極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 54

2024年11月17日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:11月18日】

          紅葉や小雨滴る追悼会 
                   高山 宇 (赤鬼)

※午前中、溝掃除。昨年の11月から今年10月に5名の方々が亡くなられた
 町内会の追悼会。温暖化で排出廃棄物が増えて短時間といえ重労働。




 ⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖     
リチウム二次電池の安全工学的考察 ⑨

最新電池電圧監視装置

1. 特開2023-151371 電池電圧監視装置 エイブリック株式会社
【要約】下図2のごとくm電池電圧監視装置は、クロック生成回路と、ソ
ース(以下S)とバックゲートとが接続されている第1N型トランジスタ(以
下Tr)、第2N型Tr、第1P型Tr及び第2P型Trを有し、第1N型
Tr及び第1P型Trの一方のドレイン(以下D)は他方のSと、一方のS
は信号入力部と、他方のDは信号出力部と接続され、第2N型Tr及び第
2P型Trの一方のDは他方のSと、一方のSは信号入力部と、他方のD
は信号出力部と接続されるスイッチ回路と、第1P型Trの第1制御信号
と第2P型Trの第2制御信号とを生成する第1生成回路と、第1N型Tr
の第3制御信号と、第2N型Trの第4制御信号とを生成する第2生成回
路とを備える、電池システムに内蔵できる電池電圧監視装置を提供する。


図2. 本実施形態に係る電池システムの第2ADCの一例を示す図
【符号の説明】【0083】1…電池システム、10-1、10-2…電
池セル、20…バスバー、30-1、30-2…電池電圧監視IC、32
-1、32-2…マルチプレクサ、34-1、34-2…第1ADC、36
-1、36-2…第2ADC、40-1…第1クロックブートストラップ
回路、40-2…第2クロックブートストラップ回路、40-11…第1
降圧回路、40-12…第1昇圧回路、40-21…第2降圧回路、40
-22…第2昇圧回路、41-1…第1スイッチ、41-2…第2スイッ
チ、41-11、41-21…第1MOSスイッチ、41-12、41-
22…第2MOSスイッチ、42…ノンオーバラップクロック生成回路、
42-1…クロック入力端子、42-21~42-28…クロック出力端

【背景技術】【0002】
電池システムは、電池セルを直列又は並列に接続した組電池が用いられる。
個々の電池セルの電圧は、夫々の電圧を測定する電池電圧監視IC
(Integrated  Circuit)などの電池電圧監視装置によっ
て監視されている。 また、組電池の個々の電池セルは、バスバーとバスバ
ーを接続しているネジで物理的に接続される。バスバーを接続しているネ
ジが緩んだ場合に、電圧異常や発熱といった不具合が発生することがある
ため、バスバーの両端の電圧を監視する回路を備えている
  電池システムにおいて、バスバーの両端の電圧を監視する技術が知られ
ている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、電池システムは、
バスバーの両端の電圧を監視する電圧検出ユニットを有する。電圧検出ユ
ニットの回路は、電池電圧監視ICおよび制御ICに含まれずに、ICの
外部にディスクリート部品として構成されている。

エイブリック、1セルバッテリー向け保護ICを発売
10月11日、エイブリックは、充電/放電過電流検出電圧精度が±0.5mVと
高い1セルバッテリー向け保護IC「S-82Y1Bシリーズ」の販売を始めた。
大容量化が進むバッテリーの急速充電を可能にし、応用機器の安全性も高
めることができるという(EE Times Japan)

大容量バッテリーの急速充電と安全性を両立
高機能スマートフォンなどでは、1回の充電で長時間使用を可能にするため、
大容量リチウムイオンバッテリーを搭載する機種が増えてきた。また、急
速充電に対応するため充電電流を大きくしたい、という要求も高まってい
るという。
ところが、充電電流を大きくすると、電流検出抵抗の発熱が大
きくなってしまう。この対策として電流検出抵抗の抵抗値を下げる方法も
あるが、検出電流値のばらつきが大きくなって安全性の確保が難しくなる
可能性もある。これらの課題を解決するためエイブリックは、従来品(S-
82P1シリーズ)に比べ、充電/放電過電流検出電圧精度をさらに高めたS-
82Y1Bシリーズを開発した。


