極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ゼロ・カーボン事業社会概論 ①

2023年08月01日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

 

  Part 1 Chapter 4
  ぼくもきみも、互いの家を訪問したりしない。相手の家族と顔を合
 わせることもないし、それぞれの友だちを紹介しあうこともない。ぼ
 くらは.要するに誰にも--この世界中のいかなる人にも、邪魔をされ
 たくないのだ。ぽくときみは、ニ人で時を過ごしているだけで十分満
 ち足りているし、他の何かを付け加えたいとは思わない。また、ただ
 物理的な観点から見ても、何かを付け加えるような余地はそこにはな
 い。前にも述べたように、ぽくらの間には語り合うべきことが山ほど
 あるし、二人で一緒にいられる時間は限られているからだ。
  きみは自分の家族のことをほとんど語らない。ぼくがきみの家族に
 ついて知っているのは、いくつかの細切れの事実だけだ。父親は地方
 公務員だったが、きみが十一歳のときに何か不手際があって辞職を余
 儀なくされ、今は予備校の事務員をしているということだ。どんな「
 不手際」だったかは知らない。でもどうやら、きみがその内容を口に
 したくないような類いの出来事であったようだ。実の母親は、きみが
 三歳の時に内臓の癌で亡くなった。だから記憶はほとんどない。

  顔も思い出せない。きみが五歳のときに父親は再婚し、翌年妹が生
 まれた。だから今の母親はきみにとって継母にあたるわけだが、父親
 に対してよりはその母親の方に「まだ少しは親しみが持てるかもしれ
 ない」という意味のことを、きみは一度だけ目にしたことがある。本
 のページの隅に小さな活字で記された、さりげない注釈みたいに。六
 歳年下の妹については、「妹には猫の毛アレルギーがあるので、うち
 では猫が飼えない」という以上の情報は得られなかった。

