため,研究グループは今後,他の材料の熱測定へ
の応用も期待されるとしている。
【掲載論文】
掲載誌:Physical Review B 110, 174310(2024)
論文名:Investigation of phonon anharmonicity in Se-doped Bi2Te3 
    via temperature-dependent Raman spectroscopy
掲載日:2024年11月25日
D O I  :10.1103/PhysRevB.110.174310

ビャルケ・インゲルス / BIGが手がけるトヨタの実証都市「Woven City」が裾野市にて着工 |流行・トレンド・海外事例|TECTURE  MAG(テクチャーマガジン) | 空間デザイン・建築メディア

✳️ 「トヨタ ウーブンシティ」Phase1開始
1月7日、米国ネバダ州ラスベガスにおいて開催されている世界最大のテ
ックイベント「CES2025」のプレスカンファレンスでトヨタ自動車 豊田章
男氏が、静岡県裾野市に建設中のモビリティのテストコース「Toyota Wo‐
ven City(ウーブンシティ)」を2025年秋以降にオフィシャルローンチす
ることを発表。2024年のパリ「Viva Technology」で、ウーブン・バイ・
トヨタとして一部情報を公開。2025年のCES2025において、Phase1と呼
ばれる第1段階の概要が明らかに。ウーブンシティでは住人やビジター
をWeavers(ウィーバーズ)と呼び、「モビリティの拡張」への熱意と、
より豊かな社会を目指し未来をよりよくしていきたいという強い思いを持
ち、ウーブンシティで行なわれるインベンターズの実証へのフィードバッ
クを通じて、ウーブンシティにおける価値を共創する人と位置付けている。

ウーブンシティ Phase1基本情報 住所:静岡県裾野市御宿1117(TMEJ東富
士工場跡地) 敷地面積:約5万m2(将来は約70万8000m2) 主なタイム
ライン: 2020年年1月7日 CES2020にてコンセプト発表 2021年2月23日
Phase1地鎮祭。同年3月より造成工事を開始 2022年10月10日 Phase1安全
祈願祭。同年11月より建築工事を開始 2024年10月31日 Phase1竣工2025
年秋以降 Phase1オフィシャルローンチ 住民: 2025年秋以降トヨタやトヨ
タ関係者を中心に住み始め、Phase1では最終的に約360名が居住予定(将
来的にはエリアで2000人に拡大予定)。



「NHKニュースおはよう日本」(平日前5・0)でキャスターを務める首藤
奈知子アナウンサー(45)と情報番組「あさイチ」(月~金曜前8・15)
でMCを担当する鈴木奈穂子アナ(42)が新年の抱負を語る音声を公開。
首藤アナが「去年やっていたピラティスをやめてしまいまして。どうしよ
うかって。筋肉つけたくない?」と尋ねると、鈴木アナは「いろいろなん
か下に落ちていって…。体力つけたいです」と苦笑ていたとか。紅白は驚
きました。“菜穂子七変化”。

                   在油画中感受历史的温度——改革开放40年油画创作谈 _光明日报 _光明网
【季語と短歌:1月7日】

        粥柱残し数の子具合好し 

                  高山 宇 (赤鬼)

「冬籠りまた寄りそわんこの柱」とは芭蕉の句なり。「断薺画粥」(だん
せいがくしゅく)に想い廻らす。「萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎
花、また藤袴、朝顔の花」。豊かなる現在から、少なからずを楽しめてこ
そ豊かなりと頂くもありや。オイルショックを体験した(反インフレ闘争
をに参画した)者としては”便乗値上げ”の気配も感じなくはないが、ロシ
アーウクライナ戦争を、イスラエルーパレスチナ紛争を、即時停止させる
ことが最優先。”世界安定と平和の奪還と国連の平和維持力”を祈るのみ。


予備バッテリーはシート下トランクに!バッテリーをセット!キーを回してスイッチ入れたら・・・ボタンを押してスタンバイ!通勤・通学やちょっとしたお買い物には十分!



✳️ ガソリン不要”で快適移動! ヤマハ「超軽量スクーター」
“ガソリン不要”で快適移動! ヤマハ「超軽量スクーター」に注目! “エコ”
でスマートな「街乗り」の新定番! 高コスパな「e-Vino」とは。
ヤマハ「E-Vino(以下Eビーノ)」が2024年12月18日に開催された日本二
輪車文化協会主催の第7回「日本バイクオブザイヤー2024」電動部門で最
優秀金賞を獲得している。

コンポーネントパーツをブラックアウトし、全体のコントラストを高めて
いる。
コンパクトで丸みを帯びたフォルムは親しみやすく、大きなヘッド
ライトが街中でも目を引くデザインになっている。
シート高は715mmと低
く、足つきがよく、小柄な方も安心して乗ることができる。ま
た、車体重
量が68kgと軽量で、狭い路地や、駐車スペースでも取り回しが簡単。
足回
りは、10インチの小径タイヤと安定したサスペンションにより快適な乗り
心地を実現している。
パワーユニットは、3相ブラシレスモーターが採用
され、最大トルクを低速から発揮できるため、EVならではのスムーズな加
速が可能です。また、排気音がなく静かな走りを実現。
原付1種の速度制限
が30km/hなので、街乗りとEV特有の加速性能は相性がよく、スマートな
乗り心地を実現。

電力供給は、取り外し可能な50Vリチウムイオンバッテリーが採用されて
おり、1回の充電で約32kmの走行が可能です(使用条件により異なる)。
バッテリー充電時間は、家庭用100V電源を使用し約3時間で充電が完了。
充電1回あたりの電気代は、約15円と経済的。
機能面では、見やすいデジ
タル液晶メーターを備え、速度・バッテリー残量・走行モードなどを表示。
さらに、加速したいときや登り坂で30秒間出力特性を変化させ、パワーア
ップする「ブースト機能」が搭載されている。

✳️ 医食同根堂レシピ集 ②

食物繊維が多く含まれている食品というと、セロリやゴボウを思い浮かべ
ることが多いかもしれません。しかし同じグラム数であれば、海苔やきな
このほうが多く含まれている。(この項つづく)

✳️  ペロブスカイト太陽電池の耐久性と性能安定性を高める
ペロブスカイト太陽電池は、建物と設備の垂直面や曲面などに取り付けら
れる利点がある一方で、製造に当たりペロブスカイト結晶を成長させるこ
とが難しい点や寿命が短い点といった課題がある。そこで、これらの課題
の解消で役立つ可能性がある高機能材料を開発したキヤノンに話を聞いた。

2024年10月11日;MONOist より)

左側の図はペロブスカイト太陽電池、右側の図は新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の構造
左:ペロブスカイト太陽電池
右:新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の構造

脱炭素社会の実現に向けた有効な手段の一つとして、太陽電池の利用拡大
が進んでいる。次世代の太陽電池として注目されているのが、ペロブスカ
イト太陽電池。軽量で曲げられるほか、室内光でも発電でき、シリコン型
と比較して設置の自由度が高くなります。さらに、大掛かりな製造装置を
必要としない。設備投資コストの抑制も期待できる。しかし、ペロブスカ
イト層(光電変換層)中の結晶構造は、大気中の水分、熱、酸素などの影
響を受けやすく、耐久性が低いことが知られ、大面積のペロブスカイト太
陽電池は量産安定性が低いという課題がある。課題を解決するには、光電
変換層を被覆する膜の必要。複合機やレーザープリンターの基幹部品であ
る感光体の開発を通して培ってきた材料技術を応用し、光電変換層を被覆
する高機能材料を開発。