S-82Y1Bシリーズは、「放電過電流1」検出電圧が0.003~0.050V、充電
過電流検出電圧が-0.050~-0.003Vで、これらの精度はいずれも±0.5m
Vである。保護ICの精度を高めることで、過電流検出のばらつきを抑えな
がら、電流検出抵抗の低抵抗化を可能にした。これにより、充電電流の値
を大きくしても保護回路基板の発熱を抑えることができるという。放電過

電流保護は3段階で行える。放電過電流1の他、検出電圧が0.006~0.100V
±1.5mVの「放電過電流2」、同じく0.020~0.100V±3mVの「負荷短絡」
である。これによって、より安全な領域で異常電流を遮断することができ
る。なお、過充電検出電圧は3.50~4.80Vで、その精度も±15mVと高い。
最大定格は28V、動作時の消費電流は最大4.0μA、パワーダウン時の消費
電流は最大50nA、動作温度範囲は-40~85℃である。パッケージは、外
形寸法が1.6×1.8×0.4mmのHSNT-6または、1.57×1.8×0.5mmのSNT-6A
で供給するという。
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【海水有価物回収水素製造並びに炭素化合物製造事業論 ④】

2. 特開2024-77350 炭素および水素の製造方法 三菱マテリアル株式
 会社他⓵
【要約】下図2のごとく、表面に炭素を付着させたマグネタイトを生成する
二酸化炭素分解工程と、炭素と、塩化鉄とを生成する炭素分離工程と、マ
グネタイトと、水素と、塩化水素ガスとを生成する水素製造工程と、前記
二酸化炭素分解工程で用いる前記還元剤を生成する還元剤再生工程とを有
し、前記水素製造工程は、3価の塩化鉄を電気分解によって還元して2価
の塩化鉄を生成する電解還元過程と、該電解還元過程で得られた2価の塩
化鉄と水とを反応させて、マグネタイトと、水素と、塩化水素ガスとを生
成する加水分解過程と、を有し、二酸化炭素と水から炭素と水素とを効率
的に生成し、還元剤を繰り返し生成、利用する。


図2. 実施形態の炭素および水素の製造方法を示すフローチャート
【符号の説明】  S1…二酸化炭素分解工程  S2…炭素分離工程
  S3…水素製造工程  S3-1…電解還元過程  S3-2…加水分解過程
  S4…還元剤再生工程
【背景技術】
【0002】 例えば、製鉄所、火力発電所、セメント工場、ゴミ焼却施設
などでは多量の二酸化炭素(CO)が排出されている。このため、地球
温暖化防止の観点から二酸化炭素を大気中に放出させずに回収することが
重要になっている。一方燃料電池自動車(FCV)や水素発電など水素需
要の増大に伴って、低コストで大量に供給が可能な水素が求められている。
【0003】  従来、二酸化炭素を分離回収する技術として、化学吸収法,
物理吸収法,膜分離法などが知られている。また、回収した二酸化炭素を
分解する技術として、半導体光触媒法、金属コロイド触媒,金属錯体,触
媒等を用いた光化学的還元法、電気化学的還元法、化学的固定変換反応、
例えば、塩基との反応,転移反応,脱水反応,付加反応などを用いる分解
方法などが知られている。しかしながら、これらの二酸化炭素の分解方法
は、何れも反応効率、コスト、消費エネルギーなどの面から実用的ではない
という課題があった。
【0004】 このため、例えば、特許文献1では、格子中に酸素欠陥部位
である空孔のあるマグネタイト、即ち酸素欠陥鉄酸化物を用いて二酸化炭
素を還元して炭素を生成し、炭素からメタンやメタノールを得る方法が開
示されている。こうした特許文献1の発明では、酸素欠陥鉄酸化物によっ
て二酸化炭素を分解(還元反応)し、酸化されて生じた鉄酸化物を水素で
還元して再び酸素欠陥鉄酸化物に戻すことによって、連続的かつ効率的に
二酸化炭素を分解可能なクローズドシステムを実現できるとされている。
【0005】 一方、高純度の水素を製造する方法として、例えば、特許文
献2では、塩化鉄と水とを410℃以上で反応させ、マグネタイト、塩化
水素、および水素を生成し、生成した水素を分離膜を用いて回収する方法
が開示されている。こうした特許文献2
(特開2001-233601)の発明では、
各種プラントから排出されるプロセス廃熱を有効利用し、水を原料として、
クリーンなエネルギー燃料である水素を、熱化学分解技術によって得るこ
とができるとされている。  しかしながら、特許文献1で開示された反応
条件では、酸素欠陥鉄酸化物の酸素欠陥度が小さく(酸素欠陥鉄酸化物を
Fe4-δで示した場合に、δは最大で0.16程度)、二酸化炭素の
分解能力が低いため、効率的に二酸化炭素を分解処理できないという課題
があった。また、特許文献1(特開平5-184912
)の方法で二酸化炭素を連続
して分解する場合、マグネタイトを酸素欠陥鉄酸化物に還元するための水
素を外部から供給する必要があり、水素供給に係るコストが大きいという
課題もあった。 更に、特許文献1では、高価なナノサイズのマグネタイト
を使用しているため、二酸化炭素の分解コストが高い。また、生成した炭
素は付加価値の高いナノ炭素ではないため(>1μm)、二酸化炭素分解
プラントの経済性が低いという課題がある。  特許文献2では、水素製造
応に関与する物質が多く(鉄化合物であるマグネタイト以外にマグネシウ
ム化合物もある)、反応機構が複雑である。また、反応に必要な温度が高
いため(~1000℃程度)、エネルギー消費量が多く、製造コストが高
くなるという課題がある。また、特許文献2では、エネルギーを多量に消
費する各種プラントから排出される排熱の有効利用だけに着目したもので
あり、こうしたプラントの多くから排熱と共に排出される二酸化炭素も有
効利用することが求められている。