  きみが子供の頃、心から自然に親しみを抱くことができたのは、母
 方の祖母だけだ。きみは機会があれば一人で電車に乗って、隣の区に
 あるその祖母の家を訪れる。学校が休みの時期には、何日か泊めても
 らうこともある。祖母は無条件にきみを可愛がってくれる。乏しい収
 入の中から細々したものを買い与えてもくれる。しかし祖母に会いに
 行くたびに、義母の顔に不服そうな表情が浮かぶのを目にして、何か
 を言われたわけではないのだが、次第に祖母の家から足が遠のくよう
 になる。その祖母も数年前に心臓病で急逝してしまった。
  きみはそんな事情を細切れにぽつぽつと話してくれる。古いコート
 のポケットからぼろぼろになった何かを、少しずつすくい出すみたい
 に。
  もうひとつ今でもよく覚えていること、きみはぼくに家族の話をす
 るとき、なぜかいつも自分の手のひらをじっと見つめていた。まるで
 話の筋を辿るためには、そこにある手相(か何か)を丹念に読み解く
 ことが必要不可欠であるかのように。
  ぼくの方はといえば、自分の家族についてきみに語るべきことなど、
 ほとんど見当たらなかった。両親はごくありきたりの普通の親だ。父
 親は製薬会社に勤めており、母親は専業主婦。ありきたりの普通の親
 のように行動し、ありきたりの普通の親のように語る。年老いた黒猫
 を一匹飼っている。学校での生活についても、とりたてて語るべきこ
 とはない。成績はそれほど悪くはないが、人目を引くほど優秀なわけ
 でもない。学校でいちばん落ち着ける場所は図書室だ。そこで、一人
 で本を読んで空想のうちに時間を潰すのが好きだ。読みたい本のおお
 かたは学校の図書室で読んでしまった。きみと初めて出会ったときの
 ことはよく覚えている。場所は「高校生エッセイ・コンクール」の表
 形式の会場だった。五位までの人貧者がそこに呼ばれた。ぽくときみ
 は三位と四位で、座っていた席が隣同士たった。季節は秋で、ぽくは
 そのとき高校1年生、きみはまだ一年生だった。
  式は退屈な代物だったので、ぼくらはその合間に小さな声で少しず
 つ短く話をした。きみは制服の紺のブレザーコートを着て、揃いの紺
 のプリーツスカートをはいていた。リボンのついた白いブラウス、白
 いソックスに黒のスリップオンシューズ。ソックスはあくまで白く、
 靴はしみひとつなくきれいに磨かれていた。親切なこびとたちが七人
 がかりで、夜明け前に丁寧に磨いてくれたみたいに。
  ぼくは文章を書くのがべつに得意なわけではない。本を読むのは小
 さな頃から大好きで、暇さえあれば本を手に取ってきたが、自分で文
 章を書く才能は持ち合わせていないと思っていた。でもクラスの全員
 が、コンクールのために国語の授業中に強制的にエッセイを書かされ、
 その中からぼくの書いたものが選ばれて選考委員会に送られ、最終選
 考に残り、そして思いもよらず上位入賞してしまったのだ。正直言っ
 て自分の書いた文章のどこがそれほど優れているのか理解できなかっ
 た。読み返してみても、取り柄のない平凡な作文としか思えない。で
 もまあ何人かの審査員がそれを読んで、賞をやってもよいと思ったか
 らには、何かしら見どころはあったのだろう。
  担任の女性教師はぼくが賞を取ったことをとても喜んでくれた。生
 まれてこの方、教師がぼくのおこなった何かに対してそれほど好意的
 になってくれたことは一度もなかった。だから余計なことは言わず、
 ありかたく賞をもらうことにした。
  エッセイ・コンクールは、地区合同で毎年秋に行われ、年ごとに異
 なったテーマが与えられるのだが、そのときのテーマは「わたしの友
 だち」というものだった。ぼくは四百字詰め原稿用紙五枚を用いて語
 りたいような「友だち」を、残念ながら一人として思いつけなかった
 ので、うちで飼っている猫について書いた。ぼくとその年老いた雌猫
 がどんな風につきあい、生活を共にし、お互いの気持ちを-もちろん
 そこには限度はあるもののI伝え合っているかについて。その猫に関
 しては語るべきことが数多くあった。とても利口で個性的な猫だった
 から。おそらく審査員の中に猫好きの人が何人かいたのだろう。おお
 かたの猫好きの人は、他の猫好きの人に対して自然に好意や共感を抱
 くものだから。
  きみは母方の祖母について書いた。一人の孤独な老年の女性と、一
 人の孤独な少女の心の交流について。そこにつくり出されたささやか
 な、偽りのない価値観について。チャーミングな、心を打つエッセイ
 だ。ぼくの書いたものなんかより数倍優れている。どうしてぽくの書
 いたものが三位で、きみのが四位なのか理解できない。ぼくはきみに
 正直にそう言う。きみはにっこり微笑んで、わたしは遂に、あなたの
 書いたものの方が、わたしの書いたものより数倍優れていると思うと
 言う。本当よ、嘘じゃなくて、ときみは付け加える。

 「あなたのおうちの猫って、とても素敵な猫みたいね」
 「うん、すごく利口な猫なんだ」とぼくは言う。
  きみは微笑む。「きみは猫を飼っている?」とぽくは尋ねる。
  きみは首を振る。「妹が猫の毛アレルギーなの」
  それがきみについてぼくが得た、最初のささやかな個人情報だった。
  彼女の妹は猫の毛アレルギーなのだ。

  きみはとても美しい少女だ。少なくともぼくの目にはそう映る。小
 柄で、どちらかといえば丸顔で、手の指がほっそりしてきれいだ。髪
 は短く、切り揃えられた黒い前髪が額にかかっている。丁寧に吟味さ
 れた陰影みたいに。鼻はまっすぐで小さく、目がとても大きい。一般
 的な顔立ちの基準からすれば、鼻と目の均衡がとれていないというこ
 とになるかもしれないが、ぽくは何故かその小揃いなところに心を惹
 かれる。淡いピンク色の唇は小さく薄く、いつも律儀に閉じられてい
 る。人事な秘密をいくつか奥に隠し持つみたいに。
  ぽくら五人の入賞者は順番に壇上に上がり、表形状と記念メダルを
 うやうやしく授与される。優勝した長身の女の子が短い受賞の挨拶をする。
 副賞は万年筆だった(万年筆のメーカーがコンクールのスポンサーに
 なっていたのだ。その万年筆をぼくは以来、長年にわたって愛用する
 ことになった)。その長々しく退屈な表形式が終了する少し前に、ぼ
 くは手帳のメモ部分に自分の住所と名前をボールペンで書き付け、ペ
 ージを破ってこっそりきみに手渡す。
 「もしよかったら、ぽくにいつか手紙を書いてくれないかな」とぼく
 は乾いた声できみに言う。
  ぼくは普段そんな大胆なことはしない。もともと人見知りする性格
 なのだ(そしてもちろん臆病でもある)。でもきみとそこで別れわか
 れになって、もう二度と会えないかもしれないと考えると、それは大
 きく間違ったこと、まったく公正ではないことのように感じられる。
 だから勇気をかき集め、思い切った行動に出る。