本材料は、従来の材料で難しかった、高い光電変換効率を維持しながら、
光電変換層を厚く被覆できる。従来の被覆層は数十nm程度であるのに対し、
本材料は100-200nmで被覆が可能。キヤノンはペロブスカイト太陽電池の
発明者である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授らとの共同研究を通じて性能
評価を行った結果、本材料がペロブスカイト太陽電池の耐久性向上に寄与
する可能性が実証され、量産安定性の向上も期待できることが確認された。
これらの課題解決により、ペロブスカイト太陽電池の普及に貢献すること
が期待されている。本材料について、宮坂特任教授は「ペロブスカイト
太陽電池の層構造の中に、この新規の高機能材料による層を追加すること
で、ペロブスカイト太陽電池の量産化に向けた課題の解決が期待できる」
と言う。キヤノンはペロブスカイト太陽電池の量産に取り組む企業との協
業を目指し、2024年6月に本材料のサンプル出荷を開始しており、さらな
る技術開発を進め、2025年の量産開始を目指。
【掲載論文】
タイトル:Phthalocyanine-Based Polycrystalline Interlayer Simultaneo-
usly Realizing Charge Collection and Ion Defect Passivation for Perovs-
kite Solar Cells.
論文URL:
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2024/ta/d4ta02491e
【解説】キヤノンが開発した高機能材料を光電変換層に被覆することで、
結晶構造中の材料の分離を抑制し、ペロブスカイト太陽電池の耐久性向上
に貢献。また、新開発の材料は半導体特性を有するために高い光電変換効
率を維持しながら厚く被覆することが可能で、量産安定性向上にも期待。
新開発の高機能材料について。

新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の断面図(イメージ)

新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の断面図(想像図)

左側の図は新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の断面図の電子顕微鏡写真
左:新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の断面図の顕
  微鏡写真 *HTL、電極は未積層
右:新開発の高機能材料
経年劣化したペロブスカイト太陽電池の断面図(イメージ)
【関連特許一覧】
 ✅2024078510 ペロブスカイト結晶構造を有する光応答性ナノ粒子の
製造方法  キャノン株式会社
【概要】
解決すべき課題:高生産濃度で流動合成が可能なペロブスカイト結晶構造を
有する光応答性ナノ粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】応答性ナノ粒子の製造方法は、ハロゲン化鉛を含む第1の原料
溶液とセシウム脂肪酸を含む第2の原料溶液を輸送経路を介して加熱ミキサ
ーに連続的に輸送する第1のステップと、第1の原料溶液と第2の原料溶液
とを混合する第2のステップとを含む。選択した図面:図1



図3.

✅ 特開2024-119749 ペロブスカイト太陽電池およびその製造方法 国
  立研究開発法人物質・材料研究機構
【要約】下図1のごとく 太陽光を透過する1枚の透明基板を有し、透明基
板の第1主表面側に第1と第2の端子電極を有する第1のペロブスカイト
太陽電池
セルが形成されており、透明基板の第2主表面側に第3と第4の
端子電極を有する第2のペロブスカイト太陽電池セルが形成されており、
第1および第3の端子電極は透明基板に接しているペロブスカイト太陽電
とする。  低コストで光電変換効率および出力が高くかつコンパクトな
タンデム構造型のペロブスカイト太陽電池を提供すること。
【選択図】図1

【図1】本発明の4端子タンデム型ペロブスカイト太陽電池101aの構
造を示す模式図

【符号の説明】【0102】
2  第1の端子電極  (透明電極)3  第1のペロブスカイト層 4  第2の
端子電極 4a  透明電極 4b  電極 5  第3の端子電極  (透明電極) 
6  第2のペロブスカイト層 7  第4の端子電極  (裏面電極)11  透明
基体  (白板ガラス) 12a  第1の透明電極層  (ITO膜) 12b  
第2の透明電極層  (ITO膜) 13  第1のホール輸送層  (NiO膜)
14  表面補償帯  (SCL、MeO-2PACz層) 15  第1のペロブ
スカイト層、広バンドギャップペロブスカイト層(FA0.84Cs0.12
Rb0.04PbI2.3Br0.68) 16  第1の電子輸送層  (PCB
M膜) 17  第1のホールブロッキング層  (AZO膜) 18  透明電
極、導電性酸化膜  (ITO膜) 19  グリッド電極  (Ag) 20  保
護フィルム  (カプトンテープ) 21  第2のホール輸送層  (PEDOT
:PSS)22  第2のペロブスカイト層、狭バンドギャップペロブスカイ
ト層  (FA0.6MA0.26Cs0.1Pb0.5Sn0.5) 23
  第2の電子輸送層  (C60)24  第2のホールブロッキング層  (BC
P) 25  裏面電極  (Ag) 31  透明基板 32  第1のペロブスカ
イト太陽電池
セル 33  第2のペロブスカイト太陽電池セル 42  第3
ペロブスカイト太陽電池セル 43  第4のペロブスカイト太陽電池セル
51  ガラス基板 52  第3のITO膜 53  第3のホール輸送層  (Ni
膜) 54  表面補償帯  (MeO-2PACz層) 55  第3のペロ
ブスカイト層、広バンドギャップペロブスカイト層 56  第3の電子輸送
層  (C60MC12) 57  第3のホールブロッキング層  (AZO膜)
58  第4のITO膜 59  第4のホール輸送層  (PEDOT:PSS)
60  第4のペロブスカイト層、狭バンドギャップペロブスカイト層  (
FA0.8MA0.1Cs0.05Pb0.5Sn0.5I) 61  第4の電
子輸送層  (C60) 62  第4のホールブロッキング層  (BCP)
63  裏面電極  (銀) 101  4端子タンデム型ペロブスカイト太陽電
  (ペロブスカイト太陽電池) 101a  4端子タンデム型ペロブスカ
イト太陽電池
  (ペロブスカイト太陽電池) 103  2端子タンデム型
ロブスカイト太陽電池
  (ペロブスカイト太陽電池) 

【発明の効果】【0011】 
本発明により、低コストで光電変換効率および出力が高くかつコンパクト
なタンデム構造型のペロブスカイト太陽電池およびその製造方法が提供さ
れる。
【0084】2.光電変換特性評価
  上記作製方法によって作製したペロブスカイト太陽電池101のJ-V特
性を、AM1.5Gスペクトルフィルターを使用して1-SUN規格の条件
で測定した。
  ここで、光は広バンドギャップペロブスカイト層15が配置されている第
1のペロブスカイト太陽電池セル32側からペロブスカイト太陽電池101
に照射した。したがって、第2のペロブスカイト太陽電池セル33は、実使
用時と同じように、第1のペロブスカイト太陽電池セル32および透明基板
31を通ってきた光での光電変換評価である。その結果を表1に示す。表
1および表2には、第1のペロブスカイト太陽電池セル32と第2のペロ
ブスカイト太陽電池
セル33の各々に対して下記項目の評価結果、および
第1と第2のペロブスカイト太陽電池セルが4端子タンデム配置されてい
ペロブスカイト太陽電池101としての変換効率(Total  η)の評
価結果が示されている。その項目は、短絡電流(Jsc)、開放電圧(V
)、曲線因子(FF)、直列抵抗(R)、並列抵抗(Rsh)および変
換効率(η)である。なお、表1と表2の差は、試料の作製時期であり、表
2の方が作製時期が遅い。作製プロセス自体は変えていないが、表2の時期
の方がプロセス安定性が増し、作製途中の放置時間も少なくなっている。
【0085】  なお、製造ばらつきを評価するために、表1では、#1から
#3の同一仕様の3枚の基板を用い、同一プロセス条件で試料を作製した。
各基板には4つのチップが搭載されているので、計12チップを評価した。
表2では、#4から#6の同一仕様の3枚の基板を用い、同一プロセス条
件で試料を作製した。各基板には4つのチップが搭載されているので、計
12チップを評価した。
  また、参考までに、#2基板を用いた第1チップにおけるJ-V特性曲
線と光電変換効率ηの時間変化について測定した結果を、入射光側(Top
側)の第1ペロブスカイト太陽電池セル32の場合図11、奥側(Bot
tom側)の第2ペロブスカイト太陽電池セル33の場合図12に示す。
  ここで、両図の(a)はJ-V特性曲線、(b)は光電変換効率ηの時間
変化を示している。図(a)中のCyc1は1回目(0秒経過)、Cyc5は
5回目(80秒経過)のI-Vカーブ測定結果を表す。図(b)中のGo
は印加電圧増加方向へのI-Vスキャン、Retは印加電圧減少方向への
I-Vスキャン、そしてAveはGoとRetの平均値を示している。
【0086】 その結果、ペロブスカイト太陽電池101として、15.2
~18.4%、平均17.1%という高い変換効率ηが得られた。
  このような高い光電変換効率ηが得られたのは、光が広バンドギャップペ
ロブスカイト層15側から狭バンドギャップペロブスカイト層22側へと
入り、その光吸収の関係からフォトンの収率が高いことと、広バンドギャ
ップペロブスカイト層15側を最初に作り、その後、耐熱的な安定性が広
バンドギャップペロブスカイト層15より劣る狭バンドギャップペロブス
カイト層22を作製したことによる。なお、参考までに、実施例1の熱処
理条件一覧を表3に示す。
表1
000005
表2
000006
表3.
000007