【産業上の利用可能性】  本発明は、二酸化炭素および水を用いて、炭素
材料と水素とを低コストで効率的に生成することができる。例えば、製鉄
プラント、火力発電所、セメント製造プラント、ゴミ焼却施設など、二酸
化炭素、および排熱を多く排出するプラント等に適用することで、二酸化
炭素の排出削減、水素の有効利用と、これに付随してナノサイズの炭素な
どの高付加価値の炭素材料の製造を行うことができる。したがって、産業
上の利用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】二酸化炭素と還元剤とを反応させて、表面に炭素を付着させ
たマグネタイトを生成する二酸化炭素分解工程と、前記二酸化炭素分解工
程で得られた表面に炭素を付着させたマグネタイトと、塩酸、または塩化
水素ガスとを反応させて、炭素と、塩化鉄とを生成する炭素分離工程と、
前記炭素分離工程で得られた塩化鉄と、水とを反応させて、マグネタイト
と、水素と、塩化水素ガスとを生成する水素製造工程と、前記水素製造工
程で得られたマグネタイトおよび水素を互いに反応させて、前記二酸化炭
素分解工程で用いる前記還元剤を生成する還元剤再生工程と、を有し、前
記水素製造工程は、3価の塩化鉄を電気分解によって還元して2価の塩化
鉄を生成する電解還元過程と、該電解還元過程で得られた2価の塩化鉄と
水とを反応させて、マグネタイトと、水素と、塩化水素ガスとを生成する
加水分解過程と、を有し、前記還元剤は、マグネタイトの結晶構造を維持
したままマグネタイトを還元することで得られるFe4-δ(但し、δ
は1以上4未満)で表される酸素欠陥鉄酸化物、またはマグネタイトの結
晶構造を維持したままマグネタイトを完全に還元することで得られる酸素
完全欠陥鉄(δ=4)、またはヘマタイトや使用済みカイロを還元するこ
とで得られるマグネタイトの結晶構造を維持した酸素欠陥鉄酸化物、また
はヘマタイトや使用済みカイロを完全に還元することで得られるマグネタ
イトの結晶構造を維持した酸素完全欠陥鉄であることを特徴とする炭素お
よび水素の製造方法

