第20章 愚者の心
知識を万能視する考えを断ち切れば、悩みはなくなる。礼に適うといい、適わぬといっても、どれ
だけの違いがあろうか。善といい、悪といっても、どれだけの差があろうか。ひとがするから自分
もそうする。これではドウドウめぐりで、悩みはいつまでも尽きない。人々は浮き浮きと楽しげだ。
あたかも酒宴の麿にあるかのよう、花見に興じているかのように。だが、わたしの心は、静まりか
えって勁かない。まだ笑いも知らぬ赤子のよう。何をしようという気も起こらぬ。
人々はみな意欲に満ち溢れている。
だがわたしだけはボンヤリと、すべてを忘れはてている。
わたしの心は愚者の心だ。何ひとつ分別がつかぬ。
人々はみな明敏だが、わたしだけは暗愚だ。
人々は決断力に富むが、わたしには伺ひとつ分明なものはない。
定めなくたゆたう海、あてどなく吹く風、それがわたしの姿である。
人々はみな有能だが、わたしだけは木偶に等しい。
わたしだけが人々から離れて、母なる自然のふところに抱かれようとする。
〈礼に適うといい……〉 原文「唯と阿とは」。「唯」はハイというていねいな返事、「阿」は
アア、ウンといった粗野な返事、いずれも擬声語である。
母に食(やしな)わるるを貴ぶ 大衆社会状況のもとにおいて、人間はどう生きるべきか。キエル
ケゴールは、個性を失った平均人からの「例外者」として、ただひとり絶対者の前に誠実であろう
とした。
Søren Aabye Kierkegaard Wikipedia
● 今夜の一品:iPhone XS/XS Maxでわかっていることすべて
9月12日、アップルは、カリフォルニア州クパチーノの本社にある「スティーブ・ジョブズシア
ター」でiPhoneの新製品を発表。初代モデルの発売から10周年にあたる去年、発表されたX」
の後継機種として画面が5.8インチの「iPhone XS」と、画面がこれまででもっとも大きい
6.5インチの「iPhoneXS Max」を披露。いずれもディスプレーには鮮やかな色彩が表現
できる有機ELパネルが使われ、カメラ機能を向上させている。このうち最高機種の「iPhon
eXS Max」は価格が12万4800円からで今月14日から予約の受け付けを始め、21日に発売
する。顧客層を広げるために価格を抑えたという機種もあわせて披露した。アップルのティム・ク
ックCEOは発表会で、「iPhoneを新たなレベルに持って行く。最先端の端末となる」と語
る。銅社は高価格帯のiPhoneの売り上げの増加に支えられて好調な決算が続いており、先月、
会社の規模をみる指標の時価総額がアメリカ企業として初めて1兆ドルを突破。新製品の売れ行き
はアップルに部品を供給する日本のメーカーの業績にも大きく影響するだけに消費者の受け止めが
注目されている。
【いつでもどこでも1キロワットアワー1円時代 】
● マイクログリッドはやり方次第 高い電力自給率を実現
8月29日、「持続可能性」の課題に取り組むベンチャー企業・Metabolic社は、「SIDEシステム」
と呼ばれるシステムが再生可能エネルギーへの移行にどのように貢献しうるかを調査し、常生活の
中で使う電力は、火力・水力・原子力・風力などは、生活の場から離れたところに建設された発電
所で集中的に生み出され、送電線を経由して供給されるが、これに対し、小規模発電施設を生活の
場の近くに作り電力需要する「マイクログリッド(小規模発電網)で、地域の電力需要のほとんどを
自給自足できることを公表している。それによると、4つの地域に対して、それぞれ複数のSIDEシ
ステム(Smart Integrated Decentralised Energy:スマート統合分散型エネルギー)導入シミュレーショ
ンのパターンが示されている(上の2つの図参照)。
例えば、オランダ東部にあるAardehuizenでは、3つのシナリオが示され、23軒の集合住宅からな
る地区で、電力会社の送電網に頼らないオフグリッド住宅「アースシップ」で、2015年に完成
している。また、シナリオは、❶:ローテクとハイテクの出会い、❷:よりスマートなグリッド、
❸:根本的なリデザインの3ケース。
まず、シナリオ❶の場合、地域全体にソーラーパネルが275枚、太陽熱発電パネルが20枚、ヒートポ
ンプが3基、薪ストーブが22基、電気ボイラーが22基設置。地域内のエネルギーの動きを示し
た下図は、左側が供給元、右側が供給先を示している。完全な自給自足ではなく、送電網から73
2メガワット時の供給を受け、地域内では太陽光発電で76.4メガワット時を発電している。この
うち、82.4メガワット時が最低限維持されるベースロードで、一方で41.7メガワット時は売
電される。
下図は経年コストを比較したグラフ。斜めに引かれたグレーの直線が従来のシステム、緑色のライ
ンがシナリオ1で、縦軸は1目盛りが100万ユーロ(約1億3000万円)、横軸は年数を示し、シナリオ1
の場合、11.6年で元が取れる(従来のシステムのコストに並ぶ)見込み。シナリオ2では、スマー
トメーターを設置して、もっと積極的なモニタリングを実施するなどの変更が加えられている。
また、必要電力量は107.9メガワット時、生産する電力量は76.4メガワット時。自給率は32.2%。
エネルギーの流れも変化。ソーラーパネルを増やしたことで、太陽光発電の発電量が136.8メガ
ワット時に増加。これに合わせ、19.5メガワット時を蓄える蓄電池を設置。
シナリオ2の場合、初期投資がかなり大きくなるため、その後の省エネ効果があっても、投資の回
収には16.5年ほどかかる見込み。
シナリオ3は、できるだけ自給率を高めることを目指したもので、小型のコジェネレーションシス
テムも導入することで、発電をカバー。コジェネレーションシステムは熱電併給とも訳されるよう
に、発電時の廃熱を冷暖房に生かしてエネルギー効率を高めている。
オランダ政府はパリ合意のもと、2050年までに二酸化炭素の排出量を80%~95%削減する
と約束しており、その実現には相当な努力が必要となるが、エネルギーを自給自足するマイクログ
リッドを適切に導入することで、インフラ整備にかかる支出を抑えることが可能となると期待して
いる。
いや、欧州の動きははやい。工夫次第では2050年ではなく2030年のRE100は,実現可能だとも思える
がいかに。
ボブ・ウッドワード氏が手掛けたトランプ米政権の内幕に迫った新著『FEAR:Trump in the White
House(原題)』)の発行部数が発売前に100万部に達したという。尚、トランプ氏に米連邦捜査局
(FBI)の長官職を解かれたジェームズ・コミー氏の『より高き忠誠 A Higher Loyalty 真実と嘘と
リーダーシップ』が5位に、マイケル・ウォルフ氏の『炎と怒り トランプ政権の内幕』が1位に
入っている。吉本隆明が嘗て高度消費資本主義社会と言った前社会主義社会、言い換えれば”勝手
気まま(=恣意的自由)拡大社会は、連載中の老子が言った”無用の用”である"フェイクビジネス"
を生み、既存ビジネスを巻き込み拡大膨張しているかのようだが、刻一刻近づくスーパセル・ハリ
ケーン”フローレンス”のような”反動リスク”に苛まれるのではと危惧する。
今年の夏の異常さ、地震と豪雨に猛暑と、二人とも秋バテで体調を崩し、落ち込み弱音の連続。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます