44 女王蜂のような女 / 天風后(てんぷうこう)
※ 后とは、邂逅の遁と同じで、偶然の出会いのことである。「夬」に
おいて小人の勢力を駆逐して、平和な時代がおとずれたと思ってい
ると、思いがけぬところで災禍に見舞われることを意味する。卦の
形は、一本の陰気--が、五本の陽気を乗せている、つまり一人の女
が五人の男を相手にしている形、水商売ふうの女でしかも相当なや
り手である。そういう方面には良い卦であるが、結婚の相手として
は良くない。「女を取るに用いることなかれ」とある。それはそれ
として、この卦を悪い面からばかり見てはいけない。偶然の出会い
は、美しい人間模様を生むこともあるのだ。
● 日本で誕生した3Dプリンタ技術で一日で家一軒が完成
築物を3Dプリンターで出力する試みがオランダをはじめとして世界中で行われている。このほど、
ロシアの建設用3Dプリンタ開発企業「Apis Cor」は、建設現場にプリンタを持ち込み、全自動無人
でわずか1日で建物を3Dプリントすることに成功する。
※ 「スリーディプリンタとは」 閲覧室|548 情報工学
The first on-site house has been printed in Russia | Apis Cor. We print buildings fEB. 20, 2017
モバイル3Dプリンタ技術を使用した最初の家は、モスクワのStupinoの町に建設。 Apis Cor社とPIK
社、昨年12月にこのプロジェクトを完了している。建設に掛かった時間はわずか24時間という驚
異的な時間でプリント完了させ、壁構造完成後、クレーンマニピュレータを用いてプリンタを建物か
ら取り外した。建物面積はすべてで38平方メートル。このプロジェクトの主な目的の1つが、機器
の柔軟性と利用可能なフォームの多様性を示すことで、今回の単層住宅の設計は珍しいケースである。
重要なことは印刷インクであるコンクリートが5℃以下では印刷できないため、建設物全体をテント
で覆蓋し5℃以上を保持しながらの印刷作業のため複雑を極めたことにあるが無事完遂させることに
成功する。協力企業の1つ三星電子は湾曲の壁を建設の制御カメラなどのハイテク機器を担当、また、
テクノニコル株式会社は、信頼性の高い効率的な建築資材メーカーの1つ。 1992年以来市場で活動し
ている同社は、屋根材、ハイドロアコースティック断熱材、輸送および道路建設のソリューションの
豊富な製造に関する企業技術を保有し、独自の製品と技術を提供してきている。ドイツのBitex Reibep-
utz 社は50年以上にわたり、ペイントや補強材の開発、製造、マーケティングビジネスをリードして
きているが、同社の鉱物性装飾石膏(Reibeputz)である高い接着性と蒸気透過性とファサードペイント
を備えたKOROEDは、耐久性と耐候性に優れる。最後に、Fabrika Okon社は、気候制御機能を備えた断
熱/保温二重窓を設置。
【主な仕様】
①幅:76ミリメートル、②チャンバー数:6、③防音設備:クラス4、④耐寒性:-60℃以上、
⑤製品の寿命:50年以上、⑥不法侵入防止システム、⑦内空調制御システム、⑧内部インテリア什
器類のバスルーム、リビングルーム、コンパクトな機能的なキッチンなどは下写真参照。⑨建設費:
275ドル/平方メートル(約2万8千円/平方メートル)、⑩その他:従来の構造技術と比較し
て、最大70%のコスト削減、さらに、従来、工期は2ヶ月程度掛かるが1/60に短縮。
doi: http://dx.doi.org/10.1104/pp.16.01814
● ダイコンの辛み成分を作り出す遺伝子を発見
ダイコンの食味を特徴付ける辛み、たくあんの黄色やにおいは、グルコシノレート(カラシ油配糖
体)の一種であるグルコラファサチン(4-メチルチオ-3-ブテニルグルコシノレート:4MTB-GSL)の
分解産物により生成することや、グルコラファサチンを全く含まず辛み成分の質が変化した突然変
異体の存在がこれまで知られていたが、この成分を合成する鍵酵素は不詳であった。
2014年に東北大学の北柴大泰准教授らがダイコンのドラフトゲノム情報を発表したことから、グル
コラファサチン合成酵素の同定に向けた研究が加速し、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機