【請求項2】前記電解還元過程は、3価の塩化鉄を含む陰極液を収容する

陰極槽と、電解質を含む陽極液を収容する陽極槽と、前記陰極槽および前
記陽極槽の間に形成され、イオンを透過させる隔壁と、前記陰極槽に設け
られる陰極電極と、前記陽極槽に設けられる陽極電極と、を有する電解装
置を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の炭素および水素の製造
方法

【請求項3】前記陰極液のpHを0.5以下に保つことを特徴とする請求
項2に記載の炭素および水素の製造方法
【請求項4】前記陽極液は、希硫酸を含むことを特徴とする請求項2に記
載の炭素および水素の製造方法
【請求項5】前記陰極液は、3価の塩化鉄が溶解された塩酸水溶液を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法
【請求項6】前記陰極電極は、炭素電極、または白金電極であることを特
徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法
【請求項7】前記陽極電極は、炭素電極、または白金電極であることを特
徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法
【請求項8】前記隔壁は、陽イオン交換膜、またはガラスフィルターであ
ることを特徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法
【請求項9】前記陰極槽は、不活性ガス雰囲気中に設けられることを特徴
とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法
【請求項10】前記炭素は、粒子径が1μm以下のナノサイズの炭素であ
ることを特徴とする請求項1または2に記載の炭素および水素の製造方法
※本件案の実用・事業化のイメージを掴むにはもう少し時間が必要。次回
 も考察を継続する。


【ペロブスカイト太陽電池事業化:耐水・耐久化技術】
3. 特開2024-155818 シート体 恵和株式会社
【要約】下図1のごとく、構造物に貼付されて前記構造物の補強又は修復
に用いられるシート体であって、前記構造物に貼付される前の状態におい
て、180°ピール試験の測定値が1.5N/25mm以上の値であり且つ
引張弾性域最大試験力の100%未満の値である粘着力を有す1.


図1. 単一の粘着層と単一の耐候層を備える第2実施形態のシート体を模
式的に示す断面構成図
【符号の説明】  10    シート体  11    粘着層  12    基材層  13    耐
候層  15    補強材料  16    剥離シート  17    押付治具  18    固定部
19    試料  21    構造物  30    屋根  31    ブルーシート  32    土嚢