  きみは少し驚いた表情でその紙片を受け取り、きれいに四つに折り
 畳み、ブレザーコートの胸ポケットに仕舞う。なだらかで神秘的なカ
 ーブを描く胸の膨らみのLLに。そして前髪に手をやり、少しだけ鎖
 を赤らめる。
 「きみの書いた文章をもっと読みたいんだ」とぽくは言う。間違った
 部屋のドアを開けてしまった人が、へたな言い訳をするみたいに。
 「わたしも、あなたの書いた手紙をぜひ読みたい」、そして何度か小
 さく肯く。ぼくを励ますように。

  きみの手紙は一週問後にぼくのもとに届く。素敵な手紙だ。ぼくは
 それを少なくとも二十回くらい読み直す。そして机に向かい、副賞と
 してもらったばかりの新しい万年筆を使って、長い返事を書く。その
 ようにしてぼくらは文通を始め、二人だけの交際を始める。
  ぼくらは恋人同士だったのだろうか? 簡単にそんな風に呼んでし
 まっていいものか? ぽくにはわからない。でもぼくときみは少なく
 ともその時期、一年近くの問、混じりけなく心をひとつに結び合わせ
 ていた。そしてぼくらはやがて二人だけの、特別な秘密の世界を起ち
 上げ、分かち合うようになった----高い壁に囲まれた不思議な街を。

今晩まで、本を読み進めずにきのたのは、極端な眼精脳疲労のため、これ
からどうなるか分からない。
※したがって、原文の行間などわたしの都合(詰まりすぎて見失うことを
防ぐために)で変更している。
                           この項つづく


  

 
  
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
  特異点真っ直中 ㊴



世界の石炭需要、22年は過去最高 23年も高水準の見込み
7月27日、世界エネルギー機関(IEA)は石油市場の中間報告書「Coal Market
Update – July 20
23」を公表。アジア経済の継続的な成長が欧州と北米の減
少を相殺したことで、2022年の世界の石炭消費が83億トンと、過去最高を
更新。IEAは、クリーンエネルギーの成長を加速するための政策と投資の
強化の必要性を強調。 2022年の石炭消費量は前年から3.3%増の83億トン
となり、過去最高となった。2023年と24年には、石炭火力発電のわずかな
減少が、石炭の産業利用の増加によって相殺される可脳性が高い。
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続・オールバイオマスシステム完結論 ⑤
『特許技術:過酸化水素原料燃料電池発電編』
大阪大学の「高濃度過酸化水素を合成する光触媒樹脂」の研究成果を踏ま
え、前回の燃料電池と過酸化水素の調査のつづきとして、過酸化水素とメ
タン・メタノール(エタノール)反応に基づいた燃料電池水素製造術(特
許を俯瞰(水素製造)


1.特開2007-051369 パッシブ型水素製造装置及びそれを用いたパッケ
 ージ型燃料電池発電装置 株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション
【概要】
有機物を含む燃料を低温で分解し水素を含むガスを製造する技術として、
電気化学的反応により水素を発生させる方法及び装置が知られており、ま
た、そのような電気化学的方法により発生した水素を利用した燃料電池が
知られている特許文献1~4参照)。
【特許文献1】 特許第3328993号公報
【特許文献2】 特許第3360349号公報
【特許文献3】 米国特許第6,299,744号明細書 、 米国特許第
6,368,492号明細書 、 米国特許第6,432,284号明細書 、
米国特許第6,533,919号明細書 、米国特許公開2003/022
6763号公報
【特許文献4】 特開2001-297779号公報