【特許請求の範囲】
【請求項1】
  太陽光を透過する1枚の透明基板を有し、
  前記透明基板の第1主表面側に第1と第2の端子電極を有する第1の
ロブスカイト太陽電池
セルが形成されており、
  前記透明基板の第2主表面側に第3と第4の端子電極を有する第2のペロ
ブスカイト太陽電池
セルが形成されており、
  前記第1および第3の端子電極は前記透明基板に接している、ペロブス
カイト太陽電池

【請求項2】
  前記透明基板は、第1の主表面上に第1の透明電極層、および第2の主
表面上に第2の透明電極層が形成されており、
  前記第1の透明電極層は前記第1の端子電極と電気的に接触しており、
  前記第2の透明電極層は前記第3の端子電極と電気的に接触しており、
  前記第1および第2のペロブスカイト太陽電池セルは共に、電子輸送層、
ペロブスカイト層およびホール輸送層を有し、
  前記ペロブスカイト層は前記電子輸送層および前記ホール輸送層に接して
いる、請求項1記載のペロブスカイト太陽電池
【請求項3】
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルは、前記第1の端子電極に電気
的に接続する第1の透明電極層、第1のホール輸送層、第1のペロブスカイ
ト層、第1の電子輸送層、第1のホールブロッキング層および前記第2の
端子電極に電気的に接続する第1の電極層を有し、
  前記第2のペロブスカイト太陽電池セルは、前記第3の端子電極に電気的
に接続する第2の透明電極層、第2のホール輸送層、第2のペロブスカイ
ト層、第2の電子輸送層、第2のホールブロッキング層および前記第4の
端子電極に電気的に接続する第2の電極層を有する、請求項1または2に
記載のペロブスカイト太陽電池
【請求項4】
  前記第1のホール輸送層と前記第1のペロブスカイト層の間に表面補償帯
が形成されている、請求項3記載のペロブスカイト太陽電池
【請求項5】
  前記表面補償帯は、[2-(3,6-ジメトキシ-9H-カルバゾール-
9-イル)エチル]ホスホン酸からなる、請求項4記載のペロブスカイト
太陽電池

【請求項6】
  前記第1の電子輸送層側の前記第1のペロブスカイト層の表面、および前
記第2の電子輸送層側の前記第2のペロブスカイト層の表面は、共にピペ
ラジン二ヨウ化水素酸塩で修飾されている、請求項3から5の何れか1項
記載のペロブスカイト太陽電池
【請求項7】
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャッ
プは、前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンド
ギャップと異なる、請求項1から6の何れか1項記載のペロブスカイト太
陽電池

【請求項8】
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セル側が太陽光入射側であり、
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャッ
プは、前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンド
ギャップより広い、請求項1から7の何れか1項記載のペロブスカイト太
陽電池

【請求項9】
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャッ
プは、1.5eV以上3.0eV以下である、請求項8記載のペロブスカ
イト太陽電池

【請求項10】
  前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャ
ップは、1.2eV以上3.0eV以下である、請求項8または9に記載
ペロブスカイト太陽電池
【請求項11】
  前記第1および第2の端子電極に電気的に接続する第1のDC-DCコン
バータ回路と、
  前記第3および第4の端子電極に電気的に接続する第2のDC-DCコン
バータ回路を有する、請求項1から10の何れか1項記載のペロブスカイ
ト太陽電池

【請求項12】
  前記第1および第2のDC-DCコンバータ回路は、前記第1のDC-D
Cコンバータ回路の出力電流が前記第2のDC-DCコンバータ回路の出
力電流と等しくなるように出力調整がなされた回路であり、
  前記第1のDC-DCコンバータ回路の出力端子は前記第2のDC-DC
コンバータ回路の出力端子と電気的に直列に接合された、請求項11記載
ペロブスカイト太陽電池
【請求項13】
  前記第1および第2のDC-DCコンバータ回路は、前記第1のDC-D
Cコンバータ回路の出力電圧が前記第2のDC-DCコンバータ回路の出
力電圧と等しくなるように出力調整がなされた回路であり、
  前記第1のDC-DCコンバータ回路の出力端子は前記第2のDC-DC
コンバータ回路の出力端子と電気的に並列に接合された、請求項11記載
ペロブスカイト太陽電池
【請求項14】
  第1主表面および第2主表面に透明電極が形成された1枚の太陽光を透過
する透明基板を準備することと、
  第2の透明電極である前記第2主表面上に形成されている前記透明電極を
機械的接触および汚染から保護することと、
  第1の透明電極である前記第1主表面上に形成されている前記透明電極
の上に第1のペロブスカイト太陽電池セルを形成することと、
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルを形成後に、前記第2の透明電
極の上に第2のペロブスカイト太陽電池セルを形成することからなり、
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルの形成は、第1のホール輸送層
、表面補償帯層および第1のペロブスカイト層を順次形成することと、前
記第1のペロブスカイト層の表面をピペラジン二ヨウ化水素酸塩で第1の
表面処理することと、前記第1の表面処理後、第1の電子輸送層、第1の
ホールブロッキング層、第1の透明電極層およびグリッド電極を順次形成
することからなり、
  前記第2のペロブスカイト太陽電池セルの形成は、第2のホール輸送層お
よび第2のペロブスカイト層を順次形成することと、前記第2のペロブス
カイト層の表面をエチレンジアミンで第2の表面処理することと、前記第
2の表面処理後、第2の電子輸送層、第2のホールブロッキング層および
電極を順次形成することからなり、
  前記第1のペロブスカイト層は、前記第2のペロブスカイト層の材料より
バンドギャップの広い材料である、ペロブスカイト太陽電池の製造方法。
【請求項15】
  前記第2の透明電極を機械的接触および汚染から保護する方法は、前記
第2の透明電極を保護膜で覆う方法であり、前記保護膜は前記第2のホー
ル輸送層形成前に除去する、請求項14記載のペロブスカイト太陽電池
製造方法。
【請求項16】
  前記表面補償帯層は、[2-(3,6-ジメトキシ-9H-カルバゾール
-9-イル)エチル]ホスホン酸からなる、請求項14または15に記載
ペロブスカイト太陽電池の製造方法。
【請求項17】
  前記第1のホール輸送層は、スパッタリング法によって形成されるNiO
膜である、請求項14から16の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電
の製造方法。
【請求項18】
  前記表面補償帯層の形成、前記第1の表面処理、前記第1の電子輸送層
の形成、前記第1のホールブロッキング層の形成、前記第2のホール輸送
層の形成、および前記第2の表面処理の各工程において熱処理を行う、請
求項14から17の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電池の製造方法。
【請求項19】
  前記熱処理は、65℃以上120℃以下で行われる、請求項18記載の
ペロブスカイト太陽電池の製造方法。
🪄大量のデータの一部のみ掲載。眼精疲労がいやまし状態がつづく。ここ
 で私の視点は、意匠性と多様性にある。裏を返せば、生活の隅々に存在
 する発電デバイスの完成にある。(実に面白い発明ツールであると驚嘆
 している。
                           この項つづく
 今日の言葉:
                    春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                          春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                             (因果報応の季節風)より

                                                                                                 

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エネルギーと環境 98

2025年01月06日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月6日】

          結婚日忘れ叱られ松の内 

                  高山 宇 (赤鬼)

                              