【発明の効果】前記各態様によれば、構造物に対する優れた粘着性を有し
つつも、施工現場におけるシート体の取扱性を改善できる。具体的には、
シート体を構造物に一旦貼付した後にこれを剥がしても、シート体が破損
することなく(粘着性や耐候性の性能を維持したまま)、再度貼り直せる。
即ち、前記各態様は、シート体を構造物に優れた粘着力で施工可能にしつ
つ、必要に応じてシート体を再度貼り直し可能にするという、ともすれば
相反する効果であって、従来には得ることが困難であった諸効果を同時に
得られるようにしたものである。従って、前記各態様のシート体によれば、
構造物の対象領域にシート体を確実に貼付できると共に、施工現場での貼
付作業の際の取扱性や作業性を改善できる。更に、一旦剥がしたシート体
を再利用できるので、廃棄物削減、ひいては環境保護の効果も奏される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】構造物に貼付されて前記構造物の補強又は修復に用いられる
シート体であって、前記構造物に貼付される前の状態において、180°ピ
ール試験の測定値が1.5N/25mm以上の値であり且つ引張弾性域最
大試験力の100%未満の値である粘着力を有する、シート体。
【請求項2】耐候負荷試験後において、180°ピール強度の測定値が1.
5N/25mm以上の値である粘着力を更に有する、請求項1に記載のシ
ート体。
【請求項3】耐候負荷試験後の防水性試験における漏水が無い防水性を更
に有する、請求項1に記載のシート体。
【請求項4】下記項目(1)、(2)、(3)、及び(4)記載の操作を
順次行う変形試験を実施した場合に、下記(4)の計算で算出されるエネ
ルギーが2.0mJ以上の値である、請求項1記載のシート体。
(1)  短辺が50mm及び長辺が100mmの矩形状の前記シート体を
試料として準備する。
(2)  前記試料を同一面の一対の短辺同士を重ねるように湾曲させ、前
記一対の短辺の縁端から前記長辺に沿って15mm離れた位置までの前記
試料の一対の領域を固定部で把持して固定することにより、前記試料の前
記一対の領域の間に周長が70mmの湾曲部を形成する。
(3)  前記試料の前記一対の領域の表面を鉛直方向と平行に配置し且つ
前記湾曲部を上方に向けた状態で、押付面が直径100mmで厚み10m
mの円盤形状の押付治具を用い、温度23±2℃、湿度50±10%RHの
環境下で、前記湾曲部に前記押付治具を上方から接触させ、前記押付治具
を試験速度30mm/minで20mm下方に移動させる。
(4)  前記押付治具を前記移動させる際に必要なエネルギーを計算する。
【請求項5】前記構造物に貼付される粘着層と、前記粘着層の上方に配置
された少なくとも1つの耐候層と、を備える、請求項1~4のいずれか1
項に記載のシート体。
【請求項6】前記粘着層と、前記耐候層との間に配置された基材層を更に
備える、請求項5に記載のシート体。
【請求項7】前記基材層は、補強材料を含む、請求項6に記載のシート体。
【請求項8】前記粘着層及び前記耐候層の少なくともいずれかは、フィラ
ーを含む、請求項6に記載のシート体。
【請求項9】前記粘着層の前記耐候層側とは反対側の面に配置された剥離
シートを備える、請求項5に記載のシート体。
【請求項10】単一層により構成され、前記構造物とは反対側に位置する
第1面側よりも、前記構造物に貼付される貼付面である第2面側に偏在す
る粘着成分を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のシート体。
【請求項11】ゴムを含有し、前記第1面側と前記第2面側とで架橋度が
異なるゴムの架橋構造を有する、請求項10に記載のシート体。
【請求項12】アクリル樹脂と、エポキシ樹脂と、を含み、前記アクリル
樹脂と前記エポキシ樹脂とによる相分離構造を有する、請求項10に記載
のシート体。
【詳細説明】※関連情報部のみ記載
【0196】太陽電池ユニット33の構造は限定されず、公知のものであ
ってもよい。例えば、薄型又は軽量のものが好ましい。また太陽電池の種
類も限定されない。太陽電池の種類としては、アモルファスシリコン太陽
電池、結晶シリコン太陽電池、カドミウムテルル太陽電池、銅インジウム
ガリウムセレン太陽電池、有機薄膜太陽電池、ペロブスカイト太陽電池
ガリウムアルセニド太陽電池等を例示できる。また例えば、柔軟性を有す
るアモルファスシリコン太陽電池、カドミウムテルル太陽電池、銅インジ
ウムガリウムセレン太陽電池、有機薄膜太陽電池、ペロブスカイト太陽電
は、本開示のシート体10との組合せとして適している。

【0197】このように図21及び図22には、構造物21に貼付されて
構造物21の補強又は修復に用いられるシート体10と、シート体10に
直接又は間接的に取り付けられた太陽電池ユニット33と、を備えるシー
ト体付太陽電池ユニット40が示されている。当該シート体付太陽電池ユ
ニット40が備えるシート体10は、構造物21に貼付される前の状態に
おいて、180°ピール試験の測定値が1.5N/25mm以上の値であり
且つ引張弾性域最大試験力が100%以下の値である粘着力を有する。本
実施形態においても、本開示のシート体10の有する諸効果が奏される。

【0198】また通常、太陽電池ユニットは、発電に適した位置や角度を
調整された状態で、屋根や架台等の構造物に対し、接着剤を用いた接着や、
締結部材を用いた締結等の様々な方法により固定される。この固定を確実
に行うため、太陽電池ユニットは、構造物に対して様々な方法で固定され
る。太陽電池ユニットの固定方法や施工現場の状況等によっては、太陽電
池ユニットの取扱性が優れず、作業者の作業負担が増大する。また、太陽
電池ユニットを取り外す必要が生じた場合、構造物から太陽電池ユニット
を容易に取り外せないため、取り外しの作業負担が増大する。また、構造
物の劣化に伴い、太陽電池ユニットの劣化も招き易くなる。