【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、以下の手段を採用する。

(1)有機物を含む燃料を分解し水素を含むガスを製造する水素製造装置
において、隔膜、前記隔膜の一方の面に設けた燃料極、前記燃料極に有機
物と水を含む燃料を毛管力又は重力落下によって供給する手段、前記隔膜
の他方の面に設けた酸化極、前記酸化極に酸化剤を供給する手段、燃料極
側から水素を含むガスを発生させて取り出す手段を備えてなり、かつ、酸
化極側に前記酸化剤の供給の不足する領域を設けたことを特徴とするパッ
シブ型水素製造装置。
(2)有機物を含む燃料を分解し水素を含むガスを製造する水素製造装置
において、隔膜、前記隔膜の一方の面に設けた燃料極、前記燃料極に有機
物と水を含む燃料を供給する手段、前記隔膜の他方の面に設けた酸化極、
前記酸化極に酸化剤として空気を自然拡散又は自然対流によって供給する
手段、燃料極側から水素を含むガスを発生させて取り出す手段を備えてな
り、かつ、酸化極側に前記酸化剤の供給の不足する領域を設けたことを特
徴とするパッシブ型水素製造装置。
(3)前記空気を自然拡散又は自然対流によって供給する手段が、前記酸
化極である空気極に面して空気取り入れ口を有し、前記空気取り入れ口に
調整バルブを有するものであることを特徴とする前記(2)のパッシブ型
水素製造装置。
(4)前記空気を自然拡散又は自然対流によって供給する手段が、前記酸
化極である空気極に面してスライド式空気取り入れ口を有するものである
ことを特徴とする前記(2)のパッシブ型水素製造装置。
(5)前記空気の自然拡散又は自然対流を補助するためのファンを有する
ことを特徴とする前記(2)~(4)のいずれか一のパッシブ型水素製造
装置。
(6)有機物を含む燃料を分解し水素を含むガスを製造する水素製造装
において、隔膜、前記隔膜の一方の面に設けた燃料極、前記燃料極に有機
物と水を含む燃料を供給する手段、前記隔膜の他方の面に設けた酸化極、
前記酸化極に酸化剤として過酸化水素を含む液体を毛管力又は重力落下に
よって供給する手段、燃料極側から水素を含むガスを発生させて取り出す
手段を備えてなり、かつ、酸化極側に前記酸化剤の供給の不足する領域を
設けたことを特徴とするパッシブ型水素製造装置。
(7)前記酸化剤の供給の不足する領域を、前記酸化剤を流すための流路
溝を設けた酸化極セパレータを用いないで設けたことを特徴とする前記(
1)~(6)のいずれか一のパッシブ型水素製造装置。
(8)前記酸化剤の供給の不足する領域を、前記酸化極のガス拡散層に設
けたことを特徴とする前記(1)~(7)のいずれか一のパッシブ型水素
製造装置。 
               -中 略-

【発明を実施するための最良の形態】      

               -中 略-

燃料を毛管力によって供給する代わりに、重力落下によって供給すること
もできる。 重力落下の場合には、燃料カートリッジ(16)を上部に設け
燃料誘導部を介して、燃料を落下させることにより燃料極に供給する。
燃料の供給量は、重力落下の場合には、燃料タンクの位置を変更したり、
燃料タンクの出口部分に弁構造を設けること等によって調整することがで
き、毛管力の場合には、毛細管材料の材質を変更すること等によって調整
することができる。
また、酸化剤として過酸化水素を含む液体を使用する場合にも、有機物を
含む燃料と水の場合と同様に毛管力又は重力落下によって過酸化水素を含
む液体を酸化極に供給することができる。特に、過酸化水素を含む液体の
場合には、その供給量が変化することによって水素を含むガスの発生量が
大きく異なるから、上記のような手段で供給量を調整することによって最
適な水素発生量となるように調整することが好ましい
               -中 略-
上記のような構成の水素製造装置において、燃料極にメタノール水溶液等
の有機物を含む燃料を供給し、酸化極(空気極)に空気、酸素、過酸化水
素等の酸化剤を供給すると、特定の条件下で、燃料極に水素を含むガスが
発生する。
               -中 略-
【要約】
下図1(a)のごとく有機物を含む燃料を分解し水素を製造する水素製造
セル10において、隔膜11、燃料極12、燃料極12に有機物と水を含
む燃料を供給する手段、酸化極14、酸化極14に酸化剤を供給する手段
、燃料極側から水素を取り出す手段を備え、(a)前記燃料を毛管力17
又は重力落下により、燃料極12に供給すること、(b)前記酸化剤を空
気とし自然拡散18又は自然対流により酸化極14に供給すること、又は
(c)前記酸化剤を過酸化水素を含む液体とし毛管力又は重力落下により
酸化極14に供給することを特徴とし、かつ酸化極14に酸化剤供給が不
足する領域14Mを設けたパッシブ型水素製造装置。このパッシブ型水素
製造装置を固体高分子型燃料電池と組み合わせパッケージ型燃料電池発電
装置とする、小型で、補機エネルギーを必要とせず、低温で水素を製造す
るパッシブ型水素製造装置及びこれを用いたパッケージ型燃料電池発電装
置の提供。

