彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-
【季語と短歌:11月26日】
寒風に咲くローズマリー愛おしや 高山 宇 (赤鬼)
✳️ 波長可変半導体レーザー吸収分光法を用いた水素ガス定量計測
【要約】ガスセンサーは、さまざまな業界の安全、品質管理、環境保全に
不可欠。波長可変半導体レーザー吸収分光法(TDLAS)は、その高い感度と
選択性により、ガス分析に広く使用されているが、赤外領域のTDLASを用
いて低濃度の水素ガスを定量することは、近赤外領域の他のガスに比べて
吸収が低いため、困難であることが証明されています。本研究では、異なる
圧力での吸収スペクトルの解析と高圧ガスセルの採用により、精密な水素
ガス測定のための革新的方法を紹介。これらの手法をキャリブレーション
フリーの手法に適用することで、レーザーダイオードのガス検出限界を大
きくし、波長ロックを安定させるための最適な測定条件を実現できる。そ
の結果、0.01%から100%の広い検出範囲で、水素ガス濃度とセンサ応答の
線形関係が達成されます。最適な測定条件下では、TDLASシステムの安定
性は、積分時間が1秒と30秒の場合、それぞれ0.2866%と0.0055%の最小
検出限界で実証する。
図1. 式(9)から計算されたパラメータxの変化時のk2(緑線)とk2/x(青線
の関係。
図 2. HITRAN2020 データベースのデフォルトの空気広がりパラメータを
使用した、1900 ~ 3000 nm の帯域内での 2121.8 nm での H2 吸光度の
HITRAN シミュレーション (サブ図に表示)。メイン図には、2121.6 ~ 2122
nm の波長での H2、CO2、CH4、および H2S 吸光度の同じシミュレーシ
ョンをプロット。
図3. TDLAS システムを使用して低濃度の H2 検出を最適化するための実験
構成。DFB-LD: 分布帰還型レーザーダイオード、L: レンズ、BS: ビームスプ
リッター、M: ミラー、HMPC: ヘリオットマルチパスセル、HPC: 高圧セル、
PD: フォトダイオード、FG: ファンクションジェネレーター、LiA: ロックイ
ンアンプ。
【関連論文】
・Title:Optimization for hydrogen gas quantitative measurement
using tunable diode laser absorption sectroscopy
・Paper:Optics & Laser Technology
・Received 3 May 2024, Revised 27 June 2024, Accepted 10 July
2024, Available online 13 August 2024, Version of Record 13
August 2024.
・https://doi.org/10.1016/j.optlastec.2024.111587
✳️ おからパウダーは大さじ2杯でレタス1個分の食物繊維
おからが世界の主食になりそうだ。(そりゃ、そうだろう)ご承知のごと
く、選別した大豆を浸漬した後、加水しながら磨砕して加熱し、これを濾
して豆乳を取った時に残ったもの(豆腐粕)をさす。江戸時代には豆腐が
庶民にも普及し、料理本におからの調理法が記され、一般的に炒り煮や蒸
し料理、汁物の材料として利用。「おから」は絞りかすの意味。茶殻の「
がら」などと同源の「から」に丁寧語の「御」をつけたもので、女房言葉
のひとつ。また、トウモロコシ、オーツ麦、小麦、大麦、米などの穀物を
押しつぶして薄い破片(フレーク)にする、パフ状にする(膨化させる)
混ぜ合わせてシート状にしてから砕くなどの加熱調理で食べやすく加工し
長期保存に適した形状にした簡便食の「シリアル食品」への応用研究もな
されており、廃棄物でなく近年は多様な研究がなされている。(Wikipedia)
日本乾燥おから協会は2019年度生産量は2817トン。パン屋を営むラパンは
自社で廃棄されるパンだけでなく、ほかの食品から出る廃棄にも目を向け
る。同社は2020年、おからパウダーを原材料にした食品ブランド「OKAR
ADA」(「おから」+「体」)を立ち上げた。「おからは日本古来のスー
パーフード。おからは豆腐製造時に発生する副産物であるが、その一部は
廃棄されている」(久保副社長)という。同社では、廃棄されるおからを
乾燥させたおからパウダーを活用して、エナジーバー「ファイバーバー」