【0199】これに対して本実施形態では、例えば、太陽電池ユニット3
3を予めシート体10に取り付けておけば、シート体10を構造物に貼付
する際、シート体10と共に太陽電池ユニット33を構造物21に適切に
固定できる。また、シート体10は貼り直しが可能であるため、シート体
10と共に太陽電池ユニット33を構造物21から過度の負担なく取り外
すことができる。その結果、簡便な施工により作業者の作業負担を軽減し
つつ、太陽電池ユニット33を構造物21に確実に取り付けることができ
ると共に、太陽電池ユニット33を構造物21から取り外す際は、シート
体10と共に太陽電池ユニット33を容易に取り外すことができる。

【0200】ここで例えば、ペロブスカイト太陽電池や銅インジウムガリ
ウムセレン太陽電池は、他のものに比べて、高い耐久性が求められている
このように高い耐久性が求められる太陽電池を含む太陽電池ユニット33
に本開示のシート体10を適用すれば、シート体10により、構造物21
に太陽電池ユニット33が確実に固定される。また、構造物21の劣化に
伴う太陽電池ユニット33の劣化が生じ難くなるため、太陽電池ユニット
33の高い耐久性が得られ易くなる。また、太陽電池ユニット33におい
て、高い変換効率で安定した発電を行うことができる。

図21                     図22

【0201】また図21及び図22に示すように、シート体10が貼付さ
れる構造物21の表面の形状が、凹凸や欠陥による高低差により平坦でな
い場合でも、シート体10を当該表面に良好に追従させて貼付できる。こ
のため、シート体10を好適に適用できる。しかしながら、これに限らず、
シート体10が貼付される構造物21の表面の形状が平坦である場合でも、
シート体10を適用することにより、太陽電池ユニット33の高い耐久性
が得られ易くなると共に、太陽電池ユニット33において高い変換効率で
安定した発電を行えるため好ましい。

【0202】また本実施形態のシート体10は、構造物21に貼り付けら
れる前の状態において、180°ピール試験の測定値が1.5N/25mm
以上の値であり且つ引張弾性域最大試験力の100%未満の値である粘着
力を有しており、優れた耐候性を発揮できる。よって長期間にわたり、構
造物21をシート体10により保護しつつ、太陽電池ユニット33を構造
物21に固定できる。従って、構造物21の劣化に伴う太陽電池ユニット
33の劣化を抑制しつつ、安定して太陽電池ユニット33を使用できる。

【0203】また本実施形態のシート体10は、構造物21に貼り付けら
れる前の状態において、耐候負荷試験後の防水性試験における漏水が無い
防水性を有するため、長期間にわたり、構造物21を漏水による劣化から
保護しつつ、太陽電池ユニット33を構造物21に固定できる。従って、
構造物21の劣化に伴う太陽電池ユニット33の劣化を抑制しつつ、安定
して太陽電池ユニット33を使用できる。

【0204】また本実施形態のシート体10は、前記(1)、(2)、
(3)、及び(4)記載の操作を順次行う変形試験を実施した場合に、前
記(4)の計算で算出されるエネルギーが2.0mJ以上の値である。こ
のためシート体10は、適度な剛性を有する。従って、作業者が太陽電池
ユニット33を構造物21に敷設する際の取扱性を向上し易くできる

【0205】また、太陽電池ユニット33が取り付けられた複数のシート
体10が構造物21の表面に貼付される場合、シート体10の間に隙間が
生じて構造物21の表面が外部に露出しても、当該隙間に対応する構造物
21の表面に本開示のシート体10を別途貼付することで、構造物21の
表面を簡便に覆うことができる。この場合、例えば、当該隙間の形状に合
わせて例えば長尺形状(一例として短冊状)のシート体10を利用できる。

【0206】更に、シート体10は、ロール状に巻き取りが可能な程度の
柔軟性を有するため、当該シート体10に所定のフレキシブル性を有する
太陽電池ユニット33が取り付けられた場合、シート付太陽電池ユニット
40の全体においてもフレキシブル性が確保される。従って、種々の構造
物21に対し、シート付太陽電池ユニット40を簡便に施工して配置でき
る。また、シート付太陽電池ユニット40をロール状に巻回した状態で管
理することも可能となる。また例えば、シート付太陽電池ユニット40を
ロール状に巻回した状態で施工現場に搬入し、比較的広い施工対象面に対
して簡便に施工することもができる。