✳️ 東海道新幹線の防音壁に太陽電池 JRが実証実験
JR東海は、薄くて曲げられる次世代の「ペロブスカイト太陽電池」を搭載
した東海道新幹線の防音壁の実証実験を1月から始める。沿線に連なる防音
壁の有効活用を見据えた試み。積水化学工業と共同での技術開発で、発電
した電力は新幹線の駅などでの活用を見込んでいるという。
ペロブスカイ
ト太陽電池は薄いフィルム型で、現在主流のシリコン電池よりも軽くて柔
軟なのが特長だ。壁面や窓ガラス、曲面など取り付けられる場所が広がる
利点。
東海道新幹線の防音壁は、沿線全体で約650キロにわたって設置さ
れている。日当たりのいい南側の防音壁で、線路とは反対側となる海側に
太陽電池を取り付ける想定。防音壁にガイドレールを設け、太陽電池を差
し込んで固定させる方式を開発した。
試作品を使った実証実験は、JR東海
の小牧研究施設(愛知県小牧市)などで行う。列車の通過を想定した振動
や風圧などを加えた試験をしたり、屋外環境の様々な条件下での発電性能
の評価をしたりする。実証実験の結果を踏まえ、実用化に向けた検討を進
める。       

✳️ 医食同根堂レシピ集 ⓵

 

[野菜パウダーの作り方] 野菜乾燥機と粉末機があれば簡単に作ることができます - ラボネクト株式会社-食品乾燥機や粉砕機、加工機器の販売 



✳️ アイシン ぺロブスカイト太陽電池の外販開始 
アイシンは、開発中のペロブスカイト太陽電池について、2028年度を
めどに外販を開始する。ペロブスカイト太陽電池は従来のシリコン型太陽
電池に比べて薄く軽量で、これまで設置ができなかった、建屋の壁面など
にも設置できる。来年度から、自社工場での試験のほか、協業先と連携し
社外での実証実験にも取り組み、28年度から順次外販を始める。



✳️ 再生エネ主力電源化狙う、経済効果は25年は?!
洋上風力発電の普及加速にも期待がかかる。25年度中に九電みらいエナジー
(福岡市中央区)やJパワーなどのグループが、北九州市で洋上風力発電所
の運転を始める。稼働する風車は25基、合計出力は22万キロワットと、国
内最大の洋上風力発電所となる。 4月には、三井物産や大阪ガスなどのグル
ープが新潟県の村上市と胎内市で洋上風力発電所を着工する。29年に稼働
する風車は38基、合計出力は68万キロワットとなり、北九州の3倍規模だ。
現在、日本の洋上風力の総導入量は26万キロワット。英国の1300万キロワ
ット、中国の3000万キロワットから大きく引き離されている。大規模発電
所が稼働、着工すると、日本でも洋上風力の普及に勢いが出そうだ。 また、
洋上風力は製造や建設工事による経済への恩恵も大きい。三井物産などは、
38基の設置によって経済波及効果6508億円、雇用面で3万人以上の貢献が
あると試算している。各地で洋上風力発電の建設が計画されており、地方
経済にも追い風だ。浅尾慶一郎環境相も「環境を良くすることは経済成長
につながる。脱炭素と経済成長は両立し得る」と断言する。

🎈  経済効果 化石燃料輸入減、年15兆円
再生エネを主力電源化する経済メリットについて、さまざまな分析がされ
ている。シンクタンクの地球環境戦略研究機関(IGES)が35年度の再生エ
ネ比率を60%として試算したところ、化石燃料の輸入を年15兆円低減でき
ると分析。再生エネによる発電は化石燃料が不要だ。ボイラからヒートポ
ンプへの転換、電気自動車(EV)の普及など「電化」による効果もある。
日本は22年度、化石燃料の輸入に33兆円を支払っており、15兆円削減のメ
リットは大きい。 また、IGESが系統増強や蓄電池導入、水素製造装置とい
った再生エネ普及に必要な投資額も試算したところ、50年まで年3兆9000
億―4兆6000億円だった。再生エネによる化石燃料削減額が設備投資額を
上回る。
他にも、内閣府が地域における経済効果を分析している。例えば人口5000
人弱の北海道上士幌町が地域内の全電力を再生エネにするには28億円の設
備投資が必要だが、実現すると88億円の経済波及効果が生まれる。他の地
域でも設備投資の2―4倍の経済効果があるという。 太陽光発電協会も試算
している。50年度に現状の5倍以上となる4億キロワットの太陽光発電が導
入されると、年6兆円の経済効果と51万人の雇用を誘発するという。太陽光
パネルは9割を輸入に頼るため経済メリットが乏しいと指摘されるが、設置
工事やメンテナンスは国内企業が担う。また導入量が増えるほど廃棄パネ
ルのリサイクルが発生し、国内経済に貢献する。(ニューススイッチより)

✳️ 中国制グリーントランスフォーメーション加速!
中国の新エネルギー自動車の生産台数が1000万台を突破し、生産・販売台
数は9年連続で世界一になった。
砂漠の拡大を防ぐためタクラマカン砂漠の
周辺を囲むように作られたグリーン防砂帯の「接合」が完了し、世界に先
駆けて土地劣化の「ゼロ成長」を実現した。
中国全土の炭素排出権取引市
場は二つの履行サイクルの建設運営を順調に終了し、年間二酸化炭素(CO2
排出量51億トンをカバー、世界でカバー量が最も大きい市場になった。
20
24年には経済・社会発展における「グリーンのウェイト」が上昇し続け、
目覚ましい成果を上げ、経済・社会の包括的グリーントランスフォーメー
ション(GX)の強化を推進し、発展の新たな原動力と新たな優位性を絶え
ず形成した。中国では現在、グリーン建築マークを取得した建設プロジェ
クトが2万7000件以上あり、グリーン建築が新規建設面積に占める割合が
94%に達する。24年11月には自動車生産に占める新エネルギー車の割合が
前年同期比51.1%増となり、太陽電池製品の生産量が同10.9%増となっ
たと言う。(提供/人民網日本語版より)

 三老会(Three Elders Association)のお知らせ(案)

開催日:1月25日(土)~26日(日)
時間帯:昼会 11:30~14:00
    夜会 16:30~23:00
以上、希望日と時間帯をTELで幹事まで至急連絡下さい。


 

1.特開2024-93404 水素製造装置 株式会社デンソー他
【特許請求の範囲】
【請求項1】  カソード極(21)と隔膜(22)とアノード極(23)と
が順次積層された積層体から構成される電極体(2)、及び尿素を含む水
溶液からなる電解液(3)を有する電気化学セル(4)から構成された水
素製造装置(1)であって、
上記アノード極が、上記隔膜に当接する導電
性の触媒層(231)を有する共に、上記電解液に浸漬されており、
上記
触媒層が導電性基材(233)と該導電性基材に担持されたカチオン(2
34)とを有する、水素製造装置。

【請求項2】上記カチオンがアルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類
金属イオンである、請求項1に記載の水素製造装置。