図1a 空気取り入れ口に調整バルブを有するパッシブ型水素製造装置の一
  例を示す図
【符号の説明】
10 水素製造セル 11 隔膜 12 燃料極 12M 燃料極のガス拡散層
の一部に設けたマスク 13 有機物と水を含む燃料(メタノール水溶液)
を燃料極12に供給するための流路 14 酸化極(空気極) 14M 酸
化極(空気極)のガス拡散層の一部に設けたマスク 15 酸化剤(空気)
を酸化極(空気極)14に供給するための流路 16 燃料カートリッジ 
17 毛管材料(多孔体)からなる部材 18 空気取り入れ口 19 調整
バルブ 20 スライド部材 21 ファン 22 パッシブ型固体高分子型
燃料電池 23 パッシブ型固体高分子型燃料電池の隔膜 24 パッシブ
型固体高分子型燃料電池の燃料極 25 パッシブ型固体高分子型燃料電池
の空気極 26 二酸化炭素吸収部 27 アクティブ型固体高分子型燃料
電池 28 燃料ポンプ 29 空気ブロア 30 ラジエーター

2.特表2007-501998 燃料電池発電装置用の自己着火性水素製造システ
  ム
シービーエイチ2 テクノロジーズ,インコーポレイテッド
【概要】
過酸化水素(H22)は、炭化水素燃料を燃焼させるための酸素源や、ロ
ケットを推進させる蒸気および他の気体を発生させるための酸素源として
数十年間用いられてきた。また、過酸化水素は1930年代にはすでに潜
水艦の酸素源として用いられ成果をあげていた。比較的安全な流体として
利用可能である過酸化水素は、これらの分子成分を分解し燃料電池スタッ
クに輸送する効果的な手段が実現されれば、燃料電池電力システム用の、
水素と酸素とが豊富な燃料源を代表するものとなる。したがって、改質に
必要な空気圧縮システムの必要性を減らすかまたはなくすことができる、
過酸化水素に基づく燃料電池用の、より簡単で低コストの水素および酸素
供給システムが必要となる。また、より好ましくはかかるシステムが、上
記エクスパンダのコストを削減し、エアシステムの駆動モーターの必要を
減らすことが望まれる。 本発明は、二酸化炭素と水素とを発生させるた
めに適切な化学量論比で炭化水素燃料と 反応させた場合の高濃度過酸化水
素の自己着火反応性を利用するものである。上記燃料を、CO2の発生を促進
する触媒を含んだ圧力槽内で反応させることによって、燃料電池に供給す
るために用いられる水素ガスを発生させる。 空気の不存在下で、メタン、
メタノール、またはエタノールのような単純な炭化水素とH22とを反
応させると、それぞれの化学反応は以下のとおりである。
[化1] H22+CH4→CO2+3H (反応1)
[化2] H22+2CHOH→2CO2+5H (反応2)
[化3] H22+C2H5OH+H2O→2CO25H2 (反応3)
反応3に示されるように、エタノールとH22との反応に水が加えられ
た場合、その生成物はメタノールとH22との反応と同じである。当業
者には、燃料電池に使用される所望の水素を発生させるために、若干の調
節を行ってこれらの反応に他の炭化水素燃料を使用できることが容易に理
解されるであろうが、エタノールは水に混和でき、かつ液体として容易に
使用できるため、本発明の方法により好適な水素源である。水溶液中のH2
O2が65%より小さい混合物では、炭化水素と混合されると、H22
まだ自己着火性である。したがって、エタノールは水中のH>2O2>と混合
されると、反応3に示されるように反応し、水素と二酸化炭素とを発生さ
せる。これらの反応によって熱が発生し、結果として、反応槽の一定の容
量内で圧力と温度とが上昇することになる。
このような自己着火性の反応物質はマイクログラムの量で反応槽に注入さ
れ、初めはミリリットル以下の量を占めることが好ましい。これにより、
上記反応によって発生する熱は、上記反応層の温度と圧力とを上昇させる。
上記反応によって発生する気体は即座に用いられる必要はないため、上記
反応槽の中により長時間保持することが可能であり、したがって、触媒存
在下でさらにH2とCO2が生成されるため、不完全な反応が低減され
る。加圧下で上記液体を同時に注入することによって、ノズルの設計に応
じて液滴が形成されるか、気化が起こることとなる。別法としては、異な
る上記液体の注入時期はシステム制御下で調節でき、上記過酸化物は炭化
水素の注入前に分解させてもよい。 