【0207】このように、本開示の太陽電池ユニット33が設けられたシ
ート体10は、屋外の建築の構造物21、土地の上に設けられた構造物21
とされる架台、或いは、建材と一体として設けられる構造物21とされる
窓等、様々な構造物21に好適に貼り合わせることが可能である。

【0208】(シート体の構造物への施工)
  以下、本開示のシート体の構造物21への施工について説明する。本開
示のシート体10は、優れた粘着力を有する。このため、構造物21の屋
根等の表面に貼付される際、段差のある構造物21の表面にも隙間無くシ
ート体10を貼付できる。シート体10を貼付することで、外部から構造
物21への水の侵入の防止、及び、錆びの原因となる塩水、酸素等の劣化
因子の侵入の防止を数十年単位で維持できる。このため、構造物21の劣
化を適切に抑制できる。またシート体10は、構造物21の表面に貼付す
るだけで施工が可能である。従って、作業者の技術に依らずに施工でき、
工期の短縮と労務費の削減を実現できる。

【0209】本開示のシート体を施工する場合、構造物21の表面には、
予め、硬化性樹脂材料を含有するプライマー層が形成されていてもよい。
プライマー層に求められる物性としては、例えば、貼付される構造物保護
シートに対する優れた初期接着性、長期保存が可能な長期接着性、劣化し
た構造物表面の塗膜をしっかりと固着させて再貼付時において劣化構造物
から有害物質の飛散を防止できる目止め性、短時間で硬化する硬化性、一
定時間の流動性を確保できるポットライフ、及び、作業現場での厳密な配
合作業が不要な塗料作業性等を例示
できる。

【0210】 プライマー層の材料は、前記プライマー層に求められる物性
が得られるものであれば特に限定されない。例えば、湿気硬化、熱硬化、
光硬化その他の方法で硬化して樹脂が形成される性質を有する材料であれ
ば特に制限はない。このような材料としては、アクリル、ポリエステル、
ウレタン、エポキシ、シリコーン等の樹脂を例示できる。例えば、主鎖に
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含む重合体と、エポキ
シ化合物及びアミノシラン化合物を含む原料化合物の反応生成物を含有す
るものが好ましい

【0211】プライマー層は、一般的には構造物21の下塗材として使用
される。本開示において、プライマーは、構造物21の表面に塗布すれば
よい。下塗材は、通常の方法で施工できる。例えば、構造物21の表面に、
刷毛又はローラー等により塗布したり、又は、スプレーガン等で吹き付け
たりする一般的な方法により塗料を塗布し、塗膜を形成させることで、下
塗材であるプライマー層が得られる。

【0212】 プライマー層の厚みは、特に限定されない。プライマー層の
厚みは、例えば、ウェットの状態で20g/m以上の値である。プライマ
ー層の厚みは、例えば、ウェットの状態で、30g/m以上の値が好ま
しく、50g/m以上の値がより好ましく、100g/m以上の値が
更に好ましく、200g/m以上の値が特に好ましい。

【0213】  他方、プライマー層の厚みは、例えば、ウェットの状態で
800g/m以下の値である。プライマー層の厚みは、例えば、ウェッ
トの状態で、700g/m以下の値が好ましく、600g/m以下の
値がより好ましく、500g/m以下の値が更に好ましい。また特に、
プライマー層の厚みは、例えば、ウェットの状態で400g/m以下の
値であれば、様々な状態での構築物表面へのシート体10の粘着力を安定
化できるため好ましい。ここで言う「ウェットの状態」とは、塗工液が乾
燥する前の状態を指し、ウェットの状態について示した上記数値は、塗工
重量を指す。
※実施例は、表1~3、図21~23を転載し、他は割愛する。



 

 懐かしの歌謡音楽 
フォー・セインツ 小さな日記・希望』 

   
                                  
今日の言葉:季節は世界動乱時代に突入?!
         昨夜、ホロコーストの世界歴史を「ユーチューブ」で閲覧。
         気候変動に起因する動乱も加わる(温暖化による男性に
         よる女性の暴力が増える研究報告を前回紹介)。

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