【請求項3】上記隔膜がイオン交換膜である、請求項1又は2に記載の水
素製造装置。

2.特開2024-085636 非爆発性混合ガス基質による水素細菌の培養装置
培養方法及び物質生産 国立大学法人東京工業大学
【要約】下図2A本発明によれば、水素濃度を爆発下限以下に維持した、
水素細菌を培養するための閉鎖気相循環培養装置であって、水電気分解に
よる低濃度水素を発生させるための水素供給部;二酸化炭素供給部;空気
供給部;水素細菌を培養するための培養液を含有する細胞培養リアクター;
及び気相循環を確立するための循環流路を備えた閉鎖気相循環培養装置が
提供される。さらに、本発明は、上記閉鎖気相循環培養装置の使用に基づ
く、水素濃度を爆発下限以下に維持した水素細菌の培養方法を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】  水素濃度を爆発下限以下に維持した、水素細菌を培養するた
めの閉鎖気相循環培養装置であって、  水電気分解による低濃度水素を発生
させるための水素供給部;
  二酸化炭素供給部;
  空気供給部;
  水素細菌を培養するための培養液を含有する細胞培養リアクター;及び
  気相循環を確立するための循環流路
を備えた閉鎖気相循環培養装置。
【請求項2】水素供給部が固体高分子型水電解リアクターである、請求項
1に記載の閉鎖気相循環培養装置。
【請求項3】気相循環のためにポンプを備える、請求項1又は2に記載の
閉鎖気相循環培養装置。
【請求項4】循環流路中の混合ガスが水素、二酸化炭素、ならびに送出さ
れる空気中の酸素及び窒素からなり、水素、二酸化炭素、酸素及び窒素の
組成比が1:3~5:3~5:20~30である、請求項1~3のいずれ
か1項に記載の閉鎖気相循環培養装置。
【請求項5】水素細菌が、クプリアヴィダス(Cupriavidus)
属、ラルストニア(Ralstonia)属、アルカリゲネス(Alca
ligenes)属、ワウテルシア(Wautersia)属、シュード
モナス(Pseudomonas)属、バチラス(Bacillus属)、
パラコッカス(Paracoccus)属、ノカルディア(Nocard
ia)属、ヒドロゲノバクター(Hydrogenobacter)属、
ヒドロゲノフィラス(Hydrogenophilus)属、ヒドロゲノ
ビブリオ(Hydrogenovibrio)属、ヒドロゲノファーガ(
Hydrogenophaga)属のいずれかに属する菌株、又は該菌株
にポリ(3-ヒドロキシブタン酸-co-3-ヒドロキシヘキサン酸)生
産能を付与した組換え株である、請求項1~4のいずれか1項に記載の閉
鎖気相循環培養装置。
【請求項6】菌株が、クプリアヴィダス・ネカトール(Cupriavi
dus  necator)株若しくはポリ(3-ヒドロキシブタン酸-co
-3-ヒドロキシヘキサン酸)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス
・ネカトール株である、請求項5に記載の閉鎖気相循環培養装置。
【請求項7】  クプリアヴィダス・ネカトール株がH16株(DSM428)
である、請求項6に記載の閉鎖気相循環培養装置。
【請求項8】組換えクプリアヴィダス・ネカトール株が、H16株の改変
株であるMF01株、MF02株、MF03株、MF04株、NSDG株、
NSDGΔA株、MF01ΔB1株、MF01ΔB1B3株、NSDG-G
G株、又はNSDG-GGΔB1株である、請求項6に記載の閉鎖気相循
環培養装置。
【請求項9】請求項1~8のいずれか1項に定義される閉鎖気相循環培養
装置を用いる水素細菌の培養方法。
【請求項10】請求項9に定義される培養方法を用いる、ポリ(3-ヒド
ロキシブタン酸-co-3-ヒドロキシヘキサン酸)生産能を付与した組
換え株からポリ(3-ヒドロキシブタン酸-co-3-ヒドロキシヘキサン
酸)を製造する方法。  

2.特許第7454825号 細孔フィリング膜、燃料電池、及び電解装置 日本
化薬株式会社他
【要約】化学的耐久性、及び機械的強度に優れた細孔フィリング膜、当該
細孔フィリング膜を備え耐久性に優れた燃料電池、及び電解装置を提供す
ること。多孔基材と、ポリアリーレンポリマーを有し、前記ポリアリーレ
ンポリマーが、前記多孔基材の細孔内に充填されている、細孔フィリング
膜。



【符号の説明】
【0154】 1:水電解装置、  5:電解質膜(細孔フィリング膜)、  6:
セル、  7:電源、  8:膜電極接合体、  10:陽極(アノード電極)、 
 11:アノード触媒、  12:第1の拡散層、  13:セパレータ、  14:
ガス流路、  20:陰極(カソード電極)、  21:カソード触媒、  22:
第2の拡散層、  23:セパレータ、  24:ガス流路、  30,40:ア
ノード触媒、  31,41:ニッケルフォーム、  32:酸化ニッケル層、
  33:NiFeを含む層、  42:リン化物層、  50:カソード触媒、  
51:メタル又はメタルアロイの多孔体、  52:Ruと金属リン化物と
を含む層、  60:燃料電池、  65:電解質膜(細孔フィリング膜)、  
66:セル、  67:外部回路、  68:膜電極接合体、  70:アノード
ユニット、  71:アノード触媒層、  72:拡散層、  73:セパレータ、  
74:ガス流路、  80:カソードユニット、  81:カソード触媒層、
83:セパレータ、  84:ガス流路
【0153】この出願は、2022年5月19日に出願された日本出願特
願2022-082500を基礎とする優先権を主張し、その開示の全て
をここに取り込む。

3.特願2022-147697 触媒、触媒の製造方法、電極用触媒層、膜電極接合
体、及び水電解装置 国立大学法人東京工業大学
【要約】
【課題】下記式(1)又は式(2)の組成からなる結晶粒子を含む、触媒
である。
  Ni          (1)
  Fe          (2)
  但し、aは0.1~0.25であり、bは0.15~0.25であり、c
は1-a-bであり、dは0.1~0.3であり、eは0.05~0.25
であり、fは1-d-eである。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】  下記式(1)又は式(2)の組成からなる結晶粒子を含む、触媒。
  Ni          (1)
  Fe          (2)
  但し、は0.1~0.25であり、bは0.15~0.25であり、c
は1-a-bであり、dは0.1~0.3であり、eは0.05~0.25
であり、fは1-d-eである。

【請求項2】  前記結晶粒子が、Ni(PO、Ni(P)、
Ni(P12)、FePO、Fe(PO)又はFe(P
で表される組成を有する、請求項1に記載の触媒。

【請求項3】  BET比表面積が2m-1以上である、請求項1に記載
の触媒。

【請求項4】  平均粒径が300nm以下である、請求項1に記載の触媒。
【請求項5】  酸素発生反応に用いる、請求項1に記載の触媒。
【請求項6】  請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒の製造方法であっ
て、
水に、鉄又はニッケルを含むイオン性化合物と、リン酸二水素アンモ
ニウム又はリン酸水素二アンモニウムと、多価カルボン酸化合物とを溶解
して溶液を調製し、
前記溶液の水を蒸発させ乾燥物とし、
  前記乾燥物を、空気中、大気圧下において、600~900℃で、1~
12時間焼成する、
  触媒の製造方法。
【請求項7】 前記イオン性化合物が、硝酸鉄、酢酸鉄、炭酸鉄、硝酸ニッ
ケル、酢酸ニッケル、及び炭酸ニッケルから選択される、請求項6に記載
の触媒の製造方法。

【請求項8】前記多価カルボン酸化合物が、リンゴ酸、アスパラギン酸、
クエン酸、酒石酸、及びグルタミン酸から選択される、請求項6に記載の
触媒の製造方法。

【請求項9】請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒と、バインダー成
分とを含有する、電極用触媒層。

【請求項10】  アノード触媒層とカソード触媒層と、前記アノード触媒層
と前記カソード触媒層との間に配置された電解質膜とを備え、
前記アノー
ド触媒層が請求項9に記載の電極用触媒層である、膜電極接合体。
【請求項11】  アノード触媒層を有する陽極と、  カソード触媒層を有す
る陰極と、
  前記アノード触媒層と前記カソード触媒層との間に配置された
電解質膜と、
前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源と、前記陰
極又は前記陽極の少なくとも一方に、水又はアルカリ水溶液を供給する水
供給部と、
を備え、前記アノード触媒層が請求項9に記載の電極用触媒層
ある、水電解装置。
🪄エネルギーと環境市場を制すれば世界を制することができる。これはわ
 たしの長年の野望😅で、その橋渡しが使命(ミッション)。それが手に
 届くような感覚を覚え身震いする昨今。粛々と進めていきたい。
⛑️ その前に体力作り、食物繊維加工技術は欠かせない。これは明日も取
  も挙げたい。

 

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 今日の言葉:
講談社現代新書<br> 首都防衛

講談社現代新書
首都防衛 
著者:宮地美陽子
1976年、千葉県生まれ。成蹊高校、早稲田大学商学部卒。大学柔道部
で二段取得。南カリフォルニア大学(USC)交換留学。全国紙記者を経
て、2016年8月から東京都知事政務担当特別秘書。防災士※書籍に掲
載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介
情報。