(以下、おからバー)を製造している。同社によると、おからパウダーの
栄養成分の50.1%は食物繊維、22.4%は大豆たんぱく質が占め、栄養価が
高い。また、糖質が6.2%と低いことも特徴。
❤️ 原料を生おからに切り替えることで、CO2排出削減に貢献
おからバーの好評価に手応えを感じているものの、現状に満足しているわ
けではない。同社のおからバーは乾燥おからを原料に使用しているが、「生
おからを乾燥おからにする工程で、水分を多く蒸発させる必要があり、多
くの二酸化炭素(CO2)を排出している」(同副社長)という。日本豆腐
協会によると、生おからは80%程度が水分である。対して、乾燥おからは
水分が10%以下のものが多く、水分を抜いて乾燥させる際に熱エネルギー
を使う。おからバーの原料の生産工程で生じるCO2排出をできるだけ削減す
るため、乾燥おからではなく、生おからから直接おからバーを作れないか
1年間かけて検討を重ね、「オートミールと生おからともちむぎのエナジー
バー」を開発。2024年から販売。しかも、生おからを原料とするだけでな
く、日本のビーガン認証も取得し、グルテンフリーかつ添加物フリーの商品。
アメリカ合衆国向け 農林水産物・食品の輸出額の推移(2012~2022年)
🪄おからパウダーは豆腐や豆乳を作る時に残った大豆の外皮を粉砕したも
の、より粒子が細かくなったものが「微粉」のおからパウダー。おからパ
ウダーは、粒の大きさによって4種類に分類されます(・全粒粉、粗挽き、
微粉、超微粉)、用途は、粗挽きタイプのおからパウダーは、パン粉の代
わりに使ったり、小麦粉のかわりに天ぷらなどの揚げ物の衣に使われる。
ハンバーグなどのつなぎにも使える。一方、微粉タイプのおからパウダー
はお菓子やパン作りに向く。
🪄微粉おからパウダーを更に細かくしたものが「超微粉おからパウダー」
超微粉タイプは微粉タイプのものより更に粒子が細かく分散しやすいので、
スープやコーヒーなどの飲み物に入れたり、ヨーグルトやサラダにかけて
いただくことができる。
https://twitter.com/i/status/1788734210322362511
スパイシーな香りと、クセになる味わいが特徴の日清焼そばの粉末ソース、
通称「神の粉末」。
✨植物由来蛋白のパウダー化は日本の文化の豆腐。さても持続可能可能社
会の中核となれば世界を制すことになるはず。品種改良育成技術、粉
砕技術、乾燥技術もトップランナーである。(抹茶そばが好きですが、
関係ないか)
⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖
リチウム二次電池の安全工学的考察 ⑫
【関連特許技術】
1. 特開2024-135832 二次電池、電池パック及び車両 株式会社東芝
【詳細説明】
【0098】このような化合物としては、例えば、二酸化マンガン(Mn
O2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例
えばLixMn2O4又はLixMnO2;0<x≦1)、リチウムニッケル複
合酸化物(例えばLixNiO2;0<x≦1)、リチウムコバルト複合酸
化物(例えばLixCoO2;0<x≦1)、リチウムニッケルコバルト複合
酸化物(例えばLixNi1-yCoyO2;0<x≦1、0<y<1)、リチウ
ムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-yO2;0<x≦1、0
<y<1)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物
(例えばLixMn2-yNiyO4;0<x≦1、0<y<2)、オリビン構造
を有するリチウムリン酸化物(例えばLixFePO4;0<x≦1、Lix
Fe1-yMnyPO4;0<x≦1、0<y≦1、LixCoPO4;0<x≦1)、
硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、バナジウム酸化物(例えばV2O5)、及び、リ
チウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi1-y-zCoyMnzO2
;0<x≦1、0<y<1、0<z<1、y+z<1)が含まれる。
【0099】上記のうち、正極活物質としてより好ましい化合物の例には、
スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn2O4