図1.水素源として自己着火性水素製造システムを内蔵している燃料電池
 電力システムのブロック図


図2.上記燃料電池電力システムの接続部分を示す、燃料供給サブシステ
 ムの拡大図


図3.燃料電池電力システムでの使用に好適な反応圧力容器の概略図

22用いることによって、酸素を供給するために空気を用いるという問
題を回避することができ、それにより、改質の後に必要とされる大型のガ
ス浄化システムだけでなく、改質に必要なレベル(3.2バール程度)ま
で空気を加圧するコンプレッサーの必要もなくなる。これらの機械が必要
でなくなると、燃料電池のエアシステムのサイズがおよそ25%小さくな
り、そのサブシステム全体のコストを低減することになる。それに加えて、
22炭化水素との反応によって生成するCO2ガス流内への混入は、通常P
EM燃料電池の膜に対して有害/有毒であるとは見なされていないエタノ
ールの容量およびH22水との混合物の容量はそれぞれ、同様の走行距離
を達成するためには、現在の車両のほとんどに携行されている従来のガソ
リン・タンクの容量とほぼ等しく設定され得る。 図1を参照すると、本
発明の燃料電池電力システム(FCPS)には、3つの基本的なサブシス
テムに分割される自己着火性水素製造システムが含まれる。
これらには、燃料供給サブシステム(10)、少なくとも1つの反応圧力
容器(20)、ならびに貯蔵および輸送サブシステム(30)(以下、本
明細書において貯蔵・輸送サブシステムと略記する。)が含まれる。


図4.本発明の貯蔵および輸送サブシステムを示す図


図5.補足的な酸素源としての過酸化水素の使用を組み入れた燃料電池電
 力システムアセンブリを示す図


図6.過酸化水素を唯一の酸素源として用いる燃料電池電力システムアセ
 ンブリを示す図

図7.過酸化水素から発生された水素が上記燃料電池に到達する前に水素
 ふるいを通過する燃料電池電力システムを示す図
※いささか、オーバーキャパ状態になっているので、頭を整理する意味で
「エネルギーの価値(質)」を「有効エネルギ-」の尺度で評価するあの
サディ・カルノー(1824)の「エクセルギー」で評価することの必要性を
感じている。
【参考技術論文】
・原 文:Exergy performance of a reversed circular flow jet impingement bifacial
        photovoltaic thermal (PVT) solar collector
 掲載誌:Case Studies in Thermal Engineering Volume 49, September 2023, 103322、  
      https://doi.org/10.1016/j.csite.2023.103322