出版社内容情報
首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山大噴火……
過去にも一度起きた「恐怖の大連動」は、東京・日本をどう壊すのか?
命を守るために、いま何をやるべきか?
最新データや数々の専門家の知見から明らかになった、
知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」とは――。

【本書のおもな内容】
●320年ほど前に起きた「前代未聞の大災害」
●首都直下地震で帰宅困難者453万人、6000人が犠牲に
●朝・昼・夕で被害はどれだけ違うのか?
●南海トラフが富士山噴火と首都直下地震を呼び起こす
●なぜ「足立区」が一番危ないのか?
●「7秒」が生死を分ける、半数は家で亡くなる
●大震災で多くの人が最も必要と感じる情報とは?
●国や都の機能が緊急時に「立川」に移るワケ
●そもそも地震は「予知」できるのか?
●「内陸直下の地震」と「海溝型の地震」は何が違うのか?
●エレベーター乗車前に「すべきこと」
●半年に1度の家族会議をする地震学者
●なぜ「耐震改修」が進まないのか?
●弾道ミサイルから逃げられない事情
●天気はコントロールできるのか……ほか

                春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                          春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                             (因果報応の季節風)より


                          


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エネルギーと環境 97

2025年01月05日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月5日】

         峰々の百川湛え初琵琶湖 

                  高山 宇 (赤鬼)


                      巳年 イラスト に対する画像結果

【完全循環水電解水素製造技術概論 ⑳】
【最新特許事例研究】
1. 特表2024-515943 アニオン交換膜を利用する水電解装置 ⓶
  グリーンライザー  ユーエス,インコーポレイティド
【要約】 水電解装置には、少なくとも2つの電気化学セルを含む電解装置
スタックが含まれる。各セルは、アニオン交 換膜、卑金属アノード電解触
媒、卑金属カソード電解触 媒および、分流がスタックに供給される総電流
の1%未 満になるような隣接セル間の充分に長いイオン伝導経路 、を含
む。

【詳細な説明】 本明細書中で使用される「ピリジニウム」なる用語は、
ピリジン基を含有する正荷電リ ガンドを意味する。これには、素のピリジ
ンまたは置換ピリジンが含まれる。
【化2】

という形態のリガンドが具体的に含まれ、ここで、R6~R11は各々独
立して、水素、 ハロゲン化物、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキ
ル、ヘテロアルキル、アリール 、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘ
テロアルキルアリールおよびそれらのポリマ、 例えば本明細書中に記載の
ビニルベンジルコポリマの中から選択される。
【0051】本明細書中で使用される「ホスホニウム」なる用語は、リン
を含有する正荷電リガンド を意味する。これには、置換リンが含まれる。
  P+(R12R13R14R15)
という形態のリガンドが具体的に含まれ、ここで、R12~R15は各々
独立して、水素 、ハロゲン化物、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アル
キル、ヘテロアルキル、アリー ル、ヘテロアリール、アルキルアリール、
ヘテロアルキルアリールおよびそれらのポリマ 、例えば本明細書中に記載
のビニルベンジルコポリマの中から選択される。
【0052】 本明細書中で使用される「ピペリジニウム」なる用語は、
【化3】

という形態の正荷電リガンドを意味し、ここで、R19~R25は各々独
立して、水素、 ハロゲン化物、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキ
ル、ヘテロアルキル、アリール 、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘ
テロアルキルアリールおよびそれらのポリマ、 例えば本明細書中に記載の
ビニルベンジルコポリマの中から選択される。
【0053】 本明細書中で使用される「正荷電環状アミン」なる用語は、
環状アミンを含有する正荷電リガンドを意味する。これには具体的に、イ
ミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウ ム、ピロリジニウム、ピロリウ
ム、ピリミジウム、ピペリジニウム、インドリウム、トリアジニウム、お
よびそれらのポリマ、例えば本明細書中に記載のビニルベンジルコポリマ 
が含まれる。
【0054】本明細書中で使用される「単純なアミン」なる用語は:N(
R16R17R18)という形態の種を意味し、ここで、R16~R18
は各々独立して、水素、直鎖アルキル 、分岐アルキル、環状アルキル、ヘ
テロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキル アリール、ヘテロア
ルキルアリールの中から選択されるが、ポリマは選択されない。
【0055】本明細書中で使用される「貴金属」なる用語は、Ru、Rh、
Pd、Ag、Re、Os 、Ir、PtおよびAuのうちの1つ以上を意味
する。
【0056】本明細書中で使用される「卑金属触媒」なる用語は、実質的
に貴金属を含まない触媒を意味する。
【0057】本明細書中で使用される「分流」なる用語は、膜を通してで
はなくむしろ隣接するセル間の流体連結を通る経路をたどるスタックに印
加された電流の一部分を意味する。電流は 、連結部内の流体を通ってかま
たは導管および接続金具(fitting)を通って伝達され得る。
【0058】本明細書中で使用される「双極板」なる用語は、1つのセル
のためのカソードまたはカソード流動場およびスタック内の隣接するセル
のためのアノードまたはアノード流動場として役立つ単一の導電性板であ
る。
【0059】本明細書中で使用される「隣接するセルのアノード間の最短
イオン伝導経路」なる用語は、所与のセルのアノードからそして隣接する
セルのアノードまでの最短イオン伝導経路を意味する。
【0060】本水電解装置」なる用語は、電気を使用して水を分解し水素
を製造するためのデバイスである。
【0061】アルカリ水電解装置またはアニオン交換膜(AEM)水電解
装置の全てではないにせよ大部分の実施形態において、水素は以下の反応
を通して生成される:
 2H2O+2e-→H2+2OH
【0062】プロトン交換膜(PEM)電解装置の全てではないにせよ大
部分の実施形態において、水素は以下の反応を通して生成される:
 2H++2e-→H2
【実施例】【0063】
 具体例1
この実施例の目的は、0.1S/cm超の伝導率を有する溶液が補給され
るときに低い 分流を有する電解装置設計を提供することにある。
【0064】図1A(掲載前出)は、3セル電解装置スタックの略図を示
す。スタックは、以下のものからなる:
(a)アノード101aおよびカソード101cを含む電解装置セル101、
(b)アノード102aおよびカソード102cを含む電解装置セル102、
(c)アノード103aおよびカソード103cを含む電解装置セル103、
(d)アノード入口マニホルド110、
(e)それぞれのアノード101a、102aおよび103aに対してア
ノード入口マニ ホルド110を連結するパイプ111、112および113、
(f)カソード入口マニホルド120、
(g)カソード101cにカソード入口マニホルド120を連結するパイ
プ121。カソード入口マニホルド120をそれぞれのカソード102c
および103cに連結する、122および123と番号付けされたパイプ
(図1Aでは隠れている)も存在する。
(h)アノード出口マニホルド130、
(i)アノード出口マニホルド130をそれぞれのアノード101a、1
02aおよび103aに連結するパイプ131、132および133、
(j)カソード出口マニホルド140および、
(k)カソード出口マニホルド140をそれぞれのカソード101c、1
02cおよび103cに連結するパイプ141、142、および143。
【0065】カソード101cは、アノード102aと電気的接触状態に
ある。カソード102cはアノード103aと電気的接触状態にある。図
1Aは、隣接するアノードおよびカソード (例えばカソード101cおよ
びアノード102a)を別個の構成要素として示しているが、隣接する構
成要素を単一の双極板に組合せることができる。
【実施例】【0063】
 具体例1
 この実施例の目的は、0.1S/cm超の伝導率を有する溶液が補給さ
れるときに低い 分流を有する電解装置設計を提供することにある。
【0064】図1Aは、3セル電解装置スタックの略図を示す。スタック
は、以下のものからなる:
(a)アノード101aおよびカソード101cを含む電解装置セル101、
(b)アノード102aおよびカソード102cを含む電解装置セル102、
(c)アノード103aおよびカソード103cを含む電解装置セル103、
(d)アノード入口マニホルド110、
(e)それぞれのアノード101a、102aおよび103aに対してア
ノード入口マニホルド110を連結するパイプ111、112および113、
(f)カソード入口マニホルド120、
(g)カソード101cにカソード入口マニホルド120を連結するパイ
プ121。カソ ード入口マニホルド120をそれぞれのカソード102c
および103cに連結する、122および123と番号付けされたパイプ
(図1Aでは隠れている)も存在する。
(h)アノード出口マニホルド130、
(i)アノード出口マニホルド130をそれぞれのアノード101a、1
02aおよび103aに連結するパイプ131、132および133、
(j)カソード出口マニホルド140および、
(k)カソード出口マニホルド140をそれぞれのカソード101c、1
02cおよび1 03cに連結するパイプ141、142、および143。
【0065】カソード101cは、アノード102aと電気的接触状態に
ある。カソード102cは アノード103aと電気的接触状態にある。図
1Aは、隣接するアノードおよびカソード (例えばカソード101cおよ
びアノード102a)を別個の構成要素として示している が、隣接する構
成要素を単一の双極板に組合せることができる。