;0<x≦1)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2;0
<x≦1)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLixCoO2;0<x≦
1)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLixNi1-yCoyO2;
0<x≦1、0<y<1)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッ
ケル複合酸化物(例えばLixMn2-yNiyO4;0<x≦1、0<y<2)、
リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-yO2;0<
x≦1、0<y<1)、リチウムリン酸鉄(例えばLixFePO4;0<
x≦1)、及び、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi1-y-z
CoyMnzO2;0<x≦1、0<y<1、0<z<1、y+z<1)が含
まれる。これらの化合物を正極活物質に用いると、正極電位を高めることが
できる。
【0100】正極活物質は、例えば、粒子形状であり得る。正極活物質粒
子は、一次粒子の形態であってもよく、一次粒子が凝集した二次粒子の形
態であってもよく、又は一次粒子と二次粒子が混合されていてもよい。
【0101】正極活物質の一次粒径は、100nm以上1μm以下であるこ
とが好ましい。一次粒径が100nm以上の正極活物質は、工業生産上の
取り扱いが容易である。一次粒径が1μm以下の正極活物質は、リチウムイ
オンの固体内拡散をスムーズに進行させることが可能である。
【0102】正極結着剤は、分散された正極活物質の間隙を埋め、また、
正極活物質と正極集電体を結着させるために配合される。正極結着剤は、
先に説明した第1結着剤を含むことができる。正極結着剤は、第1結着剤
以外の他の結着剤を含んでもよい。正極結着剤は、先に説明した第1結着
剤のみからなってもよく、第1結着剤と他の結着剤との混合物であっても
よく、他の結着剤のみからなってもよい。他の結着剤として、前述のフッ
素系樹脂又はアクリル系樹脂を単独で用いてもよい。
【0103】他の結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(polyte-
trafluoro ethylene;PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene
fluoride;PVDF)、フッ素系ゴム、ポリアクリル酸化合物、イミド化
合物、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose;CMC)、
及びCMCの塩が含まれる。これらの1つを正極結着剤として用いてもよ
く、或いは、2つ以上を組み合わせて正極結着剤として用いてもよい。
【0104】導電剤は、集電性能を高め、且つ、正極活物質と正極集電体
との接触抵抗を抑えるために配合される。導電剤の例には、気相成長カー
ボン繊維(Vapor Grown Carbon Fiber;VGCF)、アセチレンブラッ
クなどのカーボンブラック及び黒鉛のような炭素質物が含まれる。これら
の1つを導電剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて導
電剤として用いてもよい。また、導電剤を省略することもできる。
【0105】正極活物質含有層において、正極活物質及び正極結着剤は、
それぞれ、80質量%以上98質量%以下、及び2質量%以上20質量%
以下の割合で配合することが好ましい。
【0106】正極結着剤の量を2質量%以上にすることにより、十分な電
極強度が得られる。また、正極結着剤は、絶縁体として機能し得る。その
ため、正極結着剤の量を20質量%以下にすると、電極に含まれる絶縁体
の量が減るため、内部抵抗を減少できる。
【0107】導電剤を加える場合には、正極活物質、正極結着剤及び導電
剤は、それぞれ、77質量%以上95質量%以下、2質量%以上20質量
%以下、及び3質量%以上15質量%以下の割合で配合することが好まし
い。
【0108】導電剤の量を3質量%以上にすることにより、上述した効果
を発揮することができる。また、導電剤の量を15質量%以下にすること