構)らの研究グループは、今月3日、グルコラファサチン合成酵素遺伝子を発見したことを公表。
この研究の詳細は米国植物生物学会誌「Plant Physiology」に掲載された。
今回の研究成果を利用して、農研機構野菜花き研究部門では原因遺伝子の塩基配列情報をもとに開
発したDNAマーカーを利用し、種苗会社と共同で、グルコラファサチンが合成されず辛み成分の組成
が変化したダイコン品種である「悠白」と「サラホワイト」を育成。これらの品種は、保存中にた
くあん臭や黄変が生じないため、フレッシュ感のあるダイコン加工品の開発が進められている。
積層メモリを革新するTCIとHDSV
Nov. 30, 2012
「ムーアの法則が死んだといわれているが、果たして本当に死んだのだろうか」、冒頭、芝浦工業大
学グリーンイノベーション研究センターが、2017年2月に開催した「第4回グリーンイノベーション
シンポジウム」で、黒田忠広慶應義塾大学教授がかく語る(EE Times Japan 2017.03.01)。
それによると、ムーアの法則は、性能コスト比を改善できなくなったときに終わる。コストはリソグ
ラフィ技術で決まり、性能は電力効率で決まる。リソグラフィ技術に関しては限界に近づくと、トラ
ンジスタの単価は上がる。事実16nmからトランジスタの単価が上昇しているが、EUV(極端紫外線)
の導入で解決することが期待されている。つまり、本質的な問題は、電力が上限に達して集積を妨げ
ること」であり、電力効率(=処理性能/電力)の改善なくして、性能改善なしということである。
それでは、電力効率が重要なのは、電力が上限に達してしまい集積しても電源を投入できないトラン
ジスタ「ダークシリコン」の問題からも分かる。28nmプロセスでは、ダークシリコンの比率はゼロ、
だが、集積化が進むほどその比率は増加する。20nmでは33%、16nmで45%、10nmで56%、7nmで75%
5nmになると80%と跳ね上がる。
電力が増加する要因は、スケーリングの副作用による。1980~1990年代にかけて、電圧一定のスケー
リングで動作速度を優先した結果、デバイス内部の電界は非常に高くなった。1995年以降は電界一定
のスケーリングに切り替えたが、高電界でキャリアが速度飽和し、電圧を下げたとしても電力が効果
的に減らなかった。
そこで、低電力化への方策として、①低電圧化、②低容量化、③低活性化があるが、③の低活性化は、
スイッチングの回数を減らすために、代わりに、効率の高いアルゴリズムを見いだすことが必要なた
め、現実的でなく、①②の低電圧化と低容量化に期待が掛かる。
①低電圧化に向けて立ちはだかる課題はリーク電流。トランジスタが微細になればなるほど、ゲート
の支配力が低下するため、リーク電流が増加する。全体の電力における約20%がリーク電流になる電
源電圧よりも下げてしまうと、消費電力は全体としてかえって増えてしまう。
Mar. 1, 2017
● 低電圧化に向けた3つの方法
そこで、リーク電流を減少させる方法として、①トランジスタの構造を変えることである。これまで
にも①Ultra Thin Bodyや②FinFET、③ナノワイヤによる新しい構造が検討されてきた。④トンネルFE
T(T-FET)も期待されているが、トンネル現象を利用するためオン電流が小さく、FinFETに比べて実
用化が難しい。現在、電源電圧0.3Vに向けて研究が進んでいる。0.3V以下になると、素子のばらつき
が多くなるため、誤り検出、誤り訂正といった“回復力に富む機能”が求められるなど、設計が困難。
理論的に電源電圧の限界値は、0.036Vであが、そのため低電圧化による電力低減の余地は、あと2桁
(E=CV2のため)残る。
● 積層メモリを革新するTCIとHDSV
黒田教授の電力効率の改善へ提案は、チップやモジュールの接続をTSVやコネクターなどの機械式から
電子式の「近接場結合」による3D集積へと変えることにある。「Suica」など電子マネーに用いられ
ている近接場は、移動通信などに用いられる遠方場と比較して、少し距離が離れると急激にエネルギ
ーが減衰するため通信距離が短い。しかし、あまり飛ばないために混信せず、見えない配線があるか
のように対象へ届く特長を持つ。黒田教授らの研究グループは、近接場結合を用いた集積技術の開発