【0066】図2は、図1A中に例示されたスタック内のセルのうちの1
つのセルを分
解したものを例示する。セル30は、剛性流動場板34およ
び36の間に間置された膜電極アセンブリ32を含む。膜電極アセンブリ
32は、2つのガス拡散層(GDL)、すなわちアノード GDL44およ
びカソードGDL46の間に間置されたアニオン交換膜42を含む。アノ
ードGDL44およびカソードGDL46は典型的に、炭素繊維紙または
ニッケル繊維紙 などの多孔質導電性シート材料で形成され、平面状の主要
表面を有する。アノードGDL44およびカソードGDL46は、膜42
との界面でそれらの主要表面上に配置された触媒材料の薄層を有し、これ
らの表面を電気化学的に活性なものにしている。アノード流動場板34は、
膜電極アセンブリ32に対面するその主要表面の中に形成された少なくと
も1つの開放面チャネル34aを有する。同様にして、カソード流動場板
36は、膜電極アセンブリ32に対面するその主要表面の中に形成された
少なくとも1つの開放面チャネル36aを有する。アノードGDL44と
カソードGDL46の協働する表面に接して組立てられた場合、チャネル
34aおよび36aは、それぞれアノード反応物質(燃料)流およびカソ
ード反応物質(酸化剤)流のための反応物質の流動場通路を形成する。
【0067】セルは同様に、GDLと流動板の間に、金属メッシュ、有孔
金属シートまたは金属発泡体を格納し得る。最適な開口部は1~20mm
である。流動板は、その本体内に機械加工された流路を有することができ、
あるいは、平坦な板を使用することができ、金属メッシュまたは金属板は
流路として役立つ。
【0068】代替的には、膜の上に直接的に触媒材料を被着させることが
できる。
【0069】AEM水電解装置の場合、アニオン交換膜42(図2参照)
は、正荷電アミンおよび炭化水素骨格、例えば非限定的に:
i)スチレンとクロロメチルスチレンのコポリマ;
ii)ベンゼン環を含有するポリマ;
iii)フェニレン基を含有するポリマ;
iv)本質的に炭素および水素で構成されているポリマ鎖;および
v)本質的に炭素、水素およびフッ素で構成されたポリマ鎖;
を含む。典型的には、イミダゾリウム、ピペリジニウムおよび/またはピ
リジニウムなどの正荷電環状アミンが利用される。
【0070】特許文献4は、カソード上の触媒層はいかなるイオノマーも
含有すべきでないことを教示しているが、イオノマーが使用された場合、
本発明の電解装置内ではより優れた性能が見られた。膜42およびアノー
ドGDL44およびカソードGDL46が共に結合されてユニット化電極
アセンブリ(UEA)を形成する場合にも同様に、より優れた性能が見ら 
れた。
【0071】動作中、水と塩基を含む混合物がアノードおよび/またはカ
ソード入口マニホルド内に補給される。溶液は、セルを通って流動し、出
口マニホルドを通って外に出る。溶液は典型的に、8超のpHを有し、海
水、塩分および他の構成成分を含有し得る。
【0072】1A/cm2以上の高電流が望まれる場合、溶液は少なくと
も12のpHを有していな ければならない。
【0073】経験的に、溶液の伝導率が0.05S/cm超である場合に
好適な性能が得られ、溶液の伝導率が0.1~0.4S/cmである場合
に最高の性能が得られる、ということが発見された。
【0074】ひとたび溶液が流動するようになると、セルのうちの1つの
セルのアノード(例えばアノード101a)と異なるセルのカソード(例
えばカソード103c)の間に電圧が印加され、所望の電気化学的反応が
促進される。AEM水電解装置内では、カソードにおいて以下の反応が発
生する:
 2H2O+2e-→H2+2OH-(1)
このとき、水酸基は膜内を通過し、ここでこれらはアノードにおいて反応
して酸素を生成する:
 2OH-→1/2O2+H2O+2e-(2)
正味の反応は、以下のようになる:
 H2O→1/2O2+H2(3)
【0075】セルに供給された電流の全てが水素および酸素の製造に使わ
れることが極めて望ましいと思われるが、実際には、「分流」と呼ばれる
電流の一部分がMEAを迂回する。例えば 、図1Aにおいてアノード入口
マニホルド110内に流入する溶液が良導体である場合には、電流はパイ
プ111から出てアノード101aからアノード入口マニホルド110内 
へ流動し、パイプ112内に戻り、その後、セル101内のMEAを迂回
してアノード102aへと流動することができる。MEAを迂回する電流
は、いかなる反応生成物も生成しないことから無駄になり、したがって、
分流を除去または軽減することが望ましい。
【0076】先行特許文献には、電解装置内で分流を回避するためのいく
つかの方法が記載されてい る。概して、このアプローチは、隣接するセル
間の流動経路内にポリテトラフルオロエチ レン(PTFE)または他の疎
水性材料を含み入れることであった。流動経路内で電気化 学プロセス中に
生成された気泡が増大し、それによって分流が遮断される。このようなア 
プローチは、セルの入口および出口近くで充分なガスが発達する場合には
機能するが、商業規模のAEM水電解装置については、セルのカソードお
よびアノードへの入口近くにはほとんどまたは全く気泡が存在せず、溶液
の流速が高く気泡が蓄積しないことから、このアプローチは機能しない。
したがって、分流を削減するための異なるアプローチが求められる。
【0077】図1AのAEM電解装置設計は、分流を削減するために以下
の2つの異なるアプローチ を利用する:
(a)連結用管(パイプ)111、112、113、121、122、1
23、131、 132、133、141、142および143は全て非導
電材料で形成され、こうして金 属を介した電子伝導による分流の経路を除
去する。
(b)マニホルドを通って戻るイオン経路は長く、こうしてアノード101
aからアノード102aまで流動するイオンは極めて少ないものとなる。

