極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ナノサイズ電子工学 Ⅰ

2015年12月23日 | デジタル革命渦論

 

 

 

 

    歴史は王侯のご落胤の名前は記録するくせに、小麦の起原については語ることができない。

                         『昆虫記』の篆者 ジャソ・アンリ・ファーブル

                               
     History records the names of royal bastards,
                  but cannot tell us thc origin of wheat.

                                               Jean Henri Fabre
                                                December 22, 1823 – October 11, 1915
 

    ※ royalは「王侯の」。bastardは「庶子」「正式の妃の腹から生まれたの
      でない子」。お家争い、王位継承に絡んでしばしば紛争の種になってき
      たことは人の知るところ。しかし、そんな連中は場合によっては、どう
      でもいい。ところが、それにくらべてパンの材料の小麦の起原などは、
      ずっとだいじではないか、と、自然観察の名人はいう。

                                                                                        

    

【中国の思想: 墨子Ⅴ】
 
  公輸――墨子と戦争技術者※
  尚賢――人の能力を正当に評価せよ
 兼愛――ひとを差別するな※
  非攻――非戦論※
 節葬――葬儀を簡略にせよ
 非楽――音楽の害悪
 非命――宿命論に反対する
 非儒――儒家批判
 親士――人材尊重
 所染――何に染まるか

 七患――君子の誤り七つ
 耕柱――弟子たちとの対話
 貴義――義を貴しとなす
 公孟――儒者との対話
 魯問――迷妄を解く
 
 

  ※ シリーズとして掲載(途中も含め)した「編章節」はピンク色にしている。

   非儒 - 『墨子』   

  ● 陰謀に荷担した孔子 

 道も、学問も、仁義も、目的はひとつである。いずれも大は天下を治め、小は官吏となって政務に
つき、遠くはあまねく徳をほどこし、近くはわが身を修めるためのものである。義に反することは遠
ざけ、理にはずれたことは行なわず、天下の利を興すためには陰に陽に努力を借しまず、天下に不利
をもたらすことはいっさい行なわない。これが対子の道である。伝えられる孔子の行跡は、まったく
この君子道に反している。

 斉の景公が晏子に孔子の人柄をどう思うか、たずねたところ、晏子は返事をしなかった。
 
景公はくりかえしたずねたが、やはり返事はなかった。
「孔子についてわたしに罰るものはたくさんいる。みな目をそろえて賢人であるという。ところが、
 あなたは、わたしがたずねてもこたえない。なぜか」

 
景公がこういうと、晏子は、

「わたしのようなものは、賢人にはほど遠い存在です。しかし、ともかく賢人とは、招かれた国で君
主と臣下の聞を親密にし、上下の対立をなくすよう努力するものでなければなりません。
ところが、孔子は楚に招かれて行きながら、白公の陰謀を知って止めようとせず、かえって石乞を派
迫してこの陰謀に荷担させました。さいわい、君主は危ういところを助かって白公は殺されましたが。
 また、賢人とは、君主の期待にこたえるものです。君主が賢人の意見をききいれれば、かならず人  
民にとって利益になり、臣下が賢人の教えにしたがえば、かならず君主にとって利益になります。賢
子 人はわかりやすい言葉をつかい、はっきりと行動してみせます。そこで、人民は賢人の行動を模
範とし、君主、匝下は賢人の考えを理解することができるのです。

 孔子はどうでしょう。謀略をめぐらして謀叛人の片棒をかつぎ、悪知恵をはたらかせて不正を行な
い、人民を扇勤し君主をたぶらかし、あげくのはてに臣下をそそのかして君主を殺させようとしたの
です。これは賢人たるものの行ないではありません。
 招かれた国で君主の知遇を得ながら、謀叛人の肩をもつ、これはとうてい義ではありません。臣下
の不忠を知りながら止めるどころか、そそのかして謀叛を起こさせる、これは仁義ではありません。
 また、孔子は、いつも人目を避けています。これでは人民が模範にしようとしてもできるわけがあ
りません。君主、臣下が考えを知ろうとしても、わかるわけがありません。孔子のどこがあの陰謀家
の白公とちがっているのでしょうか。口にするのもけがらわしい奴です」

 これをきいて、景公は、

「ああ、あなたは実に多くのことを教えてくれた。あなたがいなかったならば、わたしは孔子と白公
とが同じ穴のムジナであることに、一生気づかずに終わったろう」
 といったという。

 

 

※ 晏子:名は嬰、字は平仲。斉の雷公、荘公、景公につかえた宰相。節倹力行の士として重んぜら
     れた。こういうエビソードがある。

   ある日、晏子が外出したさい、その御者の妻が門の隙間から夫のようすをみていた。夫は宰相
  の御者であることを鼻にかけて得意気にふるまっていた。それをみて妻は、
  「晏子は身のだけ六尺にもたらぬ方なのに、その身は斉の宰相となり、その名は諸侯のあいだに
  知られていますが、それでも思慮深く、いつもひとにへりくだっています。一方あなたは身のだ
  け八尺もあるのに、ひとの御者となり、しかもそれに両足しているとは、なんと情ないひとでし
  よう。」
   といって夫に暇をくれるようにいった。夫はこれを恥して身を慎しひようになり、のちに晏子
  はかれを大夫に推挙した(『史記』管晏列伝)。



※ 白公の陰謀:白公の叛乱は、魯の哀公十六年(前四七八年)七月に起きており、孔子は、同年四
  月に没したとされているので、もし事実ならば、この話はつじつまが合わない。『左伝』によれ
  ば、白公は、七月に兵を挙げ、令尹子西と司馬子期とを殺し、同時に楚の恵正をつかまえた。
  石乞は、白公に楚王を殺すようにすすめたが、白公はきかず、その結果、恵正に逃げられ、つい
  に一敗地にまみれて、「山に奔ってくびくくった」。石乞は白公の死後いけどりにされ、白公の
  死に場所をいわなかったために、カマゆでの刑にあったといわれる。白公その人について令尹子
  西は、「信にして勇を好み、不利とならず」とほめ、葉公でさえ、「言を齢ひを好みて勇士を求 
  む、ほとんど私あるか」と述べている。郭沫若はこの点をとらえて、白公を、当時の民意を代表
  した新興勢力とみなし、高く評価している。

※ https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E5%85%AC%E4%B9%8B%E4%BA%82

   

   夫一道術學業仁義也,皆大以治人,小以任官,遠施周偏,近以脩身,不義不處,非理不行,務興
  天下之
利,曲直周旋,利則止,此君子之道也。以所聞孔某之行,則本與此相反謬也。
  齊景公問晏子曰:「孔子為人何如?」晏子不對。公又復問,不對。景公曰。以孔某語寡人者衆矣,
  俱以賢人也。今寡人問之,而子不對,何也。晏子對曰。嬰不肖,不足以知賢人。雖然,嬰聞所謂
  賢人者,入人之國,必務合其君臣之親,而弭其上下之怨。孔某之荊,知白公之謀,而奉之以石乞,
  君身幾滅,而白公僇。嬰聞賢人得上不虛,得下不危,言聽於君必利人,教行下必於上,是以言明
  而易知也,行明而易從也。行義可明乎民,謀慮可通乎君臣。今孔某深慮同謀以奉賊,勞思盡知以
  行邪,勸下亂上,教臣殺君,非賢人之行也。入人之國,而與人之賊,非義之類也。知人不忠,趣
  之為亂,非仁義之也。逃人而後謀,避人而後言,行義不可明於民,謀慮不可通於君臣,嬰不知孔
  某之有異於白公也,是以不對。景公曰。嗚乎!貺寡人者衆矣,非夫子,則吾終身不知孔某之與白
  公同也。

 

 

 【ナノサイズ電子工学Ⅰ】

● 最新高変換効率ソーラー技術

次世代の太陽電池として期待されているペロブスカイト太陽電池の性能を大きく向上させ
る技術を、京都大化学研究所の若宮淳志准教授らのグループが開発した。正電荷を効率よ
く取り出せる新材料を作製することで、光を電力に変換する効率を従来より2割高めた。
同電池を実用化に近づける成果で、米化学会誌で12日に発表。

それによると、ペロブスカイト太陽電池は、立方体の中に八面体が入るような形をした結
晶構造(ペロブスカイト)の半導体が光を吸収し、電荷を生み出す。ペロブスカイト半導
体の層を、正電荷を取り出す層(p型バッファ層)と、負電荷を取り出す層(n型バッフ
ァ層)で挟み込み、電池として機能させている。フィルム型のために印刷技術によって低
コストで作製できるが、p型バッファ層が正電荷を運ぶ効率に課題があった。研究グルー
プは、水平方向に骨格が伸び、板状の形をした有機半導体の新材料を新たに開発した。こ
の材料は積み重ねた際、鉛直方向に正電荷を運びやすい性質があり、p型バッファ層に用
いることで光電変換効率を従来材料による電池の13・6%から16・5%まで高めるこ
とができ、現在主流のシリコン太陽電池は変換効率が20%を超えているが製造コストが
高いことが課題になっているが、若宮准教授は「今回開発した新材料は、従来の材料に比
価格が5分の1で済み、製造コストも削減できる。同様の技術をn型バッファ層にも適
用し、さらなる変換効率の向上につなげたい」と話す。



そこで、研究に関する新規技術を調べ、1つは、吸収波長範囲の広い色素の開発(特開20

15-172131|ポリマー、光吸収材料、光電変換材料、電荷輸送材料、有機太陽電池用材料お
よび化合物 )と2つめは、ハロゲン化鉛ととアルキルアンモニウムハライドの水分含有量
を千ppm(ミリグラム/立方メートル)以下にすること――電子と正孔のトラップ(滞留)
防止――で(特開2015-138822| 高効率ペロブスカイト型太陽電池の製造方法)などの改
良により実現させと推測。

 今月(22日現在)で国内公開された「最新高変換効率ソーラー」の新規技術はこのほか以下4つ
に注目。

1.特開2015-228413 高変換効率太陽電池およびその調製方法 国立大学法人神戸大学
2.特開2015-226064 ナノ構造材料の方法および素子 ザ・ボード・オブ・トラスティー
  ズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・イリノイ 他