を行ってきたのが①「TCI:ThruChip Interface」と②「TLC:Transmission Line Coupler」となる。
①は、磁界結合を用いた積層チップ間通信である。磁界は、配線や基板があったとしても、チップの
中をきれいにすり抜ける。①はウエハー工程の中で、標準CMOSチップの多層配線を巻くだけのため、
追加のプロセスが必要なTSV(シリコン貫通ビア)と比べてコストメリットが高い。設置場所にも制
約がなく、転送速度もTSVの2倍以上とする512Gバイト/秒、通信電力も低いとメリットを強調する
が、電源はどうするのか?の疑問に貫通電源をインプラで低コストに作る『HDSV:Highly Doped Silic-
on Via』の実現性を検証しているとのこと。HDSVでは高濃度で深い不純物ウェルを用いて積層チップ
に給電する。シリコン基板を十分に薄くすると、不純物ウェルが高濃度のまま裏面に到達するため、
裏面側のチップとオーミック接合ができる。TCIとHDSVを組み合わせることで、メモリが容易に積層
可能となり、電力の大幅な削減が期待できる見通しと同教授はいう。
TLCとは、電磁界結合を用いた非接触のコネクターとなる。隣接した並行する信号の影響で発生する
クロストークノイズを活用することで、非接触のコネクターを実現。伝送速度は、最大12Gビット/秒
を超えるという。通信距離の増加や、インピーダンスの整合が取れるため広帯域であるといった特長
を持つ。非接触にしたことで、防水や防じんなどの耐性も強くなり、ディペンダビリティ(自立的自
己修復的な動作:dependability)を損なわないる。電力効率の改善なくして、性能の改善はない。その
ためには、低電圧化と低容量化が求められる。最先端の研究では、低リークなデバイスとディペンダ
ブルな回路システムで0.3Vを目指し。加えて、TCIとTLCを用いたチップとモジュールの3D集積により
電力効率の1桁改善を目指すという。
なるほど、「新しいコンピュータと集積回路を求めて――コンピュータとICの短い歴史と一つの未来
」ということですか!?短時間で理解するには骨の折れることだが、近接場接続を手がけたのが2000
年前後だから、早いもので20年近くなるのかと進歩のスピードを改めて確認する(いつものこと
で"スカタン"でも繰り返し学習すればわかってくると割り切りここは前を進むことに)。
DOI: 10.1109/IRMMW-THz.2013.6665821 THz.2013.6665821
● 光波長変換によりテラヘルツ波を高感度に検出
近年、電波と光波の中間の周波数帯であるテラヘルツ波領域の研究開発が進み、基礎科学だけでな
く産業利用への応用開発が進む。テラヘルツ波領域には指紋スペクトルと呼ばれる物質固有の吸収
ピークが数多く存在しているため、この特性を利用した非破壊センシング・イメージング技術は、
安心・安全な社会を実現するための基盤技術の一つとして注目されているが、これまでは必要な性
能を得るため光源や計測装置の冷却が必要だった。そこで、生活環境で使用可能な非破壊センシン
グ・イメージング技術を実現に、室温で動作する高性能なテラヘルツ波光源およびテラヘルツ波計
測技術の開発が急がれている。今月3日、浅田雅洋東京工業大学教授らのグループは、光波長変換
技術による小型・室温動作・高感度テラヘルツ波検出装置を用いて、東工大が開発した共鳴トンネ
ルダイオードからのテラヘルツ波放射を高感度に検出することに成功いたことを公表。
それによると、共鳴トンネルダイオード(RTD)から発生したテラヘルツ波を、光波長変換により
検出する実験。その結果、RTDから放射されたテラヘルツ波を近赤外光に光波長変換して検出する
ことに成功し、周波数1.14テラヘルツ(THz、1THzは1兆ヘルツ)のとき最小検出可能パワーとして、
約5ナノワット(nW、1 nWは10億分の1ワット)の高感度検出を実現。これは、従来の光波長変換に
よる検出と比較して100倍以上高い感度。また、光波長変換技術を用いることで、RTDの発振周波数
および出力を測定できることを示す。今回用いた実験装置はすべて室温で動作するため、生活環境
で使用可能な、テラヘルツ波領域の小型非破壊検査装置の実用化につながると期待される。
シェーンベルク: 弦楽六重奏曲 Verklarte Nacht , Op.4
《浄められた夜》(きよめられたよる)または《浄夜》(独語:Verklärte Nacht)作品4は、1899年