【0078】図3は、セル101および102のアノード間の最短イオン
伝導経路を例示している。 この場合、最短伝導経路200は、接続金具近
くのアノード上の点からパイプ111を通 って下へ、アノード入口マニホ
ルド110を通り、パイプ112を通って上へ戻るように 延在する。
【0079】スタック内の各セルについて、スタック内の異なるセルのア
ノード間の最短イオン伝導経路(Lano)の長さが、
 Lano>10*t*σsol/σmem(4)
である場合、セル電流の5%未満まで分流を低下させることができる、と
いうことが発見された。なお式中、tは膜厚みであり、σsolはS/cm
単位で表わしたアノード内に補給中の溶液の伝導率であり、σmemは、動
作温度で溶液中において測定された膜のイ オン伝導率である。典型的に、
σmemは60℃で1MのKOH中において測定される。
【0080】Lanoは、以下の方法によって計算される:
(a)セルを付番する:1、2、3、・・・;
(b)全てのセル対のリストを作成する;
(c)セルiのアノードとセルjのアノードの間の最短イオン伝導経路(
Lano(i, j)、)を、スタック内の全てのセル対について計算する;
(d)Lanoは、計算された全てのLano(i,j)値の最小値に等
しい。
【0081】
 例えば、スタックが1、2、3および4と付番された4つのセルを有す
る場合、6つの セル対(1,2)、(1,3)、(1,4)、(2,3)、
(2,4)、(3,4)が存 在する。このとき、Lano(1,2)、L
ano(1,3)、Lano(1,4)、Lano (2,3)、Lano
(2,4)、Lano(3,4)が計算または測定されるであろう。La
no=最小値(Lano(1,2)、Lano(1,3)、Lano(1,
4)、Lano(2 ,3)、Lano(2,4)、Lano(3,4))。
【0082】同様にして、隣接するアノード間の分流は典型的に:
  Lano>50*t*σsol/σmem(5)
である場合、セル電流の1%未満となる。
【0083】カソード間の分流も同様に考慮しなければならない。隣接す
るカソード間の分流は:
 Lcat>10*t*σsol/σmem(6)
である場合、セル電流の5%未満となる。なお式中、Lcatは、以下の
方法によって計算されるスタック内の2つの異なるセルのカソード間の最
短イオン伝導経路の長さである :
(a)セルを付番する:1、2、3・・・;
(b)全てのセル対のリストを作成する;
(c)セルiのカソードとセルjのカソードの間の最短イオン伝導経路(
Lcat(i, j))を、スタック内の全てのセル対について計算する;
(d)Lcatは、計算された全てのLcat(i,j)値の最小値に等
しい。
【0084】同様にして、隣接するカソード間の分流は:
  Lcat>50*t*σsol/σmem(7)
である場合、セル電流の1%未満となる。
【0085】図4は、実際のAEM水電解装置の例示である。電解装置は、
セル201、202および203をカソードヘッダ220に連結するため
の長い管221、222および223を 有することに留意されたい。長い
管は、分流を最小限に抑えるかまたは少なくとも軽減する。
【0086】 具体例2
 図1Aのアノード入口マニホルド110は、スタックの外部にある。具
体例2は、入口 マニホルドがスタックの内部にあり金属板から絶縁されて
いるAEM水電解装置の代替的 設計を記述している。


【0087】 図5は、内部入口マニホルドを伴うこのような設計を例示
している。図示されているス タックは、セル301、302、303、3
04および305を含む。セル305は、以 下のものを含む:
(a)所与のセルのアノードおよび隣接するセルのカソードとして役立つ
双極板355;
(b)プラスチックフレーム365;
(c)アノードヘッダ310として役立つプラスチックフレームを通る開
口部;
(d)アノードヘッダ310とアノードGDL375の間の連結部として
役立つノッチ3 
15;
(e)アノードヘッダ310およびノッチ315から双極板355を隔離
する絶縁用ガス 
ケット385;および(f)カソードヘッダとして役立つ第2の孔320。
【0088】
 このような場合、最短イオン伝導経路は隣接するアノード/双極板の間
にない可能性が ある。その代りに、最短イオン伝導経路は、1つのセル内
のアノードGDLと第2のセル 内のアノードGDLの間にあり得る。その
場合、等式4、5、6および7を以下の等式で 置き換える必要がある:
 LGDLA>10*t*σsol/σmem  (8)
 LGDLA>50*t*σsol/σmem  (9)
 LGDLC>10*t*σsol/σmem  (10)
 LGDLC>50*t*σsol/σmem  (11)
 なお式中、LGDLAは、スタック内の1つのセルのアノードGDLと
スタック内の別 のセル中のアノードGDLの間の最短イオン伝導経路の長
さである。LGDLCは、スタ ック内の1つのセルのカソードGDLとス
タック内の別のセル内のカソードGDLの間の 最短イオン伝導経路の長さ
である。
【0089】 LGDLAは、以下の方法によって計算される:
(a)セルを付番する:1、2、3、・・・;
(b)全てのセル対のリストを作成する;
(c)セルiのアノードGDLとセルjのアノードGDLの間の最短イオ
ン伝導経路(LGDLA(i,j))を、スタック内の全てのセル対につ
いて計算する;
(d)LGDLAは、計算された全てのLGDLA(i,j)値の最小値に
等しい。
【0090】 LGDLCは、以下の方法によって計算される:
(a)セルを付番する:1、2、3、・・・;
(b)全てのセル対のリストを作成する;
(c)セルiのカソードGDLとセルjのカソードGDLの間の最短イオ
ン伝導経路(LGDLC(i,j))を、スタック内の全てのセル対につ
いて計算する;
(d)LGDLCは、計算された全てのLGDLC(i,j)値の最小値
に等しい。
【0091】
 等式9および11が満たされた場合、分流は総セル電流の1%未満となる。
【0092】
 本発明の特定の要素、実施形態および利用分野が図示され説明されてき
たが、本発明は それに限定されず、当業者であれば特に以上の教示に照ら
して本開示の範囲から逸脱する ことなく修正を行なうことができることが
理解される。
【0093】以上に示された実施例は、単なる例示であり、当該電気化学
デバイスの考えられる全ての実施形態、利用分野または修正の網羅的リス
トであるように意図されたものではない。したがって、当業者には、本発
明の範囲または精神から逸脱することなく本発明の記述された方法および
システムのさまざまな修正および変形形態が明らかとなるものである。本 
発明は、具体的実施形態に関連して説明されてきたものの、請求されてい
る通りの本発明はこのような具体的実施形態に不当に限定されるべきでは
ないということを理解すべきである。実際、本発明の実施を目的とする、
記載されている態様のさまざまな修正が化学技術または関連分野の当業者
にとって明白であり、添付クレームの範囲内に入るように意図されている。

 
 

✳️ レアメタルフリー・高効率な水電解酸素生成触媒
       層間に局在する陰イオンが普遍金属である鉄を活性化
12月5日 ,東京科学大学の研究グループは、酸フッ化物Pb3Fe2O5F2が、同
じ元素で構成され結晶構造の異なるPbFeO2Fよりも非常に高い酸素生成活
性を持つことを発見。詳細な解析の結果、層状ペロブスカイト構造を持つ
Pb3Fe2O5F2の層間に局在するフッ素(F)の高い電子求引性[が酸素生成の
活性点の鉄(Fe)に作用することで高い活性が得られることを明らかにし
ている。これにより、貴金属・希少金属を使わず、陰イオンの組み合わせ
で酸素生成電極触媒の活性を向上させる構造設計指針を新たに示している。
この研究は、研究グループは、リンゴ酸を用いたゾル-ゲル法[と呼ばれる
固体材料合成法を活用することで、鉄原子同士が近接する構造で結晶化し
た鉄とカルシウムを含む複合酸化物触媒CaFe2O4を合成図2)。このCaFe2
O4について、密度汎関数理論(DFT) による第一原理計算により、水電解
の正極反応の反応中間体を解析したところ、CaFe2O4粒子表面で近接する
鉄3原子が反応サイトを担い、反応中間体が橋掛け構造を形成した吸着構造
を有するという特異な反応メカニズム(multi-iron-siteメカニズム)の存
在が明らかにした(図3)。このmulti-iron-siteメカニズムと、鉄1原子が
反応サイトとなる既知のメカニズムを比較したところ、multi-iron-siteメ
カニズムを経由する反応のほうがエネルギー的に有利であることがわかり
CaFe2O4が触媒として高い性能を有することを予測している。
【掲載論文】

・Titol:
Efficient Oxygen Evolution Electrocatalysis on CaFe2O4 and its
 Reaction Mechanism (CaFe2O4の効率的酸素発生電気化学触媒作用と
 その反応メカニズム)
・Paper:ACS Applied Energy Materials
・DOI :10.1021/acsaem.0c02710
レスリリース 極めて安価な金属で世界トップクラスの活性を持つ水電
 解用触媒を開発—持続可能な水素社会実現へ大きく前進

                            このl項了

  新年のロック・ロール『時代遅れのRock’n’Roll Band


 今日の言葉:まぁ、行けるところまで行くか?!

                春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                          春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                             (因果報応の季節風)より

 

                                                                                               

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