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ゼロ・カーボン事業社会概論 ①

図.熱分解によるケミカルリサイクルの概念図
合成ゴムの素原料であるブタジエンの精製を目指す。
(出所:ブリヂストン)
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ブリヂストンが使用済みタイヤを熱分解する実証機を導入
ブリヂストンは2023年6月、使用済みタイヤを熱分解する実証機を導入。
同社の研究開発拠点であるBridgestone Innovation Park(ブリヂストン・イ
ノベーション・パーク、東京・小平)内に設置した。使用済みタイヤを熱
分解することによって分解油や再生カーボンブラックを生成する。今回の
取り組みは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーン
イノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」
において実施する2つの研究開発テーマのうちの1つで、ブリヂストンが
ENEOSと進める共同プロジェクトの一環である。同プロジェクトでは、使
用済みタイヤからタイヤ素原料を製造するケミカルリサイクル技術の社会
実装を目指す。高機能ゴムなどの高分子素材の設計技術を持つブリヂスト
ンと、原油精製技術や基礎化学品製造に関する基盤技術を持つENEOSが、
それぞれの得意分野を生かすというもの。
via 日経クロステック 2023.7.28
※毎度掲載しているが、道路とタイヤの摩擦面から発生するタイヤ粉塵の
 回収をどうするのかという課題も追加、注意喚起しておく。


カーボンブラック(左)と分解油(右)使用済みタイヤを熱分解すること
で回収する。(写真:ブリヂストン)

今回ブリヂストンが開始した取り組みでは、使用済みタイヤもしくは使用
済みタイヤを細タイヤチップを熱分解して得られる分解油や再生カーボン
ブラックを生成する
。その後の工程、リサイクルオイル化しやすい分解油
とすることがポイント。
今回ブリヂストンが開始した取り組みでは、使用済みタイヤもしくは使用
済みタイヤを細かく粉砕したタイヤチップを熱分解して得られる分解油や
再生カーボンブラックを生成。その後の工程、リサイクルオイル化しやす
い分解油とすることが重要となる。 同社よると、使用済みタイヤの具体
的な回収スキームについては現在検討を進めているという。その上で、乗
用車・バストラック用などの流通する主たるタイヤを中心に今後適用対象
を検討していく。 同社は今後、2023年末までに要素技術開発を、2026年末
までに応用技術開発と中規模の実証実験をする予定。その後、大型実証機
を導入し、2029~2030年度の間で量産を想定。規模の実証実験を実施する
計画である。の後、早期の社会実装を目指すとのこと。
※ 「関連特許技術情報」は割愛。


画像 静岡鉄道/2016年から順次導入されている省エネ新型車両

レイルグリッドで再エネを静岡市街地で地産地消
静岡鉄道が鉄道架線を活用し、沿線の再エネ電気を静岡市市街地に配電。
静岡市の脱炭素ドミノ戦略を後押しし、再エネの地産地消を目指すととも
に、脱炭素化で沿線に新たな価値付けを。交通インフラから脱炭素インフ
ラに転換し、新たな価値を付加する。via 環境ビジネス 2023年夏季号

日本初!鉄道架線を多用途で活用
静岡鉄道が同社の静岡清水線沿線で発電された再エネを、鉄道架線を活用
して沿線需要地に供給する「清水静岡レイルグリッド構想」の実現を検討してい
る。同構想は国交省の「鉄道服炭素施設等実装調査」に対する補助制度の対
象事業として採択。日本では鉄道架線を地用途で活用した例がないだけに
電力の地底地酒プランとして注目される。
第一次「説炭素先行地域」静岡市は脱炭素ドミノの実行モデル都市 静岡清
水線は国際定期コンテナ航路をもつ清水港周辺エリアと県・市庁舎が集積
する静岡市中心エリアを結ぶ全長11kmの鉄道路線。沿線住民の通勤・通学
の足として年間乗降客は約1100万人(コロナ禍前)に上る。静鉄グループは
静岡市を含む静岡県中部地区を中心に基幹事業である交通事業(鉄道・バス
・タクシー)を核に流通(スーパー、観光売店)、自動車販売、不動産、レジ
ャー・サービス、建設事業を展開している。
 22年4月、同社の事業エリアの中心である静岡市が第一次の「服炭素先行
地域」(環境省)に選定される。脱炭素先行地域は2050年カーボンニュートラ
ル達成に向けて、民生部門(家庭及び業務部門)の電力消費に伴うCO2排出量
実質ゼロを実現し、脱炭素ドミノの実行モデルとなるものだ。静岡市は清
水港周辺を含む3エリアを脱炭素先行地域として整備し、メガソーラーや水
素製造システム・水素ステーションなどを設置する大規模開発を計画。市
の第3次地球温暖化対策実行計画(2023~30年)によれば、30年までに太陽
光発電1200MWの導入目標を掲げている