により、水系電解質と接触する導電剤の割合を低くすることができる。こ
の割合が低いと、高温保存下において、水系電解質の分解を低減すること
ができる。
【0109】正極結着剤が第1結着剤を含む場合、正極結着剤に占める第
1結着剤の割合は、1質量%以上であることが好ましい。正極結着剤中の
第1結着剤の割合は、100質量%であってもよい。なお、第1結着剤の
割合とは、正極結着剤に占めるフッ素系樹脂の割合とアクリル系樹脂の割
合の合計を指す。
【0110】正極は、被膜をさらに含むことが好ましい。被膜の形態は
、特に制限されない。被膜は、正極の表面に形成されていてもよく、正極
活物質含有層の内部に形成されてもよい。被膜は、正極表面に露出し得る。
正極表面は、正極活物質含有層の主面のうち、正極集電体と接していない
側の面を指す。被膜は、例えば、正極活物質粒子表面の少なくとも一部を
被覆する第1結着剤の外側に、形成され得る。被膜は、例えば、正極活
質粒子表面の少なくとも一部を被覆する第1結着剤上に、形成され得る。
被膜は、例えば、正極活物質粒子表面のうち、正極結着剤によって被覆さ
れていない部分を被覆していてもよい。正極が第1結着剤に加えて被膜を
さらに含む場合、正極活物質と水系電解質との接触をさらに抑制できるた
め、副反応を抑制でき、好ましい。
【0111】正極集電体は、アルミニウム箔、又は、Mg、Ti、Zn、
Ni、Cr、Mn、Fe、Cu及びSiから選択される一以上の元素を含
むアルミニウム合金箔であることが好ましい。
【0112】アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の厚さは、5μm以
上20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好
ましい。アルミニウム箔の純度は99質量%以上であることが好ましい。
アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に含まれる鉄、銅、ニッケル、及
びクロムなどの遷移金属の含有量は、1質量%以下であることが好ましい。
【0113】また、正極集電体は、その表面に正極活物質含有層が形成
されていない部分を含むことができる。この部分は、正極集電タブとして
働くことができる。
【0114】正極は、例えば次の方法により作製することができる。まず、
正極活物質、導電剤及び正極結着剤を溶媒に懸濁してスラリーを調製す
る。このスラリーを、正極集電体の片面又は両面に塗布する。次いで、
塗布したスラリーを乾燥させて、正極活物質含有層と正極集電体との積層
体を得る。その後、この積層体にプレスを施す。このようにして、正極を
作製する。
【0115】 或いは、正極は、次の方法により作製してもよい。まず、
正極活物質、導電剤及び正極結着剤を混合して、混合物を得る。次いで
、この混合物をペレット状に成形する。次いで、これらのペレットを正極
集電体上に配置することにより、正極を得ることができる。
【0116】正極が被膜を含む場合、被膜は、例えば、正極に被膜を直接
形成するか、又は水系電解質に被膜前駆体を添加する方法によって形成で
きる。水系電解質に被膜前駆体を添加する場合、例えば、初回充電時に正
極上で被膜前駆体を電気分解することによって被膜を形成できる。この場
合、初回充電電流は1C(時間放電率)未満が好ましく、また温度は25
℃以上が好ましい。
【0117】正極に被膜を直接形成する方法としては、例えば、被膜前駆
体を用い、溶液法、蒸着法又はスプレー法などによって被膜を形成する方
法が挙げられる。被膜前駆体の例としては、負極で説明したのと同様のも
のを挙げることができる。正極に被膜を直接形成する方法に好適な被膜前
駆体としては、シアネート類、硫酸塩類、フッ化リチウム、酸化リチウム
酸化亜鉛及び水酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1つを含む
材料が挙げられる。
【0118】溶液法、蒸着法及びスプレー法は、負極で説明したのと同様
の方法で行うことができる。
【0119】水系電解質に被膜前駆体を添加する方法については、後述する。
【0120】
3)水系電解質
水系電解質は、水系溶媒と電解質塩とを含む。水系溶媒としては、水を
含む溶液を用いることができる。水を含む溶液とは、純水であってもよく、
水と水以外の物質との混合溶液又は混合溶媒であってもよい。
【0121】 水系電解質は、例えば、電解質塩を水系溶媒に溶解すること
により調製される水溶液である。水系電解質は、この水溶液に高分子材料
を複合化したゲル状の水系電解質であってもよい。高分子材料としては、
例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル(P
AN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等を挙げることができる。
【0122】上記水溶液は、溶質である電解質塩1molに対し、水系溶
媒を1mol以上含むことが好ましい。電解質塩1molに対し、水系溶
媒が3.5mol以上であることがより好ましい。
【0123】水系電解質に水が含まれていることは、GC-MS(ガスク
ロマトグラフィー-質量分析;Gas Chromatography - Mass Spectrometry)
測定により確認できる。また、水系電解質中の塩濃度および水含有量の算
出は、例えばICP(誘導結合プラズマ;Inductively Coupled Plasma)
発光分析などで測定することができる。水系電解質を規定量はかり取り、
含まれる塩濃度を算出することで、モル濃度(mol/L)を算出できる。
また水系電解質の比重を測定することで、溶質と溶媒のモル数を算出できる。
【0124】電解質塩の例には、例えば、LiCl、LiBr、LiOH、
Li2SO4、LiNO3、LiN(SO2CF3)2(LiTFSI:リチウ
ムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、LiN(SO2F)2
(LiFSI:リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)、及びLi
B[(OCO)2]2(LiBOB:リチウムビスオキサレートボラート)など
のリチウム塩を含まれる。使用するリチウム塩の種類は、1種類であって
もよく、2種類以上であってもよい。
【0125】水系電解質は、電解質塩として、LiCl又はLiTFSI
を含むことが好ましい。LiClは、安価であり、かつ、電気伝導率が高
いため、電池のコスト面およびレート特性の観点から好ましい。LiTF
SIは、後述するように被膜前駆体として機能することができるため、好
ましい。
【0126】水系電解質のpHは3~14であることが好ましい。この
pHは適宜変更することが可能であり、水素過電圧を高める観点から、ア
ルカリ側であることが好ましいと考えられる。pHがアルカリ側であると、
水素の発生をより抑制することができる。水溶液のpHをアルカリ側に調
整する方法としては、例えばLiOHを添加することが挙げられる。但し、
pHが12を超える場合は、正極集電体の腐食が進行するため好ましくな
い。水溶液のpHは、好ましくは3~14の範囲内にあり、より好ましく
は3~9の範囲内にある。
【0127】水系電解質は、添加剤をさらに含むことができる。
【0128】添加剤の例には、例えば、Zn、Sn及びPbからなる群よ
り選択される少なくとも一つの金属を含む塩、アミド化合物及び有機硫黄
化合物が含まれる。
【0129】Zn、Sn及びPbからなる群より選択される少なくとも一
つの金属を含む塩、アミド化合物及び有機硫黄化合物のそれぞれは、被膜
前駆体であり得る。
【0130】Zn、Sn及びPbからなる群より選択される少なくとも一
つの金属を含む塩の例には、例えば、ZnCl2、SnCl2及びPbCl2
を挙げることができる。塩の種類は、1種又は2種以上にすることができ
る。上記の塩は、水系電解質中に溶解していてもよく、又は懸濁していて
もよい。
【0131】水系電解質がZn、Sn及びPbからなる群より選択され
少なくとも一つの金属を含む塩を含有する場合、電極に、Zn、Sn又は
Pbを含む金属、金属酸化物又は金属水酸化物が形成され得る。金属は、
例えば、水系電解質に含有される上記塩由来の金属イオンが、還元される
ことによって析出した金属の単体であり得る。金属酸化物は、例えば、析
出した金属が酸化されて生じ得る。
【0132】Zn、Sn又はPbを含む金属又は金属酸化物の例としては、
例えば、金属亜鉛、金属スズ、金属鉛、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛が含まれ
る。すなわち、水系電解質がZn、Sn及びPbからなる群より選択され
る少なくとも一つの金属を含む塩を含有する場合、電極に被膜が形成され
得る。したがって、サイクル寿命性能の向上に寄与する。
【0133】アミド化合物の例としては、例えば、尿素、メチル尿素、エ
チル尿素及びアセトアミド、N-メチルアセトアミド、トリフルオロアセ
トアミドなどが挙げられる。アミド化合物の種類は、1種又は2種以上を
用いることができる。
【0134】有機硫黄化合物の例としては、例えば、ジメチルスルホンを
挙げることができる。
【0135】水系電解質がアミド化合物又は有機硫黄化合物を含む場合、
水系電解質に含まれるリチウム塩により、アミド化合物及び有機硫黄化
合物の融点降下が起こり得る。よって、アミド化合物及び有機硫黄化合物
は、水系電解質中においては、常温で液体の状態であり得る。したがって、
アミド化合物及び有機硫黄化合物からなる群より選択される少なくとも1
つを含む水系電解質は、アミド化合物及び有機硫黄化合物のいずれも含ま
ない水系電解質と比較して、水系電解質中の液体成分に占める水の割合が
少なくなり得る。したがって、活物質と水の接触を抑制できる結果、水の
電気分解を抑制できる。
【0136】また、アミド化合物及び有機硫黄化合物は、それ自体が電
池内において電気分解され得る。アミド化合物が電気分解されると、シア
ネート類が電極に形成され得る。有機硫黄化合物が電気分解されると、硫
酸塩類が電極に形成され得る。すなわち、電極に、先に説明した被膜が形
成され得る。したがって、水系電解質がアミド化合物及び有機硫黄化合物
からなる群より選択される少なくとも1つを含む場合、電極における水の
電気分解を抑制しつつ、抵抗を低く保つことができる。
【0137】硫酸塩類を含む被膜は、添加剤の添加以外にも、硫黄原子を
含有する電解質塩の分解によっても形成され得る。硫黄原子を含有する電
解質塩の例としては、例えば、Li2SO4、LiN(SO2CF3)2(Li
TFSI:リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)及び
LiN(SO2F)2(LiFSI:リチウムビス(フルオロスルホニル)
イミド)が挙げられる。そのため、硫黄原子を含有する電解質塩は、被膜
前駆体として機能し得る。水系電解質は、硫黄原子を含有する電解質塩に
加えて、アミド化合物をさらに含むことが好ましい。上記のような構成の
水系電解質は、硫酸塩類とシアネート類の両方を含む被膜を形成しやすい。こ
のような被膜は、安定性と低抵抗を両立可能であるため、好ましい。
【0138】
【0139】水系電解質が被膜前駆体を含む場合、電極への被膜の形成は、
例えば、初回充電時に電極上で被膜前駆体を電気分解することによって行
うことができる。この場合、初回充電電流は1C(時間放電率)未満が好ま
しく、また温度は25℃以上が好ましい。
【0140】
4)セパレータ
セパレータは、例えば、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリプロ
ピレン(polypropylene;PP)、セルロース、若しくはポリフッ化ビニリ
デン(polyvinylidene fluoride;PVDF)を含む多孔質フィルム、又は
合成樹脂製不織布から形成される。安全性の観点からは、ポリエチレン又
はポリプロピレンから形成された多孔質フィルムを用いることが好ましい。
これらの多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流を遮断するこ
とが可能なためである。
【0141】また、セパレータとして、無機固体粒子を少なくとも含む膜、
無機固体粒子の凝集体または焼結体、無機固体粒子と高分子材料とを含む
膜、例えば、無機固体粒子と高分子材料との複合膜、或いはイオン交換膜
を使用することもできる。無機固体粒子は、例えば、固体電解質の粒子で
あり得、上記膜は固体電解質膜であり得る。固体電解質膜は、例えば、固
体電解質粒子を高分子材料を用いて膜状に成形した固体電解質複合膜であ
り得る。
【0142】無機機固体粒子として、例えば、アルミナなどのセラミック
ス、無機固体電解質の粒子を挙げることができる。無機固体電解質は、Li
イオン伝導性を有する固体物質である。ここでいうLiイオン伝導性を有
するとは、25℃で1×10-6 S/cm以上のリチウムイオン伝導度を示す
ことを指す。無機固体電解質としては、例えば、酸化物系固体電解質、又
は硫化物系固体電解質を挙げることができる。無機固体電解質の具体例は、
下記のとおりである。
【0143】酸化物系固体電解質としては、NASICON(Sodium (Na)
Super Ionic Conductor)型構造を有し、一般式Li1+xMα2(PO4)3で表
されるリチウムリン酸固体電解質を用いることが好ましい。上記一般式中
のMαは、例えば、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ストロンチ
ウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)
、及びカルシウム(Ca)からなる群より選択される1以上である。添字
xは、0≦x≦2の範囲内にある。
【0144】 NASICON型構造を有するリチウムリン酸固体電解質の
具体例としては、Li1+xAlxTi2-x(PO4)3で表され0.1≦x≦0.5
であるLATP化合物;Li1+xAlyMβ2-y(PO4)3で表されMβはTi,
Ge,Sr,Zr,Sn,及びCaからなる群より選択される1以上であ
り0≦x≦1及び0≦y≦1である化合物;Li1+xAlxGe2-x(PO4)3で
表され0≦x≦2である化合物;及び、Li1+xAlxZr2-x(PO4)3で表さ
れ0≦x≦2である化合物;Li1+x+yAlxMγ2-xSiyP3-yO12で表され
MγはTi及びGeからなる群より選択される1以上であり0<x≦2、0
≦y<3である化合物;Li1+2xZr1-xCax(PO4)3で表され0≦x<1
である化合物を挙げることができる。
【0145】また、酸化物系固体電解質としては、上記リチウムリン酸固
体電解質の他にも、LixPOyNzで表され2.6≦x≦3.5、1.9≦y
≦3.8、及び0.1≦z≦1.3であるアモルファス状のLIPON化合
物(例えば、Li2.9PO3.3N0.46);ガーネット型構造のLa5+xAxLa3-x
Mδ2O12で表されAはCa,Sr,及びBaからなる群より選択される1以上
でMδはNb及びTaからなる群より選択される1以上であり0≦x≦0.5
である化合物;Li3Mδ2-xL2O12で表されMδはNb及びTaからなる群
より選択される1以上でありLはZrを含み得0≦x≦0.5である化合物;
Li7-3xAlxLa3Zr3O12で表され0≦x≦0.5である化合物;Li5+x
La3Mδ2-xZrxO12で表されMδはNb及びTaから成る群より選択され
る1以上であり0≦x≦2であるLLZ化合物(例えば、Li7La3Zr2
O12);及びペロブスカイト型構造を有しLa2/3-xLixTiO3で表され
0.3≦x≦0.7である化合物が挙げられる。
【0146】無機固体粒子は、単一の種類のものを用いてもよく、複数種
類を混合して用いてもよい。
【0147】高分子材料は、単一のモノマーユニットからなる重合体(ポ
リマー)、複数のモノマーユニットからなる共重合体(コポリマー)、又
はこれらの混合物であり得る。高分子材料は、酸素(O)、硫黄(S)、
窒素(N)、及びフッ素(F)からなる群より選択される1以上を含む官
能基を有する炭化水素で構成されるモノマーユニットを含んでいることが
好ましい。高分子材料としては、単一の種類のものを用いてもよく、複数
種類を混合して用いてもよい。
【0148】セパレータは、無機固体粒子及び高分子材料の他に、可塑剤
や電解質塩を含んでも良い。例えば、セパレータが電解質塩を含むと、セ
パレータのイオン伝導性をより高めることができる。
【0149】 セパレータは、例えば、各々が正極と負極との間に配置され
た複数のセパレータであり得る。或いは、セパレータは、九十九折にされ
た一枚のセパレータであり得る。後者の場合、セパレータを折り返すこと
で出来る空間に正極と負極とが交互に配置される。
【0150】
5)外装部材
外装部材としては、例えば、ラミネートフィルムからなる容器、又は金属
製容器を用いることができる。
【0151】 ラミネートフィルムの厚さは、例えば、0.5mm以下であ
り、好ましくは、0.2mm以下である。
【0152】ラミネートフィルムとしては、複数の樹脂層とこれらの樹脂
層間に介在した金属層とを含む多層フィルムが用いられる。樹脂層は、例
えば、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、ポリエチレン(polye-
thylene;PE)、ナイロン、及びポリエチレンテレフタレート(polyethy-
lene terephthalate;PET)等の高分子材料を含んでいる。金属層は、