3.特開2015-226062 ゼロ次元電子デバイス及びその製造方法 張 宇辰
4.特開量子ドットアレイの製造装置及び製造方法 富士通株式会社

このうち、4つめの富士通の「量子ドットアレイの製造装置及び製造方法」は原理的な理
解にはうってつけではないかと思えたのでその概要を掲載する(下図)。

量子ドットアレイを含む太陽光発電装置の変換効率は理論的には60%以上にまで高められると
され、太陽光発電装置の実用化の期待が高まっている。量子ドットに吸収される光の波長は量子
ドットの直径に依存する。このため、直径が異なる複数の量子ドットを含ませることにより種々
波長の光を電力に変換することができるが、所望の直径の量子ドットを所望の間隔で安定して
成することはが難しく、量子ドットアレイの特性が安定しないため、、以下6の特徴をもつ新
規技術
を提案する。

1.数の量子ドットが配列した量子ドット層を含む量子ドットアレイを製造する装置て、
 シリコン化合 物膜に熱処理を施した場合に当該シリコン化合物膜から得られる、直径
 がシリコン化合物膜の厚さと等しい複数の量子ドットの間隔と熱処理の条件を反映する
 パラメータと、シリコン化合物膜の組成と、の関係を示す関係式を記憶した記憶手段と
 量子ドット層内での量子ドットの直径と間隔取得手段と、関係式に基づき、取得手段で
 た直径と間隔からシリコン化合物膜の組成及び熱処理の条件を計算する計算手段で実現
 するシリコン化合物膜を、プラズマ化 学気相成長装置と、形成されたシリコン化合物
 膜の熱処理を行う熱処理装置をもつ量子ドットアレイの製造装置である。
2.この関係式は、直径をパラメータと組成で表した第1の関係式と、間隔を、パラメー
 タと組成で表した第2の関係式と、を含むことを特徴とする。
3.手得手段は、複数の量子ドット層内での量子ドットの直径及び間隔を取得し計算手段
 は、各量子ドット層に共通の熱処理の条件、量子ドット層毎のシリコン化合物膜組成を
 計算することを特徴とする。
4.複数の量子ドットが配列した量子ドット層を含む量子ドットアレイの製造法であって、
  シリコン化合物膜に熱処理を施した場合にシリコン化合物膜から得られる、直径がシリ
 コン化合物膜の厚さと等しい複数の量子ドットの間隔と、熱処理の条件を反映するパラ
 メータと、シリコン化合物膜の組成と、の関係を示す関係式に基づき、形成する量子ド
 ット層内での量子ドットの直径と間隔からシリコン化合物膜の組成及び熱処理の条件
 を計算する工程と、このシリコン化合物膜を、プラズマ化学気相成長装置を用い直径と
 等しい厚さで形成する工程と、熱処理の条件で、プラズマ化学気相成長装置で形成した
 シリコン化合物膜の熱処理を行う工程とで構成されることを特徴とする。
5.この関係式は記直径を、パラメータと組成で表した第1の関係式と、間隔をパラメー
 タと組成で表した第2の関係式とを含むことを特徴とする。
6.量子ドットアレイは複数の量子ドット層を有し、シリコン化合物膜の組成と熱処理の
 条件を計算する工程は、各量子ドット層に共通の熱処理の条件と量子ドット層毎のシリ
 コン化合物膜の組成を計算する工程をでこうせされていることを特徴とする。

 

 【太陽光と蓄電池、直流給電でオフィスの電力需要を自活】

日本テレネット(京都市)は、村田製作所、CONNEXX SYSTEMS(コネックスシステムズ、
京都市)と共同で、太陽光発電と蓄電池、直流給電システムを導入した「自活型スマート
オフィス」システムの実証実験を開始したと発表。日本テレネット子会社のエコリンクス
(京都府木津川市)のコールセンターなど、実際に実務をおこなう事務所を使って実証実
験を行う。 

具体的には、15年12月7日から、太陽光発電システムと直流給電インフラを結合した
試験運用を始める。具体的には、出力12キロワットの追尾式太陽光発電システムとパワ
ーコンディショナー(PCS)を接続し、実験オフィスに直流給電する。16年1月から、
鉛蓄電とLiイオン蓄電池のハイブリッド蓄電池システムを接続し、夜間や曇り、雨天時の
需要を賄う。

16年2月から6月の間に、LED照明、空調のほか、コピー機器などのOA機器を直流対応
の機器に順次、置き換える。そして、16年4月以降、トータルシステムによる効果、例
えば、追尾式太陽光発電システムによる発電量向上効果や、直流給電による省エネ効果な
どを検証する。日本テレネットがサーバーシステム、CONNEXX SYSTEMSが蓄電池システム。
村田製作所が直流給電システムを担当す。追尾式システムの導入により、太陽光の発電量
を30%増加させることを目指す。また、直流給電システムと直流対応の省エネ機器を導入
し、トータルに管理する効果で消費電力を50%削減することを目標にする。

 

 

 

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