『レイルグリッド構想』
鉄道を「交通インフラ」から「説炭素インフラ」に転換
政府のカーボンニュートラル宣言および静岡市が脱炭素先行地域に選定さ
れたことを受け、1年前からレイルグリッド構想に取り組み始め、
企業とし
て脱炭素化への責任を果たすとともに、脱炭素化を沿線活性化につなげるビ
ジネスチャンスとしても捉え、鉄道を「交通インフラ」から「脱炭素インフ
」に転換することで、沿線のレジリエンスを強化、新たな価値を付加し、
沿線の魅力や暮らしやすさを高めようという構想です。しかし、現時点で
は清水港周辺を含めた沿線でどのくらいの再エネ発電量が見込まれ、どの
程度の需要があるかも正確に把握できていないbので、鉄道路線からどの
くらいの範囲をエネルギー需給エリアとするのか。自営線だけでできるの
か、それとも既存の配電網を利用させていただくのかなど、想定できる様
々なパターンについて、これから検討していくとのこと。

構想の決め手は技術的な課題を検証しコストを抑えること
清水静岡レイルグリッド構想は沿線で発電された再エネ電気を静岡市市街
地に鉄道架線で配電することで、静岡市の脱炭素ドミノ戦略をサポートし、
面的に展開。鉄道インフラの架線設備を活用することで、再エネの配電コス
トも削減できる。
静岡清水線が総延長11kmと距離が短いことと、他の鉄道が乗り入れしてい
ないことを配電に造した条件としてあげる。さらに構想を実現する決め手
となるのはいかにコストを抑えるかだという。「自営線を1km敷くと費用が
通常1億円かかると言われ、現状では自営線を引いての配電可能エリアは鉄
道路線から1km程度のエリアになると想定しています。鉄道架線設備を活用
するにしても、現在の鉄道の電線をそのまま利用するのか、あるいは新た
に電線を敷くか。架線ではなく地中線にした場合どうなるか。想定する電
力需給量の増減によっても様々なパターンが考えられます。さらに需給バ
ランスの調整のため蓄電システムやエネルギーマネジメントシステムの導
入も必要になる、今後検証するコストや技術的な課題をあげる。加え「法的
問題や権利関係等を確認し、関係する省庁やプレイヤーと協議進める必要
もある。再エネ電気の需要先としては県市庁舎・公共施設、自社の鉄道施設
の他、沿線の工場等も想定する。現段階では、本構想は当社独自の構想とし
て検証を進め、実装までを見据えると当然、自社でできるわけない。再エ
ネを作る人、届ける入、使う人と地域が一体となって進めていかなければ
脱炭素化は実現しない。行政サイドともすでに構想については話ししてい
るがが、役割分担等についてまでは言及していない。今後、具体的な事業モ
デルを作成した上で提案・実現に意欲を見せるが、 静岡鉄道は長期経営
構想でも環境問題を課題として据え、2016年から順次省エネ型新型車両を
導入しているところであり、さらに昨年11月19日には「COOLCHOICE 2022 in
ずおか」を開催。二酸化炭素排出の少ない公共交通の利用促進のため市内の
静鉄電車・バスを無料にし、市民に脱炭素化意識の浸透を図り。同イベント
は今年11月にも開催する予定。静岡鉄道が経済的にも持続可能な事業モデ
リングニにどう取り組むのか。市民を巻き込んだ静岡市の脱炭素化ドミノの
成否が注目されている。



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国内最大級のエビ養殖場が完成 環境への配慮と美味しさ… 
次世代型施設の秘密とは 静岡・磐田市 YouTube
※ みなと新聞は8月17日、閉鎖循環式の屋内型エビ養殖システム(=
ISPS)の開発と販売、養殖業者へのコンサルティングを手がけるIM
Tエンジニアリング(IMTE)の冨田ゆきし社長および閉鎖循環式陸上
養殖システムの技術開発と普及に取り組んできた水産大学校の山本義久特
命教授による第15回オンラインセミナーを開催予定➲エビだけでなく、
甘鯛、鰤、鮭、本諸子などいわゆる、持続可能な美味で安心な日本発の
丘水産』事業が最終段階にある。




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【POPの系譜を探る:2023年代】


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