にシェーンベルクがウィーンで作曲した弦楽六重奏曲。シェーンベルクの初期作品の中では、《グ
レの歌》と並んで最も有名かつ最も重要な作品の一つであり、その後たびたび弦楽合奏用に編曲や
改訂が繰り返され、シェーンベルクの主な収入源となった。リヒャルト・デーメルの同名の詩「浄
夜」に基づき、月下の男女の語らいが題材となっている。室内楽のための音詩という、きわめて特
異なジャンルを開拓したことでも有名である。1902年にウィーンで、ロゼー弦楽四重奏団とフラン
ツ・イェリネク、フランツ・シュミットによる初演が行われた際、半音階を多用した当時としては
斬新な響きや、調性の浮遊するパッセージ、さらには、あけすけに性を主題とするデーメル作品を
出典に作曲する姿勢をめぐって、波紋を呼んだ。
当初弦楽六重奏曲として作ったものを作者自身が弦楽合奏化したものだが、「浄夜」というと通常
こちらの編成を指すことが多い後期ロマン派の最後を飾る有名作品。デーメルの詩に基づく表題音
楽であり、月夜の晩の恋人たちの散歩で、女性が別の男性の子供を宿していることを告白し、男性
がそれを受け止め自分たちの子供として育てようと2人の強い愛を語る、というもの。
Zwei Menschen gehn durch kahlen, kalten Hain;
der Mond läuft mit, sie schaun hinein.
Der Mond läuft über hohe Eichen;
kein Wölkchen trübt das Himmelslicht,
in das die schwarzen Zacken reichen.
Die Stimme eines Weibes spricht:
Ich trag ein Kind, und nit von Dir,
ich geh in Sünde neben Dir.
Ich hab mich schwer an mir vergangen.
Ich glaubte nicht mehr an ein Glück
und hatte doch ein schwer Verlangen
nach Lebensinhalt, nach Mutterglück
und Pflicht; da hab ich mich erfrecht,
da ließ ich schaudernd mein Geschlecht
von einem fremden Mann umfangen,
und hab mich noch dafür gesegnet.
Nun hat das Leben sich gerächt:
nun bin ich Dir, o Dir, begegnet.
Sie geht mit ungelenkem Schritt.
Sie schaut empor; der Mond läuft mit.
Ihr dunkler Blick ertrinkt in Licht.
Die Stimme eines Mannes spricht:
Das Kind, das Du empfangen hast,
sei Deiner Seele keine Last,
o sieh, wie klar das Weltall schimmert!
Es ist ein Glanz um alles her;
Du treibst mit mir auf kaltem Meer,
doch eine eigne Wärme flimmert
von Dir in mich, von mir in Dich.
Die wird das fremde Kind verklären,
Du wirst es mir, von mir gebären;
Du hast den Glanz in mich gebracht,
Du hast mich selbst zum Kind gemacht.
Er faßt sie um die starken Hüften.
Ihr Atem küßt sich in den Lüften.
Zwei Menschen gehn durch hohe, helle Nacht.
日本語訳例 URL:http://blog.livedoor.jp/audimax1/archives/50705587.html