軽量化のためにアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔からなることが好
ましい。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行うことにより、
外装部材の形状に成形され得る。
【0153】金属製容器の壁の厚さは、例えば、1mm以下であり、より
好ましくは0.5mm以下であり、更に好ましくは、0.2mm以下である。
【0154】金属製容器は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金
等から作られる。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、及びケイ素
等の元素を含むことが好ましい。アルミニウム合金は、鉄、銅、ニッケル、
及びクロム等の遷移金属を含む場合、その含有量は100質量ppm以下
であることが好ましい。
【0155】 外装部材の形状は、特に限定されない。外装部材の形状は、
例えば、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、又はボタン型等であ
ってもよい。外装部材は、電池寸法や電池の用途に応じて適宜選択するこ
とができる。
【0156】係る二次電池は、副反応を抑制できるため、副反応によるガ
ス発生が低減できる。そのため、外装部材の形状は、密閉式、半密閉式又
は開放式であってもよい。外部からの水の侵入を防止する観点からは、外
装部材は、密閉式であることが好ましい。
この項つづく
懐かしの晩秋期の楽曲
『東京ららばい』中原理恵 1978年
作詞:松本隆 作曲:筒美京平
人間の未来 AIの未来 講談社(2018/02発売)
まえがきにかえて 羽生善治から山中伸弥さんへ
第1章 iPS細胞の最前線で何が起こっていますか?
第2章 なぜ棋士は人工知能に負けたのでしょうか?
第3章 人間は将来、AIに支配されるでしょうか?
第4章 先端医療がすべての病気に勝つ日は来ますか?
第5章 人間にできるけどAIにできないことは何ですか?
第6章 新しいアイデアはどこから生まれるのでしょうか?
第7章 どうすれば日本は人材大国になれるでしょうか?
第8章 十年後、百年後、この世界はどうなっていると思いますか?
あとがきにかえて 山中伸弥から羽生善治さんへ
---------------------------------------------------------------------------
人間の未来AIの未来』連載第5回
✳️ 誰もが「外付けの知能」を持っ時代とは
誰もがスマホを持ち、意味外付けの知能を持っている。それを踏まえ、私
たち人間の「知能」とか「知性」を再定義しなければならなくなる。つま
り「高い知能を持っているのは人間だけ」との前提が崩れた。AIのIQが、
3千とか1万になると言われている。「この分野でAIは人間以上のことがで
きる」。「では人間の持つ『高い知能』の知能は、お祓い箱なのか」と。
人間には「実現はできるんだけれど説明できない」とか、「実際に思って
いることや感じていることでも、すべてを言葉で表現することはできない」
ことが残るが、「AIという比較対象を得たことで、”知能とはこういうもの
だったのか”と人間の知能の本質にアプローチできる可能性が出てきた。」
「AIと人間が協力し合う世界では、どういう可能性が生まれるかが問われ
ている」「SF映画の『マイノリティ・リポート』を思い出し、AIが”殺人を
犯す”と予知した人間を事前に逮捕するという、ある意味とんでもない近未
来社会が描かれている。」と羽生氏は言う。
✳️ AIがもたらす「ブラックボックス問題」
それも荒唐無稽と笑っていらえない、現在のAIは民間企業が開発している
ので、ある時期まで基本的に開発プランは公開されず、あるとき、「こん
なものができました」と世の中に発表する状況では、AIの開発について、
社会が新しい規準や新しい倫理をつくるといっても、現実のほうに先を越
されて後手に回ってしまう。その規準や倫理を誰が、どこで、どういう形
で決めるのか、その枠組みすらできていない段階では、極めて漠然とした
話になるのではと言う。
● 今日の言葉:紅葉が磯焦る彦根玄宮園・湖東三山西明寺
紅葉見学に出かけるも紅葉は磯焦状態。ジワリと破滅の影濃くなる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます